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■桜色の日々・男の子をやめた頃(2)

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私はメモして、その日の午後の講義が終わった後、出かけて行った。
 
早速英語のテキストを渡され、金崎さんとそのお父さんの教頭先生の前で即興で講義をした。設問のところは生徒にやってもらうと称して金崎さんに当てた。「おっ」とか言いながらも、生徒役を無難にしてくれた。
 
「Everyone are running to the school」と金崎さんが答える。
「よく出来ました、と言いたいところですが惜しい。Everyoneは単数扱いなので Everyone is running to the school. とします。Everyoneというから沢山いそうなのだけど、たくさんいるそのひとりひとりに注目して言う表現なので単数なんですね」と訂正する。
 
30分ほど講義をしたところで「そのくらいでOKです」と教頭先生から言われる。 
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「さすが◇◇大生ですね。頭の回転が物凄く速い。それに英語の発音がきれい」
「そのあたりは大学受験の時に鍛えられたので」
「高校どこですか?」
「**N高です」
「毎年東大に6〜7人入ってるよね?」
「よくご存じですね。私の年には9人合格しました」
「おお、凄い!」
 
授業をする時のセンスがいいので採用すると言われた。
 
「今回やってもらいたい講座は合宿コースでね。4月29日から5月8日まで10日間、草津温泉に泊まり込みでやるんですよ」「それはまた凄い合宿ですね」
「難関進学校を目指している生徒向けの講座なんです。5月2日と6日は一応平日なのですが・・・」「あ、私の方は大丈夫です」
 
「一応報酬は1日2万4千円で、勤務時間は休憩2時間を入れて朝7時半から夜9時半までですが、初日は午後から、最終日は午前中で終わりなので実質9日間ということで21万6千円の報酬になります。時給2000円ですね」「分かりました」
「それとこれは残業として付けるのが困難なのですが、時間外にも生徒から質問などされた時は対応して欲しいのですが」「それは全然問題ありません」
「宿泊は個室を用意します。食事代は塾持ちです」
「ありがとうございます」
 
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金崎さん自身も講師として参加するということで、心強いと思った。
 
「そうそう。うちは講義中、服装もしっかりしようということで、生徒にはそれぞれの学校の制服を着てくるように言ってあるので、教師の方もジーパンとかじゃなくて、スーツを着るように言ってあるのですが、吉岡先生はスーツはお持ちですか?」「あ、いえ持ってません。買った方がいいでしょうか?」
 
私はイースターのイベントのバイト代4万がまだ手つかずだったのでそれで、スーツ1着くらいは買えるかな?と算段をした。
 
「あ、じゃ私のを貸すよ」と金崎さん。
「ウェストいくつだっけ?」
「64です」
「じゃ、私の古い服が入るな。私今69になっちゃったけど、64だった頃の服がまだとってあるのよね。未練で。それ4〜5着持って行くから、ローテーションで着るといいよ」「わあ。ありがとうございます」
 
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スーツが4〜5着も必要なら、買ってたらそれで今回のバイト代が吹き飛ぶ所だったと思ったが、しかし金崎さんが貸してくれるということは・・・・やはり女物だよね? やはり、私って女子ということになってるのね。
 
「今回の合宿は男女分離方式なんですよ。合宿って、勉強に集中するのにもいいけど、特殊な心理状態になるから、恋愛も発生しやすいんですよね。それで男子の参加者と女子の参加者を別のホテルに分離していまして。まあ、ホテルの外に出た時に偶然遭遇して恋が芽生えるようなケースまでは制御できませんけど。それで、女子の講習の方はできるだけ女性の講師で、男子の講習の方はできるだけ男性の講師で固めるようにしたので、なおさら人手が足りなくて」などと教頭先生が言う。
 
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これはとても自分は男ですとは、言い出せなくなったなと私は思った。 

当日は教頭先生の車で拾ってもらった。後部座席に私と金崎さんが乗る。金崎さんが「お父さん、後部座席見ないでよね〜」と声を掛けて、私は車内で桜色のスカート・スーツに着替えた。
 
「わあ、私、この色大好きなんですよ」
「それは良かった」
 
下着は昨年レストランでバイトしていた時に使っていた女物の下着を、押し入れの奥にしまっていたのを出してきて、身に付けてきた。3ヶ月ぶりにブラをすると、ちょっと新鮮な気分だ。やはり女の子ライフもいいよなあ。ゴールデンウィーク明けたら、女の子に戻っちゃおうかなと心が揺れる。
 
私たちは現地まで行く間、後部座席でたくさん会話をして、すっかり打ち解けてしまった。「伸子さん」「晴音(はるね)ちゃん」と名前で呼び合うようになった。
 
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「へー。テレホン・オペレータとかもしてたんですか?」
「うん。私けっこう可愛い声が出せるのよ。こんな感じで」
「わあ、伸子さん、可愛い!」
「晴音ちゃんも、何通りか声出してるよね」
「えっと、今出してるのが割と地声っぽいですけど、えっとこんな感じにすると少し可愛いかな」「あ、可愛い、可愛い。それで講義やりなよ」
 
「そうですね。でもテレホン・オペレータって、通販とかのですか?」
「あれこれやったなあ。通販もやったし、コンサートの電話予約とか、放送局の視聴者参加番組の受付とか、携帯電話会社の苦情係とか、あと面白かったのが出会い系のサクラね」「え〜!?」
「女子大生になりきって、いろんな男性と話ができて、あれはあれで面白かった。当時もう30歳過ぎてたんだけどね。この声で話すと、当時は充分女子大生で通用したのよね」「今でも通用しますよ!」
「あれは効率良かったんだけどね。その会社潰れちゃったからなあ」
「へー」
「ああいうの、個人経営が多いからどうしても経営が不安定なんだよね」
 
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この合宿では、私は中学1〜2年生クラスの英語と数学を担当することになった。ずらっと教室に女子中学生が並んでいて、女子校の気分である。私はテキストに沿って、授業を進めていった。途中で生徒のひとりが
「Ms Yoshioka, I have a question」
と言って立ち上がる。発音のきれいな子だ。
英語で質問してきたので、こちらも英語で答えた。
「Thank you, ma'am」
「You are welcome. But I can't believe you haven't known such a thing. You seem to be much excellent in English」「Thank you for the praise」
 
ここで日本語的な発想で「Not really」とか「That's not」と言うのではなく英語的な発想で褒められたのだからとちゃんと褒められたことへの御礼を言ったことで、私はこの子はかなり出来る子だと踏んだ。たぶん、こちらの力量を計るのにわざと質問をしたのであろう。これはなかなか真剣勝負だぞと思わされた。 
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その後は比較的スムーズに行き、途中ほんとに微妙な部分への質問が(日本語で)飛んできたので、日本語で解説する。そうして最初の授業は終わったが、「That's all for this period. See you.」と言って教室を出たら、数人の生徒が追いかけてきた。
 
「Ms Yoshioka, are you a university student?」
「Yes」
「Which university do you belong to?」
「◇◇◇◇ university」
「Oh Great!」
 
「Do you have a boy friend?」
「No」
「What is your birthday?」
「May 10」
「Taurus?」
「Yes」
「What is your blood type?」
「AB」
 
しばし数人の女生徒と英語で会話をしたが、かなり個人的なことを聞かれたような感じもあった。しかし生徒たちには結構気に入ってもらえたかな?という気はした。
 
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その日最後の授業を終えて職員室に戻り、終礼をして報告書を書いてから自室に戻ろうとしていたら、生徒数人に声を掛けられた。
「あ、吉岡先生、お風呂一緒に行きませんか?」
「うん、いいよ。じゃ着替えとか持ってくるね」
「じゃ、ロピーで待ってますから」
 
私は急いで自室に戻ると着替えとお風呂セットを取り、アソコの処理をしてから、1階のロビーに降りた。生徒たちと合流して談笑しながら大浴場に向かう。合宿に参加している生徒でこのホテルにいるのは女子ばかりで、講師も大半が女性だが、一般の泊まり客もいるので、男性客もけっこう歩いている。私は生徒たちと一緒に女湯の暖簾をくぐった。
 
女湯に入るの久しぶりだなあと思った。ここ1年ほど男性として生活していたが自分の身体では男湯には入れない。ほんとに男に戻るのならバストの縮小手術とかをする必要があるが、様々な犠牲の上にせっかく入手したバストを取る決断はできずにいた。そして最近、やはり女としての生活の方に戻ろうかという気もしてきている。
 
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女生徒たちと一緒にワイワイ話しながら服を脱いでいく。スーツの下はブラウス。ワゴンセールで1枚1000円のを3枚買ってきたので洗濯して回す必要がある。それを脱ぐとスリップ。この肌触りは女物の下着って捨てがたいと思わせる魅力を持っているが、生徒たちはスリップを着けずにブラウスの下はもうブラジャーという子がほとんどのようである。ストッキングを脱ぐ。レストランでバイトしていた時のストックが3枚あったが、新たに100円ショップで3枚仕入れてきた。伝線が避けられないからどうしてもたくさん用意しておく必要がある。スリップを脱ぐとブラジャーとショーツというスタイルになる。
 
「先生、おっぱい小さーい」などと生徒から言われた。
「まだ成長期なのよ。これから大きくなるの」と笑顔で答えた。
 
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私は小学6年の夏から中学2年の頃まではまじめに女性ホルモンを飲んでいたのだが、中3の時に去勢した後は、分量を減らして飲んでいたので、その時期以降あまりバストが成長していない。特にここ1年ほどは男装生活していたのでホルモンを飲むのを週に1度くらいまで減らしていたし(完全にやめるとホルモン・ニュートラルになるので、それはさすがに避けていた)、エストロゲンだけにしてプロゲステロンは飲むのを中断していた。そのため、この1年はバストは全く成長していない。
 
私はプラを外し、ショーツも脱いで完全に裸になった。タオルとブラシを持ち、生徒たちと一緒に、おしゃべりしながら浴室に入った。
 
この時期、私はあそこをいわゆる潜望鏡式で隠していた。その年の夏に覚えるふつうのタックの方法と違って、この方式ではそのままおしっこをすることができない。そのため、ふだんは開放していて、必要な時の直前に処理する必要があった。ただ、私がやっていた方式は陰毛を剃る必要がないので繁みの中に全体が隠れる利点はある。またこの頃は潜望鏡方式の発展系で、陰嚢の皮を利用して割れ目があるように見える小細工もしていた。棒の方は排尿の問題があるから、必要な時の直前にやるが、皮の方は今朝やってきていて、これは10日間放置の予定である。接着剤で留めるから、あまり留めたり外したりというのを高頻度にはしたくない。
 
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身体を洗ってから浴室に入り、またまた生徒たちとたくさんおしゃべりをした。 
「先生、高校はどうやって選んだんですか?」
「家からいちばん近い所にした。歩いて通学できたのよね〜」
「そんなのあり?」とひとりの生徒。
「ありじゃない?」と別の生徒。
 
「ただ、問題はそのいちばん近い高校が、県内でも随一の進学校でレベルが高かったから、高校入試に向けてかなり勉強したよ」「わあ、どのくらい勉強してました?」
「だいたい夜1時くらいまでかな」
「凄い。それで朝は何時に起きるんですか?」
「中学生の頃は6時。起きてから朝御飯作って、ラジオの英語講座聞きながら朝御飯食べて、食器を片付けて7時半に家を出てたよ」「わあ、ちゃんとお手伝いもするんだ」
 
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「高校になると朝の補習っていうか、0時限目と言ってたんだけどね、それを受けるのに6時半に家を出ていたから5時起きになったね」「それでも朝御飯作るんですか?」
「うん。高校の時はお弁当も自分で作ってたよ。女の子なら、そこまでちゃんとやりなさい。嫌なら女の子やめなさいって言われてたし」「私、女の子やめたいかも」
 
「夕方も7時限目まで授業受けて帰ってから、晩御飯を作る。一応晩御飯の材料はお母さんが買っておいてくれたんだけどね。作るのは私の担当」「凄い。でもそしたらお料理は得意ですね?」
「うん。いつでもお嫁に行ける自信はあるよ。相手がいないのが問題だけどね」
 
などと言いながら、自分はお嫁さんに行くのだろうか?それともお嫁さんをもらうのだろうか?と少し疑問を感じた。
 
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生徒の方は講義が朝8時から夜9時まで、お昼と晩の食事休憩をのぞいて11時間(英語2 数学2 国語2 理科2 社会2 模試1)なのだが、講師の方は朝7時半から朝礼をやって、夜は終礼が9時半まであり、昼食・夕食の休憩をのぞいて12時間勤務だが、実際の講習は、中1〜2年のクラス2つ(学力別に2クラス編成)の英語2時間、数学2時間、それに隣のホテルでやっている男子の方の講習でやはり中1〜2年のクラスの英語2時間で合計6時間であった。残りの時間は「疲れたら寝ていてもいいです。むしろ疲労のたまった顔で講義をしてもらっては困るので」とは言われたが、講義の予習やテストの採点などでほとんどの時間を費やした。その日やる講義の内容に自分でも分からない場所が万が一にもあってはいけないので、しっかりと内容を吟味していた。
 
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そのお陰か生徒の評価も良かったようで「吉岡先生、夏休みにもまたお願いしますよ」などと言われた。ああ、将来塾の先生なんてのもいいかな、という気もする。一応高校の教師の免許は取るつもりで、1年の時からそれ用の講義もちゃんと受講していた。ただ、学校の先生だと自分のような者は排除されそうな気もする。しかし塾の先生なら性別に関して比較的緩いのではないかという期待もあった。
 

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