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■桜色の日々・小6編(4)

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御飯の後はいったん部屋に引き上げたが、お風呂に行こうということになる。みんなと一緒に出て大浴場の方へ歩いて行った。
 
「ハルも女湯に入るよね?」
「まさか!男湯に入るよ」
「なんでー?」
「なんでと言われても」
「女湯に入ればいいのにね」
「ハル、今日は女の子下着つけてるでしょ?男湯に入ってもいいの?」
「下着の問題は平気。ふだん、男の子下着つけて女子と一緒に着換えてるし」
「そういえばそうだ」
「なんか話が違うような気もするけど」
 
などとやりとりはしたものの、おしゃべりしながら歩いていて、私はふと忘れ物に気付いた。
「ごめーん。ヘアブラシ忘れてきたから取ってくる」
「ヘアブラシくらい、私の貸そうか?」と令子。
「でも男湯から女湯に借りに行けないもん」
「不便ね」
「だから女湯に来ればいいのに」
 
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などとは言われたものの、みんなと別れて部屋に取りに戻った。
荷物からヘアブラシと、一緒に入っていた髪を早く乾かすのに使うスーパー吸水タオルを取り出し、また大浴場の方に行く。途中で環と美奈代に会ったので、おしゃべりしながら浴場の方へ行き、入口のところで「じゃね」と言って私は男湯の方に入ろうとした。が、ガシッと腕を環につかまれた。
 
「ハル、なんでそちらに行くのよ?」と環。
「えー?だって私、男だし」
「嘘つきは良くないよね」と美奈代。
「うん。ハルは女の子でしょ」
「でも身体にちょっと余計なものが付いてるし」
「大した問題じゃないと思うなあ」
「大した問題だよお」
「ともかくも、女の子が男湯に入ってはいけません」
と環は言うと、美奈代とふたりで、私をしっかり掴んだまま、女湯の暖簾をくぐってしまった。ひぇー。
 
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「あれ?どうしたの?」と中にいた同じクラスの女子がこちらに声を掛ける。
 
「ハルがね、女の子の癖に男湯に入ろうとしていたから、こちらに連行してきた」
と環が言うと
「それはいけないね、女の子なのに、男湯に入るなんて痴漢だよ」
「女の子はちゃんと女湯に入ろうね」
などと、その場にいた子たちが言う。
 
女湯はこの時間帯はうちの学校の貸し切り状態に近い感じで、脱衣場にいるのも、みんなうちの学校の生徒だ。
 
「でも、私ちょっと変なのが身体に付いてるから」と私は言うが
「そんなの気にしない気にしない」などとみんな言っている。
「確か、ハルは名簿でもちゃんと女子に入ってたはずだよ」
「だったら、ちゃんと女湯に入るべきだね」
「さあ、一緒に入ろうよ、ハル」
 
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私が困っていると、「あれ?脱がないの?」などと言われる。
 
「だって・・・」
「じゃ、脱ぐの手伝ってあげるね」
「えー?」
「あ、解剖だね!」
「よし、みんなで解剖してあげよう」
「えーん、助けて〜」
などと言ったものの、私はみんなに身体をつかまれて、無理矢理服を脱がされてしまった。
 
「あれ、ちゃんとブラ付けてるんだ」
「女の子だもんね」
「私、まだブラ付けてないのに」
「パンティも女の子パンティだ」
「おちんちん付いてるようには見えないね」
「それはちょっと隠す穿き方してるだけで」
 
「じゃ、もっと解剖していいね」
「ひゃー」
 
更にみんなから脱がされる、ブラを取られ、パンティも脱がされてしまった。
 
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「胸無いねー」
「それは仕方ないよお」
「女性ホルモンが足りないんじゃない?婦人科行って、少し女性ホルモン補充する注射してもらうといいよ」
「うー、それとっても注射されたい気分」
「なんで、お股の所、手で隠してるの?」
「ちょっと、さすがに見せたらまずいものが・・・・」
 
「女の子同士だし、お股見られたっていいじゃん」
「そうだ、そうだ、手をのけよう」
などといって、みんなから手をつかまれてそこを露出させられてしまった。さすがに一瞬みんなの言葉が止まった。
 
数秒間の沈黙の後、環が言う。
「ねえ、これひょっとして、小さくない?」
「うん。小さい。うちの弟のは小さい時でもこの倍くらいあるよ」
「それに私たちに見られても大きくなったりしないね」
 
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などと言っていた時、騒ぎに気付いて浴室の方から、みちるとカオリがこちらにやってきた。
「何の騒ぎ?」と、みちる。
「ああ、みちる。ハルの解剖してたところ」
「あらあら」
「ハルったら、男湯に入ろうとしてたから、拉致って来たのよ」
「なるほど」と言って、みちるは笑っている。
「まあ、せっかく女湯の脱衣場まで来たことだし、このまま女湯に入っちゃったら」
「だよねー」
 
「でもさ、これだけされたら、ふつう、これって大きくなったりしないのかな?」と環。「ああ、それは大きくならないよ。偽物おちんちんだから」とカオリ。
「偽物?」
 
「だって、以前私と令子でハルを解剖してみたことあってさ」
「なんだ。やられたことあるんだ?」
「私たちも、それが大きくならないの不思議に思って触ってみたんだけどね」
「わあ、大胆!」
「私と令子がどんなに触っても、大きくならなかったよ」
「へー」
「令子は『やっぱり。これ偽物おちんちんだ』って言ってた」
「ああ、偽物なのか」
「付いてるように見えるけど、偽物だから、付いてないのと同じ」とカオリ。
 
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「付いてないなら、やっぱりハルって女の子なんだね」
「そうそう」
「じゃ、女湯に入るの決定。さ、ハル、浴室行くよ」
「えーん」
 

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ということで、私はみんなに連行されて、そのまま女湯の浴室に入った。仕方ないのでこちらも開き直り、あのあたりを洗ってから浴槽に入る。あの付近はお股にはさんで隠しておいた。
 
「あれ、こちらに入ってきたんだ?」といって好美や令子も近づいてくる。
「拉致られてきた」
「だって男湯に入ろうとしてたんだもん。女の子が男湯に入っちゃいけないよね」と環。「ほんとね」と令子は笑っている。
 
「あれ?おちんちん、取っちゃった?」と好美が浴槽の中の私の身体を見ながら言った。
「お股にはさんで隠してるよ」
「取っちゃえばいいのに」
「うーん。そのうち考える」
 
「何なら切り落としてあげようか?」
「今、切っちゃえばセーラー服着て、中学行けるよ」
「うーん。とってもセーラー服着たい」
 
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などといった過激な会話もしたが、私たちは浴槽の中で普通のおしゃべりもたくさんした。話は盛り上がって、私はこの時は女湯に来て良かったなあと思っていた。
 
話が盛り上がりすぎて、1時間ほどすると、ぼつぼつと一般のお客さんたちもお風呂に入ってきた。そして、うちの生徒も少しずつあがっていく。私は会話が楽しくて、つい長湯してしまったが、ふと気付くと、私と好美と令子の3人以外は、みんな一般客になってしまっていた。
 
「なんかこれ・・・・あがりにくい感じ」
「脱衣場まで、ガードしてあげようか?」
「でも脱衣場で服を着るまでの間にあのあたりを見られると」
「騒ぎになるだろうね」
「私、少しお客さんが少なくなるまで、このまま入ってるよ」
「のぼせない?」
「水を汲んできてくれる?」
「OK」と言って、令子がコップに水を汲んできてくれたので、それを飲む。
 
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「今7時半だし、たぶんいちばん人が多い時間帯じゃないかな。30分もしたら人が少なくなるだろうから、それからあがるよ」
「そう?じゃ頑張ってね」
 
と言って、好美と令子も上がっていった。
 

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私はそのまま、あそこをお股にはさんで隠してまま、ずっと浴槽に入っていたが、ひとりで入っていると、けっこう一般のお客さん、特におばあさんたちに声を掛けられた。
 
「あら、あなた小学生?」
「はい。修学旅行で来たんです」
「どちらから来たの?」
「島根県です」
「あら、あちらはいい温泉多いわよね」
 
などという感じで、私はおばあさんたちとも結構会話がはずんでしまった。私は30分もいれば人が少なくなるかと思っていたのだが、むしろ人は増えてくる感じだった。さすがにこれはもう限界と思ったので、私は思いきって出ることにした。
 
タマを体内に押し込み、おちんちんもぎゅっと押し込んでその上を指で押さえて隠す。こうすると、押し込んだ付近に縦にすじが出来るので、それが一見割れ目ちゃんに見える。私のおちんちんはどんなに触っても大きくなったりはしないので、指1本で私はそのあたりを隠すことができる。
 
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こちらを見てる人が居なさそうと思うタイミングでさっと浴槽から上がり、浴槽のそばに置いていた桶に掛けていたタオルを取ってお股の付近を隠し、脱衣場に移動した。とにかく見られたら通報だから、けっこう緊張する。浴室備え付けのバスタオルを取り片手で身体を拭きながら(片手は指先であそこを押さえて隠している)自分の脱衣カゴを見つける。充分身体を拭いたところで、まずは新しいパンティを取って穿いた。この時、ふつうにおちんちんは下に向ける。体内に押し込んだ状態はパンティでは押さえきれないので、押さえやすい状態にするのである。取り敢えずパンティを穿くと、ちょっとホッとした。
 

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ブラジャーを付け(ホックは留めきれないので部屋に戻ってから令子に頼もうと思った)、ポロシャツを着たが、ズボンを穿こうとして困惑する。
 
ズボンが無い。。。。
 
代わりにスカートが置いてあり「ハルちゃんへ。スカート貸してあげるね(ハート)」
というメッセージの書かれたメモ用紙が安全ピンで留められていた。この字は環だ!
 
参ったなと思ったが、他に穿くものは無い。仕方ないので、私はスカートを穿いて大浴場を出た。
 
お風呂に2時間入っていたので、さすがにちょっと頭がくらくらする感じもあったが、旅館内のエアコンの入った空気で少し涼みながら、私は部屋の方へ歩いて行った。途中ロビーの付近を通りかかると、同じ学校の子たちから
 
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「あれ、今日はスカート穿いてるのね」
「可愛いね!そういう格好」
「やっぱりハルちゃん女の子なんだね」
などと言われた。私は彼女たちに手を振って、歩を進めた。
 
環たちの部屋に行く。
「環〜」
「ああ、ハル、お風呂上がったのね」
「ズボン返して〜」
「ハルはスカートの方が好きなんじゃないの?」
「それは好きだけど」
「だったら、そのままでいいじゃん」
「うーん」
 
環は笑っているが
「じゃ、返してあげるから、スカートはそのまま穿いておきなよ」などと言う。
 
「まあ、それならいいかな」
「そのスカートは明日まで貸してあげるから」
「えー?明日もスカートなの?」
「穿きたくないの?スカート」
「・・・穿きたい」
「じゃ、明日もスカートでいようね」
「うーん。じゃ取り敢えず借りておくね」
 
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環も私のズボンを返してくれた。
 
「女湯、どうだった?」
「えへへ。楽しかった。みんなでおしゃべりできたし。上がる時に少し勇気が要ったけど」
「まあ、あそこさえ見られなかったら、ハルは女の子にしか見えないから」
「でも、みんなにあそこ見られちゃった」
「素直に脱がないからよ」と言って環は笑っていた。
「でも、令子がよく『ハルのは偽物おちんちんだから』と言ってた意味が少し分かったよ」と美奈代。
 
「みんな、ハルが少なくとも男の子ではないことが分かったと思うね」と環は言う。
 

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ズボンを手に持ったまま自分の部屋に戻ると、みんなが「お帰りー」と言ってくれた。
 
「あれ?スカート穿いてるの?」
「いや、その件はいろいろあって」
 
みんなジュースを飲みながらおしゃべりしていたので、私もウーロン茶の缶を買ってきて、飲みながら話の輪に加わった。令子がブラのホックを留めてくれた。
 
「ああ、ズボンを隠されて、スカートが置かれてたのか」
「それで、環には返してもらったけど、今日はスカートそのまま穿いておきなさいよって言われて、それもいいかなと思って」
「明日もそのまま借りておいたら?」
「環には、そう言われたんだけど」
「そうしちゃえばいいじゃん」
 
とみんなから言われて、私はかなりその気になってきた。
 
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「ハルのスカート姿は、鼓笛隊でもチアでも見たし、違和感とか無いもんね」
「学芸会でも、白雪姫とモルジアナやったしね」
「白雪姫の可愛い衣装も良かったけど、モルジアナのセクシー衣装も良かったね」
「ハルって、女の色気があるんだもん」
 

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翌日。私は一応ズボンを穿いて、朝御飯に行ったのだが、クラスの女子からも男子からも突っ込まれた。
 
「ハル、どうして今日はスカートじゃないの?」
「スカートの方が可愛いのに」
「俺、昨夜吉岡のスカート姿って見逃した。今朝見れると思ったのに」
 
そんなことを言われてしまったので、カオリたちから煽られたこともあり、私は朝御飯が終わって部屋にいったん戻ると、環から借りたスカートに穿き替えた。
 
「うん、ハルはそちらの方が似合ってるよ」と好美から言われる。
 
そういう訳で、私は小学校の修学旅行の2日目をスカートで過ごしたのであった。
 
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