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■代親の死神(3)

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フリーダは、ギムナジウムの中では中くらいの成績で大学に進学するには微妙だったこともあり、教会指導者の道を選びます。ギムナジウムを卒業した後は、テュービンゲンの教会学校に入りました。教会学校も男ばかりなので、彼(?)はとても人気があり、たくさん求愛されて、やがて固定のボーイフレンドを作るに至りました。
 
教会学校を卒業した後は牧師として近郊の教会に派遣されました。牧師が5人もいる大きな教会でした。むろん彼はその“本性”をすぐ見抜かれてしまいます。先輩牧師ルドルフの家に“同居”するようになり、事実上彼の奧さん!になってしまいました。
 
しかし彼(?)の女性的な性格は、女性の信徒たちに人気で、彼が懺悔担当の時に懺悔に来る女性が多くなりました。女性たちとしては“同性”感覚で彼と接することができるので、安心して色々なことを相談できたのです(不倫の相談には食傷しましたが)。ちなみに彼は“夫”のルドルフからも、女性信徒たちからも、すっかり“フリーダちゃん”と呼ばれていました。
 
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ローランド(ローザ)とトーマスはギムナジウムを卒業すると、テュービンゲン大学(1477創立)の法学部に進学しました。ローランドはギムナジウムの6年間ですっかり男装が板に付いていたので、大学でも性別がバレることなく学問を修めました。
 

 
2人は遠隔地から来ているので学寮に入りますが、ギムナジウム時代同様に
 
「ぼくたち双子の兄弟だから」
と言って、2人で同室にしてもらいました(2年後にはここにアレクサンダーも加わる)。おかげで、ローランドはギムナジウム時代同様、気兼ね無く生活することができて快適に大学生活を送ることができました。
 
テュービンゲンの大学に行った3人の内、弁の立つローランド(ローザ)は法律家になり、彼の性別のことを知っている先輩の事務所に入れてもらいました。結局男装のまま仕事をしていました。
 
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「お前、嫁に行く気は?」
とハンスは尋ねたのですが
「ボクが奧さん欲しい」
などと言うので、ハンスも匙を投げていました!
 
(実際問題としてローランドは大学で学んでいる間に女子としての結婚適齢期を過ぎてしまっている)
 
ローランドは数年後、本当に女性と結婚し、女同士で仲良く暮らすようになります。相手の女性が前の夫との間に作っていた幼い双子の女の子を養女にし、4人で幸せな生活を送りました。また彼は、やり手の弁護士として、教会や学校などを顧客にし、結果的にはきょうだいの中でグレンツと並ぶ稼ぎ頭になります。
 
トーマスはローテンブルクの市役所の役人になり、アレクサンダーはギムナジウムの教師になりました。
 
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アレクサンダーの2つ下のリリエは「私はお嫁さんになりたい」と小さい頃から言っていました。それで彼女は16歳で鍛冶屋仲間パウルの息子ヴォルターと結婚しました。カメリエはリリエの前年に21歳でユリオンの友人の大工さん(24)と結婚しました。ルイーザはリリエの翌年に18歳で靴職人の次男と結婚しました。この次男はルイーザとの結婚後ローテンブルクに出て衣服商を始めたのですが、ルイーザが帳簿を付けられるので、商人の妻として夫を支え、夫の店をとても大きく育てました。
 
ソフィアは20歳で修道院を退所し、ローテンブルクで貿易商の令嬢の家庭教師の職を得ました。この商人は結果的にルイーザの夫ともつながりができて、お互いに助け合って商売を広げることになります。
 
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ノアは父親の職業である鍛冶屋を継ぎたいと言いました。それで彼は歌唱学校を出た後、鍛冶屋仲間パウルのところに弟子入りさせました。自分の弟子にすると甘えが出るので、敢えて他人に預けたのです。実はこの人の息子ヴォルターが3年後にリリエと結婚し、またノアは後にこの鍛冶屋の娘エリゼと結婚して実家に戻ったので、リリエとノア(この二人は同い年で通常「私たち双子」と言っている)はいわば“クロス婚”したことになります。
 

 

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ユリウスは金物屋のお店の方を継ぎたいと言いました。それで彼はギムナジウムまで卒業した後で、数年間ローテンブルクの商店で修行させた後で町に戻り、金物店の店長になりました。彼は愛想が良いのでお店は繁盛し、ハンスは息子たちの稼ぎのおかげで、楽に老後を送れることになります。
 
アンナも勉強意欲が旺盛でしたが、ローザみたいにギムナジウムに行きたいとまでは言わなかったので、修道院に入れて勉強をさせました(ちょうどソフィアが退所したのと入り替わりにアンナが修道院に入り、ソフィアの使っていた部屋で生活することになった)(*10)。
 
なお、オリビアが所有する農地(その後、近隣の農地も買い取って、相続した時の5倍の広さになっている)に関しては、人に貸して耕作させることにし、その管理は(オリビアの実子である)ユリウスに委ねました。
 
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(*10) 修道院(die Abtei, Eng=Abbey) は基本的に男子修道院(das Mönchskloster, Eng=monkery) と女子修道院(das Nonnenkloster, Eng=nunnery) に分けられる。男女合同だったら修道院として成立しない! 修道士という単語も、男性はder Mönch (Eng=monk) 女性は die Nonne (Eng=nun) となる。
 
また、修道会には、活動修道会と観想修道会があり、前者は社会に出て様々な奉仕活動をするが、後者は基本的にその修道院の敷地内で日常生活を送る。
 
基本的に修道院での生活は、志願期→(入所許可)→修練期→(初誓願)→第二修練期→(終生誓願)と進む。終生誓願を立てると一生その修道院で生活することになる。行儀見習いなどのために修道院に身を置く人は、基本的に初誓願の前に退所する。また、初誓願から終生誓願に至る間に、何度も誓願を更新していき、後悔しないかを確認するのが一般的である。
 
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この物語のソフィアやアンナも、修練期までを修道院で過ごし、誓願を立てずに退所している。
 

そして死神の代子であるグレンツも7歳になる年に歌唱学校に入り、やがてギムナジウムに進学します。彼が歌唱学校・ギムナジウムに入った時、兄姉たちはこういう状態にありました。
 
ユリオン 19 大工の弟子/25 大工
フリート 18 ギムナジウム/24 新任牧師
カメリエ 17 私教育中/23 結婚3年目
ソフィア 17 修道院/23 家庭教師
ローラン 15 ギムナジウム/21 大学生
トーマス 15 ギムナジウム/21 大学生
アレック 13 ギムナジウム/19 大学生
ルイーザ 12 私教育中/18 新婚!
リリエ_ 11 私教育中/17 結婚2年目
ノア__ 11 歌唱学校/17 鍛冶屋の弟子
ユリウス 10 歌唱学校/16 ギムナジウム
アンナ_ 9 私教育中/15 修道院
グレンツ 7 歌唱学校/13 ギムナジウム
 
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グレンツは小さい頃から、兄や姉たちからたくさん物事を習っていました。それで4-5歳頃にはラテン語を読めるようになっていましたし、簡単な算数も理解していました。また楽器も習っていましたし、裁縫まで習っていました!
 
そういうのもあり、グレンツは代母が見込んだ通り、歌唱学校の1年目から高い才能を示しました。ラテン語の読み書きができるし、算数ができるし、論理的な思考ができました。歌もうまく、またチェンバロやフルート(現代のリコーダーのこと)なども弾きこなすので、音楽家を目指さないかと先生が言うほどでした。
 
「でも音楽家になるにはタマタマ取るんでしょ?」
とグレンツは不安そうに訊きます。
 
「そんなことは無いよ。それは男性ソプラノとかになりたい人だけだよ」
と言って先生は笑っていたものの、グレンツは、そうやって安心させておいて騙し討ちで睾丸を取られないかと、かなり警戒していました。この時期彼は朝起きたら、タマタマもちんちんも無くなってた!という夢を何度も見ています。
 
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「なんだ睾丸取りたいなら取ってあげようか?ちんちんも一緒に取ってあげていいよ」
と代母は言います。
 
「いらない」
「ああ。やはり睾丸やちんちんは要らないのね」
「要るよぉ、取らないでよぉ」
とグレンツが泣きそうな顔で言うので、代母も、あまりからかいすぎるのもやめとくかと思うのでした。
 
でもフリーダは
「ぼくあまり男っぽくはなりたくない」
と言うので、睾丸を取ってあげたら凄く喜んでいました。ついでにおっぱいが大きくなる薬をあげたら飲んでいたので、実は牧師になった頃には12-13歳の少女程度の胸ができていました。
 
それで“夫”のルドルフからは
「フリーダちゃん、おっぱいもあるんだね」
と言って、とても可愛がってもらいました。なおルドルフとフリーダは、後に実妹のルイーザが生んだ子供を養子にもらい、一緒に育てました。
 
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ギムナジウムの寮では、使っている部屋がハンスの息子たちの指定部屋の状態になっていました。
 

 
フリッディが2年生の時までは他の生徒と相部屋でしたが、3年生になった時にローランドとトーマスが入ってきて、ここから兄弟3人だけで1部屋使わせてもらうようになりました、その2年後にはアレックスが入ってきて、そのあと4年間、3-4人部屋の状態が続きます。ローランド・トーマスの卒業後はグレンツが3年生の時まで2人部屋でしたが、そのまま2人だけで部屋を使わせてもらいました。(ナハトが充分な寄付をしてくれたからだと思う)
 

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「ねぇ、なんで女の子の服があるの?ローザが着てた服?」
とグレンツはユリウスに訊きました。
 
「ローランドは男の服しか着ないよ。それはフリーダが着てた服」
 
「フリーダって?」
「フリッディ兄さんは、女の子になっちゃってフリーダと名前を変えたんだよ。だからフリーダ姉さんだね、今は」
「嘘!?」
 
「最初の頃は男の子とデートする時だけ女の子の服を着ていたらしいけど、その内、寮内で食事に行く時とかも女の子の服になって、その内、寮内ではいつも女の子の服を着てるようになって、最後の学年の頃はそれで授業も受けてたみたい」
 
「女の子でもギムナジウムに居られるの?」
「ちんちん付いてるから居てもいいんじゃない?」
「ちんちん付いてても女の子なの?」
「まあ女の子にしか見えないから女の子でいいと思う。おっぱいもあるし」
「なんで男なのにおっぱいあるの?」
「ちんちん以外女の子になっちゃったんだと思う」
 
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「教会学校って女でも入れるんだっけ?」
「男しか入れないけど、ちんちん付いてるから男として入ったんだと思うなあ。でもきっと入学した後は、女の子してる気がする。おっぱいあるから男の格好なんてできないし」
とユリウス。
 
「よく分からなくなってきた」
とグレンツは言いました。
 

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代親の死神(3)

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