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■シンデレラは男の娘(7)

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「3日目に着た衣装はこれです」
 
と言って、ロゼはワードローブの中からリンネルのドレスを取り出そうとしましたが、その瞬間、魔法に掛かったように、そのドレスは上等なシルクのドレスに変化しました。
 
「そんな服があったんだ!」
とトルカンナは驚いています。
 
ロゼは「ちょっと失礼」と言って、居室の方に行き、そのドレスに着換えてきました。その上で、ロゼは更に自分のワードローブの奥に隠していた箱を取り出しました。そこにはダイヤのブローチ、ガラスの靴の片割れ、そして王子からもらったアクアマリンの指輪がありました。
 
トルカンナたちが息を呑んでいます。
 
「まさしく、あなた様が王子様のお相手です。殿下を呼んできますのでここでしばらくお待ち下さい」
と侍従は言い、調査団の人たちを残したまま、ひとり馬に乗って急いで王子を呼びに行きました。
 
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ロゼは逃げ出したい気分だったのですが、調査団の人たちが残ってるので、逃げようがありません。
 

「ごめんね〜、お母さん、お姉さん。私、みんなが出かけた後、パーティーってどんな感じなんだろうと見たくなって、ひとりで出かけていたんだよ」
 
とロゼはトルカンナたちに言いました。
 
「それはいいけど、これはこの後、どうしたらいいんだろう?」
とトルカンナはかなり悩んでいるようです。
 
やがて王子がやってきました。
 
「探したぞ、ロゼ」
と王子は言いました。
 
王子が持って来た片方のガラスの靴もピタリとロゼの足にはまりました。ロゼがもとより持っていた靴と合わせて履きますと、お化粧をしていないことを除くと、パーティーの3日目の時の状態に戻ります。
 
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ロゼは王子に言いました。
 
「ごめんなさい、王子様。私は本当は貧乏なんです。お金持ちの娘のような真似をしてしまって。お城のパーティーに誰でも行けるなんて、まず無いことだから一生の思い出にしたかったんです。どうか身分違いの私のことは忘れて、どこかの良い家のお姫様と結婚してください。この指輪もお返しします」
 
と言って、ロゼはアクアマリンの指輪を王子に差し出しました。
 
ロゼも我ながらうまい断りの理由を思いついたと思っています。
 
王子はその指輪をいったん受け取りました。しかしそのままロゼの左手を取ると、その薬指に指輪を填めてしまいました。
 
「僕の妻は君しかいないと思っている」
 
うっそー!?
 
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「貧乏だとかいうのは関係無い。僕は君と2日間踊りながら話していて、何て素敵な人だろうと思った。だから僕と結婚して欲しい」
 
ロゼはあらためて絶望感で一杯になりました。
 
僕、やはり男なのに女の子を装って王子様を騙した罪で死刑になる〜〜!
 

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ロゼはもうこうなったら死刑になるまで少しでも「王子様の妃」みたいな気分を味わうのもいいかと思ってしまいました。
 
「殿下。殿下から頂いた薔薇はこちらに」
と言って、一同を裏の畑に案内しました。
 
「もしかしたら根付くかもと思って、畑の端に挿しておいたのです」
とロゼは言いました。
 
「ピンクの薔薇が1本、白い薔薇が2本、赤い薔薇が3本」
とクロレンダが呟くように言います。
 
「ロゼ、あなた薔薇の花言葉知ってる?」
とティカベが言いました。
 
「花言葉?」
 
「ピンクの薔薇は『可愛い人』。薔薇1本は『一目惚れ』」
「うっ・・・」
「白い薔薇は『私はあなたにふさわしい』。薔薇2本は『この世界に2人だけ』」
「え〜〜?」
「赤い薔薇は『あなたを愛しています』。薔薇3本も『愛しています』」
とティカベは解説しました。
 
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「知らなかった!」
とロゼは言っています。
 
「僕はそういうつもりでこの薔薇を君に贈ったんだよ、ロゼ」
と王子は言っています。
 
「婚約成立ですね」
と侍従が言いましたが、トルカンナが言いました。
 
「王子様。たいへん申し訳ないのですが、うちはとても貧乏なので、ロゼを王子様に嫁がせるため、数日お支度が必要です。少し待っていて頂けませんでしょうか?」
 
「よい。では一週間待つとしよう。私は町長の所にいる。そうだ、不自由な暮らしをしているのであれば、支度をするのにもやりくりが大変であろう。支度金の一部として金貨を授ける」
 
「ありがとうございます。助かります!」
 
それで王子はトルカンナに金貨を20枚もくれました。そして王子や調査団の人たちは帰って行きました。
 
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「ごめんなさい。僕が変なことしてしまったばかりに」
とロゼはトルカンナたちに謝りました。
 
トルカンナは無言でしばらく考えていましたが、やがて言いました。
 
「もうこうなった以上、ロゼはこのまま王子様に嫁がせるしかない」
 
「僕、お嫁さんになるの〜?」
とロゼは情けない声で言います。
 
「作戦を考えた。ティカベ」
「はい」
「あんた、ロゼに似ているからさ、あんたがロゼの身代わりになろう」
「いいけど、バレると思う」
とティカベは言います。
 
「それは時間稼ぎだよ」
と言ってから
「ロゼ」
と呼びます。いまやもうロジェはロゼになるしかないのです。
 
「はい」
と返事をします。
 
「あんた、女の子になる手術を受けなさい」
「やはり〜?」
 
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「それとも死刑になる方がいい?まあ死刑になる時は私も一蓮托生だけどね」
「死刑になるよりは、女の子になる方がいい」
 
「クロレンダ」
「はい」
「あんた、ガバン公に頼んでさ、ペルシャの医者にこの子を女の子にする手術を受けさせてもらえるように言ってくれない?手術代は今王子様からもらった金貨を使う」
 
「すぐ頼んでみる」
 
それでクロレンダは金貨を持ち、ガバン公のお屋敷に走って行きました。
 

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ガバン公は滞在中のペルシャのお医者さんと交渉してくれました。その結果、ロゼは金貨15枚で女の子になる手術を受けさせてもらえることになりました。
 
一週間後、ティカベはロゼが持っていたドレスを着て、ハート型のダイヤのブローチを着け、アクアマリンの指輪も左手薬指に付けた上で、できるだけロゼに似るような感じでお化粧をし、トルカンナに連れられて王子の滞在している町長の屋敷に行きました。ガラスの靴は履けないので、トルカンナが持っていたいちばん上等の靴を履きました。
 
一方、ロゼ本人はクロレンダに連れられてガバン公のお屋敷に行きました。
 

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「僕、今日手術を受けるの?」
と不安そうにロゼは言います。
 
「手術は2回に分けておこなうけど、1回目は明日受けてもらうから」
「今日は?」
 
「フェリシアの2回目の手術があるんだよ。あんたも1ヶ月後に受けることになるから見てなさい」
 
「あれ?フェリシアちゃん、1回目の手術からもう2ヶ月くらい経ってない?」
「1回目の手術の傷が治るのに時間が掛かったから、2回目の手術は延期していたんだよ。それで今日やっと2回目、最終的な手術をすることになった」
 
「やはり傷が治るのにそんなに掛かったんだ?」
 
あの時は乳首の下をかなり大きく切り開いていました。痛そうと思って見ていたのですが、自分もああいう手術を受けなければならないことを思うと気が滅入ります。しかし男の身体のままで王子様に「お嫁入り」したら、すぐ男であることがバレて、死刑になるでしょう。
 
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ロゼはもう男の子の格好をすることはできないので、この日は普通の女の子の服を着ていました。ガバン公のお屋敷に入り、2階にあがって手術の様子を見ることになります。
 
やがてフェリシアが入って来ました。やや顔色が青いのは、まだ傷の治りが完全ではないのかもしれません。フェリシアは普通の女の子の服を着ていましたが、胸のところが大きく膨らんでいます。前回の手術で、おっぱいを作ってもらったからですが、おっぱいは僕もあってもいいかも、などとロゼは思いました。
 
前回は上半身裸になったのですが、今回は下半身裸にされました。
 
上半身はもう女の子なのですが、下半身には男の子の印が付いたままです。
 
また例によって手足をベッドに縛り付けられました。その縛り方が前回よりきついような気がしました。更に口には布が押し込められます。ロゼは自分がベッドに縛り付けられて、口に布を押し込められたような気がしました。
 
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医者が入って来ます。
 
医者がフェリシアに何か訊いています。多分手術してもいいかと再確認しているのでしょう。フェリシアは頷いたようです。それで手術が始まりました。
 
医者は最初に注射をたくさん、お股の付近やおちんちんにまでしています。
 
「何の注射だろう?女の子に変える薬か何か入っているの?」
「あれは聞いていた。最初に水を注射するんだって」
「水?」
「そうすれば切った時、あまり血が出なくて済むからって」
「へー」
 
ここまではロゼもまだ心理的な余裕がありました。
 
やがて、医者はフェリシアの玉袋の所にメスを入れました。
 
「あそこを切るの?」
とロゼが訊きます。
「まあ切るだろうね」
とクロレンダは答えます。
 
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そして医者は切った所から、フェリシアの玉を1個取り出すと、ハサミで切ってゴミ箱に捨ててしまいました。
 
「あれを取るの〜?」
「だって女の子にはタマタマなんて付いてないから」
 
そして医者はもうひとつの玉も取り出すとハサミで切って捨ててしまいました。
 

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そして続けて医者は、ちんちんの皮を剥いでしまいます。
 
「凄く痛そう」
「まあ痛いだろうね」
 
そしてちんちんの中身をハサミでチョキンと切ってそれもゴミ箱に捨ててしまいました。
 
「ちんちんを切るの〜?」
「だって女の子にはちんちんなんて付いてないもん」
 
うっそー!?僕もタマタマを取られて、ちんちんを切られるの?なんか凄く嫌〜な感じ。
 
ロゼは自分のちんちんが切られるような気分でした。
 
でも1ヶ月後には本当に自分も、ちんちんを切られてしまうのです。
 
嫌だよぉ。女の子になるって、こんなことされるの!?と思うとロゼは顔面が真っ青になっていました。
 
医者はフェリシアのお股の付近に指を突っ込んでいるようです。
 
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「何してるんだろう?」
「ヴァジャン(*11)を作っているんだと思うよ」
「ヴァジャン?何それ?」
「赤ちゃんを産む穴だよ」
 

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(*11)フランス語のvagin(ヴァジャン)は英語のvagina(ヴァジャイナ)、ラテン語のvagina(ヴァギナ)。ちなみにドイツ語ではVagina(ファギナ)。日本語?の「ヴァギナ」はラテン語由来か??あるいは英語かドイツ語の誤読か???
 

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「赤ちゃんを産むの?」
「だって女の子だから。あんた赤ちゃんどこから出てくると思ってたのよ?」
「え〜?考えたことなかった」
 
「あんた、女の子のお股の形分かる?」
「ちんちんとタマタマが無くて、確か割れ目があるんだよね?」
 
小さい頃、お母さんと一緒にお風呂に入って、お母さんのお股を見た時のことをロゼは思い出していました。
 
「そうそう。その割れ目の中には、小さなおちんちんと、おしっこの出てくる所と、赤ちゃんの出てくる所があるんだよ」
 
「赤ちゃんってお股から出てくるの?」
「他にどこから出てくると言うのよ?」
 
そういえばそうですが、ロゼは今までそのあたりのことを考えたこともありませんでした。
 
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「でもおちんちんからおしっこが出るんじゃないの?」
「女の子はおちんちんとは別の所からおしっこが出るんだよ」
「それも知らなかった!」
 
「あんた結婚するって意味が分かってないよね?」
とクロレンダは少し呆れたように訊きます。
 
「あまり分かってないかも」
「結婚するというのはね、男の人の奥さんになるというのはね、男の人のおちんちんを、自分のヴァジャンの中に受け入れることなんだよ」
とクロレンダは言いました。
 
「え〜〜?おちんちんをそんな所に入れるの?」
「おちんちんから、赤ちゃんの種が出てくるんだよ。だからヴァジャンでその赤ちゃんの種を受け止めて、それで女の人のお腹の中で赤ちゃんができるの」
 
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「おちんちんから出るのはおしっこじゃなくて?」
「あんたさ、おちんちんいじっていて、おしっこじゃない白い液が出ることない?」
 
ロゼは考えました。
 
「1度出たことある。凄く濃いおしっこだなと思った」
 
あの時、ちょっと気持ち良かったよなとロゼは思い出していました。でも、女の子になるのにおちんちん切っちゃったら、あの気持ち良さはもう味わえないんだろうなというのも考えます。
 
「それが赤ちゃんの種だよ」
「そうだったのか」
 
「そして十月十日お腹の中で赤ちゃんを育てて、大きくなった赤ちゃんをまたヴァジャンから産み落とすんだよ」
 
「じゃ種を入れて育てて、入って来た所から出すんだ!?」
「そうそう。赤ちゃんは入って来た所から出てくるんだよ」
 
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「全然知らなかった」
「だから来月にはあんたもちゃんとヴァジャン作ってもらうから、それで王子様のおちんちんを受け入れるんだよ。それで赤ちゃんを作るから」
 
「ひいー」
「結婚したらすぐ、おちんちんを入れられると思うよ。しばらくはティカベが身代わりをしてくれるだろうけど、わりとすぐバレるだろうから、その後はあんたが王子様のお相手をしないと」
 
「きゃあ」
と言いながら、ロゼは階下で進むフェリシアの手術を見ていました。
 
医者は細かく切ったり縫ったりしながら、いつの間にかお股がきれいな割れ目ちゃんの形になるようにして行っているようです。その手順がロゼにはそれ自体まるで魔法のように見えました。フェリシアは・・・どうもあまりの痛さに失神してしまっているようですが、失神していれば痛みをあまり感じなくてもいいかもと思いました。
 
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自分もたぶん手術中に気を失いそうと思います。
 
この手術はとにかく凄まじく痛そうです。
 

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