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■夏の日の想い出・ベサメムーチョ(8)

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本騨君たちの援護射撃を受けての政子の記者会見はひじょうにうまく行った。
 
ネットの反応を見ても
「どうもローズ+リリーの解散は当面無さそうだな」
「マリちゃん、10年後まで結婚しないのなら、俺も10年後まで童貞を続けなきゃ」
 
などという声が上がっていた。大林亮平のプロポーズについては、彼の熱狂的なファンを除いては「格好良かった」「まさに白馬の騎士」という声が上がっていた。結局ひとりの男性からだけプロポーズされた状態と複数の男性からプロポーズされている状態ではまるで違う。大林の発言によって、政子が渋紙さんと結婚する可能性は大幅に小さくなったとネットの住民たちは判断したのである。
 
このネットの反応を見て、翌日には渋紙さんも自身のツイッターで
「マリちゃんの件に関しては僕もいったん発言を留保することにして、その旨、マリちゃんに伝えました。僕もマリちゃんに迷惑を掛けることは本意ではないので。でもマリちゃんのこと好きだという気持ちは変わらないです」
 
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と述べた。彼もやはり自分の発言がマリにかなり迷惑を掛けたことを申し訳なく思ったようであった。
 
「でも大林君、15歳年上は無いよ。僕まだ36だけど」
とも渋紙さんは書いていた。
 

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何だか物凄くうまく行ったような気もしたのだが、私は記者会見の席で政子が「当面男の方と交際するつもりはありません」と妙にハッキリと明言したことが気になっていた。それで1階の記者会見場から引き上げ、上の階の制作部の方に戻る途中、私は政子を廊下の隅に連れていき尋ねた。
 
「男の方とは交際しないと言ったけど、松山君とはどうするのさ?」
「さあ。あいつはあいつで適当に誰かと結婚するんじゃないの?」
「いいの〜?」
「元々私とあいつは基本的に友だちにすぎないから」
「マーサ、確かに最初からそんなことは言っていたけど」
 
「まあ今の彼女と結婚できたら結婚すればいいし、振られたら自分でウェディングドレス着て花嫁になればいいんじゃない?」
「彼がウェディングドレス着るの〜?」
「あいつ元々は女の子になりたかったと言ってたし」
「ああ、そういえばそうだった。でも相手は?」
「花嫁兼花婿で。タキシード着たりウェディングドレス着たり」
「それ忙しそう!」
 
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「初夜もセルフサービスで」
「それどうやんのさ?」
「おちんちんは取り敢えず切って、ヴァギナ作って、切り離したおちんちんを自分の新しいヴァギナに入れればいいんだよ」
「究極のナルシシズムだね!」
 

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制作部では再度会議室に全員入り、コーヒーとケーキを食べて一息付いてから少しお話をした。
 
「これでダメージは最小限で済みそうですね」
「大林亮平君たち3人には感謝状をあげたいくらいだ」
 
などという声が出ていたのだが、ここで政子は爆弾発言をする。
 
「ケイ、氷川さん、あの新譜ですけど作り直しましょう」
 
「え〜〜〜〜!?」
 

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政子はあの『内なる敵』という曲が、もしかしたらシングルに入れる曲としては重すぎるかも知れないとずっと気になっていたのだと言う。しかし誰も反対しないし、いいのかなあと思っていたと。
 
「あの曲は次のアルバムに収録して、シングルのタイトル曲は『コーンフレークの花』にしましょう」
と政子は言うのである。
 
氷川さんは少し考えていたが
「その意見に賛成します。『コーンフレークの花』は少しコミカルで明るい曲なので、こういう騒動の後始末にもいいと思います。あれは今までローズ+リリーのファンでなかった人でも買ってくれると思います」
と言う。
 
「でもシングルのタイトルは『内なる敵』ということで既にたくさんプロモーションしているのだけど」
と松前社長が言う。
 
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「シングルのタイトルは『内なる敵』のままで。でもその曲自体は次のアルバムに移動というのでもいいですけど」
 
「そういう例は以前KARIONでもやりましたね。アルバムの作り直しをした結果、『三角錐』というアルバムの中に三角錐という曲は入っていなくて、その曲は次のシングル『四つの鐘』に収録しました」
と加藤さんが言う。
 
「取り敢えずその『コーンフレークの花』を聴かせてもらえませんか?」
と社長が言う。
 
そこで営業部の人も再度呼んできて、既に音源制作も終わっているその曲を、暫定版PVと一緒に流した。このPVはアニメ制作会社から先週末届けられたもので、まだ曲自体との合わせ付け作業まではしていないものである。
 
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一応まだ歌と画像の同期を取ってないことを断った上で流したのだが
 
「この曲、面白いですね」
という声が多い。
 
「これ雨宮三森先生がアレンジしてくださったんです。PVも監修して下さいました」
「おお、さすが雨宮君」
 
「この豚がストリップするアニメは倫理規定とかには引っかかりませんかね?」
という意見も出るが
 
「大丈夫でしょう」
と町添さんが言い切る。
 
「豚は本来裸だしね」
と松前社長も言うので、その問題は気にしないことにした。
 
「コーンフレークというのは商標とかにはなってない?」
という声が出るのですぐに確認した。
「アパレルメーカーの登録がありますが、食品のコーンフレークは大丈夫ですね」
「じゃ曲の題名として問題無いね」
 
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CDのタイトルに関しては、やや議論はあったものの、最後は社長の決断で、『内なる敵』は都合により『コーンフレークの花』と改題して発売しますということにしようということが決まる。CDの番号なども新たに設定して、アルテミスやHNSなどの通販サイトでは別商品として扱うことにした。従って『内なる敵』に入った予約は全ていったん無効となる。CDショップなどでの予約の扱いは各店に任せることにするもののキャンセルには柔軟に対応してくれるよう要請することにした。
 
「ところで『内なる敵』は結局何枚プレスされていたの?」
と社長が訊く。
 
「済みません。パンフレットは150万枚分できあがっていて、CD本体は20万枚です。町添取締役が早い段階で停めてくださったので、ケースへの梱包作業は全くされておりませんでした」
と加藤課長が言う。
 
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「ではそれ全部廃棄で」
と社長。
 
「プレス工場はこちらの開始指示前にプレスを始めてしまっていたのですが、その分の費用は支払っていいですよね?」
と加藤さんは確認する。
 
「うん。こちらが元々無理なスケジュールを言ってやってもらっていたのだから、その分は正規の料金を払ってあげて。改訂版も無理してもらわないといけないし」
「分かりました」
 
「社長、その廃棄費用を含む追加で必要になる費用はサマーガールズ出版で出させてください」
と私は言った。
 
小冊子150万枚とCD本体20万枚の廃棄はおそらく500万円くらい掛かる。その他に改訂版を急いで作ってもらうために数百万円余分な費用が掛かりそうだ。最終的には1000万円以上の無駄が発生するのでは、と私は頭の中で推算した。
 
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しかしこれが既に包装まで終わり、CDショップなどに配送した後で回収ということになっていたら費用は1桁、いや最悪2桁大きくなっていた可能性もある。今回はプレスしたまま、まだジュエルケースへの収納もされていない状態だったから、かなり安く済む。
 
「うーん。じゃ折半しようか」
と社長が言う。
 
「はい。ご迷惑おかけしました」
と私は深く頭を下げた。
 
「それで新しいCDを何枚くらいプレスしましょう?」
という質問が出る。
 
営業部の方では5万枚くらい、あるいはあまり店頭に並ぶ品が少なくても寂しいから10万枚思い切ってプレスしてはなどという意見が出る。実際にはかなりの宣伝費を掛けているので25-30万枚くらいがペイラインである。5万とか10万では確実に大赤字となる。
 
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町添さんは言った。
 
「私の首を賭けます。50万枚プレスさせてください」
 
すると社長は
「ではそれで」
と了承した。町添さんが首を賭けると言っては営業部も反対できなかった。
 

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「じゃ、ケイちゃん、氷川君はすぐにマスターの作り直し作業をして。明日の朝いちばんに工場に持ち込みたい」
と社長が指示を出す。
 
「はい」
 
「うちの技術部のメンバーを動員していいから、今夜中にこのPVからCF用のデータを作ってよ。それでテレビCMを明日流す分から差し替えてもらうから」
「すぐさせます」
と言って加藤課長が飛び出して行く。
 
「町添は大宮さん・秋乃さんと連絡取って、★★レコードとローズ+リリーの公式サイトに掲示するお詫びの文面を作成して。仕上がったら、すぐ掲示していいから」
「分かりました」
 
(実際には大宮副社長も風花もすぐにこちらに飛んできた)
 
それで各自作業に入る。
 
ホームページの掲示については町添さんや大宮さんにお任せすることにして、風花には氷川さんとふたりでCDに封入するジャケット(小冊子)・裏ジャケット・サイドキャップの改訂作業をしてもらうことにした。
 
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そちらは18時に完成し、★★レコードの複数の支店にデータを送って各支店の近くで超特急で印刷してくれる所に依頼する。1ヶ所ではとても間に合わないためであったが結局10ヶ所の印刷所で印刷されることになった。
 
氷川さんと風花はその後、CDレーベルの改訂も引き続きしてくれた。
 
一方、私は駆け付けてくれた七星さん・有咲と一緒に音源の調整をする。政子には取り敢えず寝ていてもらう!
 
私が今回のシングルのマスタリングする前のデータ原本が入っているハードディスクをリーフでマンションまで往復して持って来る。そして★★スタジオの一室で作業を始める。
 
『内なる敵』の代わりに『コーンフレークの花』を入れた上で、通して聴いた場合を前提とした他の曲も若干のミキシング調整をし、全体のボリューム合わせをして、マスターデータを仕上げる。
 
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このプレス用のデータ作成作業は19時には完了してしまったので、それをすぐに加藤課長がプレス工場に持ち込んだ。工場ではCD本体のプレス作業を今夜から始めてくれることになった。小冊子は明日以降仕上がり始めるので出来た分をどんどんここに持ち込み、揃った分から封入作業をしてもらうことになる。地方の印刷屋さんで仕上がった小冊子は取り敢えず明日の分は新幹線や飛行機で★★レコードの社員が手で運んで持ち寄る。
 
加藤さんの話では発売日までに取り敢えず20万枚くらいは用意できるのではないかということであった。
 
音源制作が終わった後は、私と七星さんは技術部の則竹さんたちがしてくれていた、CF作りの方に合流することにした。この作業は結局3時頃まで掛かったものの、何とか朝になる前に完了して私はホッとしたのであった。このデータは朝4時に松前社長が自分で広告代理店に持ち込んで差し替えを依頼してくれた。(差し替えの話自体は昨夜の内に通している)
 
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フルバージョンのPVは22日の日中に、有咲・七星さん・風花の3人で作ってくれることになった。
 

22日の早朝、私は政子を連れてクタクタの状態でマンションに帰宅した。すると居間で雨宮先生がソファーに座ってブランデーを飲んでいる。
 
「なんで先生ここにおられるんです?」
「終電を逃しちゃってさあ。ちょうどあんたんとこの風花ちゃん見かけたからケイのマンションの鍵貸してと言ったら貸してくれたよ」
 
なるほど〜!
 
取り敢えず政子は「眠い」と言って寝室に行った。私はソファに座って話をするが
 
「ここはたくさんお酒があっていいわぁ。クルボアジェX.O.久しぶりに飲んだけど、さすがに美味しい」
と雨宮先生は言っている。
 
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「お持ち帰りして頂いていいですよ」
「そうしようかな。こういう高いブランデーは、なかなか自分では買わないし」
「ファンの方が送って下さるんですよ」
「ありがたいね〜」
「全くです。でも今回の事件はそのファンの方々の信頼を揺るがしかねない事件でした」
 
「まあ、あんたたちの年齢は結婚とか熱愛とか騒がれやすいから気をつけた方がいい。****とか****とか、隙あらばあんたたちを転ばそうと考えてるよ」
「そのあたりは意識してますよ」
 
「そうそう。風花ちゃんから聞いたけど、新譜の楽曲、組み替えることにしたんだって?」
「『内なる敵』を外して『コーンフレークの花』を入れました」
 
「おお、私の意見を入れたね。よしよし」
「こういうCFにしましたよ」
 
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と言って私は完成したばかりのCFを見せる。
 
「おお。男心が分かってるじゃん。そうそう、この寸止めで打ち切るのが良いのよ。このCDは150万枚行くよ」
 
「行くといいですけどね」
と言いながらも私は眠いなと思いつつ、雨宮先生に勧められたブランデーのグラスに口を付けた。
 
 
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