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■夏の日の想い出・ベサメムーチョ(4)

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「ところで皆さんの座っているお席で気になったのですが、相沢さんと黒木さんは両端に座っておられますが、仲が悪い訳ではないですよね?」
 
「あんたたちって、バンドを見たら不仲説を流すでしょ?」
と相沢さんが笑っている。
 
「僕たちは仲良しですよ。こないだキスしたし」
と黒木さんが言うと
 
「ちょっと待て」
と相沢さん。
 
「あのぉ、恋愛関係にあるのでしょうか?」
「違ーう。俺はノーマルだ」
と相沢さん。
 
「全ての恋愛関係はノーマルで、アブノーマルな恋なんて無いんですよ」
などと黒木さんは悪ノリして言う。
 
「でもSHINさんはゲイというよりは女装趣味の方じゃないの?」
などと小風が言う。
 
「女装は嫌いじゃないけど、女装趣味とまではいかないよ。僕スカートも持ってないし」
と黒木さん。
「じゃ今度プレゼントしようか?」
「いい」
 
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「SHINさん、ウェストはいくつですか?」
と記者から質問が出る。
「いくつだったっけ? 僕、適当に穿いてるから」
と黒木さんは言ったのだが
 
「以前SHINさんにスカート穿かせた時、66が穿けましたよ」
と小風が言うと
 
「細ーい」
という声が上がる。
 
「SHINさんは今年は女装を、櫛紀香さんは今年こそ性転換を」
と小風。
 
「なんで僕が性転換なんですか〜?」
と櫛紀香が言った所で、会見は終了となった。
 

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発売後はミニキャンペーンを行った。
 
1(水) 札幌 2(木)福岡 3(金)名古屋 4(土)神戸大阪 5(日)横浜東京
 
というわりとハードスケジュールである。私たちは記者会見をした後すぐに羽田に移動した。
 
行くのは、KARIONの4人とマネージャーの花恋のみだが、三島さん・土居さん、黒木さん・相沢さん、福留さん・櫛さんも羽田まで見送りに来てくれた。
 
「だけどよく農業詩人になろうと決断しましたね」
と福留さんが櫛さんに言っている。
 
「いや、KARION様々ですよ。昨年の『動物たちの舞踏会』の印税だけでも400万ほどありましたから。このくらいあれば何とかなるかなあという感じで。福留さんもKARIONの印税は大きいでしょ?」
 
「うん。昨年だけで1200万くらいかなあ。まあ税金でごっそり持って行かれたけど。でもどうしても印税は不安定だから僕はずっとバイトしてるんですよ」
 
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「福留さん自身のCDは売れてないの?」
「年間数百枚のレベルだね」
「ああ・・・バイトは何してるんですか?」
「電話占い師ですよ」
「え〜〜!?」
「自分が空いている時に待機に入ればいいから、他の仕事と両立しやすいんですよ。まあ報酬は毎月2〜3万円程度ですけどね。でもそれがあるだけで全然違う」
「ああ、それはわかります。でも何て名前で出てるんですか?」
「恥ずかしいから秘密」
 
「でも男性占い師の需要って少なくないですか?」
と小風が訊く。
 
「うん。こういう仕事は女性が絶対有利。男であることがハンディキャップなんですよ。超有名占い師は別でしょうけどね」
 
「福留さん、女の子の声が出せるように頑張って練習して女性占い師の振りをするとかは?」
 
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「挑戦してみたことあるけど、僕には無理なようだと諦めた。ささやき法とかだと、ふつうの会話なら女の声に聞こえないこともないみたいだけど、電話占いの場合、相手が携帯とか家電の子機で自室からこっそり掛けているんで、通話が不安定で、お互い聞き取りにくいんですよ。すると胸の底からハッキリ声を出すようにしないと相手に伝わらない。それに軽い声はクライアントが不安がるんです。どっしりした低音で話した方が向こうは安心する」
 
「ああ。確かに逆に女性占い師でも低音で話す人がけっこう支持されますよね」
「そうみたいですよ」
 

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彼らに見送られて私たちは14時の新千歳行きに乗った。15時半に新千歳に着き、その後札幌市内に入って夕方のFMの番組に出演した上で19時から市内のCDショップでキャンペーンライブをした。
 
その日は札幌市内で泊まり、翌日は新千歳1025-1300福岡の便で福岡に移動する。夕方からのFMの番組に出演してからその後、天神地下街でミニライブをした。更に福岡で1泊した後、翌金曜日は福岡1110-1235中部国際の便で名古屋に移動。また夕方からFMに出た後、栄の地下街でミニライブをする。そしてその日は更に新幹線で神戸に移動して泊まる。
 
「歌手ってやっぱり体力勝負だよねぇ」
とそろそろ疲れがピークに達して、ベッドの上でぐったりしている小風が言う。
 
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「音羽や光帆は毎日ジョギングとかしてるみたいね」
「頑張るなあ」
「あの子たちのステージ激しいもん。2時間ひたすら踊りながら歌ってるし」
「17-18歳ならまだいいけど、23歳にもなるとおばちゃんには辛いぜ」
「小風、自分がおばちゃんだと思った時が、おばちゃんの始まりらしいよ」
「むむむ。まだお姉ちゃんで頑張らなきゃ」
 

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「だけどこないだのパラコンズの結婚宣言にはびっくりしたねー」
「うん。でもいいんじゃない?ああいうのも」
 

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それは3月下旬のことであった。
 
パラコンズは実は2008年組のひとつである。もっともメジャーデビューしたのは2012年で、それまでインディーズで、関西ローカルに近い形で活動していた。そして昨年春に休業宣言をして「しばらく充電します」と発表していた。ところが先日ふたりは共同で記者会見を開き、最初にいきなりふたりでキスした上で
 
「私たち結婚します」
と冒頭発言したのである。
 
その場にいた多くの記者が、てっきりパラコンズのくっく・のんのがレスビアン婚するのかと思った。
 
「おふたりはレスビアンだったんですか?」
と質問されてふたりは
「は?」
と聞き返す。
 
「あのお、くっくさんとのんのさんがご夫婦になられるんですよね?」
「どうしてですか〜? 私もくっくも花嫁になりますよ」
「ふたりともウェディングドレスを着て女同士で結婚式を挙げられる訳ですか?」
「まさか。ふたりともそれぞれ別の男性と結婚するんですよー」
 
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記者席にざわめきが起きた。誰もそういう意味には取らなかったのである。
 
「おふたりが結婚する訳じゃないんですね?」
「まさか」
「じゃ冒頭のキスは?」
「いつものことです」
「ただの仲良しの印です」
 
くっくがキス魔であることは有名である、被害者は多数居て、私もやられているが、AYAのゆみ、XANFUSの音羽もやられたらしい。男性でも大林亮平君やチェリーツインの紅ゆたかさんなどが被害に遭っているようである。
 
「でも私たち仲良しだから、披露宴は合同でやることにしたんです」
「ああ、そういうのもいいかも知れないですね。結婚式は別々ですか?」
 
「はい。8月15日の10時にくっくが結婚式、11時に私の結婚式、そして12時から合同披露宴です」
 
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「8月15日なんですか!?」
「式場が空いてたので」
「不思議ですね。土曜日で友引なのに空いてたんですよ」
「それは空いてるかも知れませんね」
 
記者たちも彼女たちが受け狙いで言っているのかマジなのか判断に迷った。しかしお盆に結婚式をやられては、招待される側も大変だ!
 
ふたりは色々な質問に答えた後、最後にまたキスをして会見を締めくくった。
 

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「だけど、08年組の中にもそろそろ結婚を視野に入れてくる子も出てこないのかなあ」
「みんな契約上はどうなってんだっけ?」
 
「スリーピーマイスは恋愛や結婚に関する制約は無いと言ってたよ」
「あの人たちは恋人がいるという話になってもセールスに影響は無いだろうね」
 
「私たち3人は25歳まで婚約・結婚・出産が禁止されていて恋愛は禁止されてないけど、冬もだっけ?」
 
と美空が訊く。
 
「同じだよ。∴∴ミュージックとの契約では私も美空たちと同じ。UTP,△△社、○○プロとの契約では恋愛・結婚に関する制約は無い。但し25歳までは出産はしないでくれという条項がある」
 
「冬って赤ちゃん産めるんだっけ?」
「うーん。あまり産む自信ないけど、契約する時に浦中さんが世の中何があるかわからないし、この条項は他の女性タレント同様に入れさせてくれ、マジでケイちゃんが1年間出産休暇取られたら無茶苦茶やばいからと言われた。まあ実際本当に出産したら1年と言わなくても前後数ヶ月は稼働できないだろうからなあ」
 
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「冬たちから曲をもらっているアーティストが困るよね」
「冬ならホントに産むかも知れんという気もしないではない」
 
「政子ちゃんも同じ?」
「そうそう。出産は25歳以降。ただし私も政子も町添さんとの口約束で結婚・出産は27歳以降にしますと言っている」
 
「ほほお」
 
「AYAは28歳まで恋愛・交際・結婚・妊娠・出産禁止らしい」
「あそこは規約が厳しいからなあ。仕方ないかもね」
「麻生まゆりちゃんも昨年28歳の誕生日を迎えてから引退・結婚したね」
 
「音羽と光帆は25歳までは男性との交際禁止という条項があったんだよ」
「男性とのか〜?」
「だから女の子との恋愛は禁止されてないはずと主張していたんだけど、昨年は社長交代した時に、屁理屈だと言われて音羽は契約違反ということで解雇されたんだよね」
「いや、それは屁理屈だというのに賛成」
 
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「今の事務所とは恋愛や結婚に関する制約は無い状態で契約している」
「じゃ堂々と結婚できるわけか、あのふたり」
 
「でもまあ復帰してすぐに結婚という訳にもいかないだろうし、しばらくは自主規制するんじゃない?」
「というか、あの2人、結婚式は挙げてなくても事実上既に結婚してるよね」
「確かに確かに」
 

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その時、私たちはそんな感じで他の年頃の歌手などについても恋愛論議をしていたのだが、その後5月上旬に行われた山村星歌と本騨真樹の結婚記者会見にはみな度肝を抜かれた。マジで全国に「失恋」した多くのファンの悲鳴が鳴り響いた。
 
そんな中、5月下旬に「ローズ+リリーのマリ熱愛か?」という報道をした週刊誌があった。ふたりが「密会」していたという写真も掲載されていたが、その日のうちに政子は★★レコードで、《交際相手》と報じられた俳優のBも所属事務所で各々記者会見し、その報道を否定した。
 
「お腹空いたんで、新宿に出てマクドナルドでビッグマック8個食べて。少し食べ過ぎたかなあと思って腹ごなしに散歩していた所にBさんとバッタリ会ったんです。スタバにでも入ってちょっと話さない?というので一緒に入ってお話しただけなんですよ」
と政子は言った。
 
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「スタバでは何を飲まれました?」
「キャラメルマキアートを5〜6杯飲んだかな。あとモッツァレラ・ポークのフィローネ3個、アップルパイ2個に、ドーナツも5〜6個食べたかな」
 
記者たちの間に苦笑が漏れる。政子の大食いはみな知るところである。
 
「お話はどんなことだったんですか?」
「最初はたこ焼きの話だったんですよ。最近のよくあるたこ焼きって、小麦粉だけで作られているし、お好み焼き粉を流用したとしか思えないような店まであるけど、じん粉を使ってふわっとした感じに作るのが最高だよね、というので意見が一致したんですよ」
 
「じん粉って海老餃子とか、明石焼きに使いますよね?」
「そうそう。明石の玉子焼はじん粉を使うんです。たこ焼きって元々玉子焼きのバリエーションだから、たこ焼きも最初はじん粉を使うのが本来だったんじゃないかなあ、と言ってたんですよね」
 
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「スタバの後はどこに行ったんですか?」
「どこにも行きませんよ。それで別れました」
「でもキスくらいしたんでしょ?」
「ああキスですか」
 
「どんな感じでしたんですか?」
 
「私は釣りはしたことないんですが、Bさんは鱚(キス)釣りを時々なさるそうで。私はもっぱら食べるばかりだからお店でしか買ったことないし、天ぷらとか南蛮漬けしか食べたことないんですけどね。釣ってその場で塩焼きにすると凄く美味しいらしいです。お刺身では食べられないんですか?とお訊きしたんですが、キスは寄生虫がいるから素人はやめといた方がいいらしいです」
 
「魚のキスですか・・・・」
 
「恋とかの話はしなかったんですか?」
「ああ、それで結構盛り上がりました」
「どんな感じのお話でした?」
 
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「鯉(こい)といえばやはり洗いだって言うけど、洋風にワイン煮にするのもいいですよねと私は言ったんですけど、Bさんは日本酒を使って和風のうま煮の方がいい気がする、ということで、今度お互いに試してみて報告しようか、なんて言ってたんですけどね」
 
「ああ。それも魚の鯉ですか?」
「へ?果物のコイとかありましたっけ?」
 
「愛のお話はしなかったんですか?」
「ああ。しましたしました」
「どんな?」
 
「鮎(あゆ)はシーズンが限られているけど、やはり獲れてすぐの新鮮なのがいいよねという話で。サボって町中で食べようとせずに、鮎の獲れるような水のきれいな所までちゃんと行って食べないと本当に美味しいのにはありつけないよねと」
 
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「なるほど」
「少し時間の経ったのなら、塩焼きも悪くないけど、甘露煮とか南蛮漬けとかも良いよねとか」
 
「えっと・・・もしかして食べ物の話ばかりなさっていたとか?」
「あ、そうかも知れません」
 
 
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