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■夏の日の想い出・ベサメムーチョ(5)

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(C)Eriko Kawaguchi 2015-10-10  
記者会見には一応私と氷川さんも付いていたのだが、こちらで口を挟む必要も無かった。政子は笑顔で(実は何が問題だったのかも良く分かっていない)、記者たちの質問に答え、記者会見場は穏やかなムードであった。
 
一方のBさんのほうの記者会見はけっこう厳しい質問なども出たようであるがBさんは淡々と質問に答えていったようであった。実際問題として記者たちの関心も途中からBさんと前々から噂のある女優のM美さんとの関係の方に移っていったようである。Bさんとしても政子との関わりを完全に否定しておかないとM美さんから「浮気?」という疑いの目を向けられては困るというのもあったようであった。
 
記者会見が終わった後、政子がトイレに行っている間に氷川さんは私に
 
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「いや、ホッとしました」
などと言う。
 
「今ローズ+リリーは人気絶頂ですからね。ここで唐突にマリちゃんの恋愛なんて話が出てきたら、勢いにブレーキが掛かるかも知れないから」
と氷川さん。
 
「23歳でもまだ恋愛はダメですかね。そもそもこれまでもマリは恋人がいたんですけどね」
「ええ。でも最近は注目度が上がっていますから」
「かも知れないなあ」
 
「先日連休のど真ん中で行われた山村星歌ちゃんと本騨真樹君の結婚発表の影響で、山村星歌ちゃんの4月下旬に出したCDの売れ行きがパタリと停まってしまいました。連休後に発売されたWooden FourのCDも事前予約が40万枚入っていたのに、まだ20万枚しか売れてないんですよ」
 
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「ああ・・・」
「星歌ちゃんはまだ19歳ですけど、本騨真樹君は23歳ですからね」
「そうか。本騨君も誕生日を過ぎた所だったんだ」
 
本騨真樹は私たちより1つ下の学年、1992年生まれでWooden Fourのメンバーの中で最年少である。いちばん上は大林亮平で1987年生まれ。亮平は私たちより4つ上だ。彼らは2005年デビューで、デビュー当時、亮平が高校3年、本騨君は中学1年であった。初期の段階では本騨君のまだ声変わりしていないハイトーンボイスが人気を博したのである。
 
「タレントへのあこがれは仮想恋愛、2次元の恋人と同じようなものと頭では分っていても、やはり熱狂的なファンは本来の自分の購入能力を超えて買ってますからね。それが冷静になっちゃって『ボーナスが出てから買おう』とかになっちゃうんですよ」
 
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「そしてボーナスが出た頃は忘れていると」
「ですです。でも今回のマリちゃんのは完全に疑いが晴れたようだから、たぶん影響は出ないでしょう」
 
「まだ発売まで2ヶ月ありますしね」
 
次のローズ+リリーのCDは7月末くらいに発売予定である。ちょうどKARIONの次のCDもその頃になりそうなので、1週間の時間差を開けてどちらも水曜日に発売されることになるだろう。
 
「それも運が良かったです。少し時間がたてば、この手の騒ぎもみんな忘れてくれるから」
と氷川さんは言った。
 

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ちょうどそんな騒ぎがあっていた頃、正望は司法試験を受けていた。私は一度会って励ましたかったものの、どうにも時間が取れない状況で「頑張ってね」というメールだけ送っておいた。
 
6月4日、司法試験短答式の成績発表があり、正望は合格していた。私は発表時刻(16:00JST)にはアメリカに向かう飛行機の中で、ニューヨークに着いてから正望のメールで知り、LINEで10分くらい通話しておめでとうを言った。
 
ローズ+リリーの世界ツアーは6月4日から16日まで行われ、今まで触れ合うことのできなかった海外のファンの熱狂を肌で感じることができたし、たくさん曲も作ることができて充実した13日間であった。
 
もっとも身体の方はクタクタになったのだが!
 
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その直後、私と政子は、和実と淳の結婚式に出て、小夜子の出産、うちの姉の萌依の出産が続き、そのあと私は政子にうまく乗せられて正望と2人で鹿児島県の指宿温泉まで行ってきた。
 
もっとも私は仕事が無茶苦茶溜まっているので、旅先でもひたすらパソコンに向かって楽譜の整理をしていて、またまた正望に呆れられることとなる。
 

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そして6月25日に東京に戻ってくると、政子がひじょうに不機嫌なので戸惑う。どうも私が指宿に行っていた間に松山君と何かあったようだが、政子はその時は何もその件については話してくれなかった。
 
私たちはその後、27日に大阪のロックフェスタに出演したが、この時、私たちは千里の元恋人(実は今も恋人?)の細川さんの奥さんの出産に立ち会うこととなった。
 
そして7月に入るとローズ+リリーのアルバム制作に本格的に入るのだが、先行してシングルの制作を行った。
 
『内なる敵』『∞の後』『黒と白の事情』『ペパーミントキャンディ』『虹を越えて』の5曲で、音源制作自体は私と政子、スターキッズのメンバーが集まっての作業でスムーズに進み、7月5日(日)には完了して、技術者の手でマスタリングをした上で、翌6日(月)に★★レコードの営業の人の確認をもらった上で、データを工場に持ち込んだ。
 
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このシングルは7月29日(水)に発売されることになる。制作から発売までの期間が短いが、これは夏休みに本歌的に入る前に出したいというレコード会社側の事情が作用したものである。
 

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シングルのマスタリングは技術者さんにお任せしておいて、私たちは6日だけ休んだ後、7日からいよいよアルバムの中の曲の制作に入り、最初は『コーンフレークの花』という曲を録音した。
 
この曲は雨宮先生が編曲とPV制作をさせてくれていうことだったのでお任せした。雨宮先生の譜面に沿って作っていけばいいので作業自体はスムーズに進む。内容的には簡単に言うと片想いの歌だ。好きな人がいるのだけど、彼には既に恋人がいる。自分は彼とは一応友だちという関係にあって、その彼女とも友人なので「2人の恋を応援してるよ」なんて言っている。でも・・・という、友情の狭間で言い出せない恋心に悩む少女の物語である。
 
政子の書いた歌詞はダジャレを多用したコミカルなものになっている。その軽いタッチが、ひとつ間違うと重くなりがちな「潜在的三角関係」を明るく笑い飛ばすかのように歌っている。
 
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明るい雰囲気にするため、アレンジは複雑な和音を使わず、G, C, D7, Em, Am のみを使っている。9とか12みたいな複雑なコード、dimやaugなどの不協和音も一切使用していない。音符も8分音符までしか出てこない。16分音符や三連符も無い。政子が「この曲は練習しなくてもすぐ歌える」と喜んでいた。もっとも練習時間の大半は政子が正しく音程取りできるようになるのに費やされた。簡単な曲は間違いも目立つので正確に歌う必要がある。政子は7日だけでも150回くらい歌ったはずである。
 
雨宮先生は楽曲を単純化するために一部メロディーライン自体にも手を加えていた。演奏も敢えて平易な感じにしてある。エレクトーンの8級アレンジという雰囲気である。間奏のソプラノサックス・ソロも難しいテクニックは不要。
 
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(但しボーカルの音域は広く、マリでも13度、ケイは19度もある)
 
それで演奏上の問題も生じず、音源制作は7日にたくさん練習した後8日は軽く流した上で9日に本格的な収録に入り、9日の夜遅く終了した。
 

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そして次の曲『仮想表面』の制作に入ろうとしていた7月10日。
 
私は朝からまたまたショックを受けるはめになった。
 
その日発売された週刊誌に
「ローズ+リリーのマリ、熱愛発覚」
というタイトルが踊っていたからである。
 
この週刊誌の広告が全ての全国紙にも載っており、結果的に日本中の新聞購読者もこのニュースのことを知ることとなる。
 
私は慌てて近くのコンビニに行き、その雑誌を1部買って来たが、そこには政子と俳優の渋紙銀児さんが、どこかの神社の境内と思われる所で並んでいるシーン、そして割烹のような所で天ぷらの盛り合わせ?を前に楽しそうに話している写真が載っていた。
 
政子を起こして内容について問い糾す。
 
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「あ、渋紙さん、こないだ会ったよ。面白い人だった」
「付き合ってるの?」
「まさか。ただ会って話しただけ」
 
私は頭を抱える。
 
「あのさ。マリちゃんって有名人なんだから、あまり気やすく年頃の男性と目立つ場所で会わない方がいい。こないだも俳優のBさんとこういうの書かれたばかりじゃん」
「ごめーん」
 
間もなく氷川さんから電話が掛かってくるので、私が状況を説明する。取り敢えず★★レコードに来てということであったので、ふたりで一緒にリーフに乗ってそちらに赴いた。
 

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★★レコードには私たちが来た時点ではまだローズ+リリー関係の人は誰も来ていなかった。たまたま徹夜していたという八雲さんが居て、私たちを応接室に通し、コーヒーを煎れてくれた。
 
その時、私は八雲さんの身体から女性用化粧品のような感じの香りを一瞬感じた。あれ? 誰か女性とデートでもしていたのかな?と私はその時は思った。
 
「あれ、事実なんですか?ここだけの話」
と彼が訊くので
 
「単に偶然出会って、立ち話も何だからと言って近くの飲食店でおしゃべりしただけらしいんですよ」
と私は答える。
 
「あの写真だと何か本格的な御飯という感じだったけど」
「マリは天ぷら5人前くらいは《軽いおやつ》なんです」
「あ、そうだったね!」
「でも参りました」
 
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「マリさん、ひょっとして誰かにハメられようとしてません? こないだも似たような騒ぎがあったし、これ記者は金もらってマリさんに張り付いていたのでは?」
と八雲さんが言う。
 
「うーん・・・・私たちをハメたい人なら何人か心当たりはあるけど」
「それにしてもマリさん、脇が甘すぎるよ」
「ごめんなさーい」
 
と言ってから政子はふと思いついたように訊く。
 
「ね、全然関係無いけど、八雲さんって実は女性なのでは?という噂があるんですけど」
 
すると八雲さんは苦笑してから答えた。
 
「それってヒの付く人から聞いたんじゃないよね?なんかあの人ボクを随分と詮索している感じでさ。胸とかお股付近に視線を感じるし。じゃ、マリちゃん、ボクと約束しない? 当面男性とふたりきりで話すような場面は絶対に作らないこと。その代わり、ボクの秘密、マリちゃんにだけ教えてあげる」
 
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「はい、約束します」
「じゃマリちゃんにだけ教えるからケイちゃん、悪いけどちょっとだけ外に出てて」
「いいですよ」
 
それで応接室の外に出ていたら、7-8分ほどして八雲さんがドアを開けて
「もういいですよ。失礼しました」
と言った。
 
それで私は八雲さんと入れ替わるようにして応接室の中に入ったが、政子はキラキラした目をしていて
 
「八雲さんって私の思ってたままの人だった」
と言って、とても満足気であった。
 
「八雲さんってやはり女の人だったの?」
「秘密」
 

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やがて氷川さん・加藤課長・町添部長・松前社長が出勤してくる。少し遅れてUTPの大宮副社長と○○プロの前田部長も出てきた。
 
それで私が主導して状況を説明する。政子は
「誤解を招きかねないことをして大変申し訳ありませんでした」
と謝った。
 
「マリちゃん、こないだも同じようなことがあったよね。こういうの気をつけてほしいんだけど」
と社長が苦言を呈する。
 
「本当にごめんなさいです」
と政子は本気で反省しているようである。
 
「とにかく、先方の事務所とも連絡を取ってそれぞれ記者会見を開きましょう」
と町添さん。
「仕方ないですね。29日に発売予定の新曲に影響が出なければいいのですが」
と社長。
 
新譜『内なる敵』は半月後の29日(水)に発売予定で、近日中にテレビCMを流したり、FMなどで先行して部分的に公開したりし始める予定であった。このCDは先月下旬に《タイトル未定》のまま発売日だけ告知した段階で予約が入り始め現在既に予約は30万枚も入っている。
 
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★★レコードでは『言葉は要らない』(2013.3)以来の7作連続ミリオンは確実と見て発売日までに最低でも80万枚以上商品を用意する予定。現在封入する小冊子の仕上がりを待っている所である。それができたらすぐにプレスを始める予定であった。
 
しかし町添さんは念のため、工場に連絡を取ってプレス作業の開始をいったん保留してもらうよう依頼した。
 
「工場は大量のプレスで期日も無いことから、見切り発車で既にCD本体のプレスを始めていたそうです。その作業を中断してもらいました」
と町添さんは電話を置いて言った。
 

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