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■夏の日の想い出・女になりましょう(8)

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雨宮先生が発案し、政子がローズ+リリーのデビュー前後の頃に「女装させた私」
を見て大量に書いた《女性化ソング》をローズクォーツが歌う『Rose Quarts Plays Sex Change −性転換ノススメ』は7月初めに発売された。発売の2日前にyoutubeでPVが公開されたが、物凄い再生回数になった。
 
PVでは5人の女性が着衣で街を歩いたりカフェでおしゃべりしたりしているだけである。しかしその5人の中で唯一顔を隠していない女性が性転換歌手の花村唯香であること、そして楽曲のタイトルから、多くの人がこの5人は全員性転換美女であることを想像した。
 
なお、5人居ることは服装と身長・体形などで確認できる。唯香は赤い服を着ており、青い服を着ている子はモデルさんのように細くて背が高く(実際にファッションモデルをしていた175cmの近藤うさぎ)、白い服を着ている子はスポーツウーマンという感じのやや長身で均整の取れた身体付き(169cmで元バスケ選手である千里)、黒い服を着ている子はその子の次に背が高くて少女のような体形(167cmの和実)、黄色い服を着ている子は他の子より結構背が低くウェストをあまり絞っていない(158cmの新田安芸那)。
 
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今回のアルバムは内容の性質上配信限定とし、18歳以上の年齢制限を掛けた。また「歌唱者:タカ」「このアルバムではマリ・ケイ・Ozma Dreamは歌唱していません」
と太字で注意を促していたが、ダウンロードストアの公開直後から物凄いアクセスが来た。全国10ヶ所でキャンペーンをする旨を掲示すると整理券を求める問合せが殺到した。★★レコードでは急遽地方都市で予定していた会場を大きな所に変更するなどの対応をした。
 

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普通音楽のキャンペーンというと、通常の「お店が開いている時間帯」朝10時から夕方20時くらいまでの時間帯の中で設定する。ところが今回は Daytime : 1400-1530, Night Time : 2100-2230 と1日2回公演にして、前者は主婦層、後者はサラリーマン層が来やすくしたのである。入場はむろん18歳以上限定である。(但し「当事者」のみ高校生以上であれば特例で入場を認めた)
 
1時間半の構成は、制作したPVの《顔出しバージョン》および非公開の《水着バージョン》まで上映した上で、そこに出演していた5人と雨宮先生・タカ(当然女装)に「暴走歯止め役」の氷川さんという8人によるトークショー。そしてローズクォーツによる今回の楽曲の生演奏(30分)である。イベント終了後、花村唯香と「タカ子」のサイン会までした。
 
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各会場とも満員で特に日曜日に設定された横浜と大阪の会場は整理券の競争率が3倍を超えた。
 

見た人たちの声。 
「タカ以外は全員ちゃんと女の声でしゃべってた。すげー」
「水着バージョンきれいだった。ひとりを除いて体形も美しいし」
 
ひとりというのは当然新田安芸那である。近藤うさぎは引退していた身であるにも関わらず、美しいボディラインをしっかりキープしていた。
 
「トークの内容は時々雨宮が暴走発言してたけど、楽しかった」
「性転換手術のやり方聞いてたら、チンコかゆくなってきた」
 
「話の中に出て来た、闇討ちで手術してしまう性転換病院ってちょっと怖いな」
「泣き叫んでる患者を強引に手術室に連行していくの見たという話も怖い」
「でもそこに入院した時点で性転換するつもりになってた訳だから」
 
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「雨宮がケイは日帰りで手術を受けて翌日にはスタジオで歌っていたとか言ってたけど本当かな」
「ケイならあり得るな」
「本人が主張している2011年4月3日に性転換手術を受けたという話を信用した場合、前日朝に渋谷のスタジオから出てくるのを目撃されている」
「翌日夕方に広島駅で見たという話もあった」
 
この広島に居たというのは実際にはローズ+リリーのそっくりさんで売っていたローザ+リリンの2人であるというのが2chでは既に確認済みなのだが、まだこの噂がくすぶっていたようである。
 
「しかし今回のキャンペーン見た奴の中から100人は性転換手術受けるやつが出るな」
 

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公開後、音楽業界の内外から、このアルバムへの賛否両論が上がり、議論も白熱したが、おちゃらけた内容でもないし、アルバムに添付された「性転換を考えている人へ」というガイドも大学の精神科の先生に書いてもらったしっかりした内容であったことなどもあり、全否定的な非難の声は少なかった。
 
但し多くの中学高校で校内放送に掛けるのを禁止したし、テレビ各局のランキング番組はタイトルのみの紹介に留めた。しかしラジオは17-21時の時間帯を除いては結構掛けてくれたし、深夜の高校生に人気がある番組では結構なオンエアをして、リスナーからの反響も大きかった。
 
「迷ってたけど、やはり自分は性転換を目指したいと思う」
などという声を寄せる当事者もかなり居た。
 
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「でもタカはやはり、性転換するのか?」
「するんじゃないの?」
「今回のアルバムの印税が入ったら手術すると聞いた」
「でも女の婚約者がいるんだろ?」
「女と結婚して性転換する奴もいるよ」
 
などという声もあがっていたが、タカの婚約者である当の麗さんは「もう達観してます」などと半ば諦めの表情だった。ただ、麗さんの両親が心配して電話してきたと言っていた。
 
「あの司会してたレコード会社の担当もあれも性転換美女?」
「そうなんじゃないの?」
「あの人、確かローズ+リリーとスリファーズの担当だよ」
「本人も性転換してるから、性転換ボーカルのいるユニット担当してるんだろ?」
「あの人、高校生の内に性転換したと聞いた」
 
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などと変な噂まで流れていたが、氷川さんは笑っていた。
 

7月中旬。私は呼び出されてUTPの花枝と一緒に★★レコードに出て行った。
 
加藤課長、氷川さん、ゴールデンシックスの2人、そして∞∞プロの谷津さんと、その部下だろうか? 見知らぬ女性がいる。
 
「ケイちゃんも松島さんも谷津さんは知ってるね?」
と加藤さんが訊く。
 
「はい。どうもご無沙汰しておりまして」
「冬ちゃん、花枝ちゃん、ごぶさたー」
 
谷津さんは、以前○○プロで篠田その歌のマネージャーをしていて、その後∞∞プロに移り Lucky Blossom のマネージャーをした人である。篠田のマネージャーだった頃は私は随分谷津さんにお世話になっている。Lucky Blossomとは直接関わっていないのだが、そのサブリーダーでフロントパーソンであった鮎川ゆまとは、古い友人である。花枝は以前いた会社に居た時、イベントの打ち合わせで谷津さんと何度も会っていたらしい。
 
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「で、こちらは私の部下で菱沼伊代ちゃん」
「初めまして。菱沼と申します。よろしくお願いします」
「ケイです。よろしくお願いします」
「松島と申します。よろしくお願いします」
 
お互いに名刺を交換する。
 
「課長、ゴールデンシックス、いよいよメジャーデビューですか?」
と私は訊いた。
 
「うん。彼女たちとは4月に横浜レコードから出した新譜が6月までに5000枚売れたらメジャーデビューという約束をしてたんだけどね。先月末までのCD出荷数とダウンロードが合計で5800枚DL行っているし、過去のCDがこの期間だけで5枚合計2万枚DL行っているから、メジャーデビュー決定」
と加藤さん。
 
「2万枚って凄い!! おめでとう」
「ありがとうございます」
 
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2万枚というのは多分「布教用」に買った人がかなり出たなと私は思った。
 
「それで彼女たちの事務所について話していたんだけどね。ケイちゃんとこのUTPだと、そもそもローズ+リリーと競合する。∴∴ミュージックはKARION, $$アーツはAYA, &&エージェンシーはXANFUS, ζζプロはチェリーツイン、とケイちゃんと関わりのある所はたいてい競合アーティストを持っているんだよね」
 
「そうですね。§§プロとはタイプが違いますし」
「あそこは歌は割とどうでもいいから可愛くだから。そもそも20歳過ぎたらほとんど放置されている」
 
私はつい苦笑してしまう。
 

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「それで∞∞プロさんですか。確かに大西典香ちゃんが引退しちゃって、この年代のビッグネームが居なくなっちゃいました」
 
「そうそう。∞∞プロはポスト大西典香を探していたんだよ。それでこの子たちに訊いてみたら、そもそもこの子たち∞∞プロと関わりがあったんだね?」
 
「はい、そうなんです。ゴールデンシックスを結成する前にDRKというバンドを組んでいたんですが、そのバンドの制作で∞∞プロの谷津貞子さんや、三島雪子さんのお世話になりまして」
とカノンが言う。
 
へ? と思った。ここで(∴∴ミュージックの)三島さんの名前が出て来たことに私は驚いた。確かに∴∴ミュージックは∞∞プロの仕事の下請けをよくやっていた。でもちょっと待て。何か似た話をどこかとどこかで聞かなかったか??
 
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「それで元々関わりがあったのなら、∞∞プロでお願いしようかという感じで話が進んでいるんだけど、ケイちゃんの意向も聞いておきたいと思って」
と加藤さん。
 
確かに今回のローズ+リリーのツアーでゴールデンシックスの2人に関する様々な事務処理はUTPで担当したので、こちらにも彼女たちに関する権利を主張できる余地はある。どちらかというと彼女たちが適当な事務所を見つけられない場合は、サマーガールズ出版かバレンシアーナに一時的に所属させてもいいとは思っていた。しかし∞∞プロとの関わりがあるならこちらに異存は無い。
 
私は花枝と目で会話したが、花枝も異論は無いようである。
 
「問題ないですよ。元々そちらと関わりがあったのですから、そちらで進めてください」
 
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「ありがとう。それでこの子たちのメジャーデビュー曲なんだけどね。ケイちゃんが1曲提供してくれるという話があったとかで」
と加藤さん。
 
私は微笑んで答える。
「ええ。約束しました。1曲提供しますよ」
 
「それはマリ&ケイ? 森之和泉+水沢歌月?」
「あ、えっと。マリ&ケイですが。水沢歌月はKARION以外には書きません」
 
「うん。そうだとは思ったけど、葵照子・醍醐春海のペアがいつもKARIONに楽曲を提供しているから、それなら水沢歌月の方が自然かも知れないと、ふと思ったもので」
と加藤さん。
 
「え?葵照子・醍醐春海ですか??」
 
私には全く話が見えなかった。するとカノンが言った。
 
「ケイさん、うちの作曲者の醍醐春海とは多分お知り合いですよね。以前からよく春海が水沢歌月さんのこと話していましたが、同じKARIONの楽曲提供者として興味があるのかなと思っていたのですが、こないだ千葉のファミレスでケイさんと春海が親しそうにお話ししているのをお見かけしたので。楽しそうにしておられたので、声掛けちゃ悪いかなと思って声はお掛けしなかったのですが」
 
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何!? 醍醐春海は私の知り合い!?? こないだ千葉のファミレスで楽しそうに話していただと!??? ちょっと待て。それは一体誰だ?
 

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「あ・・・・・」
 
その瞬間、私の頭の中で全てのストーリーがつながってしまった。今までどう組み立ててよいか分からなかったジグソーパズルが重要なピースを1個見つけたことで、一気に組み立てることができたのだ。
 
でもなんでこんな簡単なことに気付かなかったのだろう。
 
「あのさ」
と私は笑顔でカノンに尋ねた。
 
「そのゴールデンシックス以前にやってたバンド」
「DRKですか?」
「そこに、KARIONの美空もいたよね?」
 
「はい。仙台での打ち上げの時に、その話しませんでしたっけ?」
とカノン。
 
「うん。確かにした!」
 
と言って私はとってもとっても楽しくなってしまった。もっとも正確には私が聞いていたのは、美空が以前従姉に誘われてバンドをしていたことと、従姉がカノンたちの親友であったということだけだが、つなぎ合わせたら美空が従姉やカノンたちと一緒にバンドをしていたというストーリーが浮かび上がる。そして、きっとあの子も一緒だ。
 
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「そのDRKの最初のCD作成で雨宮先生が関わっているんだよね?」
「はい、そうです」
 
「そのDRK絡みで、Lucky Blossomが結成されたんでしょ?」
 
「あ、その話はてっきりご存じかと思ったのですが。元々ポスト・マリンシスタを谷津さんが探していて、先に私たちを見つけられたんですよ。それで本格的な音源製作をして頂いたり、雨宮先生まで紹介してくださって」
とカノン。
 
「うん。それも聞いてた!!」
 
と私は笑顔で言った。正確には複数の人から分散して少しずつ聞いていた。それを全部つなぎ合わせると、そういう話になるんだ!!
 
ここ半年ほど、頭の中でもやもやしていたものが全てスッキリしてとても気持ちよくなった。
 
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つまり、醍醐春海って、彼女なんだ!!
 
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