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■夏の日の想い出・女になりましょう(6)

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「オスの招き猫を拝むと、男の子の機能が強くなったり、メスの招き猫を拝むと女の魅力が上がったりします?」
と潤子ちゃんが訊いた。
 
こらこら、この子は何を言い出すんだ?
 
すると千里は苦笑しながらも
 
「元々、猫というのは結構生殖の象徴の面もあるんです。エジプトの女神バステトは猫神様ですが、家の守り神であり、また多産の象徴ですね。多産は豊穣につながるので、子供をたくさん産む動物、猫・犬・豚などは古くから農業や牧畜の守護神として、また子孫繁栄の守護神として信仰されてきたんですよ」
と解説してあげた。
 
「ということだそうです。男の精力・女の魅力を磨きたい人は、ここに来て招き猫ちゃんにお供えするといいかもですよ」
と潤子ちゃんはカメラに向かって言う。
 
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全くローカル番組だと思って、凄いこと言う子だ。(この不思議探訪は関東圏のみで放送されている)
 
その時、政子が横から口を出した。
 
「ね、ね、女の子になりたい男の子は白いメスの子、男の子になりたい女の子は黒いオスの子にお参りすればいいかな?」
 
「あ、どうでしょう?」
と言って、潤子ちゃんはまた千里にマイクを向ける。どうも潤子ちゃんは千里を神社の巫女さんか何かと思っている感じだ。
 
「ああ、効果あるかも知れないですね」
と千里は答えたが、何か変な参拝客が増えないか?と私は心配した。
 
それに続いて千里は大事なメッセージを語った。
 
「あ、それから食べ物などを奉納して、そのまま放置すると、野犬などが食べて困ったことになります。食べ物を奉納した場合は、神前に置いて10分もすれば、神様はちゃんと受け取ってくれますので、必ずそのままお持ち帰りください。特にここは常駐する管理者がいませんので、ご協力をお願いします」
 
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「ああ、それは大事ですね。食べ物を奉納した人は10分置いてから持ち帰る。みなさん、マナーを守って、お参りしましょう。それではスタジオにお返しします」
 

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「取材協力、ありがとうございましたー」
と潤子ちゃんが言う。
 
「お疲れ様でしたー」
「そういえば、ケイさんはこの神社にどう関わっているんですか?」
と潤子ちゃんが訊く。
 
「この神社で私たちの『女神の丘』のPVを撮影したんだよ」
「ああ、そうだったんですか!」
「ついでにこちらの高校生がこの神社の設置者」
「えー!? そうなんだ? どういう縁で?」
 
「どうも色々と複雑なカラクリの中に組み込まれちゃってる気がしますね。ここの女神様は、谷崎潤子さんが以前取材していた、C大学の噴水の所に居た女神様ですよ」
と青葉は言う。
 
「わぁ、あそこからここに引っ越しちゃったんですか?」
「あそこにも居ますよ。神様はどこにでも居られるんです。遍在って言うんですけどね。同じゲームにログインしている人は、北海道に居る人も九州に居る人も、同じ酒場でチャットができるのと似てます」
と青葉。
 
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「ああ、神様ってオンラインゲームみたいなもんなんですね」
「そうそう。ここはその端末なんですよ」
「なるほどー」
 
「とても神格の高い神様なのに、あの噴水では何かと不便だろうというのでちゃんとした祠も設置したんです。ここからあの噴水の場所が見えますよ」
と言って、青葉は潤子ちゃんを神社の裏手に連れて行く。
 
「見えます?あのあたりに噴水があるのですが」
「ちょっと待って」
と言って潤子ちゃんはポケットからメガネを出して見ている。
 
「あ、ほんとだ!」
「だからこことあの噴水は繋がっているんですよ」
「じゃここはあの噴水の奥の宮みたいなもの?」
「あ、そう考えてもらってもいいです」
 
「すごーい。でもここ、これだけの神社作るのにお金かかりませんでした?」
と潤子ちゃん。
 
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「神社作りたいねー、なんて話をしていた時に、ちょうど大きな仕事が入って3000万円頂いたので、それをまるごと使いました」
と青葉。
 
「あのぉ・・・あなた、何してる方ですか?」
「潤子ちゃん、オフレコにして欲しいんだけど、その子は日本で五指に入る凄い霊能者」
と私は言った。
 
「えーーーー!?」
「まだ高校生ということもあって、どんどん仕事が来ると困るので、口コミだけで仕事を受けている。依頼者にもあまり人に言わないでと言っている」
 
「でも3000万円の仕事って凄いですね」
「1000億円単位のビジネスに関わる作業をしてくれたんだよ」
「ひゃー。1000億円って1円玉でどのくらいかな」
 
面白い発想をする子だと思った。
 
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「1円玉1000億個だよ。1円玉の直径は20mm, 厚さ1.5mm。100坪の土地にずらっと並べたら高さ何mになる? はい、マリ」
「約150m」
「150mだと1階4mとして38階のビル1杯分だね」
 
「すごーい! でも今どうやって計算したんですか?」
「マリの頭の中には電卓が内蔵されているから。最後の150÷4は私にも暗算でできるよ」
「マリさん、凄いんですね!」
 

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「そちらの神社の方もありがとうございました」
と言って潤子ちゃんが帰ろうとするので、千里が
 
「私は別に神社の人じゃないけどね」
と笑って言う。
 
「あら、そうだったんですか? でも今までも何度かここでお会いしましたね」
と潤子。
 
「うんうん。妹がこの神社を設立したから、時々お掃除に来てるだけだけどね」
と千里。
 
「あ、そうだったんですか?」
「まあ、でも所有者の姉ということでは神社関係者かもね」
「なるほどー」
 

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虎屋の羊羹と笹義の鱒の寿司を持って、潤子ちゃんたちが帰った後で青葉が千里に訊く。
 
「ちー姉、お掃除してくれてたんだ?」
「うん。祝詞は毎朝晩L神社の人があげてくれるけど、ここ結構ゴミが落ちてるんだよねー。ファミレスのバイトが終わったらここに寄ってお掃除してゴミ集めて帰ってる。でも今まで2回、谷崎潤子ちゃんの番組に遭遇したよ」
 
「へー」
「あの番組の定期観察スポットになっているっぽい」
 
「そのせいかな。お賽銭の量が増えてるんだよね。御守りとか無いんですかという問合せが多いから、L神社の費用で御守り授与処を設置してもいいか?と言ってきたんで、いいですよと答えておいた。土日祝日の午前10時から午後6時まで交替で職員を置くらしい」
 
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「売るのはお札とか御守りとか?」
「普通のお札の他にL神社の巫女さんが考えてくれた勾玉のパワーストーンの御守りを置くことになった。ストラップ付きで八色あるんだよね。アメジスト・ラピスラズリ・ターコイス・ペリドット・グリーントルマリン・シトリン・ピンクトルマリン・ローズクォーツ」
と青葉は石の種類を挙げる。
 
「8色揃えたい人も出て来たりして」
「1個1080円だから8640円掛かるよ」
「消費税高くなったね」
 
「しかしその授与処が建ったらまた取材に来るでしょうね」
と彪志。
 
「するとますますここは繁盛しそうだ」
と桃香が言っている。
 
「日曜の午後とかは駐車の列が凄いらしくて、交通の妨げになるから、市が隣接する土地に駐車場を作ってこちらに貸与しようかという話も出て来てるんですよ」
「それは凄いな。でも借り賃が高かったりして」
 
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「今話しているのでは20台分くらいの駐車場で月15万でどうだというんですけどね」
と青葉。
 
「道路の混雑が解消されて、遊んでいる土地で収入が得られたら市も助かるだろうな」
と桃香が言う。
 
「でも個人的に毎月15万はけっこう辛いです。1年分まとめ払いだから180万円。今の所お賽銭は月に1万円くらいだし」
と青葉。
 
「180万なら、私に伝票送ってよ。私が個人的に払うよ」
と私は青葉に言った。
 
「あ、助かります」
と言ってから青葉は唐突に千里に言った。
 
「でもちー姉、ゴミ以外にも何か掃除してない?」
「ゴミ以外? ああ。草とかもむしってるよ」
「ふーん。ありがとう」
 
奉納していた他の食べ物を回収して引き上げる。その時、千里が戻る方向に突然何かが出現したような気がした。え? と思ったが千里はそこに何も無いかのように「それ」を通り抜けた。
 
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「やはり気のせいかな・・・・」
と青葉が呟くのを私は聞いた。
 

そのまま、そのメンツで千葉市内のファミレスに入った。
 
「長いライブツアーが終わりましたけど、今はアルバム制作ですか?」
と彪志が訊いた。
 
「うん。去年ほどまで凝ったことはしてないけど、今ずっと毎日スタジオに入って作業している」
 
「やはりアルバム制作だとどこかをずっと借りっぱなしにするんですか?」
と彪志。
 
「そのあたりはアーティストにもよるけどね。ローズ+リリーの場合はシングルの制作は★★レコードの付属スタジオで1〜2週間掛けて作るけど、アルバムは別の所を借りっぱなし。去年は半年借りっぱなしにしたけど今回は4ヶ月だね。実際問題としてこんな長期間、★★レコードのスタジオを借りっぱなしにはできないというのもあるけどね」
と私は説明する。
 
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「普通のスタジオを借りっぱなしにするのは凄いお金がかかるから、多分普通は使う時だけ数日単位で借りるんでしょうね?」
 
「うん。そういう所が多いと思う。そもそも最近は伴奏を全部打ち込みで作ってしまうアーティストが多い。するとスタジオ使うのは歌の収録の時だけでいい」
「歌までボカロイドだったりして」
 
「まあボカロイドより下手な歌手も多いから。その内、ボカロイド技術が発達したら、下手なアイドル歌手は歌わせずに音素だけ取って、その子専用のボカロイドに歌わせて音源制作となるかもね」
 
「その内、昔は人間が歌ってたんだよ、なんて言われたりして」
 
「ライブはダンスのみで歌は口パクだよね?」
「そのダンスもホログラフィだったりして」
 
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「昔は人間がステージに立って歌って踊ってたんだよと言われたりして」
 
「聴く方も3Dリアルタイム中継で家庭で見るパターンになって、昔は人間が演奏している場所に集まって聴いてたんだよなんて言われたりして」
 
「それも録画しておくだけで放置だったりして」
 
「昔は人間ってのが居たんだよと言われたりして」
 

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『Rose Quarts Plays Sex Change −性転換ノススメ』の制作は6月中に楽曲のアレンジを下川工房のアレンジャーさんにお願いしたのだが、今回は特に本人もMTF(Pre-Op)であるヒナさんという人が丸1ヶ月、専任になってこのアルバムの編曲作業をしてくれた。
 
彼女は高校までは男子として通学していたものの、音楽大学を受験する時に女子の格好で受けに行き、そのまま女子として通学している。まだ手術などはしていないものの、女性ホルモンを飲み始めて1年だと言っていた。
 
「性別のことで御両親と話します?」
「全く話してません。母は私がいつも女の子の格好をしていることは知っているし、おっぱい大きくしていることも気付いていますけど」
 
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「まあ、なかなか話せないよねー」
「でもこの楽曲を編曲してたら、もう居ても立ってもいられない気分になってきました。お金貯めて去勢しちゃおうかなとも思っているんですけどね」
 
「ああ。これはこの楽曲に関わった人、これを聴いた人の中から大量にそういう人が出そうな気がする」
 
「たぶんみんな性転換手術まではなかなか受けられないと思うんです。100万も200万も貯金できないもん。でも去勢だけならそんなにしないから、それだけでも受けようかなという人は出ますよね」
 

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