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■夏の日の想い出・月の三重奏(7)

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「ケイも性転換手術されながら曲を書いたら名曲ができてたかもね」
「それは無茶! そもそも全身麻酔だし」
 
「あれって部分麻酔ではできないもの?」
「無理でしょ」
 
「いや、ケイのお友だちで、去年性転換手術受けた子が、部分麻酔でやってもらったんだよ。自分の手術経過を見たいからって。元々医学に凄く興味のある子で」
「それは凄い!」
 
「なんか執刀医の先生と楽しく医学用語交えて会話しながら、自分が手術されている所を見学していたらしいよ」
「信じられん!」
 
「自分も性転換手術を受けている性転換手術医って人が確かアメリカに居たよね?」
「うん。Marci Bowers って先生だよ。男性として結婚して子供3人作った後性転換して女になって、そのあと自分でも性転換手術をたくさん手掛けているって人」
 
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「結婚して子供作ったってことは、男としての機能を使っている訳でしょ?でも女になりたかったんだ?」
「そういう人、ケイのお友だちにも何人かいるけど、女の人とセックスしてても、自分が相手側になって、今女としてセックスしている気持ちで、しているんだって」
「ああ、なるほど」
「相手に感情移入して、自分の男の身体の方は中身空っぽになって自動で動かしている感じだと言っていた」
 
「じゃ、やはり基本は女なのか」
「でなきゃ性転換手術までは受けないでしょうね」
「ふつうにバイなら、女装はしても性転換したいとは思わないだろうね」
「雨宮先生のタイプか」
「ああ、なるほど」
 
「雨宮先生って実は隠し子が5〜6人居るって噂も」
「あれだけ女の人とやりまくっていたら、そのくらい居ても不思議ではないかも」
 
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「あれ?でも雨宮先生って、去勢してたのでは?」
「去勢以前から、かなりやりまくってたみたいだから」
「いつかパーティーで会った時に、去勢はしてるけど気合いで妊娠させちゃう、男の娘だって妊娠させちゃうよ、なんて言ってたよ」
「無茶な」
 
「いや、あの先生ならあり得るかも」
「でもさすがに男の娘は無理」
「いや妊娠できる男の娘も希にいるかも。たぶんケイは妊娠可能」
「不可能だよぉ!」
「だってケイって生理あるじゃん」と政子。
「えーー!?」
 

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「うん。ケイが生理あるのは確か。私ケイにナプキン借りたことも貸したこともあるし」
と和泉。
 
「ケイって、もしかして元々半陰陽だったとか?」
「まさか。『200年の夢』ってこないだ出したでしょ。あれ、実は奈良県の山奥に隠棲していた凄い霊能者さんのことを書いた曲なんだけどね。今年の3月に126歳で亡くなったんだけど」
「126歳!?」
「凄い長寿だね」
 
「谷崎潤一郎と同級生だったらしい。それで吉野の山奥を60年間回峰行してたっていう、物凄い人。その人のヒーリング受けたら生理が始まっちゃったんだよ。今私の体内で女性ホルモンが生産されているから、私ここ2年半、女性ホルモンの製剤は飲んでない。生理周期が完全に出来ていてPMSまであるし。その後私を見てくれた別のヒーラーさんが、これどうやってやったのか分からないと言ってた」
「へー」
 
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「私が半陰陽で無かったことは、手術前にMRIとかも取られて確認してもらってるよ。半陰陽の場合は、医学的にも法的にも扱いが全く違ってくるから」
「ああ、そうだろうね」
 
「ケイは半陰陽じゃなくて元々完全な女の子だったんだったりして」
と政子がいうと
「そうかも!」
という声が挙がる。
 
「でも生理あるんなら、やはりケイは妊娠可能なんだよ」
「うん、きっとそうだ」
「彼氏とやる時はちゃんとコンちゃん付けとけよ」
「うん。私も実はちょっと不安なもので、念のため付けてもらってる」
「それがいい、それがいい」
 
「今ケイが妊娠して仕事1年くらい中断したら、町添さんが青くなるよ」
 

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「浜名さん、キーボード上手いんでしょ? 今回のライブでは披露の機会無かったみたいだけど」
「音羽ともうひとりの子と3人でバンド組んでたからね、昔」
 
「ケイもいづみもキーボード上手いよね」
「いづみは小学校から中学校に掛けて、ピアノコンテストの常連だったんだよ」
「国内の小さなコンテストばかりだけどね」
「ケイは楽器何でも出来ちゃう。キーボード・ピアノ、ギター、ベース、ドラムス、フルート、クラリネット、三味線、胡弓、ヴァイオリン、サックス」
 
「生サックスは吹けない。私が吹くのはウィンドシンセだよ」
「あ、そういえばヴァイオリンもしてたね」
 
「作曲の時は主として何使うの?ドラムス?」
「なぜわざわざドラムスで?」
「だって08年組のジョイントではいつもドラムス叩いてるし」
「他に叩ける子がいないからだよ。光帆が少し叩けるみたいだけど自信無いって言うし」
「ああ、みっちゃんのドラムスは私も見たけど、やや頼りない」
「私も腕が細いから、30-40分くらいしか叩き続けられないんだけどね」
「いわき市のイベントでは、それでLondaさんが休憩入れてくれたみたいね」
 
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「まあ作曲は自宅にいる時はエレクトーンが多い。その曲のイメージに合った音で鳴らせるから」
 
「ああ、なるほど」
「浜名さんもキーボードでしょ?」
「うん。どちらかというとピアノが多いけどね」
「ああ」
 
「浜名の家って、グランドピアノ2台あるもんね」
「なぜ2台?」
「姉ちゃんがお嫁に行く時、自分のピアノを置きっぱなしにして行っちゃったから。2DKにはさすがにグランドピアノ置けないと言って」
「いや、姉妹で1台ずつグランドピアノ持ってたのが凄い」
「私と姉ちゃんがいつもピアノ取り合って喧嘩してたから、お父ちゃんがもう1台買ってくれたんだよ。あの時期はお父ちゃんの会社も景気良かったから」
「へー、すごい」
 
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「2DKでも置けないことはないと思うなあ。槇原愛は自宅の5畳半の部屋にヤマハのC3置いてるしね」
「5畳半??」
「うん。あの家、ちょっと変則的なんだよ」
 
「でもさすがに5〜6畳の部屋にC3みたいな大きなピアノ置いたら、他は何も置けないのでは?」
「愛の部屋は自分の勉強机とCDケース、三味線やギター置く棚とかもあるよ」
「よく入るな」
 
「寝る時はピアノの下に布団敷いて寝てるらしい」
「ああ、そうなるよね」
「寝ぼけて起き上がって、ピアノに頭ぶつけたことは多数と言っていた」
「そりゃぶつけるよ」
 
「でも、線香花火の千鶴さんの部屋とか凄いよね」
と政子。
 
「うん。あれは凄い。4畳半の部屋に、C3とベッドと学習机が収まっている」
と私。
 
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「入るの〜!?」
「ベッドに行くのにピアノの下をくぐり抜ける必要があるんだけどね」
「なるほど。しかし凄い」
 
「あれ?ケイちゃん、線香花火と知り合い?」
と浜名さんが訊く。
 
「ああ、浜名さんも線香花火知ってる?」
「私は名前だけ。CDは全部買ってるけど。なんであの子たち売れないんだろうね。実力あるのにもったいない」
 
「ケイはふたりと古いお友だちらしい。私にも詳しいこと話したがらないけど」
と政子。
 
「別に何も隠してないけど」
「だったら話してくれてもいいのに」
「いや、別に話すような内容もないけど」
「いや、きっと何か隠してる」
 
和泉が笑っていた。
 

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12月29日。ローズクォーツのサト(月羽聡)が結婚した。サトがこんな時期に結婚したのはローズクォーツのスケジュールの問題がある。テレビのレギュラー番組を抱えていて、それが生放送なので、毎週1回拘束される。ところがお正月は特別番組が続くので、この日結婚して、1月の2日から9日まで休めるのを利用してハネムーンに行って来ようという魂胆なのである。
 
そして・・・サトの結婚相手であるが、なんと△△社の甲斐涼香さんだったのである!
 
私たちが新人の頃、しばしば私たちの付き人のようなことをしてくれていて現在は△△社のアーティスト部門の責任者(肩書きは制作課長)の地位にある。UTPの甲斐窓香の姉である。
 
「何がどうしたら、ふたりってくっつくことになった訳?」
 
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「いや、ローズクォーツでスタジオで練習してて、それに窓香さんが付いててくれたんだけど、深夜に練習が終わって帰ろうという時に、同じ方角だから、送って行こうか? というので窓香さんを俺の車に乗せて帰ろうとしていたら、車内で窓香さんがお姉さんに電話したら、向こうもちょうど帰ろうと思ってたとかいうんで、じゃついでにお姉さんも乗せてくよ、ということで」
 
「で、お姉さんの方と出来ちゃったと?」
「うん。まあ。お腹空いたね〜、とかいうんで24時間営業のファミレスに寄って話をしてたりしたら」
 
「じゃ、サトさんと涼香さんのキューピッド役は窓香さんか?」
「さすがに私は仲人しないからね」
 

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ということで、仲人は△△社の津田社長夫妻が務めてくれた。涼香の友人代表としては△△社の古い社員で、イベント運営部門の責任者である遠藤さんがスピーチをした。またサトの方の友人代表はタカがスピーチをした。乾杯の音頭はまた加藤課長が取ってくれた。
 
サトの方は、前務めていた会社の元同僚は特に呼んでいなかったが、自衛隊時代の友人が5人、中学高校時代の友人が3人来ていた。涼香の方は、△△社関連の人と中高生時代の友人とが半々という感じであった。出席者は60人ほどだった。
 
「しかし年末年始は恒例の東京年越しイベント、大阪新年イベントだから、新婚さんに悪いけど、使わせてもらうから」
と私は言っておく。
 
「お手柔らかに」とサト。
「まあ、それには私もピューリーズ帯同で行くけどね」と涼香。
「なんだ。結局夫婦で参加するんだ!」と政子。
「うふふ」
 
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この年越しイベント、新年イベントでは、久しぶりに私がボーカルとして参加する。但し私はまだ休養中なので《覆面の魔女》を帯同して、彼女たちが2曲と私が1曲歌うことになっていた。
 
なお、甲斐涼香さんは結婚後も仕事は続けるし、営業上の便を優先して旧姓のままで業務を行うことになっている。
 
「いや、涼香ちゃんに辞められたら、うち困るから」
と津田社長も言っていた。
 
なお、私と政子はこの披露宴では『夜宴』をやはり私のピアノ伴奏で歌った。
 

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「だけど涼香さんはローズ+リリーを最も古くから知っている人のひとりですよね」
「うん。ケイちゃん、マリちゃんって、設営スタッフとして入って来てそんなに経たないうちに、ローズ+リリーになっちゃったから、私、純粋に設営スタッフしてたケイちゃんを全然見てないんだよね」
 
「そうですね。基本的にあれはバイトしていたのはマリであって、私はマリが花見さんと一緒に遠出する時の付き添いでしたから」
と私は言う。
「あの時期、ケイは実際スタジオのバイトの方がメインだったもんね」
と政子も言う。
 
「だから私、ケイちゃんが男の子だってのも全然知らなくて。ある日唐突に、須藤さんから『この子たちを連れて大阪に行って来て』と言われて、その時に
『冬ちゃんが男の子とバレてしまうのは構わないということで先方と話は付いてる』と言われて、意味が理解できなかったんだよね」
と涼香。
 
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「ああ、それは意味が分からないよね」と政子。
「何かこの子、男っぽい性格の子なのかな、とかしばし悩んだ」と涼香。
「戸籍上男の子だとは思いもよらないから」
 
「そうなのよ! でも後から考えると、当時もう肉体的には女の子だったんだよね?」と涼香。
「あ、涼香さんもそう思います? 私もそんな気がするのよねー。多分もうおちんちんは無かったんじゃないかと」
と政子は結構マジな顔で言った。
 

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