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■夏の日の想い出・月の三重奏(4)

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その日のライブが終わり、また短い打ち上げの後、帰宅している最中に今夜は博美から電話が掛かってきた。昨日の小春は興奮しきっていたが、今夜の博美は、感動した!という雰囲気だった。
 
「らんこ人形の演出にああいう意味があったというのにも驚いたけど、あのキーボードの交替も、なんでそこだけ交替したんだろう?とは思ったけどさ、まさか水沢歌月に代わったのだとは思いもしなかったよ。冬、歌月さんとは会ったの?」
 
「ううん。出演者もみんな気付かなくて、和泉の言葉にびっくりしてたよ。そもそも合唱団を2組入れて、現場は騒然としてたから、たぶんその合唱団の中に紛れてスタンバイしてたんだろうね。2組呼んだのがミソだよ。知らない顔があっても、向こうの合唱団の人だと思うから。それで恐らく出番が終わったら今度は客席にでも紛れ込んだんじゃないかな」
 
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この2組の合唱団が入っていたというのは、この時の合唱団の人のツイートでも拡散し、なるほど、そこに紛れ込んでいたのか!ということでネット上で多くの人が納得したようであった。
 
「あくまで秘密主義なんだね。でも歌月さんの歌とピアノを生で聴けたのは感動だよ、やはり」
「よかったね」
 
「ね、ね、昨日の小春のレポート聞いて、今日は自分で体験して欲が出ちゃった。明日のローズ+リリーのチケット、何とかならない?」
 
「うーん。だったら、昨日・今日のレポート、明日のライブの様子をコトたちに送ってくれるなら考えてもいい」
 
「よし! じゃ、小春にも連絡して今夜中に送るよ」
「よろしく〜」
 

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そして3日目。12月23日。三日連続両国国士館ライブの最後はローズ+リリーの番である。
 
2ベルが鳴り、客電が落ちる。勢いよく、ドラムスワークが入ってギター、ベース、キーボードの音も鳴り始めるので、客席は総立ちになり、手拍子が打たれるが、聞こえてきたのはオリビア・ニュートン・ジョンのヒット曲『Xanadu(ザナドゥ)』である。そして歌っているのも、ローズ+リリーの声ではない。客席の中に戸惑いの空気が広がる。
 
そして幕はまだ開かない。
 
しかし手拍子は、一応続く。もしかしたら前座が入るのか?と思った人たちもかなりいたようである。そして、この歌声に聞き覚えのある客も結構いた。
 
「アンちゃーん」「エミーちゃーん」「バーニーちゃーん」「リンダちゃーん」
という掛け声が掛かる。
 
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この歌声は《ロリータ・スプラウト》の歌声なのである。もしローズ+リリーの前座という形ででも、ロリータ・スプラウトが登場したら、それは彼女たちの初ライブということになる。
 
曲は終わる。そこでやっと幕が開く。
 
そこに居たのはマリとケイの2人である。ただ、その近くにけっこう大きなコンピュータシステムがあり、白衣を着た技術者っぽい人が座って操作をしている。
 
取り敢えずマリとケイがいたので、観客は「マリちゃーん」「ケイちゃーん」
と呼ぶ。私たちは客席に向かって手を振る。
 
私はまず普通の声でマリに言う。
「ご挨拶しなよ」
 
則竹さんが右手で1の数字を示す。
 
「初めまして、アンです」とマリのマイクから声が響く。
 
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「えーー!?」という声が観客席でこだまする。
 
続けて則竹さんは2の数字を示す。
 
「初めまして、エミーです」とまたマリのマイクから声が響く。
 
則竹さんは私の方に向かって3の数字を示す。私はマイクで挨拶する。
 
「初めまして、バーニーです」
 
そして則竹さんは4の数字を示す。続けて、私は言う。
 
「初めまして、リンダです。ファンの皆さん、私たちに名前を付けてくれてありがとう」
 
客席は呆気にとられている様子。則竹さんは両手を開いてこちらに示す。
 
私とマリは一緒に挨拶する。
「みなさん、こんにちは。ロリータ・スプラウトです」
 
スピーカーからは4つの声が響いた。
 

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私はリンダの声で客席に向かって説明した。
 
「事情をお話しします。ローズ+リリーは2008年12月19日に契約書が不備であったことが指摘されて活動停止に追い込まれてしまいました。しかし実はケイとマリの両親と★★レコードの間では短期間で話し合いがまとまり、2009年1月1日付けで、ケイとマリは★★レコードとの専属契約をしましたので、音源制作販売はすることができるようになりました。ケイとマリが自粛していたのはあくまで有料ライブのみです」
 
客席がざわめいている。
 
「それで『甘い蜜』『長い道』を発売するとともに『雪の恋人たち』を無料公開しました。当時は諸事情で既存音源を使ったことにしていましたが、実は『長い道』
のタイトル曲はケイとマリの歌を新たに録り直していますし、『雪の恋人たち』は2009年夏に全て録音しなおしたものなんです」
 
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「えーーー!?」という声が客席に広がる。
 
「当時、『雪の恋人たち』のマリの歌が『甘い蜜』より上手いのは何故だろう、という声があったのですが、それは活動停止に追い込まれた後の休養期間中にマリがたくさん歌の練習をして上達していたからでした」
 
「わぁ」という感じの声が客席のあちこちで起きる。
 
「それで、そんなことをしていたらマリがかなりやる気を出してきて、もっと歌いたい!CDも出したい!と言い出したんですね。それで、じゃ受験勉強期間中だけど、あまり負荷が掛からないように1日2時間くらいずつのスケジュールでCD制作しちゃおうか? なんて言ったら、マリは『まだローズ+リリーとしては歌う自信が無い』と言うんです。それじゃ、ローズ+リリーと分からないようにこっそり歌っちゃおうかというので、あれこれ考えたあげく思いついたのが、声を変形させて歌うというものでした」
 
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客席はかなりざわめいている。
 
「最初はRolandのUA-100Gという、声を変形させるエフェクターを使ってデモ音源を作ってみたのですが、もっと自然な感じになるようなものを★★レコードの技術部の則竹さんが開発してくださいまして、ふたりで歌うと4重唱になるようになっています。基本的にマリのリハビリのためのプロジェクトでしたので、リードボーカルはマリが歌う《アン》が取っています」
 
「あぁ」という感じの納得するような声。
 
「なお、ロリータ・スプラウトというのはローズ+リリー・タイニー・スプラウトの略で、つまりローズ+リリーの小さな芽という意味でした」
 
「へー」という感じの声とともに拍手が起きた。
 
「ここでロリータ・スプラウトの曲を何曲か歌ってもいいのですが、今日のライブの趣旨から外れるので、代わりにロリータ・スプラウトの初ライブを来月する予定です」
 
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「きゃー」
などという歓声が聞こえてくる。
 
「なお、それに先立ち1月8日にロリータ・スプラウトの9枚目のアルバムを発売します。今歌った『Xanadu』など、オリビア・ニュートン・ジョンの歌を6曲とケイト・ブッシュの曲を『嵐が丘』など6曲入れたものになります」
 
拍手と歓声が来る。
 
「それと今日★★レコードのサイトに掲載しますが、その新譜のジャケット用に、アン・エミー・バーニー・リンダの、ファンが想像する似顔絵を募集します。私たちはファンの皆様から名前を頂きましたから、ファンの皆様から、こんな感じの子では?というイメージで描いてくれると嬉しいです」
 
「わぁ」とか「おぉ」とかいう感じの声。
 
「ではプロモーションはそこまでにして、ローズ+リリーさんに登場していただきましょう」
 
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と私はそこまでリンダの声で言ってから、システムがオフになった(声が変形されずにそのまま流れる状態になった)のを則竹さんからのサインで確認し、マリと頷きあってから
 
「こんにちは! ローズ+リリーです!」
と挨拶した。
 
大きな拍手と歓声をもらう。
 
「XANFUSのライブでは神崎美恩さんと浜名麻梨奈さんが出てきましたし、KARIONのライブでは水沢歌月こと蘭子ちゃんが歌を歌いピアノを弾きましたし、それじゃ、ローズ+リリーも何か秘密を暴露しなくてはと思ったので、ロリータ・スプラウトの件を公開することにしました」
 
と私が言うと笑い声が起きた。
 

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「では、ローズ+リリーの歌に行きます」
 
と言うと、入って来たのはギターを持った音羽と小風、ベースを持った美空、フルートを持った光帆、そして和泉である。和泉はキーボードの所に行く。
 
「キャー」という感じの大きな歓声が響く。則竹さんとコンピュータ・システムはスライディングステージに乗って上手に消える。
 
『Long Vacation』を演奏する。
 
長い休みを経て愛が復活するという詩だ。あきらさんと小夜子さんのことを歌った詩だが、この曲を発表した時はローズ+リリーは長い休みを終えて、復帰しますというメッセージではと随分言われたものだ。
 
2009年1月から2011年7月までの2年半の休みの内、本当に休んでいたのは最初の3ヶ月だけかも知れない。その後は随分いろいろやっていた。
 
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2009年4-6月はアルバム『長い道』の制作をしていたし、7-9月は『雪の恋人たち』
やロリータ・スプラウトの『High Life』の制作をして自分たちの『time reborn』
の録音もしている。10-12月は『after 1 year』を作っていたし、XANFUSの沖縄ライブにゲスト出演した。
 
2010年1-3月は受験勉強の様子をレポートするラジオ番組をやっていた。4-6月は私が豊胸手術や去勢手術を受けていたのでかなり休みに近いものの、鍋島康平さんの追悼番組の企画をしたり、SPSに楽曲提供したりしている。7-9月は『after 2 years』『恋座流星群』の制作をしてスイート・ヴァニラズのツアーに帯同。10-12月からはマリ&ケイとしてのソングライト活動が本格化して、スリファーズ、ELFILIES, SPS, 富士宮ノエル、小野寺イルザ、などに相次いで楽曲提供。
 
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2011年1-3月は『Spell on You』の制作をした他、多数の楽曲提供。4-6月は、私が性転換手術を受けて本当に休みになるかなと思ったら結構な量の曲を書いていたし、鍋島先生の三回忌特集もした。
 
その2011年6月、ローズクォーツと被災地の避難所300箇所巡りなんて凄いことをしたけど、あの時本当は性転換手術からまだ3ヶ月しか経ってなくて、痛くて痛くてたまらないのを我慢して活動していた。周囲が男の人ばかりだからあそこが痛いなんて言えないし、随分トイレに籠もって束の間の休憩を取るとともに、痛み止めを飲みながら、消毒をしながらの行脚だった。
 
傷を早く治すために血糖値を抑えなければならないのでハードスケジュールで動いているにも関わらず、各地のイベンターさんが用意してくれる美味しそうな料理もまともに食べず、アルコール類は全部断っての1ヶ月間だった。さすがに貧血や低血糖でフラフラすることが何度もあった。正直あれで、さすがにもうローズクォーツ辞めてやる!と思ってとりあえず元々持っていた拒否権を行使して7月に予定されていたローズクォーツの活動への参加を休ませてもらったのが、結果的にはその後のローズ+リリーの活動再開につながった気もする。
 
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でもあの行脚で青葉に出会って、300箇所巡りが終わった所であらためて再会して、その場でヒーリングしてもらい、私の痛みは画期的に取れた。そしてその日に『Long Vacation』を書いたのだった。
 
私って結局は2010年秋に近藤さんに言われたように、ローズ+リリーの復活までの間だけローズクォーツをしていただけなのかも知れない。
 
7分を越える長い演奏時間の間、私の頭の中にはあの2年半のことが映画のダイジェストでも見るかのように様々なシーンが再生された。色々思いのこもる曲だ。
 
やがて演奏が終わる。私は伴奏してくれたみんなをひとりずつ紹介する。客席からも歓声が響く。そして彼女らの退場とともに、スターキッズのメンバーが登場して通常の演奏が始まる。
 
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前半はいつものように、アコスティックタイムである。
 
『花の女王』から始める。松村さん、更紗、が入って、鷹野さんと3人でヴァイオリンを弾き、それをバックに私たちは歌った。考えてみたらこれも三重奏だ!
 
なんか「3」という数字に付いてるなという気がした。『Moon Road』のヴァイオリン三重奏、『Triple Moon』ギター三重奏。『雪のフーガ』フルート三重奏、『月に想う』サックス三重奏、そして『花園の君』は3の倍の6人でヴァイオリンを弾くし。でも「月」が含まれるタイトルが多い気も?
 
などと考えていた所で曲が終わり、その『花園の君』に行く。更紗・松村・鷹野・香月・宮本・七星の6人で弾くヴァイオリンに、近藤さんのギター、月丘さんのピアノ、酒向さんのドラムスが入るが、ここにまた美空がベースを持って、光帆がフルートを持って入って来たので大きな歓声が起きた。
 
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「みそっちー」とか「ピカちゃーん」といった歓声が飛んでくる。
 
会場が熱狂するなら、私たちも昂揚した気分で、この高校1年の時に書いた曲を歌った。
 
ベースを弾いた美空、フルートを弾いた光帆、そして第1ヴァイオリンを弾いた更紗を紹介し、3人が下がって、演奏は継続する。
 
『100時間』『あなたがいない部屋』『君待つ朝』『天使に逢えたら』
『A Young Maiden』『雪の恋人たち』『夜宴』『花模様』『言葉は要らない』
 
と演奏していく。『言葉は要らない』のパイプオルガン・パートは先日の七星さんたちの結婚式にも出てくれた、友人の川原夢美が私物のバロックオルガンを使用して演奏してくれた。
 
そしてゲストタイムとなる。
 
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■夏の日の想い出・月の三重奏(4)

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