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■夏の日の想い出・秋の日のヴィオロン(4)

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「へー。元気してた?」
「うん。本人的には元気。まあよくしゃべる人だね」
と私は笑いながら言った。私と政子とゆみを前に蔵田さんはロック論を1時間近くしゃべっていたのである。
 
「女の子の前ではよくしゃべるとは聞くね」
「私もちゃんと女の子に分類してもらえているのかな?」
「そりゃ、H可能なら女の子で問題無い」
「なるほど」
「俺だって唐本とデートしてみたいくらい」
 
「ありがと。でも松原珠妃さんを捕まえて15時間しゃべり続けたなんてのは伝説になってるしね」
「あれ、事実?」
 
「うん。松原さん本人からも聞いたよ。夕方6時から朝の9時までホテルのラウンジで語り明かしたというか一方的にしゃべりまくっていた、と。ホテルで一緒に一晩過ごしたとだけ言ったら、誤解されたと言って笑ってたけどね」
 
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「あはは。でもドリームボーイズじゃなかったら、やはりワイルズ・オブ・ラブかなあ」
「ワンティスやドリームボーイズとは少し傾向が違うよね」
 
「そうそう。それがネックなんだよ。ワンティスもドリームボーイズも正統派のロックだけど、ワイルズ・オブ・ラブはヒップホップ系だから。そうなると若手なのかなあ」
 
「実際、大物なら最初から発表するんじゃない?」
「ああ。やはりそうだよね!」
 
「若手だと一番手に候補にあがってたのが、唐本たちの所のスターキッズ、次に一番旬の感じがあるバインディング・スクリューなんだけどね」
 
「どちらもそんなに若くは無いなあ」
と私は答える。
 
「ああ。年代的にはどちらもむしろワンティスと同世代だよね」
「実績が短いだけだよね」
「もっともワンティスだって2年しか活動してないんだけどね」
「うん。でもその2年の密度が濃すぎる。フルバンド形式のユニットでデビュー曲以来8連続ミリオンって記録は多分今後も誰も破れないよ」
 
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「ローズ+リリーが歌った『疾走』もミリオン行ったから、実はミリオン9連発じゃないかという説もあるよね」
「ああ、その話は私も聞いた」
 
「大穴で超若手、ハイライトセブンスターズなんて意見もあったけどね」
「ああ、それは面白い。候補として提案しちゃおうかな」
 
ハイライトセブンスターズは現役高校生バンドで、まだセールス実績は無いものの、若者向けのラジオ番組で同世代の中高生たちから熱く支持されている。
 
「ほんとにまだ決まってないの?」
「調整中」
 
と私は笑って答えた。
 

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ところで、この時期、私の従姉(正確には従兄の奥さんの従妹)のアスカは12月にドイツで開かれるヴァイオリン・コンクールに向けて猛練習をしていた。本番でピアノ伴奏をする私の友人・美野里、アスカの後輩で♪♪大学在学中の更紗、なども練習パートナーを務めていたが、私も時々アスカの自宅に行っては夜通しの練習に付き合っていた。
 
私が中学生、アスカが高校生の頃からしばしばやっていた形式で、ピアノとヴァイオリンを交代しながら、夜1時から朝9時までひたすら弾くというもので、一度更紗も挑戦したものの4時間で音を上げたらしい。
 
また、私が『女子中学生していた頃』からやってた練習というので政子が興味を持ち、
「当時の女子中学生の冬と、女子高生のアスカさんを再現してよ」
などと言うので、政子に同席させて、実際に私が中学の時のセーラー服、アスカも昔の高校の時の制服を着て練習したが、政子は私たちの格好を見て
「ふたりとも可愛い! 冬はほんとに可愛い女子中生だったんだろうな」
などと言って喜んでいたものの、私たちが演奏を始めると最初の10分!で眠ってしまった。
 
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ところで、以前はこの練習をする時、私は中学の時からずっとアスカから借りていて高3の時に私が買い取ったヴァイオリン《Rosmarin》を使っていたのだが、ここしばらくは、アスカが《Rosmarin》の次にメイン楽器として使用していた18世紀の古楽器《Angela》を借りて演奏していた。
 
元々私と組んでの練習では、私自身の技量はアスカや更紗などには比べるべくも無いのだが、私が他人の演奏を無意識にコピーして演奏する癖があるので、それで私のヴァイオリン演奏を聴いて、アスカが自分の演奏の悪い所に気づくからというのがあった。しかしアスカの演奏がハイレベルすぎるのでRosmarinを使った演奏では「コピーの解像度が悪い」から、もっと良い楽器を使ってほしいと言われたのである。
 
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一度アスカがメインに使っている《Luciana》も借りてみたものの、
「さすがに無理だね」
と私もアスカも言った。それにアスカがLucianaを酷使するから私が演奏している間だけでも、楽器を休ませたいというのもある。一応アスカは本番用のLucianaの他に、Lucianaの作家の楽器を「コピー」して現代の名工が作った楽器《Merinda》(100年乾燥させた木を使用したもので、これでも購入価格は1000万円)も練習用に使用している。私との8時間のぶっ通しの練習では、だいたい前半にMerindaを使って、後半乗ってきた所からLucianaを使っていた。
 
「冬、Angelaを弾きこなせてないと自分では言ってるけど、私にはかなり弾きこなしているように聴こえる」
とアスカは言った。
 
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「そう? じゃこないだも言われたように、私このヴァイオリン借りちゃおうかなあ」
「いいよ。格安レンタルしてあげる」
「アスカさんの『格安』ってのも怖いなあ。年間1000万円くらいに負けてくれない?」
と私は言った。アスカはその言葉を少し考えているようであった。
 
「・・・・その金額だとレンタルというよりリースって感じだね」
「そうだね。レンタルなのかリースなのかは、そちらの税務処理の都合に合わせるよ」
 
実はアスカのお父さんが2年前に勤めていた証券会社を退職し、昨年と今年は一家の収入が激減していたのである。アスカは《Luciana》を買った時、支援者の製薬会社会長から3億円出してもらったものの、(親戚からの借金を含めて)自力で2億円調達しており、その時の借金がまだ半分以上残っていた。そのため、一時期はこの《Angela》の売却も考えていたようであった。ただ、アスカは数々のコンクールに入賞したこの楽器にかなりの愛着を持っており手放さなくても済むものなら何とか手放さずにおきたいと考えていた。
 
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ヴァイオリニストというのは、金は掛かるのに収入はそれほどでもない困った商売である。
 
「じゃ年間1000万円で5年リースで」とアスカ。
「うーんと。その条件なら6年リースかな」と私。
「ま、いっか。じゃこの楽器の扱いについては6年後にあらためて協議ということで」
 
「了解、了解。で時々そちらに逆レンタルすればいいね?」と私。
「うん、お願い。レンタル料金は安くしてよ」とアスカ。
「じゃ、政子の食事代1回分で」
「それ、恐ろしすぎる!!」
 

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ところで政子は中学時代に吹奏楽部でフルートを吹いていたのだが、高校に入って以降一度も楽器に手を触れておらず、大学1年の時にふと思い出してちょっと吹いてみようとしたものの、全く音が出なかったらしい。
 
それで私に「これあげる。一週間で覚えて」などと言って自分のフルートをくれたのであるが(現在は私たちの友人の所有になっている)、先日『花の女王』
のPV撮影の時に、篠笛を持っている所を見たら、そのまま吹いたら音が出そうな気がしたので「吹いてみなよ」と言ったら、ちゃんと音が出た。
 
「あれ〜、私、横笛吹けるのかも」
と言うので、私が現在使用しているフルート(ムラマツの総銀製)を吹かせてみたら、ちゃーんと音が出た。
 
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「マーサ、フルートもまた練習してみなよ」
と少し唆したら
「やってみようかな」
と言うので、アドバイザーの七星さんと一緒に楽器店に買いに行った。
 
試奏もさせてもらった結果、政子はパールフルートの総銀モデルF-8800RE/IL(リングキー・Eメカ付き)を選んだ。オフセットとインラインは結構悩んでいたようだが
「こっちの方が見た目がいい」
と言ってインラインを選択した。
 
オフセットは吹きやすいが、インラインを持っているといかにも「吹ける人」
に見えるのが特徴である。七星さんも
「オフセットかインラインかは慣れの問題」
と言っていた。
 

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2年半くらい前に、政子がヴァイオリンの練習をしているということを町添さんに言ったら
 
「ケイちゃんのピアノとマリちゃんのヴァイオリンでクラシック音楽の夕べとかでもやっちゃう?」
などと冗談(?)を言っていたのだが、この時期それを、やってしまった。
 
11月30日の土曜日、福島県の田村市文化ホール(座席数800)で
「唐本冬子・中田政子/クラシック音楽の夕べ」
などというものを開いた。
 
この催しのことはどこにも公表せず、ただ10月下旬発行の田村市の広報誌にだけ載せてもらった他は、文化ホールのホームページのイベント予定表に表示し、また出演者名をとっても小さく印刷して「ヴァイオリンとフルートの夕べ」
という文字を大きく印刷し、ヴァイオリンとフルートの楽器の写真だけ大きく出したポスターを田村市内の郵便局に貼ってもらっただけであった。演奏曲目として『歌の翼に』『E・バッハ/トリオソナタ』『パッヘルベルのカノン』
『フィガロの結婚序曲』『主よ人の望みの喜びよ』『ベートーヴェン/セレナーデ』と書いておいた。
 
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チケットの販売は文化ホールの窓口と、福島県内の大きな郵便局とJRの主な駅のみであった。
 
広報誌に載って最初の一週間で売れたチケット(税込1995円)は80枚である。それでも私と政子は
「ヴァイオリンとフルートの演奏というだけでチケット買ってくれる人たちがこんなに居るんだね」
と言って感心した。
 
ところが11月3日に市内の高校の軽音楽の大会がこのホールで行われ、その時に何気なく会場のイベント予定表を見ていたひとりの高校生が
 
「11月30日に田村市文化ホールで『唐本冬子・中田政子/クラシック音楽の夕べ』というのが予定表に入っているんだけど、これまさかローズ+リリーじゃないよね?」
 
とツイッターに書いた。
 
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それが「ん?」と思った人たちにより多数リツイートされ、中には文化ホールに電話した人もあったようだが、文化ホール側では
「そういう名前で予約はされているが、当ホールではクラシック音楽の演奏とだけ聞いており内容までは知らない」
と回答した。
 
それで★★レコードやUTPなどに
「これはローズ+リリーのコンサートですか?」
という問い合わせが来た。
 
どちらも「把握していない」という回答をしたので、ツイッターでは
「同姓同名の別人では?」
という意見が強くなった。しかしその間にチケットは売れ始め、最初の呟きがあった翌日の11月4日中に200枚も売れた。
 
やがて私のアカウント宛てにも直接
「これ、マリちゃんとケイちゃんのイベントですか?」
というDMが多数来たので、私は11月5日早朝に
 
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「そうだよ〜。でも私もマリも歌わないよぉ。楽器演奏だけだよ。曲もクラシックばかりだよぉ」
と回答した。
 
私がその回答をした日、チケットは午前中に一気にソールドアウトした。チケットが購入できる場所で、首都圏からアクセスしやすい、新白河駅と郡山駅のみどりの窓口に長蛇の列ができて、両駅では急遽
「ローズ+リリーのチケットはこの窓口だけで発売します」
と販売する窓口を1つだけに限定して、他の窓口を一般のチケット購入者のために開ける手を打った。
 
郡山駅に長蛇の列が出来ているのを見て、わざわざ田村市文化ホールまで行った人たちもいたようである。結果的には文化ホールまで足を伸ばした人たちはだいたい買えたようであった。
 
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今回のイベントは一応、UTP、★★レコードはもちろん、田村市、郵便局、JR東側にも一応の連絡説明をした上でやったのだが「ローズ+リリー」の名前も「マリ」「ケイ」の名前も使用しないということで、あくまで私たちの個人的なイベントということにして、宣伝行為は一切しないことにしておいたのである。
 
田村市側にも事前に説明していたのだが、騒ぎになった後で警備などは大丈夫ですか?という問い合わせがあったので、入場管理と警備に関しては県内の大手イベンターに委託していることを伝えると、向こうの担当者はホッとしているようであった。その問い合わせがあった1時間後に今度は県内のローカルテレビ局から電話があり「イベントの撮影・放送をさせてもらえないか?」
などと言ってきた。
 
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★★レコード、UTPと協議の上、再放送1回込みで安価に放映権を販売した。結果的にはこの放映権のお金で、会場の借り賃と入場や警備の委託費は出てしまった。放送局側が「もし良かったらこの人をゲストに出場させられませんか?」と言ってきた人があった。
 
その人は実は間接的につながりのある人だったので、仲介者経由で連絡したらぜひ出たいということだったので出演をお願いした。
 
また放送局側は、既にチケットがソールドアウトしていて、座席を占有してカメラを設置することができないので、ホール側と協議して、2階の手すりの所に遠隔操作で動かすカメラを設置して望遠で全景を撮るとともに、ハンディカメラを併用して撮影することを決めた。
 
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なお、今回のイベントの運営は中学高校の時の友人たち、風花、詩津紅、倫代の3人でやってくれた。また、何かトラブルがあった時の対処のことを考えて念のため、△△社の運営部門の村主さんにも入ってもらい、警備担当の地元のイベンターさんと協議しながら進行を見てもらった。
 
 
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■夏の日の想い出・秋の日のヴィオロン(4)

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