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■夏の日の想い出・風の歌(8)

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「手始めに明日からはセーラー服着て、学校に行くとか」
「あはは」
 
「ということで、お股を特別公開しない?」
「いや、それ見せたら逮捕されるから」
 
「見せなくても、付いていたら逮捕されると思う」
「全く、全く」
「付いてるのかも知れないけど、付いてないようにも見えるという微妙な線で冬は今通報されずに済んでいる」
「うん、だから絶対に見せない」
と私は笑いながら言った。
 
「日本国内に配備されている米軍の*兵器みたいなものか?」
「いや、それは間違いなく存在するだろうけど、冬のおちんちんは正直分からん」
 

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お風呂に入った後は再度遊園地に戻り、最後にみんなで観覧車に乗って夜景を楽しんだ。ただ、新幹線の時刻の関係で、明奈と純奈だけはお風呂からあがった時点で先に帰って、観覧車は7人になった。
 
「まあ、でもこの人数の女子と一緒に平気で女湯に入って、恥ずかしがっている風でもないし、他の子を変な視線で見たりするようなこともないし、という時点で、私の中では、冬は女の子である、と結論付けてしまった感があるな」
とアスカは言った。
 
「冬本人が主張するように、本当にまだ付いてるのか、あるいは実は密かに既に取ってしまっているのかは分からないけど、バストは他の女の子ほどではなくても少しずつ成長しているというし、冬がこの後、男っぽくなっていくことも男の声になってしまうことも有り得ないみたいだし、冬はやはり女の子なんだろうね」
とリナも言う。
 
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「そのバストがBカップくらいになった頃には、もう冬は完全な女の子に変身完了してるんだろうね」
と美佳。
 

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「でも夜景がきれいだね〜」
「なんで夜景ってきれいなんだろう」
 
「昼間は太陽が全てを支配しているから。夜は小さな星たちの出番だよね」
「天上の星と、地上の星との共演」
 
「昼間の風景はピアノ協奏曲とか、オーケストラが伴奏する歌とかで、夜景は楽団だけで演奏する管弦楽曲かな」
 
「弦楽器は天上の星で、管楽器は地上の星かもね」
 
「冬は学校とかで男の子の振りをしているのが太陽。でもその太陽が沈んでいる時は、女の子としての本性を見ることができる」
「昼間は男で、夜になると女なのか」
 
「ってことは、冬はやはりお婿さんにはなれないね」
「初夜にベッドに入ってみたら女の人だったというので相手がびっくりする」
「冬はお嫁さんにしかなれないよね」
「そうそう。夜のお務めは女としてしかできないから」
 
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「まあ、本人お嫁さんに行く気みたいだしね」
 

名古屋に行った翌週、私が通っている民謡教室の津田アキ先生が、50歳の誕生日記念の演奏会を開いた。
 
(正確には通っているというより顔を出してるというのに近い。中学になってからは部活の関係で出席頻度が減ったし、行くと教わっている時間より初心者に教えてあげたり三味線の調弦をしてあげている時間の方が長いので、月謝もいいよと言われて払ってないし!)
 
津田さんのお弟子さんや教室の生徒、お友だちなどが出演して様々な民謡や地唄などを披露する。私は津田さんから「出てよね」と言われていたので伴奏をするのかと思っていたら、出演者の方でカウントされていたので慌てた。
 
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そして私がその演奏会に出るというのをどこで聞きつけたのか、アスカが前日に「聴きに行くね」と連絡してきた。アスカは今週も土曜日に福岡でリサイタルをしていて、朝から飛行機で飛んで帰っての出席である。私は何も曲目を考えていなかったので、他の演奏者とかぶらなそうな、岐阜県のマイナーな民謡を唄おうかとも思っていたのだが、アスカが聴きに来るのであれば、それではいけないと考えた。
 
さて、何にしようかな・・・・
 

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当日、午前中に奈緒の家に寄って、和服に着替えてから行こうとしたら、奈緒まで付いてくるという。やれやれ。
 
演奏会は13時からであるが、10時にアスカと待ち合わせ。奈緒と3人で早めの昼食をミスドでして、それから11時前に会場に入る。
 
私は津田さんには、使いやすい存在なので、控室に椅子を並べたり、ステージにシルクの布を垂らしたり、撮影用の機材を設置したりなどした。(こういう作業には奈緒もどんどん使った)また私は演奏者や伴奏者の三味線の調弦なども引き受けた。
 
本来三味線というのは、自分でピッチを判断して演奏できなければならないのであるが、実はそれができない三味線弾きも多い!のである。あちこちの演奏会にお邪魔していると、歌唱者とずれたチューン、尺八とも違うチューンで平気で演奏している三味線なども、しばしぱ見かける。要するに「この音はこの場所で弾く」と指を押さえる場所(勘所)を決めていて(勘所に印を付けている人までいる)、それで調弦がアバウトなので、その音が出ていない演奏者である。調子笛を使っても調弦できないと言う人もいる。いわゆる耳音痴だ。こういうのは困るので、怪しい人のは全部調整してあげた。
 
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もっとも三味線は弾く曲によって二上り・三下りなど数種類の調弦が存在するので、こういう人の三味線は実際に弾く曲を訊き、その曲の調弦にしてあげる必要がある。
 
12時すぎに、そのような準備も一段落して、リハーサルが行われている最中、会場の後ろの方で様子を見ていた時、会場の中に入ってきた初老の男性が私の方を見て、驚いたような顔をしてやってきた。こちらもびっくりした。
 
「やあ、こんにちは、薔薇の君」
「こんにちは。ご無沙汰しておりました」
 
それは7月に陸上競技場のライブ前夜のステージで偶然遭遇した○○プロの丸花社長であった。
 
「和服着てるね。君、もしかして関係者か何か?」
「はい、津田先生の教室に生徒として通っています」
「へー! 民謡を習ってるんだ!」
「最近サボり気味であまり顔を出してないのですけど」
「ふーん」
「民謡は喉を鍛えられるので。私の本職はポップスなんですけど、基礎的な力を付けるのに民謡もしています」
 
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「なるほどねー」
「社長は、津田先生と何かお関わりが?」
「うん。私の元部下だから」
「あれ? もしかして津田先生が警察庁を辞めた後で勤めていた音楽関係の会社って・・・」
「うん、うちのプロだよ」
「そうだったんですか!」
 
「うちのプロダクションは、僕と津田君と、もうひとり浦中君というのと、3人で作って育てたようなものだよ」
「わあ」
 
「それで社長を津田君にゆずって僕は会長に退こうかと思ってたら、さっさと辞めちゃって、民謡教室を開くんだから。予定が狂って、僕はいまだに社長をしているよ。実務はもうほとんど残った浦中君に丸投げしてるんだけどね」
「へー!」
 
「○○プロを始める前から津田君も浦中君も僕の部下だったんだ」
「警察庁の時ですか?」
 
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「そうそう。その頃の話とか聞いてる?」
「いえ。津田先生はその頃のことはあまりお話しになりません。お嬢さんの方から少しだけ聞いているのですが」
 
「僕がちょっとした事件で警察庁を辞めた時に、津田君も浦中君も辞めると言ってね」
「ああ、それはお伺いしました」
「それで僕は○○プロの前身の別の芸能プロに入ったんだけど、二人は紹介して警備会社に再就職させて」
 
「わあ」
「でもその芸能プロが倒産して、そこに所属していたタレントさんのための受け皿会社を作ろうというという話になった時に、人手が足りないんで、ふたりを呼んだんだよ。2年間は給料保証するからと言って」
 
「そうやって○○プロが誕生したんですか?」
「うん。あの時代のことを知る人も少なくなったね。芸能界は流れが速いから」
「栄枯盛衰が激しいですね」
 
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「でも○○プロも保坂早穂が出るまでは、ほんとに弱小プロダクションだったよ」
「ビッグスターですね」
 
「プロダクションはひとりのビッグスターを出して、初めてまともなプロダクションと認められるからね。でも実は次世代のスターが欲しい」
「えー? でも****さんとか、***さんとか、****さんとか」
 
「うん。確かにその付近は売れてるけど、スーパースターじゃない。そうだ、君、もしかして今日出演する?」
 
「はい、5番目に歌うことにしています」
「じゃ、それを聴いてから帰ろう」
 

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そこに津田アキさん本人がやってくる。
 
「社長、すみません。お忙しい所を」
「まあ面倒なことはウラちゃんに全部押しつけてるから。そのウラちゃんは例の4人組の件で忙しいようでね。今日は行けないということだった。すまん」
と丸花さん。
 
「いや、こちらも、うちの弟がやはり忙しいからといって来てないし。あの4人組は、やはり補充メンバーを入れる方向ですか?」
「うん。その線。入れる子はだいたい固まったんだけど、マネージャーの人選に悩んでるよ。前任者は厳しいのはいいのだけど、結果的にあの子たちと意志の疎通が全く取れてなかったからね」
「マネージングは信頼関係が第一だから」
 
「そうそう、アキちゃん、いい子を持ってるね」
と言って私の方に手を向ける。
 
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「ああ、社長も目を付けられましたか。本人は民謡よりポップスやりたいみたいだから、その内、社長のお世話になるかも知れませんね」
「うん、その時はウラちゃんに一言声を掛けてよ」
 

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いろいろ話があるようなので、私は軽く会釈をしてその場を離れた。少し離れていた所にいたアスカと奈緒が寄ってくる。
 
「あれ、どなた? どこかで見たことがある」
「○○プロの丸花社長」
「うっそー! なんでそんな大物と知り合いなの? 知り合いだよね?今の雰囲気」
 
「うん。2ヶ月ほど前にひょんな所で会ってね。歌手になりたい気になったら声を掛けてねと言われた」
「おお、歌手になるの?」
「まだ今の自分の力じゃ無理だよ〜」
 
「ところで、向こうは冬の性別は知ってるの?」
「うーん。。。たぶん女の子と思われてる」
「まあ、実際女の子だから、それでいいんだろうけどね」
 

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出番の無かったはずのアスカが無理矢理、私の前の順番に割り込んだ。ヴァイオリンを弾くという。アスカは今日羽田からまっすぐここに入ったので昨日の福岡のリサイタルで使ったヴァイオリンをそのまま持って来ていた。
 
「次は蘭若アスカさんのヴァイオリン演奏です」
と司会の麗花さんに紹介されて出て行く。
 
何を弾くかと思ったら『タイスの瞑想曲』を弾き出す。比較的知名度のある作品なので場がしらけることもなくホッとした。しかし○千万円のヴァイオリンはアスカが弾くと会場にほんとによく響き渡る。この会場の空気を全て支配するかのような響きだ。心地良い。民謡関係者ばかり集まっているこの中でも、聞き惚れている感じの人が結構あり、首を振って聴いている人もある。
 
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結構な拍手があった所で、私の番である。
 
「次は若山富雀娘さんの、三味線弾き語りです」
 
私はステージに上がると、三味線をギターっぽく弾き出した。いつも使っている象牙のバチではなくギターのピックで弾く。こうすると三味線の音がとても柔らかく響くのである。先ほどアスカがきれいに統一したこの会場の空気を破壊してぐちゃぐちゃにする響きだ。
 
そして「街の〜〜〜外れに〜」と『イエローサブマリン音頭』を歌い出す。サービスで、たっぷりと(民謡的な)小節をきかせる。会場のあちこちで笑い声が聞こえる。これでなくっちゃね! 津田アキさんが目を丸くしているが、隣にいる丸花さんは楽しそうに頷いている。
 
最後の「イエロ・サブマリン、潜水艦」まで歌ったところで大きな笑い声と共に拍手をもらった。
 
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アスカが「うーん」という感じで笑いながら腕を組んでいる。
 
「私、だいぶ冬の性格が分かってきた」
「そう?」
「ステージに上がる時の姿勢がさ、私はストレートだけど、冬はフォークボールなんだ」
 
「ああ、そうかもね」
 
私の演奏の後、丸花さんはにこやかな笑顔で手を振ると会場を出て行った。
 
 
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■夏の日の想い出・風の歌(8)

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