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■夏の日の想い出・あの衝撃の日(3)

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「ケイさんの中の人というのは、ふつうの女装が似合っちゃう美少年なのでしょうか?あるいは女の子になりたい男の子とかなのでしょうか?」
 
「そうですね。その点に関しては、個人情報ということで、内緒にさせてください。ケイは芸能人なので、いろいろお答えしますが、中の人は一般人ですから」
「了解です」
とここで言ってくれたのは、事前に一部情報を流している新聞社の記者さんだ。
 
「でもケイさんって、水着姿を披露したこともありますよね? ケイさんは身体的には女性なのですか?」
「ええ。ケイは女の子ですから、ふつうに女の子水着を着れる身体ですよ。でも中の人は男の子なので、女子水着を着るのは困難かも知れません」
「そのあたりも魔法の杖の作用ですか?」
「はい、そうです」
とボクは笑顔で答える。
 
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「しかしケイさんって、こうやってお話していても、ふつうに女の子の声ですよね。声帯の手術とかなさっている訳ではないんですよね?」
「ケイは女の子ですから、ふつうに女の子の声で話したり歌ったりします。こんな感じです」
 
と言って、ボクはソプラノボイス、アルトボイス、中性ボイスの3種類で、来週発売予定だった『涙の影』の一節を歌ってみせた。
 
拍手が起きる。「凄い」などと言っている声も聞こえた。
 
「でもケイの中の人は男の子なので、ふつうには女の子の声は出ません。ただカウンターテナーのような発声法の練習はしているようですよ。手術とかは一切してないです」
と答える。
 
それで記者さんたちはボクの発声法がカウンターテナーの発声法と同類であることを理解してくれたようである。
 
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ボクたちがローズ+リリーの活動を一時休止するということを発表したことについては意図を訊かれるが
 
「ケイのプロフィールについて、新たな情報が出たことで、それがファンの間に周知されるまで、いったんお休みした方が良いであろうということになりました」
と加藤課長が説明する。
 
「2月の全国ツアーのチケット発売が年明けに予定されていますが?」
「発売は取り敢えず延期になります」
「ツアー自体は実施されるのでしょうか?」
「現在それは検討中です。たいへん申し訳ありません」
と加藤課長。
 
こうして記者会見は30分ほどで、比較的明るい雰囲気で終わった。ただこの時点では、ローズ+リリーの契約に問題があるということは、まだ明らかにされてはいなかったのである。
 
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記者会見が終わった後で、津田社長はすぐにボクの父に連絡し、不手際とこれまできちんと挨拶をしていなかったことを詫びた。そしてそちらにお伺いして話をさせて欲しいと言ったのだが、父は津田社長と会うこと自体を拒否した。
 
「お父さん、これかなり怒ってるね」
「仕方無いです。では怒られに帰ります」
「うん。頑張ってね」
 
ということでボクは家に帰ることにした。政子のことが心配だったので、誰か契約に直接関わっていない人(政子の親と対面した時に即喧嘩になる可能性の少ない人)で、誰か今夜一晩政子のそばに付いていてもらえないかと言うと、秋月さんが「私が付いてる」と言って、政子を促して自宅に帰っていった。
 
ボクが帰宅してから、父の説教はたっぷり2時間続いた。怒った父は真っ先にボクの携帯を取り上げ、最初叩き割ろうとしたが、姉が「壊すのもったいない」
と言うので、データを初期化した。
 
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ワイドショーで報道された記者会見は母と姉は最後まで見たらしいが、父は「もういい」と言って、途中で寝室に行って、終わるまで籠もっていたらしい。
 
「取り敢えず、その気色悪い格好やめろ、男ならちゃんと男の格好しろ」
と父は言ったが
「私は女の子だから、女の子の服を着るよ」
と言ってボクは譲らなかった。
 
いつも意志の弱い感じの言動をしているボクが朝から意外にしっかりしたことを言うので、父は勝手が違う感じで戸惑っている風でもあった。
 
父は2度と女の格好で外を出歩くなとも言ったが、ボクはそれにも反発した。
 
それでひたすら叱られた2時間の後、3時間くらい、ボクと父は激論を交わした。
 
母が「お腹すいた」と言って、晩御飯を作って出したが・・・・
 
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「まずい」と父が言う。御飯に文句を付けるのは珍しいが、姉まで
「うん。美味しくない」と言う。
「ごめーん。私、クリームシチューなんて作ったことなくて。冬がいつも作ってくれてるから」と母。
 
「でもルーを入れたらできるはずのシチューをこれだけまずく作れるのは天才かも」
と姉は言い、更に
「そもそも、これ鍋を焦がしたでしょ?」と言う。
 
「焦げちゃうのよ〜。どうすれば焦げないの?」と母。
 
「やっぱり、冬がうちの主婦やってくれないとダメね〜」と姉。
「お父さんのお弁当も毎日冬が作ってくれてるからね」と母。
 
父が複雑な表情をするが、この御飯の件で、少しだけ父は軟化した。
 

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結局ボクと父の議論は何度かの休憩を挟みながら徹夜で朝まで続いた。姉は途中で寝てしまったが母は最後まで付き合ってくれた。
 
その結果、何とかボクと父の間で妥協が成立した。
 
・歌手活動は、大学入試が終わるまでの間しないこと。 
・去勢・豊胸・性転換など、身体にメスを入れる行為は、高校在学中はしないこと。 
・高校在学中はちゃんと男子高校生でいること。 
・「スカートで」外出する時は、父または母の許可を取ること。 
 
最初は「女装外出禁止」だったのを「スカート外出」に譲歩させ、更に親の許可があればいい、というところまで持ち込んだのについては母が感心している風だったし、父まで「お前、営業マンになれるな」と言った。但しボクは
「営業マンじゃなくてセールスレディだね」
などと言う。父はぶすっとしていた。
 
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父としてはかなり不満が残ったようだが、合計15時間以上、ボクと腹を割って話し合えたことで、父としてもこのくらいで妥協してもいいかという気持ちになってくれた面もあったようだ。
 
実際ボクが父とここまでお互い本音をぶつけあって話をしたのは生まれて初めてのことであった。父はそれまで家庭内のことはいつも母に任せていて、母が何か相談をしようとしても「仕事で疲れている」などと言って聞いてくれてなかった。
 
そういうツケが全部来たのかも知れない、などとも父は言っていた。
 
実際この後、父は母とわりとよく話すようになった気がしていた。
 

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ボクとの間では一応の妥協が成立したものの、父はそれでも津田社長とは話す必要は無い、などと言っていた。そこでボクは
 
「じゃ、取り敢えず町添さんと少し話してくれない?」
と言う。
「町添さんって、うちに今まで何度か電話してきたどこかの社長さんだっけ?」
と父。
 
「そうそう。社長じゃなくて平(ひら)の取締役だけどね」
「あの人も何か関わってるの?」と母。
「えっと、★★レコードの取締役だから」
「へ?」
 
「って、私言ってたよね?。昨日私と一緒に記者会見してくれた加藤課長の上司で、★★レコードの国内で制作されるCDの制作販売の最高責任者だよ」
「うっそー!?」
 
「いや確かにレコード会社の役員だって聞いてたけど、★★レコードの役員さんだったの?」
「と、以前から言ってたと思ったけど」
「え〜〜!?」
「だって、あんなに若いのに」
「あそこは会社自体が若いから。社長もまだ50歳くらいだよ、確か」
 
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「俺は、うちみたいな家に電話してくるなんて、どこか小さなレコード会社の役員さんかと思ってた」
「ローズ+リリーは★★レコードからCD出してるから」
 
父と母は顔を見合わせていた。
 
「いや、あの人、すごくいい感じの人だし。あの人となら話してみたい」
と父は言った。
 
それで父は町添さんに電話した。
 
町添さんの携帯の番号は昨日怒った父から携帯のメモリーを全消去されて、ボクの携帯(取り上げられたままで、お正月過ぎてからやっと返してくれた)には残っていなかったので、メモで渡した。家電から掛けたが、うちの家電は町添さんの携帯にも登録されていたようで、すぐ出てくれた。
 
それで父は町添さんと1時間ほど話していた。信頼出来る人と話したことで、父もかなり軟化した。それで、津田さんとも話してみましょうかね・・・などということになった。
 
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父は自分から津田社長の所に電話した。父は、昨日会談を拒否した非礼を詫びた。そして津田さんから、これまでの経緯をあらためて説明してもらい、父はそういう状況なら、仕方無かったかも知れないですね。。。などと言った。ただ、それでも、息子の芸能活動については即時全面停止してもらいたいと申し入れた。また「保護者の署名捺印がされてない芸能活動契約書」についても、こちらは契約拒否する意向であることを伝えた。
 
津田さんは「やむを得ないですね」と言い、あらためて陳謝した。
 
しかし父は津田さんがこちらの主張をきちんと受け入れてくれたことで、かなり話し方が穏やかになり、少し落ち着いてから、あらためて会って話したいということを伝え、津田さんも了承した。
 
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政子の方がどちらかというと大変だったようである。
 
政子の両親は結局、週刊誌報道のあった翌日に緊急帰国した。そしてお父さんが津田社長と会い、いろいろな問題について話し合ったものの、話し合いは決裂に近いものであったようである。ただ、継続的に話し合いを続けることでは合意することができた。
 
政子は無茶苦茶叱られたようで、年明けにも一緒にタイに行こうと言われたものの、そこだけは頑張った。歌手活動は辞めるし、本当に勉強に専念するから、日本に居たいと主張した。
 
この政子の抵抗がお父さんには意外だったようであった。
 
いつもボーっとしていて、何を考えているのか分からないようにしている政子がこの問題については「歌手を辞める」という交換条件とともに、自己主張をした。今までそんな自己主張をしたことのない子だった故に、政子のお父さんも政子の言葉を聞いてもいいかなと思ってくれたようであった。
 
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結局、数日にわたる父との話し合いで、政子は取り敢えず日本に残ることを認めてもらい、お母さんが監視役として高校卒業まで日本に滞在することになった。
 

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12月24日(水)に発売予定であったローズ+リリーの新譜『甘い蜜/涙の影』は発売中止と告知された。★★レコードでは、11月のツアーでの感触が物凄く良かったこと、予約が14万件入っていたことから、50万枚をプレスして週明けに各CDショップに発送する予定にしていたが、作業をいったん中止。50万枚のCD(段ボール5000個)は貸倉庫にいったん保管されることになった。本当に発売できないのなら、倉庫代も馬鹿にならないし、損害発生覚悟で廃棄する所だが(廃棄すれば億単位の損害が出る)、町添さんは、倉庫代を払ってもこのCDがきっと発売できる、という方に賭けた。当時町添さんはこの件の処理に首を賭けていたようである。
 
一方政子とボクは、突然ローズ+リリーの活動が停止になって、各方面に多大な損害が発生していること、発生しつつあることを憂慮した。
 
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津田社長は日程の迫っていた、ローズ+リリーの出演するはずだったイベントに取り敢えず代替でまだデビュー前であったピューリーズを出演させた。
 
一方、ボクは問題が発覚した翌日夜にすぐ密かに町添さんと連絡を取り、ローズ+リリーの振り替えとして XANFUS を使うことを検討できないかと提案した。
 
この連絡をした時町添さんは
「いまだに信じられないけど、君、本当に男の子なの?」と訊いた。
それに対してボクは
「私は自分では女の子のつもりです」
と明言した。
 
また町添さんからは、ほとぼりが冷めたらまたローズ+リリーをするつもりがあるかと訊かれ、それも「ぜひしたいです」と即答した。
 
町添さんが、当時社内でかなり責任を問う声があったらしいのもはねのけて強引に行動していった背景には、そのボクの言葉もあったとずっと後に聞いた。
 
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ボクは町添さんに XANFUS を推薦したものの、町添さん自身、それまで XANFUS についてあまり良く知らなかったのだが、ボクの提案を聞いてからすぐに CD を聴き、たまたま行われたライブを加藤さんとふたりで直接見に行き、使えると確信。XANFUSは、ローズ+リリーの代わりに多数のイベントに出演することになって、このあと彼女たちの人気は急上昇する。
 
ここでXANFUSが使えたのは、何といっても売れてなくてスケジュールが空いていたからである。ある程度売れているKARIONではスケジュールが埋まっていて、ピンチヒッターはできなかったのである。
 
しかし2月の全国ツアーはさすがに誰にも代替の効かないイベントである。ボクと政子はその金銭的損害に心を痛めたので、津田さんに連絡してみた。
 
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■夏の日の想い出・あの衝撃の日(3)

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