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■夏の日の想い出・女子制服の想い出(5)

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(C)Eriko Kawaguchi 2012-10-29  
夏休みの間も、補習はお盆の時期以外、毎日早朝からお昼前まで5時間(0時限目から4時限目まで)行われるので、ボクは毎朝ワイシャツとズボンで出て行っては帰りは女子制服に着替えて、図書館を覗いたり、体育館の用具室でピアノを弾いたりしていた。たまに書道部のメンツが集まって若干の活動をしていることもあった。この時期、詩津紅は9月の大会を控えて毎日コーラス部の練習があっていたので、用具室には来れないようであった。
 
ハンバーガーショップのバイトは8月いっぱい(正確には9月2日の日曜日)で終了となった。夏休みが終わると客足も少し少なくなるので、お店側も少しスタッフを減らしたいということと、こちらも2学期が始まると補習が増えて勉強も忙しくなるということで、契約を更新しないことになった。和泉の方も、歌のレッスンの時間を増やしたいということで、やはり9月2日で辞めることになった。
 
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ボクは9月になると、平日は特にバイトはせず、土曜日は(バイトではないが)スタジオに顔を出し、日曜日はお昼過ぎから新宿に出て、リハーサル歌手の仕事をしていた。
 

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スタジオでは色々な歌手、バンドの人達が録音をしていたが、ボクは時々録音作業の中で、仮歌を頼まれることがあった。
 
ポップス系の人たちは、最初から譜面が比較的固まっていることが多いのだが、ロック系の人たちの場合は演奏しながらアレンジを固めていく感じで最初はかなり曖昧な状況であることも多かった。それで譜面が不安定な状態ではボーカルの人も歌いづらい感じであったのをボクが仮の譜面を見ながら歌ってみせて、それを参考にアレンジを固めていくということをしていた。
 
またアイドル系の歌手には譜面が読めない子が多く、これはマジで誰かが仮歌を歌ってあげないと、どうにもならない感じだった。
 
更に問題なのが演歌系で、この場合、作曲家本人もどんなイメージの曲かよく分かっていないということもあり、ボクが仮歌を歌ってから「あ。ここ思ってたのと違った」などといって曲のメロディー自体に手を入れるなどということがしばしば行われていた。時には作曲家があんまり悩んでいるような場合、「ここ、こんな感じではダメですか?」とボクが少し違う旋律で歌ってみせることもあった。すると「あ、それ採用」などといって、譜面を書くなどという作曲家もいた。
 
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そんな感じで、8〜9月頃、ボクはスタジオの専属歌手みたいな感じにもなってきて、毎回3000円程度の「謝礼」をもらっていた。
 
「唐本ちゃん、可能ならもう1日くらい出てこれない?」と麻布さん。
「ハンバーガーショップのバイトが終わったので水曜日の夕方にも出てきましょうか? 水曜は午後の補習が無いので」
「うん。頼む」
 
そういう訳で、ボクは水曜と土曜に麻布さんのスタジオに行き、日曜にはテレビ局の番組収録が行われるスタジオに行く、という生活になった。月曜と木曜は午後の補習(7時間目)が行われていた。火曜と金曜は6時間目で終了であるが、だいたい女子制服に着替えてから、火曜日は体育館に行って(詩津紅はコーラス部の方に行っているので来ないものの)ひとりでピアノを弾き語りし、金曜日は図書館に行って美術史や音楽史などの本をよく読んでいた。
 
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ボクは9月に入ってから、冬服の問題について悩み始めた。
 
麻布さんのスタジオの方は、別に普段着で行っても良いのだが、テレビ局の方は制服で行くことを求められていた。10月になると衣替えである。夏服のまま通うことはできない。そもそも夏服じゃ寒い!
 
ボクは冬服を頼むことにした。
 
母に言って、買ってもらうことも考えたのだが、夏服をせっかく買ってもらったのに、実際にはそれで通学していない状況なので、更に冬服を買ってとは言えない気がして、自分で頼むことにした。幸いにもバイト代の貯金がある。
 
土曜日の朝、ボクは夏服の制服を着て、商店街の○○○屋の本店まで行き、あらためて採寸をしてもらった。高校に入ってからの生活の変化で少し体形が変わっている気がしたのである。
 
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「あら、春先、4〜5月はどうしてたんですか?」
とお店の人から訊かれた。今の時期に冬服を作る子は転校生くらいだろう。
 
「ええ、先輩から譲ってもらっていたのを着ていたのですが、サイズが合わないので、やはりちゃんと作ろうと思いまして」
「ああ、なるほどですね」
「実はスカート丈も短すぎて」
「あなた背丈あるからね! 短すぎると、服装チェックで注意されるわよね」
「そうなんです」
 
メジャーで身体のあちこちを測られる。
 
「春に採寸した時はウェスト62だっから夏服は64で作ったけど、あなた60になってるわね」
「けっこうバイトしてたから、それで少し痩せたかも知れないです」
「あなた、背があるわりに、胸も小さいしね」
「あはは。バストは成長未熟で」
「じゃ、少し成長することを見込んでバストは余裕を持って」
「あ、はい、お願いします」
 
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結局ウェスト61・ヒップ90で作ってもらうことにした。一応アジャスターが付いているので、多少の増加には対応出来る。バストは張り切って86にしてもらった。Cカップくらいまで成長!しても平気である。
 
出来上がった時の連絡先は自分の携帯の方にしてもらった。
 
「もしDカップとかくらいまで成長しても、ブレザーは胸の所は押さえませんから何とかなりますよ」
などとも言われる。
 
「そんなに成長するといいですけど」
「胸って、成長するときは短期間にどーんと成長するんですよ。あなた、今まであまり成長してなかったから、きっと今からその急成長期が来ますよ」
「ああ・・・そうなのかも知れないですね」
 

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ボクは帰る途中、洋服屋さんから言われたことを思い返していた。
 
「バストの急成長の時期か・・・・開き直って成長させちゃおうかな・・・」
 
ボクは自分のバストがCカップとかDカップとかある状態を想像し、そんな自分の身体を鏡に映している姿なども想像してみた。
 
ちょっと胸が熱くなってきた。
 
いいなあ・・・それ。
 
もう・・・男の子でいるの、辞めちゃおうかな・・・・生殖能力も・・・無くなっちゃってもいいよね?
 
そんな気持ちが湧き起こってきた。
 
でも子供作れなくなるって親不孝かな・・・などと考えると、ちょっと涙が出た。とは言っても、女の子とセックスするなんて場面は全然想像が付かないし!セックスできないなら、男性能力あっても仕方無いかも知れないな。。。。
 
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春先にボクは奈緒に誘惑されてお互い裸にまではなったものの、結局セックスできなかったことを思い出していた。立つことは立ったけど、入れる勇気は持てなかった。彼女との関係はあくまで友だちのままにしておきたかった。
 
セックスしても、友だちという関係は変わらないよ、とは言われたけど。確かにそんな気はするけどね。。。。
 

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そんなことを悩みながら、ぼんやりとして歩いていたら、バッタリと若葉と遭遇した。
 
「はーい、可愛い女子制服着た、冬子ちゃん、どこ行くの?」
 
「ね・・・精液の冷凍保存できるとことか、知らない?」
「・・・紹介してあげられるよ。でもどうして?」
「ボク・・・もうこれ以上男性能力を維持できる自信が無くて」
 
「そりゃ、女性ホルモンずっと摂っていれば、生殖能力は無くなるだろうね」
「そうだね。。。」
「ふーん。今日は女性ホルモン摂ってること、否定しないんだ?」
「あ、えっと、注射とかはしてないよ」
「錠剤だよね?」
「・・・・費用はいくらくらいかな?」
 
「アンプル1本につき、1年で1万円の所、コネ特別割引5000円」
「念のため2本くらい取っておきたい」
「じゃ年間1万円だね」
 
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「今度連れてってくれない?」
「前回夢精したのいつ?」
若葉はボクが自慰しないことを知っている。ボクの射精はほとんど夢精だ。
 
「先月の15日」
「じゃ、そろそろ次の夢精が来る頃じゃない?」
「うん」
「だったら、もう採取出来るよ。今から行かない? 基本的にはカップルでないと受け付けてくれないんだけど、私、冬の彼女の役、してあげるから」
「え?でも・・・」
 
「私たち、他人じゃないしね」
「えっと・・・」
 

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そして30分後。ボクは都内のとある産婦人科に若葉と一緒に来ていた。こんな所に来るのは初めてだ!
 
若葉はボクの年齢を18歳ということで申告した。18歳以上でないと、やってもらえないらしい。更にふたりは婚約者!であるとも言った。
 
「えっと女性ふたりで来られてもどうしようと・・・」
とお医者さんは戸惑うような顔をしたが
「この子、実は男の子なんです。来年高校を卒業したらすぐ性転換手術を受けたいと言っているので、その前に精液を冷凍保存したいんです。私はまだ妊娠できないし」
と若葉は説明したが、来年性転換手術を受けるなんて、ボク自身初耳だ!
 
「あなた、本当に男の子なの!?」
とお医者さんは驚いた様子である。ボクはコクリと頷いた。
 
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「そういう事情なら冷凍保存はOKです。生殖が不能になる治療を受ける前の保存は基準に合致してますから」
と先生は言う。
 
「でも、あなたの方は彼が女の身体になってしまってもいいの?」
と若葉に訊く。
「ええ。私、どちらかというとレズなんで。彼女とはふつうの形でのセックスもしますが、インサートはせずにレズ的なプレイをすることの方が多いんです」
などと若葉は答える。ボクはつい赤面してしまった。
 
「彼女、もう既におっぱいはあるんですよね。だから、ベッドの中ではいつもおっぱいの揉み合いっこしてますよ」
などと若葉は更に言う。ひぇー。そんなのしたことないよ−。と思いながらももうこちらは真っ赤になる。
 
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「ああ、なるほどね」
と言って先生は納得した様子であった。
 

そういう訳で、ボクと若葉は一緒に精子採取室に入った。
 
「やってあげるね」と言う若葉は楽しそうだ。
「あはは。お手柔らかに」
 
ボクはベッドに横になってスカートをめくり、パンティを下げた。若葉は生理用品入れの中からコンドームを取り出して指に付けた。
 
「それ、いつも持ち歩いてるの?」
「うん。突発的に誰かとすることになった時、無いと困るでしょ?」
「それはそうだけど・・・」
 
ボクはそれを実際に使うことがあるのかと訊くのはためらわれた。
 
「入れるよ」
「はい〜」
 
若葉はボクのあそこに指を入れて前立腺を刺激する。すぐにボクは立ってしまった。
 
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「ね、ね、これやってみたいの。していい?」
などと若葉が言うので、「いいよ」と言ってさせる。
 
若葉が楽しそうにそれをつかんで上下させ、ボクはすぐに射精した。容器で受けとめる。ボクはこういう形で射精に至ったのは、久しぶりだったので何だか凄く変な気分になった。しばし放心状態になる。
 
「私、だいぶ男性恐怖症が緩和されたかも」
などと若葉は楽しそうに言っている。
 
「若葉、恋人はできた?」
「ふふふ。恋愛してるよ。実はキスしちゃったんだよね」
「すごいじゃん!相手、女の子だよね?」
「もちろん。セックスもしてみたいなあ」
「別に妊娠の心配は無いし、してみるといいと思うよ」
「うん。頑張ってみる」
と若葉は楽しそうである。女子高に行って良かったなどとも言っていた。
 
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ボクは下着を汚さないようにするのに、自分で持っている生理用品入れからパンティライナーを取り出してショーツに取り付けて穿いた。
 
「ふーん。そういうの持ってるのね」
「普通のナプキンも常備してるよ」
「じゃ、コンちゃんも常備しておきなよ」
「そうだね。考えてみる。使うのは多分相手の方だろうけど」
「多分そうだろうね。冬は自分のにかぶせることはきっと無いと思うよ」
 
服の乱れを直して精子採取室から一緒に出る。
 
先生は顕微鏡で精液をチェックしていた。
 
「あなた、女性ホルモンやってるでしょ?」と先生は言った。
「はい」
「精子の運動性が悪い。でも濃縮してから冷凍するから、人工授精に使うのは問題無いです」
「良かった」
 
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「あなた、性同一性障害の診断書はもうもらってるの?」
「あ、いえまだです」
 
「診断書を2枚もらわないと性転換手術は受けられないよ」
「あ、そうだったんですか? まだ勉強不足で」
「紹介状書いてあげるから、受診しなさいよ」
「はい、そうします」
 
そういうことで、ボクはジェンダー外来に行くことになった。精子の採取の方は3週間後に2度目をすることにして病院の予約を入れた。
 
「採取前の1週間は自慰はしないでください」
「あ、大丈夫です。自慰はもう何年もしていません」
「ああ!」
 
なお、精子の採取は結局4回することになり、3週間おきに11月まで掛かった。そして、この時期、ボクは精子の採取をしていたことで、結果的に女性ホルモンの量を増やして身体を強力に女性化させるということまではせずに過ごすことになった。
 
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出発点は「もう男の子辞めちゃおう」ということだったはずが「その前に精子を保存しようかな」と思ったことで、結果的に男性能力を維持したままということになってしまったのである。
 

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■夏の日の想い出・女子制服の想い出(5)

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