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■夏の日の想い出・女子制服の想い出(4)

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「年明けたら源泉徴収票送るから確定申告してね。そのために放送局に入るのにタクシーとか使ったら領収証をもらって保存しておくこと。報酬は毎回現金で渡してもいいし、毎月まとめて払ってもいいけど」
「あ、私、現金で欲しい」
と和泉が言うので、ボクたちは毎回現金でもらえることになった。毎回現金払いすることを「取っ払い」と言うのだというのも教わった。
 
その後、ボクと和泉は、三島さんという21〜22歳くらいの感じの女性スタッフに付き添われ近くのカラオケに行った。三島さんが呼び出した曲を歌えそうだと思ったら手を挙げ、手を挙げたら歌う、という趣旨のことをしたが、実際には三島さんが呼び出した曲全てに、ふたりとも速攻で手を挙げた。それで交替で歌った。
 
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「あんたたち、凄いね」
と三島さんは言っていた。
 

翌日その第1回目のお仕事があった。ハンバーガーショップを13時ジャストに上がらせてもらい、すぐに着替えて特快に飛び乗る。すると13時半くらいに新宿に着くので、そのまま収録するスタジオに飛び込むと13:50くらいにインできるのである。(さすがに綱渡りなので翌週からはハンバーガーショップは日曜は12:30アップにさせてもらった)
 
本番に出演する歌手・ミュージシャンにはラフな格好で来る人もあるものの、私たちは出演者ではなくスタッフ扱いなので、一応きちんとした格好で来るよう言われた。そこで、私も和泉も学校の制服で行くようにした。
 
この番組は本番ではベテラン歌手の人が司会をしているのだが、リハーサルでは若いアナウンサーさんが代わりに司会をしていた。しかし伴奏の人たちは本番でも伴奏をする人ということだった。
 
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この番組はマイナスワン音源などは使わずに、生で伴奏を入れるのが特徴のひとつとなっている。バンドの場合はそのまま演奏するが、歌手の場合は専属楽団が伴奏をする。歌手も特殊な例(電気的な加工が必要な場合やひとり多重録音でツインボーカルしているような場合など)以外は生歌である。
 
出演者は1時間の番組の中で10組である。今日はその先頭の歌手が来ていなかった。ボクが行くことになる。出演者が出てくるゲートから登場し、司会者と、渡された紙に書かれた通りのやりとりをして「それではお願いします」
と言われて、伴奏が始まる。やがて歌い始める。
 
昨年、青島リンナの伴奏をした時に聴衆を前にした演奏は経験したし、先日はMURASAKIのリハーサルで歌った時にステージで歌うのも経験したが、今日はそういうのが無くて、カメラが何台も自分を撮している(実際には回してないらしい)。最初はちょっと緊張したものの、すぐに調子が出てくる。これも割と快感だな、と思って歌っていたら、1分も歌わない内にストップが入る。
 
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「そこのセットの風船、やはり右側にあった方が落ち着く感じがする」
「じゃ動かしましょう」
「照明はスポットライトじゃなくてステージを広く照らした方が良さそう」
「ではそのようにします」
 
ということでセットや照明方法の変更が入る。
 
「じゃ、また歌って」
「続きが良いですか?最初から?」
「うん。最初から歌って」
「はい」
 
ということでボクはまた歌い出す。が途中でまたストップが掛かった。
 
「歌が無い時は気にならなかったけど、ここでサックスはメロディーを吹くのではなく、メロディーとハモるように吹いた方がいいな」
ということでアレンジの変更が入る。
 
譜面を確認するのに5分ほど中断。再開してまた最初から歌う。
 
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結局私はこの歌を4回歌うことになった。
次の番の歌手も来ていないので今度は和泉が歌う。和泉も5回歌うことになった。
 
そうしてリハーサルは進行していく。結局1時間分のリハに3時間掛かる。それをやっている内に少しずつ出演者が到着し始めた。そして最終リハーサルが始まる。今回はほとんど途中で停めたりせずに、本番にかなり近い形での進行となった。カメラも実際に回している。それでもまだ到着してない歌手がいて、私が2回と和泉が1回、代理で歌った。
 
このリハーサルは19時前に終了した。わりと早めに終わったな・・・と思っていたのだが、プロデューサーさんとディレクターさんが何か話している。
 
「済みません。念のためもう1度、通しのリハーサルをすることにします。今回はもしかしたら、本番収録の分ではなくこのリハの方を生かすかも知れないので、本番と思って演奏してくださるようお願いします」
 
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そういうことでホントに最後のリハが20時に終わった。この段階でもまだ来ていない歌手(番組トップで歌う予定の、今物凄い売れっ子のアイドルユニット)がいて、それを私と和泉のデュエットで歌った。
 
30分の休憩を置いて、20時半から本番収録ということだった。
 
しかし私たちはまだ交替で歌っていたが、伴奏の楽団の人たちは、バンドなどの時をのぞいてずっと演奏しっ放しである。体力無いとできない仕事だなと思った。(それと、おしっこの近い人にもできない!)
 
結局私たちはこの日は5時間半拘束ということで4400円の報酬をもらった。
 

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結果的に6時間近い長丁場になったので、私と和泉は少しだけテレビ局の食堂でコーヒーを飲みながら休憩していたが、そこに40歳くらいの男性が通り掛かり、声を掛けてきた。確かこの人は出演していた人気バンド、サウザンズの(多分)マネージャーさんだ。
 
「お疲れ様」
「あ、お疲れ様です」
 
「初めてのリハーサル歌手は緊張した?」
「はい。物凄く緊張しました」
「でも、ふたりとものびのびと歌ってたね」
「開き直りです」
「うん。でも開き直れるのはこの世界向きの性格」
「ありがとうございます」
 
「でもふたりとも、こういう裏方向きじゃないね」
「済みません。至らない所がありましたでしょうか?」
「違う違う。もったいないということ」
「はあ」
「ふたりとも、第一線で売れるタイプだよ。光るもの持ってるもん」
「もったいないお言葉、ありがとうございます」
「姉妹・・・じゃないよね?」
「友人です」
 
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「君たち、最後のリハでデュエットしてたけど、デュエットでもいいけど、むしろバラ売りしたい感じ」
「そうですか?」
「だって、持田香織と川瀬智子のデュオなんて、もったいなさすぎるでしょ?」
「はあ」
「数年後にはふたりともうちのライバルになってるかも知れないなあ。頑張ってね」
「ありがとうございます」
 

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お盆が過ぎてすぐの日曜日。全国規模の模試が行われた。ボクはこれを受けるのに、ちょっとトリックをした。申込書は通常学校側でまとめて出すのだが、ボクは提出日に「すみません。忘れてきました」と担任に言った。それで自分だけ別途に投函提出した。そのことで、ボクは試験を受ける教室が同じ学校の他の生徒と別になったので、それをいいことに、女子制服で受けたのである。
 
女の子の格好でいると頭がよく働く、というのも理由だが、こういうことをした動機の80%は、単純に女の子の服が着たいからである!
 
試験は英数国3科目で午前中で終わる。(模試が終わってからテレビ局に行く。ハンバーガーショップのバイトはこの日は休むことを事前に言ってある)
 
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ボクは日曜で父が遅くまで寝ているのをいいことに、8時頃、堂々と女子制服で家から出かけ(姉が笑顔で「行ってらっしゃい」と言ってくれた)、会場の予備校に行った。
 
早朝、女子制服で歩くのは気持ちいい。普段の土日は7時からの勤務でもう少し早い時間にこの服で出ているのだが、今日はもう太陽が熱い光線を身体を照らし始めている。いつもの平日も補習のためだいたい6時に家を出ているからあまり感じないけど、男子の服のズボンでこの日差しの中を歩くのは辛そうな気がした。やはりボク女の子してて良かったな、などと思った。
 
試験会場に入る。案の定、教室には知った顔はいない。自分の席を確認してからトイレに行ってくる。試験前にトイレをしっかり済ませておこうという子は多いみたいで、トイレは結構な列ができていた。それに並んで気持ちを集中させて行く。心が空っぽになる。うん。いい感じ。
 
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個室の中でスカートをめくり、パンティを下げ、用を達する。ふっと息をついてペーパーで拭き、パンティを上げる。
 
とても昔・・・・は、このパンティを穿く時に、アレをああして、コレをこうしてと少し面倒な手間が必要だったことを思い出した。今は普通にパンティを上に上げるだけで、その付近のものは自動的にきれいに収まってしまうし、シルエットにも響かない。変な盛り上がりはできない。
 
ボクって既に体質が女性化してるな、と思って微笑む。
 
スカートの乱れを直す。流して外に出て手を洗う。一連の定型化された動作で、神経が研ぎ澄まされていく。女子トイレを使うということ自体が自分のアイデンテイティを再確認する感じで、集中力が増す感じだった。
 
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ボクは教室に戻ると、目を瞑って試験開始を待った。
 

最初は英語。得意科目なので、どんどん解いていく。読解問題は問題文を読みながら情景を頭の中に描いていく。そして設問を読めば、ストレートに答えは出る。正しい選択肢を鉛筆でマークする。
 
50分の試験時間の内25分くらいで解けてしまったので、一度見直しをする。勘違いしていたような所は特に見られなかった。試験時間はまだ10分残っていたが、ボクは答案を裏返して目を瞑り、頭を休めた。
 
2時間目は数学。英語は右脳が大活躍だったが、数学は左脳フル稼働である。あまり得意とはいえないが、因数分解などは(見ただけで答えが分かるという政子にはかなわないものの)半ば勘で解けてしまうので、比較的スイスイと解けていった。複雑な文章問題1問を残して残り時間が15分になっていたので先にそこまでの問題を振り返って、見直しをする。
 
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1ヶ所勘違いしていた所があったので、そこを修正した。それから最後の面倒そうな問題に取り組んだ。5分ほど掛けて問題を読んで、方程式を書いてみた。が、それだけでは分からないので、図表を書いてみる。それでようやく問題の状況が判明した。
 
その後は、答えが図表の方から出てしまったので、それを導き出せる方程式を逆にでっちあげて、それから答えを書く。このような「途中経過が選択肢」
になっている問題は、政子には解けないだろうな、とボクは思った。彼女が分かるのは、最終結果だけである。
 
この問題に解答し終わった所で時間となった。
 
ここでボクは1度またトイレに行ってきた。
 
トイレに行ったことで頭はリセットされている。新たな気持ちで最後国語の問題に取り組む。国語の特に現国は、問題を解くのではなく、出題者の心理を想像するゲームである。現国の点数を取れるかどうかは、そこが分かっているかどうかに掛かっており、マジメな生徒ほど現国では高得点が取れないのだ。ボクはこのあたりのテクを高校受験を通して身につけていたので、今や現国は点数を稼げる科目になっていた。
 
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古文・漢文はどちらかというと素直な科目である。書いてある通りのことを考え解答すれば、そんなに問題は無い。英語と同様に語彙を持っているかが結構な勝負所となり、これは普段の勉強が問われる所である。
 
残り時間10分を残して解答を終わり、ボクは机に伏して半分頭を眠らせ試験終了を待った。
 

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試験が終わった後、頭が「放電状態」になったまま、ボクは予備校の敷地内を歩き、電車の駅の方に向かった。その時、肩をトントンされてボクはギクッとする。誰も知ってる人はいないと思ってたのに!
 
「わあ、やっぱり唐ちゃんだ」
と彼女は言った。
 
ボクは微笑んだ。
「久しぶり、Sちゃん」
 
それはボクが中学3年の時、一時期恋人関係にあったSだった。
 
「可愛いなあ。やっぱり◆◆高校って、この制服の可愛さが魅力だよね」
「ふふ。実はここ選んだのの理由のひとつはこれだったりして」
「この制服を着るつもりで受けたんだ!」
「その付近は内緒」
 
「この制服で通学してるんだよね?」
「実はね。。。。その根性が無くて、学校には着て行ってない」
「えー!? なんで?」
 
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「この制服はもっぱら校外で着ている感じかな。学校には男の子の格好で行ってるよ」
「変なの!」
と言って笑う時の可愛さは相変わらずだ。この笑顔がこの子、最大の魅力だったよなと思った。
 
「試験の首尾はどうだった?」
「だめー! 勉強不足を痛感した。唐ちゃんは?」
「うん。まあまあかな」
「凄いなあ。頑張ってね」
「うん、そちらもね」
 
Sは可愛く笑顔でバイバイをしてから、足早に駅の方に歩いて行った。
 
 
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