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■夏の日の想い出・ふたりの成人式(5)

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(c)Eriko Kawaguchi 2012-02-26  
6日は挨拶回りの最後の日であった。4日連続で振袖を着るのはなかなか疲れる。
 
まずは4日,5日と連続して行っているFM局を訪れ、お偉いさんに挨拶したりした後、プロデューサーさん・ディレクターさん、★★レコード側から来ていた加藤課長の3人と番組の今後の方向性について話合った。基本的には昨日の生放送の感覚が良かったので、その路線で進めて行こうということになる。番組の最初と最後に流す、私たちの曲は毎回生演奏することで話がまとまる。オープニングはピアノ弾き語り、エンディングはマイナスワン音源を使う。
 
「オープニングは1ヶ月間同じ曲で行くなら、それは録音を使い回ししましょうか?」とディレクターさんが言ったが
「いや、毎回生演奏してもらった方がいい」とプロデューサーさん。
「私もそれがいいと思います。毎回微妙に違うバージョンを聞く楽しみができますし」と加藤課長。
「それってハプニングを期待してとか?」と私。
 
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「うんうん。いきなり誰かがピアノのコンセントを蹴ったくったりとかね」
「えー!?それでリテイクしないんですよね?」
「もちろん。この番組は編集せずに1発録りするのがコンセプト」
とプロデューサーさんは笑って言った。
「ケイちゃんのハプニング対処能力が凄く高いことが分かったから、色々ハプニングを起こしてみたいね」などとプロデューサーさんは言っている。
 
そして実際この番組はその後「何か起きる」番組としてリスナーの期待が高まっていくことになる。最初の内は「これ録音だろ?なんでこれを編集しないんだ!?」などとツイッターに書かれていたものの、そのうち「今日のハプニングをみんなで予想しよう」などという、放送事故?を楽しむファン層が増えた。
 
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このFM局を出た後は、それ以外にもお世話になっているFM局を2つまわり、それから、年末に番組をひとつやって縁の出来ていたAM局にも挨拶に行く。
 
そのあと◇◇テレビに行って響原部長に挨拶をしてきた。上島先生の後見人のような人である。私たちにとっては、親会社の会長みたいな存在であるが、優しい雰囲気で、「僕は女の子には甘いんだ」などと本人も言うよう、私にも政子にも暖かい感じで接してくれた。
 
「でも今度のアニメは楽しみだね。マリちゃんがテレビに顔を出すのって、事実上初めてだもんね」
私たちはこの番組のエンディングテーマを歌うのだが、その曲が流れている間の映像に、私と政子もちょっとだけ顔を出すのである。
 
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「ええ。何となく気分が良かったし。母に電話したら、まあそのくらいいいんじゃない?と言ってもらったし」
「高2の時、記者会見で1度だけ顔は出してるけど、あれは報道だもんね」
響原さんは頷いている。
 
「君たち、今度、番組にも出ない? レギュラーで入れるよ。バラエティが嫌いなら、何かの番組にコーナーを設けて、そこで純粋に歌ってもらってもいいし」
などと言われる。
 
「でも今回は例外的に顔を出しましたが、基本的にはマリはテレビには出ない契約になっているもので」と私。
「それは契約条項を見直せばいいんじゃない? 親御さんの意向があるとは聞いてるけど、マリちゃんも20歳すぎたから自分の意志で決められるでしょ?」
 
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「そうですね・・・・でも、私、ケイみたいに大学の勉強しながら、歌手としても飛び回るって生活あまりできそうにないし」
「そのあたりは仕事の量をコントロールすればいいと思うよ。駆け出しだった高校生の頃とは違うもん。君たちは今や多数のアーティストに曲を提供している『先生』でもあるから、ある程度のわがままは通せるよ」
 
「ああ、そうかも知れませんね・・・・」
と政子は少し遠くを見るような目をしながら答えた。
 

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放送局への挨拶が終わった後、お昼すぎに政子と一緒にうちの実家に行った。
 
「明けましておめでとうございます」
と言って2人で入って行くと、母がにこやかに迎えてくれた。
 
「政子ちゃん、素敵な振袖!なんか、りりしい感じがする」と母。
「冬はそういう可愛いのが似合うんですけどね。私はこういうのが好みで」
 
居間に行くと、振袖を着た姉が迎えてくれる。今日は政子も一緒に4人で初詣に行こうと話していたので、姉もそれに合わせて振袖を着ていたのである。
 
食卓につき、お屠蘇をもらい、お雑煮を食べた。
 
「あ、2日の日に冬が作ってくれたお雑煮と同じ味だ」と政子が言う。
「お雑煮は、私が冬に教えてあげられた数少ない料理のひとつかもね」と母。
「たいていの料理は冬の方がうまいんだもん」
 
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「そうなのよね。冬子が独立してから、うちの食卓って貧弱になったわあ」と姉。
「お姉ちゃんからリクエストされて、唐揚げとかトンカツとか私が揚げてからここに運び込んだことあったね」と私は笑っていう。
「でも、お姉ちゃん、料理覚えればいいのに」
 
「無理無理。私、料理の得意な彼氏をつかまえるんだ」
「まあ、そういう人も結構いるだろうね」
 
一息ついたところで母も訪問着を着て、4人で出かけた。電車に乗って都心に出て、神社に向かう。さすがに6日にもなると神社も人の数は少なくなっている。初詣客に混じって、境内を散歩している感じの人たちもいる。ここは都心の中でも緑がたくさんあるので、格好の散歩コースだ。比較的スムーズに拝殿まで行くことができた。お参りする。
 
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「今年は平和な年であって欲しいね」
「ほんとに!地震も落ち着くといいけどね」
「富士山が今年はまだ爆発しませんように」
 
神社を出てから近くのロッテリアに入り、暖かい紅茶など飲む。
 
「冬は作曲とか編曲とかしてる時はコーヒー大量に飲むけど、こういう所では紅茶のほうが多いよね」
「うん。どうしてもカフェイン取りすぎだから、頭を無理矢理働かせなくてもいい場所では、負荷の少ないものを飲む」
「あんたたち身体に気をつけてよね」
「うん」「はい」
 

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一緒に実家に戻り、振袖を脱いで普段着になる。
 
「久しぶりに冬の手料理が食べたい」などと姉がいうので、政子には休んでもらっていて、私は冷蔵庫の中身や野菜などのストックを確認した上で買い物に行き、酢豚を作った。作っているうちに父も帰宅した。
 
「お父ちゃん、お帰りってか、ただいま」
「いらっしゃい・・・・って、冬か?」
「なんでー? 私、こういう格好何度も見せてるのに」
 
「いや、その・・・・何かまた女らしさが増してないか?」と父。
「うん。確かに女度がかなり上昇してる」と姉。
「そ、そう?」と私は戸惑いながら答えるが、「体質が完璧に女性化してるからね」と政子は笑いながら言った。
「あ、中田さんも、いらっしゃい」と今政子に気付いた父は慌てて挨拶した。「お父さん、お邪魔してます」と政子も挨拶する。
 
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私も政子の両親を「おじさん」「おばさん」ではなく「お父さん」「お母さん」
と呼ぶし、政子も私の両親を「お父さん」「お母さん」と呼ぶ。私たちは双方の親から「姉妹みたいなもの」と言ってもらっていた。
 
「もう少し早く帰ってきてたら、2人の振袖姿、見られたのにね」と母。「それは9日の楽しみということで」と私は言った。
 
じきに御飯にする。
「久しぶりに酢豚なんて食べた気がする」と父。
「美味しいね」と母。
「私も母ちゃんも作れないもんね」と姉。
「うん。冬が独立した後、なんか夕食が寂しくなったんだよ」と父も言う。
「私も2〜3年の内には出て行くつもりだしなあ。あとはお母ちゃんに頑張ってもらってね」と姉は言った。
 
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御飯が終わると台所を政子と2人で片付け、それからお風呂に交替で入り、お茶など飲みながらみんなで22時頃までおしゃべりをし、そのあと寝室に入った。
 
私と政子は部屋に入ると、熱くキスをし、それから一緒に布団に入って愛し合った。毎日愛し合っているのだけど、していて飽きるということが無いのが不思議だなと時々思う。その日はネットで見かけたという「新ワザ」を仕掛けてきた。実家だし声を出す訳にもいかないので、私は心の中で『きゃー』と思いながら、政子のワザに耐えていた。最後はクンニを要求されたのでしてあげたら、気持ち良さそうにしていた。私たちはそのまま眠ってしまった。
 
目を覚ましたら、部屋の灯りを付けて政子は詩を書いていた。時計を見たら3時だ。けっこう寝ていたようだ。私は政子の身体にガウンを掛けてから、邪魔しないように服を着てコーヒーを入れてきた。カップに注いでやると「ありがとう」
と言って受け取り、一口飲んでからまだずっと詩を書いている。なんだか長い詩だ。タイトルが既に書かれていて『出会い』となっている。
 
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「かなり長いね」
「さだまさしの古い歌で『雨やどり』ってあるじゃん」
「うん」
「あんな感じに長いの書いてみたかったんだよね」
「これ、既に短編小説なみのストーリーになってる」
「ふふ。頑張って曲付けてね」
「たいへんそう!」
「『雨宿り』みたいに同じメロディーを何度も繰り返すんじゃなくて、シューベルトの『魔王』みたいに、独自のメロディーで最後まで行って欲しいの」
「通作歌曲形式ってやつね。凄く大変そう!」
 
政子は私が目を覚ました後でも30分くらい書いていた。やがて書き上げると「疲れた!」と言った。「お疲れ様」といって肩をもんであげた。
 

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ローズクォーツの新しいアルバムの制作は4日から始まっていたのだが、私と政子は6日まで挨拶回で飛び回り、FM番組の収録もあったので、7日になって初めてスタジオに顔を出した。
 
「やっと、ボーカルさんがご到着だ」
「すみませーん。挨拶しないといけない所が多くて」
「一応収録する曲のうち5曲までは楽器パートの収録が済んでる。ここまでのに歌を入れてくれる?」
「はい」
 
今回のアルバム制作では、サポートメンバーとしてちょくちょくローズ+リリーやローズクォーツのレコーディングやツアーに参加していた、キーボードの太田さん(ヤス)が参加していたので、マキのベース、タカのギター、サトのドラムス、キーボードのヤス、という4ピースで、多重録音は使わずにここまで演奏の収録をしていた。それに私と政子の歌を乗せる。ローズクォーツのレコーディングに政子が加わるのも、定例になってきた。歌も多重録音はせずにリアルタイムで収録するようにしたので、収録はスイスイ進み、その日だけでここまでの5曲のボーカルは収録が完了した。
 
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「じゃ、次は11日にお願いね」
「はい、それではまた」
 
ということで、私たちはスタジオを辞した。
 

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8日の日曜日は早朝からまたまたFM局に行き、番組の収録を政子と2人でしてきた。
 
4日と5日の生放送で方向性は固まっていたし、4日から今朝までの間に結構な数のリクエストが集まっていたので、それを8回の放送分に振り分け、毎回エンディングで自分達が演奏する曲も決めマイナスワン音源を準備し、収録に臨んだ。
 
30分の放送を2週間分(8日分)録り貯めしたので、休憩をはさんで6時間ほどの長丁場になり、終わったのは15時頃だった。私と政子が純粋にしゃべっている時間だけでも2時間を越えるので、この日はクタクタに疲れた。
 
クタクタにはなったが、私たちはそのあと気を取り直して、都内のイベントホールに向かった。この日のスイート・ヴァニラズ東京公演に、私がゲスト出演することになっていた。政子は別に出演しないのだが、基本的に私が行くところにはだいたい政子も付いてくる。
 
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実際の出演は10分ほどであるが、リハーサルにも付き合い、休憩時間にはスイート・ヴァニラズのメンバーとひたすら音楽論や芸能界の噂話などで盛り上がった。公演が終わったあとの打ち上げまで付き合い、解放されたのはもう夜中0時すぎであった。
 
そして9日は私と政子の成人式であった。
 

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その日はふたりとも年始に使った振袖で成人式にも出ることにしていた。3,4,5,6とこの振袖を着て、7日と8日は録音やライブなので着なかったもののまたこの日着てと、5日も着れば、かなり元が取れたような気がした。
 
朝、3日から6日まで毎日来てくださった着付け師さんにまたマンションに来てもらって2人の着付けしてもらい、一緒に出かける。途中で和菓子屋さんに寄って生菓子を買い、お昼前に落ち合った友人の若葉にそのお菓子を託した。
 
若葉たちが今日成人式をする友人同士で集まって食事会をする計画を立てていたのだが、私たちが行って、報道関係などに見られると面倒なので、今日は遠慮することにし、代わりにお菓子を差し入れすることにしたのであった。
 
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若葉とは昼食を一緒に取りながら、あれこれおしゃべりした。
「和実と梓は今日戻ってくるのかな?」
「今朝戻って来たみたいよ。あの子たち車で盛岡まで往復だったみたいで、夜通し運転して戻って来たみたい」
「頑張るなあ」
「車を運転できる人4人で相乗りして行ったみたいだから、1時間交替で運転したって」
「なるほど」
 
「和実は性別のこと、やっとお父さんに認めてもらえたって」と若葉。
「うんうん。私も聞いた。今年、性転換手術もしちゃうらしいね」
「あ、言ってたね」
「やっと決めたって感じだけどね」
 

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■夏の日の想い出・ふたりの成人式(5)

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