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■夏の日の想い出・生りし所(8)

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お店を出たのが20時過ぎである。
 
今日のホテルは実は青島のすぐそばに確保した。朝起きて歩いて朝日を見に行けるようにである。
 
ずっと千里が運転しているので、ホテルまでは私が運転した。
 
部屋は和室を2つ取っている。私としては、上島先生と龍虎は親子のようなものだから1部屋で、残りの3人(雨宮先生・千里・私)は「女あるいは女に近いもの」なので1部屋でいいかと思ったのである。
 
「そちらの女の子は、誰と一緒ですか?」
とフロントの人が訊く。
「あ、僕と一緒。僕はこの子の父親の親友で、父親の代わりにこの子を連れてきたんだよ」
と上島先生が説明したのだが、
 
「しかし女子中学生をご友人とはいえ、姻戚関係の無い方と一緒の部屋にするのは」
とフロントの人は言っている。色々怪しいケースもあるのだろう。
 
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「じゃ、私が雷ちゃんと一緒になるよ。龍虎はケイたちと一緒にして」
「こちらはいいですよー」
と千里が言う。
 
「でもあなた方は?」
「私と彼は元恋人なの。だから一緒でも構わないから」
「分かりました。それではその部屋割りでよろしくお願いします」
 

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そういう訳で、龍虎は私と千里と同室になった。
 
「まあ、36歳のおじさんと一緒より24歳の私たちの方が気楽でしょ?」
などと千里は言っている。
 
「龍虎ちゃん、スカートはズボンに穿き換えなよ。そのままだとお風呂に行けないし」
と私は言った。
 
「そうします」
と言って龍虎はスカートを穿いたまま、ズボンを穿き、そのあとスカートを脱いだ。
 
お茶など飲みながら一息ついていたら、
「お風呂行こう」
と雨宮先生が誘いに来た。
 
ここは大浴場に行くタイプの宿である。
 
「雷ちゃんはまたいくつか曲を思いついたから書いてるって」
「仕事熱心ですね〜」
 
それで各自着替えを持って地下の大浴場に行く。
 
そして龍虎はひとりで男湯へ、私と千里・雨宮先生は女湯へと別れて暖簾をくぐる。
 
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ところが、暖簾をくぐった途端、男湯の方から
 
「お客様、困ります!」
という声が聞こえてくる。
 
私たちは思わず顔を見合わせた。
 
そして困ったような顔をした龍虎が、女性従業員に《連行されて》女湯の暖簾をくぐってきた。
 
「女性のお客様はこちらでお願いします」
と言って従業員さんは出て行く。
 

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「僕どうしましょう?」
と龍虎が本当に困ったような顔で言っている。
 
「女湯に入ればいいじゃん」
と雨宮先生。
 
「え〜〜〜!?」
 
「まあ、4人まとまっていれば何とかなるかもね」
 

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それで結局龍虎は女湯の脱衣場で服を脱ぐのだが・・・・・
 
「あんた、そのシャツは女の子シャツじゃないの?」
「お母さんがこんなのばかり荷物に入れてたんですー」
「あんた、女の子パンティ穿いてるじゃん」
「お母さんが入れてたんですー」
 
女の子パンティを穿いているにもかかわらず、パンティに盛り上がりが無いのは元々凄く小さいのか、あるいは何らかの処理をしているかだろうが、私はどちらだろうと訝った。もしタックをしているのなら、やはりこの子は女の子になりたい男の子なのかも知れない。
 
「やはりあんた女の子なのでは?」
という雨宮先生の問いに答えようとした龍虎の唇に千里が指を当てて停め
 
「他のお客さんもいるから静かに」
と彼女は言った。
 
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それで結局4人で女湯に入るのだが、龍虎はあの付近をしっかりタオルで隠していた。
 
しかし・・・・
 
この子、恥ずかしがったり、おどおどしたり、照れてるような様子が無いじゃん!
 
まさか女湯にも入り慣れてる!?
 

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私たちは各自身体を洗ってから湯船に浸かった。湯船はいくつかあったものの、私たちは最も広い、豊玉姫の湯という所に入った。
 
当たり障りのない話をしていたのだが、龍虎はごく普通に私たちのガールズトークに付いてきている。
 
「この中でいちばん巨乳はケイかな。それFくらい無い?」
と雨宮先生が言う。
「Fカップのブラ付けてますよ」
「千里は小さいね」
「一応Dカップかな。でもこれ以上大きくなられると試合で困るんですよ」
「なるほど、抑え込んでいるのか」
「雨宮先生はEカップですか?」
「私もDカップだけど、千里より少し大きい感じだね」
 
そんな会話を龍虎は照れもせずに聞き、平気で私たちのバストを見ているようだ。しかしその視線は男の子が女性のバストを見ている雰囲気ではない。まだ思春期前の女の子が眺めているような《羨ましさ》を彼の視線の中に見た。
 
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この子、やはりおっぱい大きくしたいんだろうなと私は思う。
 

そんな会話をしていた時、50代くらいの女性2人が浴室に入ってきた。どうも会話を聞いていると、長崎県から宮崎旅行でこちらに来たようである。
 
やがて彼女たちが浴槽に入ってきて、私たちに会釈する。こちらも会釈する。
 
「そちら、どちらからいらっしゃったんですか?」
「東京なんですよ。そちら今長崎とか、おっしゃってましたね」
「ええ。長崎県の諫早(いさはや)という所なんですよ」
「あ、それフーちゃんの良い人の出身地だね」
と千里が言う。
 
諫早は政子の出身地だ。
 
「うん。そうそう。でも私はまだ行ったことないのよ」
と私は答える。
 
「家族旅行ですか?」
と言われて、ん?と思う。ああ、雨宮先生が母親に見られたかと思い至る。
 
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「そうなの。でも旦那は仕事してるとか言ってパソコン見てたから、娘たちと一緒に旦那は放置してお風呂に来た」
と雨宮先生。
 
「いや、旦那さんと一緒に来ても、女湯に一緒には入れませんよ」
「あら、そういえばそうね。まあ性転換させちゃう手はあるけど」
「ああ。旦那さんも性転換したら、全員女湯に入れるようになりますね」
 
「そちら大学生と高校生と中学生くらい?」
と彼女は私に訊く。
 
どうも私がいちばん上に見られたようだ。おっぱいのサイズの順だったりして!?
 
「私は去年大学を出て今はOLなんですよ。この子は高校生で、この子はまだ小学6年生で」
「なるほどー」
「いや、中学生にしてはおっぱい小さいなと思った」
 
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すると龍虎が顔色ひとつ変えずに言う。
「私も早くお姉さんたちみたいにおっぱい大きくなるといいなと思うんですけど」
 
「大きくなるよ。だってお姉ちゃんたち2人ともおっぱい大きいもん」
と女性は笑顔で言った。
 

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お風呂から上がってから、取り敢えず4人で私たちの部屋に入る。
 
「しかし女性客と遭遇しても堂々としてたね」
「向こうは龍虎を女の子と信じて疑っていなかった」
 
「龍虎は女湯に入り慣れてるね」
と雨宮先生は指摘する。
 
「えー?女湯なんて、小学1年生の時以来ですよー」
「それ全然説得力無い!」
 
「入院していた頃は、本来入浴時間帯ではない時間に看護婦さんに入れてもらっていたね」
と千里が指摘する。
 
「なんか男性の入浴時間帯に僕が入って行ったら、こちらを見て中に居た60代の男性がびっくりして足をすべらせて大変なことになったんです。それ以降、僕は単独で入りなさいということになって。でも何かあったらいけないからって、中年の女性看護師さんが付き添ってくれてたんです」
 
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と龍虎は説明している。
 
「なぜ女性の看護婦と入る?男の患者には男の看護師が付くのでは?」
 
「それは龍虎の名誉のために説明しないことにします」
と千里。龍虎は顔を真っ赤にしている。
 
「うーん・・・」
 

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「でもあそこで私もおっぱい大きくなるといいなとか言ってたね」
「やはりおっぱい大きくしたいんだ?」
「別に大きくしたくはないですー」
「ほんとかなあ」
 
「というか、自称が僕じゃなくて私になってた」
「というか、話し方が女の子の話し方になってた」
 
「男の話し方と女の話し方は、ちょっと心理的にスイッチを切り替える感じなんです。ボク、どちらも話せますよ」
 
「今の口調はボーイッシュな女の子って雰囲気だ」
「天然の俳優だね」
 
「ぼく俳優になりたいんです。歌手よりも」
「へー」
「あんなに歌が上手いのにもったいない」
 
「まあ歌って踊れる俳優ってのでいいんじゃない?」
と雨宮先生。
「歌って踊れる女優になっちゃったりして」
と千里。
「え〜〜〜!?」
 
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「ちなみに本当に女の子になりたい訳じゃ無いの?」
と私は再度訊く。
 
「なりたくないです−。ぼく男ですよぉ」
 
「それを女の子口調で言われても信用できん!」
「あ、ちょっと間違った」
 

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「でも女の子になりたい訳でもない男の子が女湯に入って、他の客のおっぱい眺めているというのは犯罪だな」
と雨宮先生は言ったが
 
「それそのまま先生に」
と私と千里はほぼ同時に言った。
 

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結局私たちは10時過ぎまでおしゃべりをした後
 
「明日は早いからもう寝よう」
と言って寝ることにする。雨宮先生も上島先生の部屋に戻った。
 

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翌朝。5:30に千里に起こされる。龍虎を起こし身支度をしてから上島先生たちに声を掛け、旅館をチェックアウトし、荷物は車に載せてから、歩いて一緒に橋を渡って青島まで行った。
 
まだ日出前に青島神社に参拝し、神社を出てから昨日行った鬼の洗濯板がある付近に行こうとしたのだが、その時龍虎が
 
「あ、月が出てる」
と言う。
 
龍虎が指す方角を見ると、十六夜(いざよい)の月が山の端に沈もうとしていた。
 
「これもしかして太陽と月を同時に見られるかな?」
と上島先生が言う。
 
「だったら、鬼の洗濯板ではなく、ここに居た方がいい」
と雨宮先生。
 
「そうしましょうか?」
 

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それで私たちは神社のすぐ外のところで東の海を見ていた。時々西の空を見るが、まだ月は山の陰には隠れていない。
 
そしてやがて東の海から、真っ赤な太陽がゆらゆらとその姿を揺らしながら登ってきた。
 
私たちはみな無言でその美しい朝日を見ていた。
 
太陽が水面から離れた時、私は西の空を振り返る。月はまだギリギリ山の上にある感じである。
 
「あっ」
と龍虎が声をあげた。
 
「どうした?」
「これまさにあれですよ。左に太陽、右に月、そして真ん前には海があります」
 
「あっ」
と千里も声をあげる。
 
「この状況はまさに、左目を洗った時に太陽神たる天照大神、右目を洗った時に月神たる月読命、鼻を洗った時に、海神たる須佐之男命が生成したんだ」
 
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「おぉ!!!」
 
「千里、昔の暦では、満月も月初めだよね?」
と雨宮先生が訊く。
 
「そうです。古い時代は、新月と満月が月初めで、1ヶ月の長さは今の半分だったんですよ。それが日本書紀に書かれている古代天皇の異様な長寿の秘密だとも言われています」
 
「それも面白い説だね」
 
「ということは、左側からは水平線から生まれたばかりの太陽、右手には満月月初で考えた場合の生まれたばかりの月があったわけだ」
 
「そうなりますね。こういうビジョンが見られるのは満月の前後だけですから」
 
私たちがそんなことを言っている間に月は山の陰に沈んでしまった。
 

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「よし帰ろう」
 
それで私たちは車に戻ると、私の運転で宮崎空港に行き、レンタカーをそこで乗り捨てて7:35の羽田行きにチェックインした。
 
それで手荷物検査を通り、搭乗案内を待ちながら、私たちはたわいもない会話をしていた。
 
「私次のアルバムは『やまと』というタイトルにしようかな」
と私は言った。
 
「来年のアルバム?」
「ううん。来年のアルバムは『The City』というタイトルにするつもり。都会の美をたくさん歌おうと」
「へー。それも新機軸だね」
と上島先生が言っている。
 
「再来年に『やまと』というアルバムを作ろうかと」
「ローズ+リリーってそういう叙事詩的なもの、似合うと思うよ」
と上島先生。
「叙情派ではないよな」
と雨宮先生。
 
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「なんか今回の旅で、桜を見て紅葉を見て、美しい湖も見たし、神秘的な夜明けも見たし、日本のあちこちに美しいものが転がっていると思うんですよ」
 
「まあそれを全部歌おうとしたら、それだけでライフワークになるだろうけどね」
「そういう歌手もいますよね」
 

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そんなことを言っていた時、唐突に声が聞こえる。
 
「君、女子トイレが混んでいるからといって、男子トイレに来るなよ。それ、おばちゃんのすることだぞ」
 
と30歳くらいの男性の声が聞こえる。
 
見ると龍虎がまたまた男子トイレに入ろうとして、咎められたようである。千里が手を額にやって苦しそうに笑っている。
 
私は席を立ってそちらに行った。
 
「だめじゃん、龍ちゃん。私と一緒にこちらにおいで」
と言って、私は彼を女子トイレに連行した。
 
 
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■夏の日の想い出・生りし所(8)

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