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■夏の日の想い出・生りし所(3)

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「みなさん、晩ご飯は食べられましたか?」
と千里が尋ねる。
 
「いや。まだ」
と全員言っている。
 
「じゃ足柄SAあたりで御飯をゲットしよう」
と雨宮先生が言う。
 
それで千里は足柄SAに車を入れるが、雨宮先生は千里にお金を渡して
「御飯買ってきて」
と言っている。
 
「レストランに入るんじゃないんですか?」
「このメンツで入ると目立つからさ」
「確かに!」
 
それでみんなトイレにだけ行って来て、千里が食料を調達してきた。
 
「すぐ出発しよう」
「はい」
と言って千里が運転席に就こうとするので、私は
「運転代わるよ」
と言ったのだが
「平気平気。冬もライブツアーにアルバム制作で疲れてるでしょ?私は大丈夫だから」
というので、任せることにした。
 
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千里はハンバーガーとかお弁当とかをたくさん買ってきていたので、車内でそれを食べる。千里自身もハンバーガーやサンドイッチを食べていた。運転しながら左手で包みをきれいに剥いてしまう。器用だなと思って見ていた。
 
「ところで質問です」
と雨宮先生がご自分は高級幕の内のようなものを食べながら言う。
 
「みんな男子トイレに入った?女子トイレに入った?」
「へ?」
 
「醍醐は?」
「もちろん女子トイレですけど」
「ケイは?」
「同じく女子トイレです」
「雷ちゃんは?」
「男子トイレだけど」
「じゃ龍虎は?」
「あ、えっと・・・・・」
 
「ん?」
 
見ると龍虎はまた顔を真っ赤にしている。
 
「いや、その男子トイレに入ろうとしたんですけど、『君、こちら違う』と言われて追い出されちゃって」
「あぁ・・・・」
「で、どうした?」
「ごめんなさい。女子トイレを使いました」
 
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と言って龍虎は俯いている。
 
「まあ、それは龍ちゃんが小学1年の頃からの日常だね」
と言って千里は笑っていた。
 

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「醍醐も小学1年生の頃から女子トイレ使ってたろ?」
と雨宮先生が訊く。
「もちろんです。幼稚園の頃からずっと女子トイレですよ」
と千里は答える。
 
「ケイも小学1年生の頃から女子トイレ使ってたよね?」
「男子トイレですけど」
「それは絶対嘘だ」
「うーん・・・・」
 

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夜も遅いので、みなさん寝てて下さいと千里が言うので、最初に徹夜作業で疲れていた雨宮先生が寝付き、日々の作曲で疲労がたまっている上島先生も眠る。龍虎もじきに眠ったようである。私はしばらく小声で千里と会話していたのだが、いつの間にか眠ってしまったようである。
 
ふと目が覚めると空がもう明るくなりかけている。時計を見ると4:50である。
 
「今どこ?」
「さっき、えびのJCTを通過したから、あと20-30分くらいで目的地に到着すると思う」
「え?もう鹿児島県なの?」
「うん。鹿児島県内に入った」
「ごめーん。途中で運転代わるつもりだったんだけど」
「平気平気。長時間の運転は慣れてるから」
 
「千里、今到着予定は何時?」
とどうも目が覚めたらしい雨宮先生が訊く。
 
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「カーナビは5:21と表示しています」
「今日の日出は何時か分かる?」
「夜中に確認しておきました。5:57です」
「だったら5:52くらいに鹿児島神宮に着きたいから、30分時間調整しよう。どこかお店のあるPAかSA無い?」
「もうお店のあるPA/SAは終わりました。でもさっき山江SAでみなさんの分のお弁当を買っておきましたので、次の溝辺PAで駐めて食べましょう」
 
「あんた、いつもながら用意がいいね!」
 

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それで溝辺PAで駐める。ここは自販機とトイレしかないPAである。上島先生と龍虎も起こして、みんなでトイレに行く。龍虎は自粛して?男子トイレを使ったが、雨宮先生から「女子トイレに来ない?誰もいないから大丈夫だよ」と言われて「僕男ですー」と言っていた。むろん雨宮先生は女子トイレを使う。
 
車に戻ってから、千里がお弁当とお茶を配り、それで朝御飯にする。その後、「少しでも運転代わるよ」と言って、私が運転席に就き、千里が助手席に乗って出発。5:51に鹿児島神宮の駐車場に入った。
 
みんなで拝殿まで歩いて行き、5:57の日出と同時にお参りした。
 
「今日は宿題を果たしに来たのよ」
と雨宮先生は言った。
 
「宿題ですか?」
「7年前、大西典香のアルバムを作るのに『Blue Island』というタイトルがいいという意見が出た。それで『Blue Island』なら青島じゃん、ということで、醍醐に宮崎の青島まで行ってもらった。それでそこの日の出を見て曲を書いてもらった」
 
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「あの大ヒット曲は、宮崎の青島で生まれたんですか!」
「あの曲をアメリカで発売した時に、シカゴ近郊のブルーアイランドでPVを撮影して、それが逆輸入されちゃったから、あちらのブルーアイランドを歌ったものかと思っている人もあるよね」
 
「でも青島で書いた曲は『恋のモーニングコール』になっちゃったんだよ」
と千里は言う。
 
「え!?」
「結局、その後、鵜戸神宮(うどじんぐう)で書いた曲が『Blue Island』という名前でリリースされた」
 
「面白い話だ」
 

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「その時、青島も鵜戸神宮も親戚だからいいじゃんと言われたんだよね」
と千里は言う。
 
「そうそう。そのあたり千里説明しなさい」
 
「青島神社にお祭りされているのは天津日高彦火火出見命(あまつひこ・ひこほほでみのみこと)、別名山幸彦(やまさちひこ)。海彦山彦伝説の山彦だよね。それで鵜戸神宮にお祭りされているのは、その息子の日子波瀲武鵜草葺不合命(ひこなぎさたけ・うがやふきあえずのみこと)」
 
「名前が難しい!」
「一般には彦火火出見命(ひこほほでみのみこと)、鵜草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)くらいで呼ばれている。まあその前に付いているのはむしろ美称の類い。思いっきり略して『ふきあえず』なんて言う人もある」
 
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「なるほど」
 
「まあそれで親子ならいいじゃんと言われたんだよ」
「その時、霧島神宮の話が出たんだよね」
「そうなんですよ。霧島神宮にお祭りされているのは天邇岐志・国邇岐志・天津日高・日子番能・邇邇芸命(あめにぎし・くににぎし・あまつひこ・ひこほの・ににぎのみこと)」
 
「長い!」
「一般には邇邇芸命(ににぎのみこと)と呼ばれている」
 
「そのくらいの長さがいいな」
「これは青島神社にお祭りされている山幸彦のお父さんだよ」
「なるほど。親子孫3代なんだ」
 
「そういうこと」
 
「まあそれで、じゃその霧島神宮にもお参りしてきなさいと私は言ったんだけどね」
と雨宮先生が言う。
 
「高校卒業してからにしてくださいと私は言った」
「それで私もすっかり忘れていてさ。ふと気づいたら、もう大学院卒業間近じゃん。だから、霧島に行ってもらおうというのを、昨夜ケイが眠ってしまった後、千里と話したのさ」
 
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「なるほど、それで。でもここは霧島神宮じゃなくて鹿児島神宮ですよね?」
「うん。だから、これから霧島神宮に行く。そのあと、再度青島・鵜戸神宮に行って今日の日程は終了」
 
「雨宮先生にしては上品なルートだ」
「とんでもない」
「何か問題でも?」
「霧島神宮というのが6つあるから」
 
「え〜〜〜!?」
「そのうちの2つは現在合併していて実際には5ヶ所」
「どっちみち大変だ」
 
「まあ日没までには鵜戸神宮に到達できるはず」
「だったら帰りは最終の飛行機で東京に戻れますかね?」
 
「千里、宮崎空港発の最終は?」
「19:55ですね」
「今のところ鵜戸神宮到着予定は?」
「18時です。それからお参りして宮崎空港まで戻ると19時半くらいになると思うのでたぶん羽田行き最終には間に合いません」
「じゃ、帰りもエスティマで高速を走って」
「分かりました」
 
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「え〜〜〜!?」
 

「ところで僕と龍虎が同行した理由は」
と上島先生が訊く。
「まあ、ついでだね」
と雨宮先生は言った。
 
鹿児島神宮を出たのが6:30くらいであったが、霧島神宮には40分ほど走って7:12に到着した。
 
参道を歩いていると、竹箒で掃除をしていた巫女さんがひとり寄ってくる。
 
「こんにちは」
と千里に声を掛ける。
 
「こんにちは。久しぶりですね」
と千里は言った。
 
「こちら、作曲家の上島雷太先生、雨宮三森先生、ローズ+リリーのケイさん、そして私の友人の龍虎ちゃんです」
 
みんな会釈する。
 
「こちらはこの神社の御祭神の霧島大神様です」
と千里は言った。
 
「え!?」
 
「それそういう言い方すると、みんなびっくりするよ」
と巫女さん(?)は言っている。
 
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「じゃ、取り敢えず沙耶ちゃんで」
「うん。沙耶でいいよ。お参りだったら、私が祈祷やってあげるよ」
「じゃ、よろしく」
 
それで千里が「大神様」と呼んだその沙耶という女性に連れられて一行は昇殿する。彼女が昇殿したのを見て、巫女さんが3人やってきて、太鼓・笛・大幣を持つ。
 
大幣を持った巫女さんが、一同の上で振ってお祓いする。そして「大神様」がこの世の物とは思えないほど美しい声で祝詞を唱え始め、太鼓・笛がそれに合わせた。
 
それはとても気持ちいい時間であった。
 

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昇殿しての祈祷の後
「まあまあ」
と言われて、社務所の中の座敷に通され、お茶とお菓子を頂いた。
 
「あ、かるかん饅頭だ」
と龍虎が嬉しそうな声をあげる。
 
「それ好き?」
と沙耶。
 
「ええ。何度かお土産にもらったことありますけど、美味しいですね」
 
「千里ちゃん、忘れる所だった。これを羽黒大神に」
と言って、沙耶は何か紙袋を渡す。
 
「じゃ預かっていくね」
「震災の後、原発があんなことになって。九州の神様たちもみんな心配している。これ微力ではあるけど、少しは役に立つかなと思って」
 
「ありがとうございます」
と千里はその時彼女に敬語で言った。
 

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「そうだ。久しぶりに千里ちゃんの笛が聴きたいな」
と沙耶は言う。
 
「うーん・・・」
と言って千里はバッグの中から笛を取り出す。
 
「今日は龍笛を持って来てないんだよ。どれがいい?」
と言って取り出したのは、東京で政子のと交換した三響のフルート、古い篠笛、パンフルート(!?)である」
 
「そのパンフルート、久しぶりに見た」
「まあダーツの景品だけどね」
「篠笛は例の所でもらったものでしょ?」
「そうそう。私はもらい物、預かり物が多い」
 
「じゃ、そのフルートを聴こうかな」
「了解」
 

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