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■夏の日の想い出・The City(1)

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(C)Eriko Kawaguchi 2015-12-27  
アクアが出演している(主演は中堅医師役をした三崎京輔さんでありアクアはあくまで脇役である)『ときめき病院物語』の最終回は関東地区で41%、関西地区で38%という恐ろしい数字を叩き出した。この視聴率に気をよくしたスポンサーは来年の春にこの物語の第2部を、ほぼ同じキャスト、特に三崎とアクアは必ず入れて制作してくれるよう要請したが、放送局は三崎も忙しいしアクアも来年のスケジュールは今の段階では確定できないとして、この要請を保留した。
 
そしてその翌週からは、今度はアクア自身が主演する『ねらわれた学園』が放送開始され、やはり物凄い視聴率が出たのだが、この初回放送で一部のアクア・ファンから悲鳴が出た。
 
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アクアは主人公の関耕児(リアルのアクアと同じ中学2年)を演じているのだが、彼が明らかに男声で話していたからである。
 
「アクアちゃん、声変わり来ちゃったの!?」
という悲鳴のようなツイートがネットにあふれたが、8月下旬に行われたライブに行った人たちが否定する。
 
「アクアは少なくとも8月下旬の段階では、まだ変声前のボーイソプラノで歌っていたし、話していたよ」
 
「『狙われた学園』は8月から撮影スタートしているはず。だからこの時点では、まだ変声前だったはず」
 
この問題についてはアクア自身が記者会見を開いた。
 
「えっと、僕はまだ声変わりしていません」
と彼はおなじみのハイトーンでコメントし、この映像がテレビを通じて全国に流れると、多数の女性ファンたちがホッと胸をなで下ろした。
 
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「でもアクアさん、中学2年生ですよね。この年齢でまだ声変わりが来ていないって、凄く珍しいと思うのですが、女性ホルモンとか打っているのでしょうか?」
 
と記者が世間でくすぶっている疑惑をストレートに尋ねる。
 
「なんか僕に女性ホルモンを投与したがっている人、いっぱい居るみたいなんですけど」
とアクアは苦笑するように言う。
 
「実際女性ホルモンの錠剤とかわざわざプレゼントとして送ってこられる方もあるんですよ。これ薬事法違反の疑いもあるのでやめてくださいね。でも僕、何もお薬とか飲んでないし注射とかもしてないです。僕は、ご存じの方もあるかと思うのですが、幼稚園から小学1年の時に掛けて、大きな病気をして。その時は一時は髪が全部抜け落ちるくらい強い薬を使っていたんです。その薬の影響で性的な発達も遅いみたいなんですよねー。僕オナニーとかも月に1回くらいしかしたくならないんですよ」
 
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このアクアのオナニー発言にはまた全国の女性ファンが悲鳴をあげたし、事務所社長の秋風コスモスがやや渋い顔をしたものの、中学2年生の男子がオナニーもしていなかったら、その方がよほど変なので、多くの冷静なファンは彼の発言を好意的に受け止めた。
 
「むしろ月に1回って男の子にしては少ないよね」
「やはり本人が言うように、性的な発達が遅れているんだろうね」
 
といったやりとりがネットではなされていた。
 

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「ではドラマの声はどうなさったんですか?」
という記者の質問に対してアクアは笑顔で答えた。
 
「ボイスチェンジャーを使っているんですよ」
「なるほど!」
 
それでアクアは実際のボイスチェンジャーの機械を記者会見場に運び込んできてもらい、それを通して初回放送で使用したセリフをしゃべってみせた。確かにボイスチェンジャーにより、アクアの声が男の子の声に変換されて聞こえてくる。
 
「凄いですね」
「逆に男の人が女の人みたいな声を出すこともできますよ。記者さんもこの機械1個どうですか?」
 
「女の子を装ってお友達増やしたい気分ですね」
と記者が悪のりして言うと
 
「犯罪予告か!?」
などとネットではツイートされていた。
 
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「今回はアクアさん、女役はしなかったんですか?」
「一応、僕男の子なので」
とアクアは言っていたが
 
「アクアちゃんの女装見たいよぉ」
という声がネットにはまた大量にあふれていた。
 

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アクアの8月のライブツアーはこのような日程で行われた。
 
8.16(日)福岡 22(土)札幌 23(日)大阪 29(土)名古屋 30(日)埼玉
 
今回のツアーまではゴールデンシックスが伴奏を務めたが、アクアの音楽活動がこのあと活性化することも予想される中、ゴールデンシックス自体も売れているので、9月以降は別のバンドがアクアの伴奏を務めることが予告されていた。つまりゴールデンシックスにとっては、最初で最後のアクアのライブツアー伴奏となった。
 
このツアーでは、年末くらいの発売が予定されているアクアの初アルバムに収録する予定の曲もいくつか披露された。そのアルバムはまだタイトルも決まっていないのに、各地のCDショップに大量の予約が行われた。
 
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今回のツアーのチケットは全国分を1つにして抽選する方式、つまり複数の会場のチケットの購入はできない方式(但し住所に近い所を優先する)で販売されたが競争率が20倍を越えた。転売防止のため入場には同伴者も含めて、写真付き身分証明書が必要とされていた。
 
なおこのライブの様子は9月下旬にDVDで発売されたが、そのDVD自体が価格が1万円もするにもかかわらず30万枚も売れた(つまり売上30億円)。
 
何だか私たちがマジメに音楽制作しているのがアホらしく思えるほどの凄いセールスである。
 

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「アクアのアルバムですけど、誰々が書いたんですか?」
と私が加藤課長に尋ねたら
 
「忙しい時に悪いけど、ケイちゃん、1曲書いてくれない?」
と言われ、藪蛇だったなと後悔した。しかし政子が
「可愛いアクアちゃんのためなら」
と張り切っていて、結局ワールドツアーの時に書いた『翼があったら』という曲を音域など調整した上で提供することにした。
 
千里に訊いてみたら、彼女たちも頼まれたということで、例によって東郷誠一さんの名前で『テレパシー恋争』という曲を提供したらしい。恋争は恋の争いということではあるが「れんそう」とい音が「連想」につながりテレパシーの関連単語である。蓮菜(葵照子)らしい言葉あそびが多用されている。この曲は『ねらわれた学園』の挿入歌にも使用されることになったと言っていた。
 
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他に結局上島先生も1曲書くことになったようである。どうもアクアのプロジェクトでは、今「旬」の作家12名に1曲ずつ提供してもらってアルバムを構成したようである。制作の指揮は雨宮先生の3番弟子か4番弟子くらいの位置づけらしい毛利五郎さんがしたと氷川さんから聞いた。彼は聞く所によると実はAYAのインディーズ時代とかにも制作に関わっていたらしく、アイドルの制作をかなり昔からやっていたようである。
 
あまり名前が表に出てきたことは無かったと思うのだが、どうも雨宮先生の弟子には、千里も含めて「闇の中で」活動しているミュージシャンが多いようである。
 

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一方KARIONもちょうどアクアと同時期に全国ツアーをしていた。昨年は10ヶ所でやったのだが、今回は8ヶ所にしてもらった。これは私自身がローズ+リリーのアルバム制作に時間をできるだけ取りたいためにワガママを言わせてもらった。
 
「KARIONのアルバムも作りたいんだけど」
と和泉が言うものの
「ごめーん」
と私は言っておいた。和泉は詩を書き貯めていたが、私はなかなか曲を付けてあげる時間も取れずに居た。
 
KARIONのツアー日程はこのようになっていた。
 
8.16(日)札幌 18(火)福島 22(土)沖縄 23(日)福岡 8.27(木)富山 29(土)大阪 8.30(日)名古屋 31(月)東京
 
むろんアクアのライブとはぶつからないようにしている。8月はツアーをしているアーティストも多いが、アクアと不幸にも日付と場所がダブってしまったバンドや歌手のファンたちは宿泊や、場合によっては交通機関も確保できずに困ったようであった。同じ日に学会を開こうとしていた団体は急遽日付の変更をしたりもした。
 
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ローズ+リリーのアルバム『The City』に収録した曲は14曲で、これは各々次のようなスケジュールで制作を行った。
 
7月上旬『内なる敵』 
7月下旬『摩天楼』 
8月上旬『ハンバーガーラブ』 
8月下旬『たまご』 
9月上旬『枕が揺れる』『仮想表面』 
9月中旬『スポーツゲーム』『Flying Singer』 
9月下旬『短い夜』『通勤電車』 
10月上旬『ハイウェイデート』『ファッションハウス』 
10月中旬『ダブル』『モバイル・ガールズ』 
 
7月はマリの恋愛騒動でとても制作ができず、8月は夏フェスやKARIONライブで時間が取られたので、結局9月から10月中旬に掛けて集中して作業を行って何とか年内発売できる線でまとめたという感じである。2月初旬に企画会議をしてから発売(12月2日)まで10ヶ月の長丁場であった。制作費は4億円に及んだ。これには「ロケハン」を兼ねて行ったワールドツアーの費用は含まれていない。
 
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(昨年の『雪月花』は3億円、一昨年の『Flower Garden』は1億円掛けている)
 
そういう訳で、KARIONのアルバム制作は結局11月になってやっと起動することになったのである。
 

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ローズ+リリーのアルバム収録曲で最初に作った『内なる敵』は元々シングル用に制作したものであるが、マリのトラブル絡みでシングル発売直前になってアルバム収録予定の『コーンフレークの花』と入れ替えることになり、大騒動となったが、おかげでローズ+リリーのCDは8連続ミリオンを達成した。
 
2013.01『夜間飛行』110万 
2013.03『言葉は要らない』110万 
2013.04『100%ピュアガール』120万 
2013.08『花の女王』130万 
2014.04『幻の少女』110万 
2014.07『Heart_of_Orpheus』140万 
2015.03『不等辺三角関係』130万 
2015.07『コーンフレークの花』160万 
 
「なんか作品の出来と売上が比例してないなあ」
とある日マンションで私は売上の数字を見ながら言った。
 
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「まあしょうがないね。宣伝がうまく行ったものもあれば外れたものもある。雰囲気で売れちゃったものもあれば、うまくブームに乗れなかったものもある。発売日前後に発売された他のアーティストの作品の影響もあるし」
と七星さんがファンからの贈り物のバーボンを飲みながら言った。
 
「100%ピュアガールなんかが雰囲気で売れてしまった例ですよ」
「あれは公開制作されたからね」
 
あの曲は『言葉は要らない』の発売記者会見をしている最中に唐突にマリが詩を書き始め、私もノリでその場で曲を付け、加藤課長がその場で発売日まで決めてしまったという作品であった。正直、もっとリファインできる作品であったが、もうテレビで制作現場が流れてしまったので、そのままの形でリリースしたのである。
 
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「幻の少女なんて渾身の作品だったのに、あまり売れなかったし」
「まあ何が売れるかが分からないのがこの世界」
 
「今回のコーンフレークの花は後ろめたい気分です」
「でも差し替えてなかったら10万枚も行ってないね」
「だと思います」
 
あれは『内なる敵』をリリースする予定が、マリの恋愛騒動の余波で大量にキャンセルが行われ、大損害確実という危機的状況だったのを、大林亮平さんたちの記者会見でマリの「熱愛疑惑」が消え、更に雨宮先生制作のコミカルなPVを入れた『コーンフレークの花』に楽曲を差し替えるというマリ自身の提案に町添さんが首を掛けて乗ってくれたおかげで、初動74万という奇跡のような数字が出たのである。そのあと売上はどんどん伸びて9月末に160万枚を突破してしまった(年内に180万枚到達)。
 
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「ここだけの話ですが、RC大賞をやると言われたのですが辞退しました」
「もらえばいいのに」
「こういう売れ方したものが取ったら申し訳無くて」
「欲が無いなあ。しかし今の時期にもう大賞決めちゃうのね」
「まあ今後更に有力な作品が出たら、ごめんと言われるのかも」
「そのあたりは運もあるだろうね」
 

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6月下旬から7月上旬に掛けて制作した『コーンフレークの花』はシングルに転用した。次に制作したのが『摩天楼』で、これは苗場ロックフェスティバルが終わった後、7月下旬に集中的に制作をした。
 
七星さんと青葉のツインサックスをフィーチャーしている。1980年代のアメリカのフュージョンを思わせるようなムーディーな曲で、ワールドツアーの時に撮影したマンハッタンの高層ビル群の映像も使用している。
 
またサマーロックフェスティバルの時に私とマリがハングライダーで降りてきたのが結構好評だったので、関東近郊のハングライダー飛行コースに行き、ベテランの人とのタンデムで実際に私とマリが飛行する映像も撮影され、使用された。
 
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