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男の娘宣言(6)

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ジェットコースター、回転車(中世のアトラクション“観覧車”というものに似ているらしいが昔はゴンドラ自体は“自転”せず“公転”のみだったらしい)、ティーカップ(これも中世からあったらしいが昔のは水平にしか回転しなかったらしい)、様々なショー付きのライド、シューティングゲーム、遊園地の外周をまわるゴンドラ、古代の乗り物“汽車”を再現した乗り物、幽霊の出没するハウス、などなど色々なアトラクションで楽しむ。
 
レミは最初ひとりで見て歩いていたのだが、ポリカ、ドミナ、スズナ、ジャンの4人が一緒にいるグループに遭遇した。
 
「不思議なグループだ」
「レミを入れるともっと不思議になる」
「まあ変人の集まりだ」
とポリカが言っている。
「レミはいつ男の娘宣言するのさ?」
とジャンから訊かれる。
「しないよー」
「うそうそ」
 
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「男女サークルやってみようよ」
とスズナが言い、5人でそちらに行った。
 
このアトラクションは、クッションスポンジを敷いたフィールドの上に、鉄でできた円形の細い道(幅5cm)が作られていて、そこを1人ずつ一周歩いてくるというアトラクションである。
 
円は30度ずつ、赤く塗られた所と青く塗られた所が交互にある。この赤く塗られた部分で女子は落下しやすく、青く塗られた部分で男子が落ちやすいように、視覚的あるいは聴覚的/嗅覚的な罠が仕掛けられている。
 
実際、レミたちの前にやっていた中学生のグループは、男子はみんな青い所で落ちて、女子は1人を除いて赤い所で落ちた。女子1名だけが落ちずに一周して記念品のレーザー・セイバー(光剣)をもらっていた。中世の宇宙開拓時代には武器として使用されたものらしいが、現代では調理器具として一般的である。物理的な刃を使用しないので、常に最高の切れ味が保たれるのが良い。脂身の多いお肉を切る時は重宝する。
 
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「レーザー・セイバーって、ちんちん切るのにもいいらしいよ」
などとスズナが言っている。
「ああ、切っても血が出ないからね。瞬間的に熱で止血されてしまう」
とポリカも言っているが、ジャンは嫌そうな顔をしている。レミはちんちんを切ると言われて、ドキドキしている。
 
レミたちが10秒くらいの間隔を空けて試してみる。詰まると面倒ということで身体能力の高そうな順に出発する。ジャン(男)→ポリカ(女坊)→レミ(男?)→ドミナ(男娘)→スズナ(女)の順である。ちなみにスズナは女の子だが、自分は女の子が好きと公言している。男の子には全く興味が無いらしい。逆にジャンは男性同性愛であることを公言している。つまりこのグループは全員微妙な性別の持ち主である。
 
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最初に歩き出したジャンは半分くらいまで行った時、青の部分で落ちた。
 
「万一赤で落ちたらどうしようと思った」
「性転換して女の子になって男の子と結婚すればいい。男の子と結婚したいんでしょ?」
「それは物凄い悪夢だ」
 
ポリカはゴール寸前の青で落ちて悔しがっていた。
 
「でも青で落ちたからいいことにする」
 
レミは3分の1の所まで行った所の赤で落ちた。
 
「やはりレミは女の子だよ。男の娘宣言しなよ」
「実は迷ってる」
とレミはこのメンツなので、正直に答えた。
 
その後、ドミナはちゃんと赤で落ち、スズナだけが最後までたどりつき、賞品のレーザー・セイバーをもらった。
 
「おめでとう!」
「最後の赤で落ちるかと思ったけど何とか最後まで行けた」
「スズナは男の子になってもやっていけると思うよ」
「それは嫌だ。ちんちんなんて見たくもない。この世の全てのちんちんを抹消したい」
「過激だな」
 
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「そうだ。レミちゃん、このレーザー・セイバーで、ちんちん切り落としてあげようか?」
「待って。心の準備が」
「どうせ要らないくせに」
 

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その後、トイレに行く。ここでジャン・ポリカ・レミは男子トイレ、ドミナとスズナは女子トイレである。
 
「レミ、女子トイレに入りたいなら一緒に入ろう」
とスズナが声を掛けてくれたが
「自粛する」
とレミは答えてポリカたちと一緒に男子トイレに入った。トイレの入口では市民登録証をかざす必要があり、男子は男子トイレ、女子は女子トイレにしか入ることはできない。
 
「お、正直の口があるじゃん」
とジャンが言う。
 
小便器が並んだ横に、ティラノザウルスの顔があり、口を開けている。ここにちんちんを入れて、嘘をつくとティラノザウルスにちんちんを噛まれるという仕様になっている。
 
「みんなこれ試してみようよ」
とジャン言う。
「どうするの?」
とポリカ。
「ああ。まだ男になりたてで知らないか。ここにチンコ入れて、何か言った時、本当なら何も起きないけど、嘘をつくとティラノにチンコ噛まれるんだよ。運が悪いと噛み切られて、チンコが無くなる」
とジャンは説明した。
 
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「恐いな」
「だからここにチンコ入れて、『自分は男です』と言ってみる」
「やってみよう、面白そう」
とポリカが言い、3人は順番にちんちんを出して、その恐竜の口に入れてみることにした。
 
最初にジャンが自分のちんちんを中にいれ
「俺は男だ」
と言ったが、何も起きなかった。ジャンのちんちんは大きい。15cm近くあるかなと思った。
 
続いてポリカが(簡易男子化キットの)陰茎を恐竜の口に入れ
「僕は男だ」
と言ったが、何も起きない。彼の陰茎は男子化キットの標準で12cmサイズである。
 
「次はレミの番だぞ」
 
レミはおそるおそる自分のちんちんをティラノの口に入れる。レミのおちんちんは8cmくらいで、ジャンやポリカのに比べると短いので、毎月のM検の時は恥ずかしいのだけど、この2人は何も言わない。
 
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中に入れたままレミは
「ボクは男の子です」
と言った。
 
すると突然何かでガシッとちんちんが押さえられる感覚がある。
 
「痛い!」
と思わずレミが叫ぶと、反射神経のよいポリカがすぐ解除ボタンを押してくれた。
 
「びっくりしたぁ」
「大丈夫?」
「うん。もう平気」
 
「だけどこれでレミは男ではないことが確定だな。声変わりとか来ちゃう前に男の娘になったほうがいいと思うぞ」
とジャンは言った。
 
「でも刃が付いてて本当に切り落とすタイプじゃなくてよかったな」
「そんなの本当にあるの?」
「まあ都市伝説ではないかとも言われる」
 

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11月、レミたちは性交性別検査を受けた。J国では小さい頃から性のことはしっかり教えられているので、みんな性交のことは知っているし、男性と女性の性交のみならず、男性同士の性交の仕方、女性同士の性交の仕方も知っている。
 
性交性別検査は小学4年生から中学6年生までに課されているもので、脳内で感じ取れる仮想体験システムにより、下記の4種類の体験をしてもらい、脳波測定で“順応度”を検査するものである。
 
・男女性交の男役
・男女性交の女役
・男同士の性交
・女同士の性交
 
(性別を既に移行した人は免除だが例えば男から女に移行した人は男女性交の女役と女同士は希望により体験できる。これは恋愛の練習にもなる)
 
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ペニスが無い人(多くは女子)でも仮想体験システムでは自分にペニスがあるかのように感じ、仮想世界に生成された女性と性交して射精に至るまでを経験できるし、ヴァギナが無い人(多くは男子)でも、仮想体験システムの中では自分にバストやヴァギナがあり、男性に抱かれ男性を受け入れて相手が射精するまでを体験することができる。
 
このシステムで男役順応度90以上で女役順応度10以下の女子は男子への性別移行を推奨される。女の坊宣言をしたポリカは、男役95点・女役0点で
「さすが男だ」
とみんなから言われていたし、男の娘宣言をしたドミナは男役0点、女役95点で
「やはりドミナは女になっていいようだ」
と言われていた。
 
ちんちんを切られてしまったジータは男役60点・女役65点だった。
 
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「ジータ、お前やはり奥さんにもなれるよ。女の子になったら?」
と言われたものの本人は
「嫌だ。でも男役の仮想体験良かったあ。ボクもちんちんあったら本当に性交できたのに」
と言っていた。
「どっちみち立たなきゃ無理」
と他の男子に言われていたが。
 
「ヤオイ穴作ってもらったら?」
「あまり男の子と結婚したくないけどなあ」
 

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「お前、女役の点数高かったな」
と診断表を見て、父は言った。
 
レミは男役70点・女役80点で、女役のポイントの方が高かった。これが女役85点以上なら(男役の点数に関わらず)男の娘宣言することが勧奨される。レミは初めての女役体験で凄く気持ちが良かったものの、自分で少しセーブするようにしたので多分80点に留まったのだろうと思った。あれは操作していなければ90点くらい行った気もする。ちなみに男同士は30点、女同士は75点だった。同性性交の点数が90点以上だと同性愛の適性があるとみなされるが、レミはどちらもそれ以下だった。男同士の点数が低いのはたぶん(仮想に)自分のヤオイ穴に入れられた時に気持ち良いと思ったら自分のペニスが小さくなってしまったので、結果的に点数が低くなったのだろうと思う。女同士はずっと快感が連続していたので、75点という高得点になったのだろう。
 
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「お前、このくらいの点数なら、自主的に男の娘宣言してもいいと思うぞ」
「気が進まない」
「そうか。でもその気になったら、俺にでも母さんにでも気軽に相談しろよ」
「うん」
 

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その日レミは母に連れられてかかりつけの内科医の所に行った。馴染みの医師はレミの健康状態をチェックした上で
 
「じゃ注射しようね」
 
と言って、レミの腕に注射を1本した。細い針を使用しているので痛みは全く無い。
 
「ところでこれ何の注射だったの?」
と診察室を出てから母に尋ねた。
 
「抗男性ホルモンだけど」
「嘘!?」
「あんた、男の娘宣言する可能性あるでしょ?だから声変わり抑えておいたほうがいいよ」
 
確かにクラスの男子では2人もう声変わりがした子がいる。ボクもそろそろかなあなどとレミは思っていた。
 
「男の娘宣言しないのなら半年程度以内に抗男性ホルモンの投与はやめれば普通に声変わり来ると思うよ」
と母は言った。
 
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レミは母から「ブラジャー着けようよ」と言われた。
 
「ボクまだおっぱい無いけど」
と言いつつ、ボクおっぱいできるんだっけ?と疑問に思う。
 
「おっぱいが無くても、最初は練習にジュニアブラを着けるんだよ」
と母は言った。
 
それで母はレミの“アンダーバスト”を計ってくれた。
 
「そんな場所を測るんだ?」
「身体測定の時に男子が測られているのは乳首の所のトップバスト。でもブラジャーはアンダーバストとトップバストの両方を測る必要があるんだよ」
 
「あ、なんとなく分かる。ボクのトップバストは?」
 
それで母は念のためトップバストも測ってくれた。レミのアンダーバストは62cmで、トップバストは64cmだった。
 
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「あんた、僅かに胸が膨らんでる」
「嘘!?」
 
「抗男性ホルモンのせいかもね。あれは女性ホルモンの一種だから」
 

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それで母はアンター60-65cm用のジュニアブラを買ってきてくれた。後ろに付いているホックを留める方法は母が自分のブラで実演してくれた。
 
「大変そう」
「慣れたらちゃんとできるようになるよ。毎日練習しよう」
「うん。でもこれ学校に着けて行ったらだめだよね?」
「別に構わないと思うけど」
「どうしよう?」
とレミは悩んだ。
 
でもブラジャーをつけた感じは“すごく良かった”。レミはなんだかお姉さんになっちゃった感じでドキドキした。胸が無いのが寂しいなと思って、靴下をまるめてカップの中に入れたら、まるで本当にバストがあるみたいだ。レミは鏡に映してみるだけでは物足りず、自分で何枚も写真を撮った。
 
レミはその日はブラを着けたまま、カップの中に詰め物をしたまま眠った。
 
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12月はまた性交換月間だった。それでレミは毎日女の子の下着をつけスカートを穿いて通学したが、もし女の子になったら、これが普通の服になるんだよなあと考えた。
 
夜ベッドの中で自分のちんちんに触ってみて、これ取っちゃったら、どんな感じなんだろと思って股の間にはさんでみた。男の子の性器が視界から隠れ、皮膚が引っ張られて縦の線ができる。これ女の子みたい、と思ってレミはどきどきした。
 
レミが女の子の服を着たまま朝御飯を食べながら、姉のメルの胸付近を何気なく見ていたら
「何見てんのよ?」
と言われる。
「お姉ちゃん、胸大きいなと思って」
 
「あんたも胸大きくしたい?」
「いや、そういう訳じゃ無いんだけど」
「今から毎日女性ホルモン飲んでれば、中学生になる頃には結構大きくなるかもよ」
と姉は言った。
 
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「あれって毎日飲むの?」
「まだ性別未分化の小学3〜4年生が男性化を止めるのに抗男性ホルモンを摂る場合は注射を打つ人が多いけど、本格的に女になることにした人は通常、錠剤で女性ホルモンを摂るよ。従姉のサリエちゃんもずっと錠剤飲んでた」
 
「へー!」
 
サリエは男の子だったけど、中学になる前に手術を受けて女の子になってしまった。凄く可愛い子で、いつもスカート穿いていたから、てっきり女の子と思っていたので、手術を受けると聞いてレミは驚いた。男の子が男の娘宣言しないまま普段スカートを穿いているのはいくつかの場合で可能である。
 
(1)親がこの子はいづれ女の子にしたいと考え性別保留届を出している場合(小学1年生以下)。
 
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(2)病気や事故で陰茎を失い、普通の男子のように立って排尿ができないので女子トイレの使用を希望し、女子トイレで変に思われないようにスカートを着用したい場合(医師の診断書が必要。小学3年生以下)。
 
(3)性交換月間(またはシークレットテスト)の成績優秀者に発行される女子服装許可証を所有している場合(原則小学生のみだが、声変わりがまだなら中学3年生までは可)。
 
(4)男の子の服を着せても女の子にしか見えない場合、混乱防止のために女装させることを親が届けている(女装届)場合(小学4年生以下の時から継続して提出している必要がある。また最大中学3年生まで)
 
特に(3)や(4)の子はパンツを穿いて外出すると、すぐ性別服装違反で補導されてしまうのでスカートを穿いた方が混乱を生じない。
 
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サリエは元々女の子にしか見えないので、小学校にあがるまでは女装届を出していた。女の子にしか見えないので性交換月間ではなくシークレットテストで女の子の服装でいる期間を観察されて、順応度100点で女子服装許可証ももらった。それで常時女の子の服装をしていたのでクラスメイトもみんな普通に女子と思っていたようである。こういう子の場合は更に“シークレット男の娘宣言”をすることができる。性別審査を受ける時に担任やクラスメイトの証言が不要で、男の娘宣言した後もキュロットではなくスカートを穿いていていい。本人が希望すれば精液の採取をしないまま去勢してもらえる。実際こういう子は性的に未発達で射精できない子が多い。つまりこういう子は友人たちが全く気づかない内にいつの間にか女の子になってしまう。サリエが元は男の子だったことを知っているのは親族など一部の人だけである。
 
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実はレミもこれまでに数回警官に呼び止められて男女服装違反だと言われたものの、青い市民登録証を見せたら「ごめんごめん」といって解放してくれたことがあった。母からは「だから女装届出そうかと言ったのに」と言われたが。
 

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■男の娘宣言(6)

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