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男の娘宣言(2)

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レミも含めクラスメイトの男子たちは、みんな女子の服を着ているのだが、その中で、ひとりドミナが男子の服を着ているので、ハルキが尋ねた。
 
「ドミナ君、なんで男子の服着てるの?性交換月間、忘れてた?」
 
「ボク男の娘宣言したの」
「宣言したんだ!」
「これ市役所でもらってきた宣言受付証」
と言って彼(彼女?)はてのひらサイズの赤いカードを見せる。
 
「それでボク、女の子扱いということになって、それで性交換だから男の子の服を着なさいと言われて、これを着てきた」
 
「なんだかよく分からない」
という声もある。
 
「うん。ボクもよく分からない」
と本人も言っている。
 
「ああ、ドミナちゃん、男の娘になったんだ?だったら一緒に男子トイレに行こうね」
と男子の服を着た女子の委員長スレンが言う。
 
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「うん。よろしくね」
とドミナ。
 
「ドミナちゃんは早く男の娘宣言すればいいのにと思ってたよ」
「体育も一緒に男子更衣室に行こうね」
「はずかしぃ」
「すぐ慣れるよ」
 
ドミナは男の娘宣言をしたので、この1ヶ月間は男子トイレを使用し、男子更衣室を使用することになる。でも女の子たちと一緒に着替えるの、最初は恥ずかしいだろうなとレミは思った。
 

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「男子トイレでは、ちんちん使うの?」
とひとりがドミナに尋ねる。
 
「ちんちん使うのは禁止なのよ。だから普通に女子用立ち小便具を使うよ」
「どうやって使うの?」
「簡易女子化キットつけてるから、キットの尿道口に立ち小便具の受尿口を当てておしっこする。昨日だいぶ練習した。でもおしっこの通る距離が長い」
「ああ」
「なんか大変そう」
「ちんちん2本分通して、おしっこするのか」
「男の子って大変ね」
「もうちんちん切ってもらえばよかったのに」
「それはまだ心の準備が」
「でもどうせ切るんでしょ?」
「まだ決めてないよぉ」
「早く切っちゃえばいいのに」
 
通常、女子の尿道は5cm, 男子の尿道は15cm程度と言われるが、その長さの差はペニスの分である。女子用立ち小便具は内蔵している尿道が8cm程度あるので、ドミナは23cmくらいの長い尿道を通して排尿することになる。どうしても残尿感が出るだろうなと心配した。
 
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この1ヶ月間は男女で授業内容も交換される。
 
通常は男子だけに課せられている射撃、シミュレーターによる戦闘機操縦、などを女子が学ぶ。女子の中にはこれが楽しみという子も結構いる。サユリなどドッグファイトで他学年の男子を30機撃墜などという恐ろしい成績をあげて「お前、男になるつもりはないか?あるいは女子将校にならんか?」と誘われていた。
 
体育でも男子だけの競技である、アートスイミングやバレーボールを女子がする。アートスイミングにしても普通の水泳の授業にしてもこの1ヶ月間は女子は男子水着を着けてやるので、バストを曝すことになる。それで女子が授業をしている間、プールは男子立ち入り禁止になる。女子のアートスイミングはとても美しいらしく、どうしてこの競技って女子は無いのだろうと不思議に思うと言っていた子もある。
 
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なんでもアートスイミングはこの競技が生まれた頃は女子だけの競技だったのが、いつの間にか男子だけの競技に変わってしまったらしい。逆に今ではベースボールというと女子の競技だが、昔は逆に男子だけの競技だったらしい。
 
ベースボールというとミニスカートのユニフォームが格好良いが、昔男子がベースボールをしていた頃もミニスカートだったのだろうか?という点については、学説が別れており、確かなことは分からない。
 
そういう訳でレミたちはこの1ヶ月間は、本来は女子だけの競技であるベースボールとかラグビーを体育の時間にはやった。それ以外に、調理、衣服などの科目もある。衣服の時間にはレミたちの学年では自分用のスカートを縫う実技が行われた。
 
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その日レミはバレロのレッスンに出て来ていた。
 
レオタードに着替えて、最初は柔軟運動をする。お股を180度開脚して上体を曲げ、足に付ける運動をする。またバーを使用して、それを握って身体を支えて、足を頭くらいの高さまであげる。
 
まだ小さい子はなかなか身体がうまく曲がらないようだが、長くやっていればみんな柔らかくなっていく。
 
この日は通常のレッスンをした後で、昇級試験が行われた。レミは現在4級なのだが、3級の課題をきっちりこなし、合格を告げられた。
 
「やった!」
「来週からはチュチュを付けられますよ」
「嬉しいです!」
 
チュチュはスカート型の舞踊衣装で、3級以上の子だけが着けることが許される。
 
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バレロは中世の舞踊“バレエ”が元になって300年くらい前に生まれた舞踊である。中世のバレエというのがどういう舞踊だったのかは研究者により様々な説があり、よく分かっていないが、当時は男女が違うタイプの衣装を着けて踊っていたらしいし、男女で踊り方も違っていたらしい。
 
現代のバレロは男女の別がなく、みんな同じタイプの衣装を着けるし、男女で特に踊り方に差は無い。役柄の上で男女があるだけである。
 
例えば1級以上のテクニックとされるアラベスクのポーズは昔は主として女性の踊り手だけがおこなっていたらしいが、現代では男女ともにおこなう。そもそもバレロで使用するトゥシューズも、昔は女性だけが履いていたらしいが、現代では5級以上の踊り手は基本的にこれを履いて踊るものとされる。レミも小学2年生の時に5級になって以来、トゥシューズで踊ってきている。
 
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しかしレミも今年3級に合格して、チュチュを着けられることになった。
 
幼稚園くらいから始めた子は小学6年生で3級を取る子が多く、中学生以上がチュチュを着けるというイメージがあるのだが、レミは上達が早く、4年生で3級になったので、早くチュチュも着けられることになった。
 
チュチュってスカートみたいでいいよなあ、などとレミは思った。
 

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今年末のバレロ教室の発表会の演目が決まった。古典的な演目である『ナッツ売り』である。そしてレミはこの演目で前半の主人公となるクララを演じないかと言われた。
 
「わぁ、ボクがしていいんですか?」
「この演目の後半の主人公はお菓子の国の女王で、それはマドラちゃんが踊るんだけど、前半中心になるクララは年の若い男の子が演じるのが普通だからね。まだ4年生なのに3級になったレミちゃんがいいのではと先生たちの間で意見がまとまったのよ」
 
「嬉しい!ぜひやらせてください」
 
『ナッツ売り』は古いバレエ時代の演目『くるみ割り』というものがベースになっているという説もあるが、別の説もある。『くるみ割り』(**)というのは、伝説的な作曲家ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーが作ったとされる“三大バレエ”のひとつだが、チャイコフスキー自体が現代では架空の人物とする説が有力で、彼が作ったとされる“三大バレエ”『くるみ割り』『眠る森』『白鳥』も、実際にはその当時の数人の作家による作品であろうと言われている。またそもそもこの三大バレエの本来のストーリーも現代では不明である。
 
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(**)割とどうでもいいことだが、“くるみ割り”はnut crackerと呼ばれるのに実は、くるみ(walnut)はナッツではない!植物学的にナッツに分類されるのはヘーゼルナッツ(hazelnuts)、クリ(chestnuts)、どんぐり(acorns)などであり、くるみ(walnuts)、アーモンド(armonds)、ピスタチオ(pistachios)、ペカンナッツ(pecannuts)などは植物学上のナッツの定義に当てはまらないらしい。
 
(**)物凄くどうでもいいことだが、英語では chestnuts(くり)は睾丸の隠語、acorn(どんぐり)は陰茎(先端)の隠語である(どんぐりの形を想像して欲しい)。しかし日本語では「クリ」といえばむしろ女性の陰核を意味する。英語の睾丸と日本語の陰核が交換可能??なお英語のclitorisの発音は「クリタリス」くらい。語源的にはclimax(クライマックス)と同根で「丘の斜面」という意味だったという説もあるとのこと。“鍵”という意味で女性の性感を開く鍵ということだったという説もあるらしい。
 
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『ナッツ売り』のもうひとつのルーツと考えられているのが、メソポタミア地方で行われていたキュベレ祭りで行われていたという儀式である。この儀式では選ばれた美少年が前半では男の衣装を着けて勇壮な踊りを踊るが、儀式のちょうど折り返し点で睾丸を除去され、女の衣装に着替えて女性的な踊りを踊るというもので、睾丸の除去は当時の祭りでは本当に実行され、女名前も与えられるので、以降その少年は少女として暮らすことになったともいう。キュベレという女神には元々男の子の睾丸を貢ぎ物として捧げる習慣があったらしい。
 
現代の『ナッツ売り』では、第1幕、主人公の少年クララはネズミの軍隊と闘いこれに勝利する。この前半ではクララの勇壮な踊りが見所である。そして第2幕でクララはネズミを倒してくれた御礼にと、猫のお医者さんに手術され女の子になってしまう。そして第3幕では、ナッツ売りに導かれてお菓子の国に行き、歓迎されて、多数のお菓子の精たちと一緒にクララは踊る。第2幕最後の踊りと第3幕の多数の踊りは女性的な優美な踊りである。美しい調べにのせたお菓子の国の女王の踊りを経て最後は『花のワルツ』という曲で出演者全員が踊って大団円となる。この『花のワルツ』の曲と、演目先頭の『行進曲』は古いバレエ時代から受け継がれてきた古代の曲であると言われている。
 
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唐突に出てくる案内役の“ナッツ売り”の意味は実はよく分かっていないが、あるいは元々は第2幕に出てくるネコの医者と同じキャラクターだったかもという説もある(現在は医者の助手である)。元々このお芝居では昔は本当に主役の男の子の睾丸を潰していたので、睾丸を潰すのがナッツ割りにたとえられたのではという説である。むろん現代ではクララ役の男の子が睾丸を潰されたり除去されたりすることはない。
 
「希望すれば実際にステージ上で睾丸を除去してもいいけど」
「いえ、遠慮します」
 
それでレミは前半ではズボンを穿いた男性衣装、後半はスカート(チュチュ)をつけた女性衣装で踊ることになり、第2幕で“女の子になる手術”をされることになった。むろん3級以上でないとチュチュは穿けないので、これは3級以上の男子にしか務まらないのである。
 
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6月の学校での性交換月間が終わると、また通常の性別での通学に戻る。レミは7月1日の朝、うっかり女の子の服を着て朝食に出て来て
 
「今日から元の性だよ」
と言われて
「あっそうか」
と言って部屋に戻り、男の子の服に着替えたが、1ヶ月間女の子の服を着ていたので、男物の下着をつけたり、ロングパンツを穿いたりするのに違和感を覚えた。
 
「レミのスカート姿も可愛いのにね」
「お前も男の娘宣言しちゃう?」
「えー?ボク女の子になるつもりはないよ」
とは言ったものの、レミは女の子用ショーツもスカートもいいけどなあ、という気がした。
 

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性交換月間が終わったので、先月頭に男の娘宣言をしたドミナちゃんはキュロットを穿いて通学してきた。男の子たちからは「可愛いね」と言われ、女の子たちからは「早くスカートを穿けるといいね」と言われていた。
 
J国では男の子はロングパンツ、女の子はショートスカートを穿くが、男の娘宣言をした子はしばらくの間、ショート・キュロットを穿くことになっている。キュロットは左右の足を通す部分が分かれているので法的にはパンツに分類されるが見た目はスカートなので、法的に男の子であっても許される服なのだそうだ。
 
逆に女の坊宣言をした女の子はパンツスカートというものを穿く。シルエットはパンツなんだけど、前後に凹みが作られているだけで左右の布は物理的につながっている。実際には真ん中の窪みは細くて足が通らないので、ほとんど普通のパンツと変わらない。幾何学的にスカートなだけである。しかし法的にはスカートなので法的に女の子であっても許されるらしい。
 
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