広告:ここはグリーン・ウッド (第3巻) (白泉社文庫)
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■女たちの羽衣伝説(5)

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(C)Eriko Kawaguchi 2016-01-04/2020-04-08改
 
信次が千里と婚約したことにより信次に振られてしまった(と思い込んでいる)多紀音は千里を排除すべく、邪法を使おうと考えた。
 
友人の若くして亡くなった霊能者が持っていた黒魔術の本を読み、身体の特定の箇所がダメージを受ける呪いを掛けることにする。
 
まず通販で手に入れた古い羊皮紙に**液をたっぷり染み込ませて乾かす。そして72時間徹夜した上で、**の血で特殊な図形を描いた。そして図形の中で女性器に相当する部分にナイフを突き立て、更に恨みをぶつけるかのようにぐりぐりとナイフを回した。紙の女性器の部分に丸い穴が開いていた。
 
「もう女ではなくしてやる」
と血走った目でつぶやく多紀音はもう自分が女を見失っていることには気付いてなかった。
 
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これを本人に触らせれば呪いは完了するはずである。
 
それで千里が会社に来訪して信次と打ち合わせしている時、お茶を持って会議室に入って行くと、さり気なくその紙を千里のそばで落とす。「落ちましたよ」と言って千里がその紙を拾って多紀音に渡した。多紀音は「ありがとうございます」と言って受け取った。
 

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多紀音はこの術具を作る時は慎重に手袋をして作った。それをスカートのポケットに入れて会社に持ち込み、落とす時も自分が触らないようにスカートの内側から押すようにして落とした。
 
千里は素手で触った。
 
それで術は作動したものと思ったので、多紀音は千里が拾って渡した紙を自分の素手で触った。
 
さて、そもそも本来の千里であれば、多紀音のような「にわか呪者」の制作した呪具などものともしない。触った瞬間、跳ね返して呪い返しが起きたはずであった。しかしこの時期、千里は霊的な力を失っていた。
 
それでも千里の後ろでは、千里とのコネクションを取れないまま、守護神たちが千里のガードをしている。
 
千里がその呪具に触ろうとした瞬間《いんちゃん》が千里の指と紙との間に薄い防御壁を作った。
 
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そのため千里は直接は紙に触らなかったのである。
 
そしてそれを受け取った多紀音はまともに触った。
 
従ってこの呪いは千里ではなく多紀音自身に対して作動してしまった。
 
それで結局、多紀音は自分が掛けた魔術の作用により、生理が止まり閉経してしまったのであった。
 

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ところで貴司は9月に千里から結婚するという手紙を受け取ってから、しばらくは法的な妻である阿倍子だけに気持ちを集中しようとしたものの、どうしても浮気の虫が騒いでしまう。
 
そして貴司は気づいた。
 
浮気を邪魔されない!
 
貴司は千里とつきあい始めた中学2年の時以来、浮気しようとすると高確率で千里がデートを邪魔しに来るので、まずデートそのものができないし、まんまと1度目のデートに成功しても、絶対に2回以上デートはできなかった。
 
考えてみると、3回以上デート出来た子は聖道芦耶、藤原緋那、そして今の妻である篠田阿倍子の3人しかいないし、セックスできたのは緋那のみである!
 
(貴司は阿倍子と1度もセックスしていない。実は貴司のあまりの浮気の多さに呆れ返った千里が“2度までは他の女とのセックスを許す”という呪を掛けてしまったせいである。その2度を緋那が行使してしまったので阿倍子は貴司と結婚していたにもかかわらずセックスできなかった。ちなみに千里は例によって、そんな呪を掛けたことはきれいさっぱり忘れている)
 
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ところがこの時期、貴司は18歳の女子高生と3回カフェでおしゃべりに成功。さすがに女子高生には手を出さなかったものの、36歳のニューハーフ(手術済)の子とは4回デートして4度目には「お互い遊び」と割り切る約束でホテルに行った。例によって立ったり出したりすることはできなかったものの、シックスナインの快感に興奮し、彼女のフィンガーテクによりドライでの到達まで体験した。
 
そして貴司は三善美映と出会った。
 

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彼女は自身も中学高校とバスケット部に所属し、ずっとバスケットは好きだったと言っていた。大学に入ってからは大学のバスケ部をちょっと覗いてみたものの、全然物足りないと思い、地域のバスケットサークルに入って活動していた。大学卒業後は航空会社に入り、グランドホステスとして数年間勤めたあと、ブティックなどにも勤めたが、この当時は退職してコンビニスタッフのバイトをしながら、また地域のバスケットクラブに入り活動していた。
 
グランドホステス時代の貯金があるので、バイトはかなりサボり気味ではあったものの生活には困っておらず、むしろ週末の度にバスケの試合を見に行っていた。彼女は自分は女子バスケット選手ではあっても女子の試合はあまり見ていない。
 
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「女子の試合って動きが遅くて、かったるーい」
と友人には言っていた。
 
主として男子プロのBリーグの試合を見ていたものの、ある日実業団の試合を偶然見て、そこにプロ級の選手がいるのに気付いた。
 
その日の試合は彼の大活躍で勝利する。それで試合後、下に降りて行ってフロアに出てきた彼をキャッチする。
 
「細川さん、今日の試合凄かったですね。あのトリックプレイにしびれました」
と美映は笑顔で彼に話しかけた。
 
「ありがとう。たまたま決まったんだけど、あれが試合の転換点になったね」
と貴司も笑顔で答えた。
 

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それを機会に美映はよく貴司の所属するサウザンド・ケミストラーズの試合を見るようになり、差し入れなどもするようになった。彼が元日本代表であることにも気づき、以前写真集が発売されたことがあることも知りヤフオクで落として眺めてみた。これほどの選手が、なぜプロチームに行かないのだろうと思い、本人に聞いてみると
 
「プロになってバスケ1本で生活していく自信がないから」
 
などと言っていた。確かにプロバスケ選手の年俸は頂点のごく一部を除くと悲惨だとは聞く。社員選手なら一応生活は保障されているのだろう。
 
「奥さんいるんでしたっけ?」
「うん。いるよ」
「お子さんは?」
「1人、男の子」
「バスケ選手に育てるんですか?」
「あの子には産まれる前からバスケを教えていたんだよ」
「すごーい」
 
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ふたりは次第に親しく話すようになり、とうとうある日、緋那は貴司をデートに誘った。
 
「僕結婚しているから君とはあまり深入りできないけど」
「私も貴司さんが結婚していることは承知ですよ」
 
それで数回(健全な)デートをしたものの、貴司は言った。
 
「このあたりでこういう付き合いは止めない?僕は君に失恋の思いを味合わせたくない」
 
「私既にもう止められなくなってる」
と美映は言った。
 
「ホテル行きません?」
「ごめん。悪いけど、僕は妻を裏切られない」
「この一夜のことを思い出に、この恋は諦めるから」
 
そう美映から言われて、貴司は彼女と一緒にホテルに行ってしまったのである。
 

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ふたりはシャワーで汗を流してからベッドに入ったのだが、貴司のが全然大きくならないので美映は拍子抜けする。
 
「これって我慢してるの?それともED?」
「妻とはしてるよ。でもボクは他の女性の前では立たないんだよ」
 
ここで貴司の言う“妻”は千里のことで、“他の女性”とは阿倍子のことである!
 
「へー!」
 
それで美映は貴司って奥さんとだけセックスできるって、なんて堅物男なの!?と思った。
 
「でもせっかくホテルに来たんだもん。遊んで遊んで」
と言って美映は貴司のそれを盛んに触り
 
「私のここにはさんでよ」
「柔らかくて入らないよ」
「うん。だから挟んであげる」
 
それで美映のそこにはさんでもらい、それで腰を動かすと、お互い結構気持ちよいことを発見し、かなり興奮して快楽を味わうことができた。
 
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美映と貴司がホテルでデートした日、千里は信次とデートしていた。平日ではあったが、システム完成前の最終的な調整や、システムの導入・教育手順などについて話し合い、打ち合わせが夜12時近くまで及んだ。
 
ふたりは婚約者ということで帰りのタクシーに一緒に乗車したのだが、車内で信次が言い出す。
 
「ね、ホテル寄ってかない?」
「うーん、まあいっか」
 
それで当初は信次の自宅(千葉市内)経由、千里が泊まる予定のホテルというコースの予定だったのを、自宅を経由せず直接ホテルに行ってもらう。泊まるのが1人ではなく2人になったとフロントに言い、シングルをダブルに変更してもらって宿泊する。
 
この時、当初「村山千里」名義で予約していたので「村山信次・村山千里」の名義で宿泊カードには記入した。
 
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「信次さんが私の所にお婿さんにきたみたい」
「お嫁さんでもいいよ」
「信次さん、ウェディングドレス着る?」
などと千里が言ったら信次は真っ赤になっていた(まさか本当に着たいのだとは思わない!)
 
「私疲れてるから眠っちゃったらごめんね」
「その時は好きにしていい?」
「うん。好きにして」
 
それで睦みごとを始めようとしたのだが、その段になってから信次はそのことに気づいた。
 
「ごめーん。避妊具を忘れてきた」
「あらら」
「いつも使うバッグに3〜4個入れてたんだけど、あれ会社に置いてきてしまった」
「じゃ残念ね。今夜はセックス無しで、一緒に並んで寝ようか」
と千里は言う。
 
「え〜〜!?」
と言ってから信次は提案する。
 
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「だったらさ、千里ちゃんが僕に入れてくれない?」
「はぁ!?」
「これ知ってる?」
と言って信次はカバンの中から“おちんちん”を取り出す。
 
「変なもの持ってるね」
「じゃんけんしてさ。僕が勝ったら生で入れさせてよ。僕が負けたら千里ちゃんが僕に入れていいから」
 
よほど生で入れたいのねと思って千里も妥協し、ジャンケンすることにした。信次が勝った。
 
「じゃ仕方ないね。今日は生で入れていいよ」
と千里は言ったのだが、信次は戸惑っている。
 
「どうしたの?」
「いや・・・」
と言ったまま、なぜか悩んでいる。
 
「じゃ特別サービス」
と言って千里は信次のを舐めてあげた。
 
「ま、待って逝きそう。中で逝かせてほしい」
「OKOK」
 
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それで信次は千里に生で入れたのであった。信次はとても気持ち良さそうだったので、千里も微笑んだ(千里は自分が妊娠可能であることをこの時点では忘れてしまっている)
 

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一休みした後で信次は言った。
 
「凄く気持ち良かった」
「よかったね」
「今は僕が気持ちよかったから、次は千里ちゃんが僕に入れていいよ」
「いや別にいいけど」
「だって、僕だけ気持ちいいのは悪いもん」
 
千里は考えた。もしかしてこの人、入れられるほうが好きなのか?
 
それで千里はハーネスを装着して、“おちんちん”を取り付け、信次に入れてあげた。
 
「千里ちゃん、やっぱりこれ凄く上手いね。気持ちいい」
と信次は言って、何だかさっきのより気持ち良さそうにしている。千里は桃香には「男役は下手糞すぎる」といつも言われているのだが、この日は千里としても何だかスムーズに入って、結構楽しかった。
 
まるで女の子に入れているみたいに入るじゃん。つまりこの人、物凄く開発しているんだ!、と千里も思い、結局信次と千里はこれ以降、千里のほうが男役になるのが定着する。それは千里にとっても、自分のヴァギナを使わないことで、桃香や貴司に対する罪悪感が小さく済んだ。
 
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美映は11月30日の夜のできごとで、貴司とは別れるつもりでいた。貴司にしても美映にしてもお互い電話やメールするのは控えていた。
 
ところが年末、美映は生理がなかなか来ないことに当惑していた。前回の生理は11月16日に来ていた。本来なら12月14日頃生理が来るべきなのに来ないのである。少し遅れているのかな思ったものの年末になっても来ない。美映は焦った。
 
まさかと思い、ドラッグストアで妊娠検査薬を買ってきて試してみると反応はプラスである。
 
うっそー!?
 
美映は考えた。
 
私、誰ともセックスしてないよね??
 
それでなんで妊娠するのさ、と思ったのだが、ハッと気づく。
 
貴司との一夜、彼のおちんちんを割れ目ちゃんにはさんで、腰を動かしたりした。彼のは最後まで大きくもならなかったのだが、おちんちんって・・・・射精に至る前でも、先走り液って出るよね?
 
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だから普通は性的な接触をする前にコンちゃんは付けろというのだけど、彼のが全然大きくならなかったから油断してた!
 

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美映は貴司に連絡を取った。彼は驚いていた。
 
「でもセックスしなかったよね?」
「うん。でもおちんちんを割れ目ちゃんの中に入れて遊んだじゃん。あの時、精液が若干漏れて、それがヴァギナに進入したのかも」
 
「それはあり得ることだけど・・・・」
「ね。悪いけど中絶するのに立ち会ってくれない?」
「分かった。手術代も僕が払うよ」
 

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女たちの羽衣伝説(5)

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