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■女の子たちの気合勝負(4)

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1時集合なので、昼前に家を出る。
 
民宿には少し早く着いたので、民宿の前で待っていたのだが、民宿の女将さんが「中で待っているといいよ」と声を掛けてくれたので、一足先に泊まり込む予定の部屋に入る。
 
先に勉強道具を開けて問題集を解き始めたのだが、その内トイレに行きたくなった。中座し、貴重品を入れたポーチだけ持って部屋を出る。それで廊下を歩いていた時、途中の部屋から出て来た40代くらいのサングラスを掛けた男性から声を掛けられた。
 
「済みません。トイレどちらでしたでしょう?」
 
千里はこの民宿の子か何かと間違えられたかなとも思ったが
 
「この廊下の先、行き当たりを右に曲がって暖簾をくぐった所ですよ」
と答える。
 
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「ありがとうございます」
と言うので、千里はその男性が行くのを見送ってから少し遅れて行こうと思った。ところが、男性は何か方角を見定めきれないような雰囲気。
 
「あれ?もしかして目がご不自由ですか?」
「ええ。ちょっと。連れがいたのですが、朝市を見に出ちゃったもので」
 
「トイレの前まで連れて行ってあげますよ」
「助かります」
 
それで千里はその男性の手を引いて、廊下を進んだ。そして暖簾をくぐり、「男性トイレはそちらです」と言って手を離す。
 
「ありがとうございました」
と男性が言うので、千里は振り向いて自分は女子トイレの方に入ろうとした。
 

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その時、千里は後ろから抱きしめられた。
 
「何するんですか!?」
「ね、ね、君、女子高生くらい? ちょっと楽しまない? この時間帯は人が少ないから、邪魔されないよ」
 
そのまま近くの多目的トイレの中に連れ込まれ、押し倒されてしまう。キスされそうになったが、この唇を貴司以外に許してなるものかと抵抗した。それでも頬や首筋にキスされる。胸も揉まれる。
 
「おっぱいでかいな。最近の女子高生は成長がいいなと思って見てたんだよ」
 
見てた〜〜〜?じゃ、こいつ目が見えないというのは嘘か?
 
スカートをめくられる。やだよー。ショーツを下げられる、というかほとんど引き裂かれる。ちょっと、勘弁してー。男が自分のズボンを下げた。そしてパンツも下げて男性器を露出させる。それはビンビンに立って巨大化していた。
 
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その時、誰かが千里に『思いっきり掴め』と言った気がした。
 
あ、そうか。男性のそれは武器だけど、そちらは弱点だよな。
 
それで千里はその男性の睾丸に左手をやると、思いっきり、全力で握りしめた。
 

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「ぎゃー」
という凄い声をあげた。男がひるんだので千里はついでに男の顔面を思いっきり膝で蹴ってから立ち上がる。そして多目的トイレから出て廊下を帳場の方に向かって走る。そこに女将さんが走り込んで来た。
 
「何かあったの?」
「襲われました」
 
女将さんが千里を保護した所に、男が向こうからふらふらとして、下半身丸出しで出てくる。
 
「あんた何やってんの?」
と女将は厳しい声を掛けた。
 

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すぐに旅館の主人も来た。
 
「警察に突き出そう。お前、百十番」
「分かった」
と言って女将さんが行こうとするところに、男が懇願する。
 
「お願い。出来心だったんだ。見逃して」
「あいにく、うちは強姦魔には甘くないよ」
「ほんとに謝る。俺、こんなことしたのは初めてなんだ。朝から飲んでてちょっと気が緩んでいた所に、凄く可愛い女子高生が通りかかって、女の子特有の甘い香りもするし、おっぱいも大きいし。つい理性が飛んでしまって」
 
「まあ、それは警察で言ってもらおうか」
と主人は言うが、女将は千里に
「ちょっと、ちょっと」
と言って、近くの部屋に連れ込んで訊く。
 
「あのさ。強姦未遂って親告罪なんだよ。だからあいつを捕まえるためには、あんたの告訴が必要なんだけど、どうする?」
 
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千里はそれはやばいなと思った。強姦罪というのは自分が知る範囲では、被害者が女性でなけれぱ成立しないはずだ。自分は心情としては女だけど、法的にはまだ女ではない。これは犯罪が成立していない(未遂犯ではなく不能犯)。強制猥褻にはできるけど、強制猥褻も親告罪だ。
 
「あの人が本当に反省しているのなら、許してやってもいいです」
と千里は言った。
 
「そうだよね。告訴するとなると、あれこれ警察でこちらも取り調べられて、合意の上ではなかったのかとか変な勘ぐりまでされるし」
と女将は同情するように言った。
 

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それで女将と千里は出て行く。
 
「この子が取り敢えず告訴は保留すると言っているから、今回だけは見逃してやるよ。でも、あんたすぐ留萌から出て行きなさい。そしてすぐ東京に戻って二度と北海道には来るな」
「分かった。そうする」
 
それで男は荷物をまとめる。連れを呼び出してすぐ宿に戻らせた。連れもびっくりして、一緒に謝っていた。そして民宿の若い男性スタッフにふたりを車で駅まで送らせ、確かに汽車に乗る所まで見張らせた。
 
「ごめんね。怖い思いさせちゃって」
と女将さんが千里に言う。
 
「平気です。無事だったから。でもキスとかされたし、お風呂入っていいですか」
「あ。だったら、うちの家族用のお風呂使って。シャワーが出るから」
「はい。ありがとうございます」
「怪我とかはしてない?」
「大丈夫です。パンティ破られたくらい」
「じゃ、そのパンティ代、うちが出すよ」
 
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と言って、シャワーを浴びて出て来た千里に女将は封筒を渡した。見ると5000円もある。
 
「こんなに高いパンティ穿きません!」
と千里は言ったが
 
「怖い思いした御免料も込みで」
と女将は言う。
 
「じゃ、合宿のみんなのおやつ代にしちゃおうかな」
「うんうん、それでもいいし」
 
「でもあの男から下着代くらいは取れば良かったかね」
と女将は言ったが
 
「いや。それはまずい。加害者からお金を取った場合、それで示談が成立したとみなされる可能性がある。ここはいつでも告訴できる状態にしておいた方がいいんだよ」
と主人は言った。
 

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部屋に戻ると、蓮菜と留実子が来ていた。
 
「これ、おやつ代」
と言って千里が5000円札を出すと
「なんで?」
と訊かれるので、千里はさっきの事件のことを話す。
 
「で、やられちゃったの?」
「未遂だよ。思いっきりタマタマを握りしめてやったから」
「でも千里って握力無いよね?」
「うーん。春の体力測定では15Kgだったかな」
「信じられん。小学3−4年生の握力だな」
と蓮菜は言ったが
 
「それは建前でしょ?」
と留実子が言う。
 
「千里は、ヴァイオリン弾くし、ピアノもうまい。握力無い人がヴァイオリンの弦をしっかり押さえて、ピアノの重い鍵盤を弾ける訳がない。だいたい、あれだけバスケで遠い所からシュート撃てる人が握力15Kgってのは絶対有り得ないよ」
と留実子。
 
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「まあ、体力測定の時は手抜きしてるかな」
と千里。
 
「なんで?」
と蓮菜が訊く。
「みんなの手前、か弱い女の子と思われたいんじゃない?」
「ふふふ」
 
「千里はけっこう自分を演出してるよ」
と留実子は言う。
 
「で、握力、本気だとどのくらい?」
「まあ、左手が60Kg、右手が50Kgかな」
「ボクと大差無いじゃん」
 
と留実子。左手の方が利き手の右手より強いのは留実子が指摘したようにヴァイオリンの弦を押さえたり、またピアノでも和音演奏に左手を使うからである。更に小学校の時、さんざん剣道の素振りをしたのもある。あれも主として左手を鍛える結果になった。
 
「るみちゃんと大差ない握力って凄いじゃん! でもそんな握力で思いっきり握られたら、潰れてないよね?」
「さあね。潰してやる気で握ったから。強い方の左手でやったし。でもるみちゃんはスチール缶を握りつぶすけど、私はあれできない」
 
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「スチール缶握りつぶすのは握力より気合いなんだよ。まあボクだったらその男の睾丸、確実に潰してるね」
と留実子。
 
「なんかちょっと怖くなってきた」
 
「潰れてた方が、この世からひとり悪い男が減って良かったと思うよ。そいつ初犯だってのは絶対嘘だから」
と留実子は言った。
 

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3人でおしゃべりしながら少し問題集を始めていた時、留実子は
「トイレ行ってくるね」
と言って立ち上がったものの、バッグの中に手を入れてから
 
「しまった、生理中なのにナプキン補充しとくの忘れてた」
と言う。
 
「ああ、私生理は来週くらいのはずだから私のをあげるよ」
と言って蓮菜が自分の生理用品入れを出す。
 
すると千里も
「あ、私もまだだから、私のもあげるね」
と言って、やはり生理用品入れを出す。
 
「ん?」
と蓮菜・留実子。
 
「千里、生理は前回いつあったの?」
 
「半月くらい前かなあ」
「やはり生理あるんだ!」
 
 
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