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■女の子たちの初体験(7)

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凄い試合見た後で、何もしないのは不満だねなどと言って、市民体育館に行き、バスケットのボールを借りて1時間半ほど軽く汗を流した。
 
「暢子、かなりグレードアップしてる」
「橘花、また上手くなってる」
「千里、かなりパワーアップしてる」
「友子さん、また精度が上がってる」
「雪子ちゃん、物凄く巧い」
「伶子さん、ドリブルに隙が無い」
 
終わってから、ファミレスに入って遅い昼食を取ったが
 
「お互いに手の内を見せすぎたかな」
「まあ、今からまた道大会までに鍛えるから」
 
などと言い合った。
 
「友子さん、中学時代はホントにスタミナ無かったのに高校に入ってから凄く体力付きましたよね」
「まあ高校に入ってから毎日10km走るようになったからね」
「すごーい!」
「千里も毎日5kmとか言われてけど最初だけだったね」
と暢子。
「えへへ」
「ああ、千里は何でも最初だけ頑張ってすぐ飽きるんだ」
と友子。
 
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「だけど千里もかなりパワー付けてるよ」
「やはりウィンターカップ見た後で、気合いが入ったよ」
「ひょっとしたら手が届くかもというレベルの目標を実際に見るのは良いよね」
 

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6人でおしゃべりしていた時、近くのテーブルに高校生カップルが案内されてくる。見ると、蓮菜と田代君である。蓮菜は凄く可愛い服を着ていた。一瞬目があったものの、軽く会釈だけしておいた。
 
しかし蓮菜は田代君を置いたまま、こちらのテーブルに来る。
「千里、今日はこちら何の用事だったの?」
「バスケの試合を見に来たんだよ。もう終わったんだけどね」
「だったら夕方時間ある?」
「うん」
「良かったらチケット買って」
「何のチケット?」
「雅文の入っているバンドのライブをやるんだよ。4バンド合同なんだけどね」
「お、すごい。蓮菜、歌うの?」
「うん」
 
「へー、高校生バンドなのか?」
と暢子が興味を持ったふうなことを言うと
 
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「あ、もしよかったら、そちらも買ってください」
「いくら?」
「1人500円です」
「安いね」
「それ以上の値段付けたら売れないから」
「確かに」
 
結局その場に居た6人がみんな行くことになる。田代君もこちらのテーブルに来て、「すみませーん、よろしくお願いしまーす」などと挨拶していた。
 

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ライブまでは時間があるので、各自自由行動ということにして、ファミレスを出たところで解散する。
 
それで本屋さんで立ち読みをしていたら携帯に着信するが発信元を見てびっくりする。父からだ。父が携帯に電話してくるなんて滅多に無いことだ。そもそも父は携帯の操作の仕方がよく分かっていない雰囲気だったのに!アドレス帳の10番に掛けようとして何故か110番に掛かったと言って騒いでいたこともある。
 
「千里、今日札幌に来てるんだって?」
「あ、うん」
「実はNHK学園のスクーリングで出て来たんだけど、帰りに旭川に寄ってお前に会おうかと思っていたんだけど、美輪子さんに電話したら今日は札幌に行っていると聞いたから、だったらこちらで会えばいいかと思って」
「ボク、夕方からも予定が入っているんだけど」
「何時から?」
「18時に東区の某所集合だから、市の中心部なら17時半くらいが限界」
「こちらの授業は今日は16時に終わるんだよ。それから駅に出るから16時半に駅前で待ち合わせて一緒に軽く晩飯食わないか?」
「そ、そうだね」
 
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ということで父と会う約束をしたものの、千里は慌てる。
 
「男物の服買わなくちゃ!」
 

結局、ユニセックスなトレーナーと、普通の(レディス)のスリムジーンズを買って着替え、ウィッグは外して父との待ち合わせ場所に行った。一緒に近くのラーメン屋さんに入る。
 
「ジャイアントラーメンがうまいぞ」
「それボリュームありそうだから、普通の醤油ラーメンで」
 
ラーメンはすぐ出て来たが、ジャイアントラーメンのボリュームが凄い。千里が頼んだ醤油ラーメンだって、かなりの量だ。
 
「これボク食べきれないや。お父ちゃん半分食べてよ」
「お前相変わらず少食だな。じゃ食べられる所まで食べろ。その後もらうから」
「うん、ありがとう」
 
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「今日は何しに札幌に来たの?」
「バスケの試合を見に来たんだよ。去年のインターハイ優勝校が来てたから」
「へー。でもお前もバスケ続いてるよな。あまり頑張らないお前にしては偉い」
「えへへ」
 
「でもバスケも俺が昔やってた頃とは随分ルールが変わったみたいだ」
「あれ?お父ちゃん、バスケしてたんだっけ?」
「体育の時間にな」
「ああ、なるほど」
「今、遠くから投げて入ったら3点になるんだって? 昔はそんなルールなかったのに」
「ああ。お父ちゃんたちの時代はまだスリーポイント無かったのかもね」
 
「昔は20分ハーフだったと思うんだけど、最近は10分クォーターなんだな」
「あれは激しいスポーツだから少しでも休憩時間を入れようというのが趣旨だけど、本音はテレビ中継のコマーシャルを入れたいからだと思うよ。アメリカではサッカーも一時クォーター制になったけど、不評だったんでハーフ制に戻したみたいね」
 
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「俺の頃は6人でやってたと思うのに、今は5人みたいだし」
「いや、お父ちゃん、バスケは100年くらい前から5人だよ」
 

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「お父ちゃん、新しい仕事はどう?」
「まあ何とかなってるかな。俺は理屈はよく分からんが、実体験はいくらでもしてるから、それで指導してる」
「うん、お父ちゃんはそれを期待されていると思うよ」
 
父はこの春から、地元の高校(貴司たちが通っている高校とは別)の水産コースの生徒たちに、操船や漁法などについて教える、臨時講師の仕事をしている。嵐に遭った時や、船の上で非常事態が起きた時の対処などの話もしているが、生徒たちにはとても好評らしい。
 
「しかしいまだに背広を着て歩くのが変な気分だ」
「お父ちゃん、そんな服って着たの見たことないもん。でも少し慣れた方がいいよ」
「お前、五分刈りの頭には慣れたか?」
「そうだね。最初は違和感あったけど、まあ何とか」
「お前もいまだに声変わり来ないみたいだし。病院に掛かってみなくていい?」
「大丈夫だよ。そろそろ来ると思うんだけどね」
「お前、オナニーはしてるか?」
「してるよー」
「そうか。してるなら安心だ」
 
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男の人ってオナニーとかすぐ言いたがるのかなあ。貴司もよくそんな話するし。まあだいたいスルーしてるけどね。
 

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父と話している内にトイレに行きたくなる。トイレはこの客席から見える位置にある。さすがに女子トイレには入れないかなと思い、千里は男子トイレに入ろうとした。しかしドアを開けようとしたら、中からスタッフの制服を着た男性が出てくる。
 
「お客様。こちらは紳士用トイレでございます。ご婦人用はそちらです」
「あ、すみません」
 
ということで千里は父が見てませんように、と祈りながら結局女子トイレに入った。
 
中で用を達して、手を洗い外に出る。すると目の前に隣の男子トイレに入ろうとしている父が居る。ぎゃっと思う。
 
「千里、そちら女便所だぞ」
「あれ?間違ったかな」
「痴漢で捕まるぞ」
「ごめーん」
 

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テーブルに戻って水を飲んでいると父が戻ってくる。千里はラーメンを食べきれなかった分を父の方に差し出して「ごめーん。後食べてくれる?」と言う。父はそれも美味しそうに食べる。
 
「ところで千里、志望校はどこにしてるの?」
「千葉県のC大学」
「そんな遠くまで行かなくても、北大とかじゃだめなの?」
「うん。そこにちょっと習いたい先生がいるんだよ」
「ああ、そういうことか。しかし遠いなあ。それに向こうは家賃が高いぞ。あまり仕送りしてやれないと思うけど」
「大丈夫だよ。バイトしながら通うよ。奨学金も受けるし」
 
そもそも今だって仕送りゼロなんですけど!?
 
「北大なら、弾児のうちとかに下宿させてもらえるだろうし」
 
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「無理だよ。あそこ2DKのアパートだもん」
 
弾児叔父さんは父の弟だが、そこには従弟がいる。男の子が住んでいる家に女の子である千里は同居不能だ。札幌には母の兄・清彦も住んでいるが、そちらも男の子が3人いる。
 
「清彦さんの家には頼めないかな」
「あそこ子供が多いから、あれ以上の収容は無理」
「そっかあ」
 
父としては何とかできるだけ近くの大学に入れたいのだろうが、千里はできるだけ遠くの大学に行きたいと思っていた。
 

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結局17:20頃にラーメン屋さんを出たが、タクシーに乗っていけと言われて五百円玉をもらった。初乗り料金にも足りないが、父らしいなと思った。父は自販機でジュースが100円で買えなかったのにも驚いたらしい。千里はその五百円玉を触っていて少し涙が出た。使わずに取っておくことにし、バッグのサイドポケットに入れた。
 
タクシーの中で取り敢えずウィッグだけ装着して、会場近くで降りる。暢子たちと落ち合うが
「あれ?着替えたんだ?」
と言われる。
 
「うん。お父ちゃんから急に呼び出されて焦った。一緒にラーメン食べてきた」
「あ、ラーメンいいなあ」
「ライブ終わったら一緒に食べに行かない?」
「バスは最終何時だっけ?」
「菊水元町7条を22時。ライブ終わってからラーメン屋さんに行くなら30分以内くらいに食べないと」
「そのくらい行ける行ける」
 
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「でも千里のお父ちゃんって、千里が女子バスケ部に移籍したこと知らないよね?」
「うん。まだ男子バスケ部だと思ってる」
「女子高生になってることも知らないよね?」
「私、男子高校生だけど」
「それは間違い無く嘘」
 

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