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■女の子たちの初体験(3)

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蓮菜は後部座席で寝ている。先生も眠ってしまった。千里は後ろの子たちに訊く。
 
『ね、ね、運転できる子居ないよね?』
『私できるよ』
と《きーちゃん》が言う。
 
『良かった。ちょっと運転代わってよ。身体預けるから。やはり不安だよ』
『了解』
 
『俺もできるけど』
と《こうちゃん》が言うが
『こうちゃん、荒っぽそうだし、きーちゃんにお願い』
と千里は言った。
 

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千里は身体を《きーちゃん》に預けて自分も半分くらい神経を眠らせておいた。経路はカーナビが指示してくれるので、それに合わせて走って行くのだが、車は結構内陸部を通って行く。おそらく近くに海岸もあるのであろうが、めったに海を見ない感じであった。
 
《いんちゃん》が『海岸沿いの道が凄まじいから内陸部にバイパスが作られているんだよ』と説明してくれた。『だからこのルートは田辺から串本までが一番辛い。串本より東は難易度が低いんだよね』
 
なるほど。それで雨宮先生もその厳しい区間は自分が運転したのかと納得した。が、しかし誰かちゃんと運転免許持ってる人を同行して欲しかったよ!とも思い直す。
 
雨宮先生は1時間くらい寝るからその間代わってと言っていたのだが、実際は2時間近く寝ていた。目を覚ました後もしばらくは半覚醒状態のような感じであった。
 
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新宮も尾鷲も過ぎて、紀伊長島のコンビニでトイレ休憩した時に先生も起きて「ありがとう。かなり休めた。この後は交代しよう」と言ってくださった。
 
「疲れました!」
「でも凄く丁寧な運転だった」
「怖かったからあまりスピード出しませんでしたよ」
 
《きーちゃん》は制限速度ジャストでここまで走ってきている。おかげで途中かなりの車が抜いていった。
 
「あんた運転のセンスあるよ。免許取ったら、私の運転手にならない?」
「お給料次第では考えておきます」
 
「でもあんたちゃんとバックで駐車枠に駐められるじゃん」
「何とか頑張ってみました」
「私が教え忘れてたのに、上向きライトと下向きライトをちゃんと切り替えながら走ってた」
「対向車が切り替えていたのを見て、母がやってたのを思い出しました」
 
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「あんた前にも運転したことあるでしょ?というかふだんも結構運転してるでしょ」
「そんなこと無いですよー」
「あんた嘘つきだからなぁ」
 
半分眠ったままの蓮菜がニヤニヤしていた。
 

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雨宮先生が運転席に座り、千里は後部座席に戻る。蓮菜が運転席の後ろ、千里が助手席の後ろである。この位置関係では先生の所からバックミラーで千里は見えるが蓮菜は見えない(だからそういう座り方をしている)。
 
「先生、でも女性化が以前より進行している気がするのですが」
と千里は言ってみた。
 
「ああ。タマ取ったからね」
「・・・・もしかして、残っていた方のタマも取っちゃったんですか?」
「そうそう。それで完全にタネ無しになっちゃったよ」
 
先生は昨年睾丸を1個だけ除去していた。しかしとうとう残りも除去してしまったということのようだ。
 
「かなり感覚変わりました?」
「うん。1個でもあった時とは全然違う。混じり気無く女性ホルモンが身体に浸透していく感じなんだよ」
 
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「じゃ、もう男性は廃業ですね。女遊びも終了ですか?」
「ううん。毎月3〜4人の女の子とセックスしてるよ。元気元気。しかも避妊する必要が無いから相手次第では生で入れられてとっても気持ちいい」
 
「立つんですか?」
「タマを取る前よりしっかり立つ」
「それって変です」
「あんたほど変じゃないわ」
 
「私は立ちませんよ」
「立たないというか、既に存在しないんでしょ?」
「えっと・・・」
「でないと、女子選手としては認められないはずだよね」
「そこが実は私もよく分からなくて」
 
「あんたここ数ヶ月だけでも胸がかなり成長してる気がする。あんたも去勢して女性ホルモンの効きが良くなったんじゃないの?」
 
「あ、いえ、それは真面目に女性ホルモン飲んでるからです」
「以前は不真面目だったの?」
「以前は本来飲むべき量の3分の1しか飲んでなかったんですよ」
「ほほぉ」
「でも今私女子選手になっちゃったでしょ。だからちゃんと女性ホルモン濃度を普通の女子のレベルにキープしておかなくちゃいけないと思って」
「意味がよく分からん」
 
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「普通の女子選手の場合は男性ホルモンを飲むのがドーピングになるんです。でも私の場合は、ホルモン剤を取らないと女性ホルモンの量が少なくなります。それ自体がふつうの女子選手がドーピングしているのに近い状態」
「なるほど」
「そういう状態にするのはアンフェアだから、ちゃんと本来飲むべき量を飲んで本来の女子選手と同じ状態にしてるんです」
「そういうことか」
 
「つまり、あんたは女性ホルモンをドーピングすることで、普通の女子選手がドーピングしてない状態になり、女性ホルモンのドーピングをしないと、普通の女子選手がドーピングしている状態になるんだ?」
「そうなんです」
 
「ややこしい身体ね」と先生。
「まあ確かに千里は昔からややこしかったね」と蓮菜。
 
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「だけどいつ去勢したの?秋に触った時はまだ付いてたし。冬休み?」
「それなんですけどね・・・」
 

千里は、実は今うしろめたさを感じているということを正直に話した。
 
「なんかみんな私が既に性転換済みと信じているみたいで、かえって誰にもこういうこと相談できなくて」
と千里は言う。
 
それで千里は昨年11月にバスケ協会の方から性別を明確にするため精密検査を受けてくれと言われて病院に行き検査を受けたこと、その時医師は確かに千里の男性器に触って陰茎・睾丸があること、外性器は男性型であることを確認してそういう診断書を書いたのを見たこと。ところが協会は、千里には「陰茎も睾丸も無い」ので女子選手として認めると言ってきたこと、協会から回ってきた診断書のコピーには「女性の外性器に近似している」と書かれていたことを話した。
 
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それで協会の指示に従って新人戦、そして今回の大会の地区大会まで出たが、このまま道大会に出て、もしそれで2位以内になればインターハイに行けるが実際には男の身体の自分が、そんなことをしたらまずいのではないかと悩んでいることを話した。
 
雨宮先生は運転しながら話を聞いていたが、千里の話がだいたい終わっても、しばらく沈黙していた。そして言った。
 
「あんたさあ、嘘つくにも、もう少し本当っぽい嘘をつきなさいよ」
 
寝ていたはずの蓮菜まで
「ほとんど信憑性の無い話ですよね」
と言う。
 
「病院の先生が書いた診断書で、陰唇・陰核・膣もあって、陰茎・睾丸は無く、外見的に女性型の性器に近似している、となっているということは、あんたは既に性転換済みと考える以外無い」
と先生。
 
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「その意見に賛成」
と蓮菜。
 
「でも私、ほんとにまだ去勢もしてないんですよ」
 
そう千里が言うので、またしばらく考えていた風の先生はやがてこう言った。
 
「だったら本当に去勢しちゃえばいい」
 

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「そういう診断書が出ている以上、もう男子チームに出ることはできないよ。それに多分、あんた他の病院で再検査されても、確かに女子ですという診断しか出ない気がするよ」
 
「実はそんな気がしています」
 
「だったら、開き直って女として出場するしかない。実際あんたって骨格的にも、お肉の付き方も女の子にしか見えないんだけどね。だから女性的な肉体を持っているから、たとえ睾丸がまだあったとしても、男子チームより女子チームに入るべき。それでもどうしても後ろめたいというのであれば、本当に去勢手術を受けちゃえばいい。どうせその内手術するつもりなんでしょ?」
 
「母と20歳になるまでは去勢しないって約束したんです。だから20歳すぎたらすぐ去勢するつもりでいました」
「だったら今やってもいいよね」
 
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「うーん」
「去勢してしまえば、あんたも後ろめたく感じないんじゃないの?」
「それはそんな気がします」
 
「だったら、今日の午後にも手術しちゃったら?」
「えーーー!?」
 
「二見浦に着いたら、あんたたちに朝日を見てもらって、それで曲を書いてもらうんだけど、だいたい午前中くらいには書き上げられるでしょ?」
「はい、そのくらいで行けると思います」
 
「だから午後から去勢手術を受けに行けばいい」
「そんないきなり飛び込んで手術してくれるんですか?」
「そういう病院もあるさ」
「でもお金が・・・」
「手術代くらい貸しとくよ」
 
千里は悩んだ。でも本当に・・・・やっちゃおうかな?
 
「あ、そうそう。手術受けるなら、今日は飲食禁止ね」
 
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二見浦に到着したのは朝4時であった。既に空は結構明るくなっている。二見浦への入口そばにあるコンビニに駐めて、雨宮先生と蓮菜は朝御飯を買ってくる。千里はトイレだけ借りて、借りたついでに飲み物は買ったものの飲まないことにして蓮菜にあげた。
 
「そろそろかな。行こうか。日出は4:53だから」
ということで、車ごと二見浦へ移動する。
 
鳥居前の駐車場に駐めて歩いて行く。
 
「カエルさんがいっぱい!」
と蓮菜が嬉しそうに声を挙げる。
 
「可愛いね」
と千里も微笑んで言う。
 
神社でお参りをして、薄明かりの中、有名な夫婦岩を見る。これ取り敢えず岩の写真だけでも撮っておこうかな?と思ったら、携帯が無い。あーん。車に忘れて来ちゃった。だれか取って来てよ、と言ったら《りくちゃん》が『俺、千里、忘れものしてるぞと言ったのに』と文句を言いながらも取って来てくれたので、それで撮影しておいた。
 
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やがて静かに太陽が昇ってくる。
 
「来た」
 

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