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■女子大生たちの秋祭典(4)

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「ところで相談なんですけど」
と秋月さんが言う。
 
「チェリーツインもデビューして1年半くらい経って、それなりのファン層は獲得しているのですが、今ひとつスマッシュヒットが無くて」
 
「いや、充分売れている部類だと思いますよ。ライブ動員も結構ありません?今のライブも1000人近く集まっていたでしょ?」
「ええ。ライブの成績がいいので、事務所にもレコード会社にもよくしてもらっているんですよ。8月のツアーは全国30箇所で8万人動員しましたから」
 
「ビッグアーティストだと思う」
「でもいまだにゴールドディスクが出ない」
「アイドルってそれでいいかも」
 
「それでですね。事務所の社長の許可は得られたんですが、一度僕たちの歌を大家(たいか)に添削してもらえないかと思って」
 
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千里は少し考えたが言う。
 
「高いですよ」
「2000万円払っていいです」
と秋月さん。
 
千里は無言だが、まあ多分1000万円くらい出せと先生なら言うかなと内心は思っていた。
 
「いや、実は今ほんとにいちばんしっかりした曲、ヒット性のある曲を書いているのは誰だろうと思ってですね。東郷誠一とか木ノ下大吉ってたくさんヒットを飛ばしているけど、あれ、実際には本人の作品じゃないですよね?」
と大宅さん。
 
「さあ。私は関わっていないし知りませんが」
 
「それで言っていたんですが、多分ちゃんと本人が書いていて、クォリティの高い仕事をしているのは、雨宮三森、蔵田孝治、鴨乃清見、後藤正俊、田中晶星あたりじゃないかと思って」
 
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「中堅どころですね」
 
「上島雷太も悪くないのですが、あのクォリティを維持しているのは多分編曲をしている下川工房の若いアレンジャーさんたちじゃないかと思うんです」
 
「そのあたりは私も良く分かりませんが」
 
「事務所の社長から打診してもらったのですが、後藤さんは人の添削するほど偉くないからと断られたということ。田中さんは弟子以外の指導はしないということで。蔵田さんは事情があって春まであまり活動できないらしいんです。鴨乃さんは接触を試みたものの、どうしてもコネクションが取れなかったらしいんですよ。あの人、マスコミとかにも全く出てきませんしね。音楽賞の授賞式もだいたいレコード会社の人が代理出席だし」
 
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「へー。でも作曲家にはそういう人、けっこう居ますよ。元々ロックやフォークなどでシンガーソングライターしていた人なら露出しますけど。水沢歌月とか山上御倉とか浜名麻梨奈とかも全然出て来ないし」
 
「確かに」
と言ってから秋月さんは少し小さな声になって
「水沢歌月って、あれ多分誰か有名作曲家の変名ですよね?」
などと訊く。
「水沢歌月は水沢歌月でしょ?」
と千里は答える。
「有名作曲家じゃないんですか?」
「えーっと。誰でも知っているかと思ったけど、ご存じないなら言いません」
と千里は少し焦りながら言う。
 
「えーーー!?」
「誰でも知ってます?」
「いや、済みません。その件はノーコメントで」
 
「いや、こちらこそ済みません。あ、それで最後の望みで雨宮三森さんに接触を試みたものの、あの人、どうにも所在がつかめないらしくて」
 
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千里は苦笑した。それは弟子の私たちでも同様だ!
 
「雨宮先生はこちらから連絡するのはほぼ無理です。向こうから接触してきた時を狙うしかないです」
 
「お弟子さんでもそうなんですか!」
 
「でもいいですよ。近い内に連絡あるはずだから、その時話してみますよ」
「助かります!お願いします」
 
会う時はどの程度のお土産とかを持参すればいいかというのも相談されたが、ふつうに友人と会う時に持っていく程度のものでいいですよと千里は答えておいた。
 
この件以外でも色々お話がしたいということだったので、近い内にまた時間を取りましょう、などと言ってその日は別れた。つまらないものですが、と言って虎屋の羊羹をもらったので、「これ大好きです」と言ってもらっておいた。
 
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ふたりと別れてから新島さんに電話して相談したら、向こうでも雨宮先生をキャッチできたら、その件伝えておくと言ってくれた。もらった羊羹については、食べちゃって大丈夫だよということだったので、模擬店に持ち帰って、
 
「お土産〜」
と言って出す。ちょうどお客さんが少ない時間帯だったので、友紀が
「いただきまーす」
と言って切り分けて、みんなで食べる。
 
「どこか行ってきたの?」
「ううん。さすがにこの格好では外出できないよ。学内でちょっと人に会っていて、これは賄賂でもらった」
 
「おお。賄賂はいいなあ」
 
そんなこと言っていたら、桃香が顔を出した。
 
「ごめーん。今、仕事終わった」
「虎屋の羊羹食べてた所」
「あ、ちょうだい、ちょうだい」
と言って早速つまんでいる。
 
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「この後はここ手伝える?」
「うん。行ける」
「よし。ウェイトレスさんしてもらおう」
と言って友紀が衣装を出してくる。その場に居たのが、真帆を除く女子4人と紙屋君だけだったので、桃香はその場で着替えちゃう。
 
「衝立の向こうででも着替えられるけど」
「めんどくさい」
「紙屋君がいるけど」
「紙屋君は女の子には興味無いはず」
 
「高園と僕って、お互いに全く接触点が無いよな」
と紙屋君が言う。
「ホモとレズでは、お互い異世界だよね」
と桃香も言う。
 
「あ、そういえばもうひとり男子で千里が居るけど」
と美緒が言ったが
「へ?」
と言って、桃香はキョロキョロしている。それでも認識できないようで、その場にいるメンツをじっと見ていたが
 
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「あんた、千里?」
と尋ねるので
「そうだけど」
と千里は笑って答える。
 
「髪どうしたの?」
「これウィッグ」
「今日は女装してウェイトレスさんなんだ?」
「女装じゃないよぉ。男女共通のお客様係の衣装だって」
「だってスカート穿いてるじゃん」
「これショートパンツだよ」
「私にはスカートにしか見えん」
 
友紀が苦しそうにしている。
 
「でも女の子の服を着ても、千里って違和感無いよね」
と由梨亜が言う。
「これやはり女の子の服なの?」
と千里が訊くが
「いや、男女共通のお客様係の衣装だよ」
と友紀はあくまで主張する。
 
「試しに紙屋君に着せてみる?」
「えーーーー!?」
 
紙屋君は抵抗したものの、その場のノリで着せてしまう。紙屋君は前開きのないビキニブリーフ(一応男物)に、女の子仕様のスリーマーを着ていた。まさか下着姿を見せることになるとは思わず、普段の下着で出て来ていたのだろう。しかし女の子用のMサイズの衣装をちゃんと着れてしまうのが紙屋君の凄い所だ。ウェスト66である。
 
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「恥ずかしいよぉ、これ」
と紙屋君は情けない顔をしている。女装はあまり経験無いのかな?
 
「さすがに男にしか見えん」
「千里は女に見えるのに」
「誰でもこの衣装着せたら、女の子に見えるかなと思ったのになあ」
 
「ねえ、やはりこれ女の子の服なの?」と千里。
「いや、男女共通」と友紀。
 
桃香は紙屋君に「面白い。それで接客してみよう」などと言ったが、これではお客さん逃げ出すよという本人の主張を受け入れて、ショータイムは15分ほどで終了した。でも女の子たちは、面白がって携帯で紙屋君のウェイトレス写真を撮っていた。
 

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2009年10月31日。千里たち千葉ローキューツのメンバーは県スポーツセンターにやってきた。その日行われる「千葉県秋季選手権大会」に出場するためである。この日来たメンバーは、浩子・千里・夏美・夢香・麻依子・菜香子・茜・玉緒の8人である。麻依子が毎回来るメンツが違うと言っていたが本当にそうだ。浩子・千里・麻依子・夏美の4人は毎回来ているのだが、その他は
 
7月の大会  夢香・美佐恵・菜香子・沙也加
シェルカップ 玲央美・茜・美佐恵
関東選抜   夢香・美佐恵・菜香子
クラブ選手権 夢香・菜香子・沙也加
秋季選手権  夢香・菜香子・茜・玉緒
 
となっている。夢美は用事があって出られなかったシェルカップ以外出席。今年入ったばかりの菜香子もシェルカップ以外来ている。美佐恵は夏頃から始めたバイトが忙しくて、ここの所なかなか出て来られないようである。茜と沙也加は気分の問題のようだ。
 
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「玉緒ちゃん? 私、7月から入った千里です。ポジションはシューティングガードです。よろしくお願いします」
と千里はこの日初めて会ったメンバーの玉緒に挨拶する。
 
「あ、いやこちらこそ。今年出て来たの2度目かな。玉緒です。よろしくです。ポジションは私何だろ?」
と玉緒。
 
「取り敢えず登録はスモールフォワードでしている」
と浩子。
 
「ああ。スモールフォワードって器用な人多いから、いろんなポジションに回されたりしますよね。その時コートインしているメンツによって」
と千里は言ったのだが、
 
「いや、私は何もしたことないから、ポジション分からないということで」
と言って玉緒は頭を掻いている。
 
「玉緒ちゃんはバスケは体育の時間しかやったことないらしい」
「茜に誘われて、人数合わせにと言われて」
「なるほどー。茜ちゃんのお友だちですか。スポーツは何かしてたんですか?」
「中学の時は陸上部やってたんですけど、高校の時は帰宅部で」
「わあ、足が速いんだ!」
「いや、足が遅いもんで、長距離ばかり走ってたんですよ」
「スタミナがあるんだ!」
「そのあと4年間走ってないから、スタミナ落ちてるかも」
 
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「いや練習サボっていても、足のスピードは落ちるかも知れないけどスタミナはあまり落ちない」
と麻依子が言う。
 
「だよね?」
と千里に訊く。千里も
 
「うん。私も経験上そうだと思う。受験勉強で4ヶ月くらい全然練習してなかった間、シュート精度とかは落ちてたけど、スタミナはほとんど落ちてなかった」
と答えた。
 
「例の手術の後もじゃない?」
と麻依子は訊く。
「うん。あの時は5ヶ月間静養したあと練習再開して感覚取り戻すのに更に3−4ヶ月かかったけどスタミナは結構もったよ」
と千里。
 
「へー。そんな大病したんだ?」
「まあ、生まれつきの持病というか」
「たいへんだったね」
 
麻依子は微笑んでいた。
 
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「まあそれで、今日の試合は関東総合選手権大会予選会を兼ねているから」
と浩子は説明する。
 
「へー。そこで勝ったらどうなるの?」
「全日本総合選手権。つまりオールジャパン」
「まさか皇后杯?」
「そうそう」
「その予選なのか!」
 
「クラブチームがオールジャパンに出場する道は2つ。ひとつはこないだ優勝した千葉県クラブ選手権大会で2位以内に入り、関東クラブ選手権大会に出場してそこで6位以内に入ると、全日本クラブ選手権。そこで3位以内に入ると全日本社会人選手権。そこで2位以内になるとオールジャパン」
 
「ステップが多い!」
「もうひとつが、この千葉県秋季選手権で優勝して関東総合選手権に行き、そこで優勝するとオールジャパン」
「単純だ!」
 
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「クラブ選手権はステップが多いけど優勝しなくても上に行ける。総合選手権はステップが少ないけど、優勝しなきゃだめ」
 
「なるほど」
 
そういえば北海道総合選手権にも出たよなあ、と千里は高校時代のことを思い出していた。
 
 
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