広告:乙女心?の自由形 (おと★娘シリーズ5)
[携帯Top] [文字サイズ]

■女子大生たちの秋祭典(2)

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8 
前頁次頁目次

↓ ↑ Bottom Top

10月下旬。C大学では学園祭が行われる。
 
千里たちのクラスでは模擬店の飲食店をすることになる。
 
「飲み物は、コーヒー、紅茶、オレンジジュース、コーラ、ウーロン茶、といった感じでいいかなぁ」
「コーヒーはホットとアイスが欲しい」
「紅茶もアイスが欲しい」
 
などと、運営委員になった、友紀、紙屋君、高橋君の3人で話し合う。
 
「コーヒーはインスタント?」
「レギュラーでもいいと思う。ペーパーフィルターだと大して手間は掛からないし、短期間で使い切るから香りが飛ばなくて済む」
 
「食べ物は、焼きそば、お好み焼き、クレープ、カレーライスあたりかな?」
「たこ焼きが欲しい」
「誰か作れる?」
「誰か大阪出身の人は?」
「女子には居ないな」
「山下が姫路だけど、作れないかな?」
「ちょっと聞いてみて作れそうなら」
 
↓ ↑ Bottom Top

「カレーライスの御飯はどうするの?」
「炊飯器持ち込んで炊くよ」
「御飯があるなら、おにぎりは?」
「ああ、いいと思う」
 

↓ ↑ Bottom Top

「お店のスタッフは誰々がいいかな?」
「女子はみんな入れる?」
「高園(桃香)ちゃんは寝坊だし、土日は何だか忙しいみたいだから期待しない方がいい。水上(玲奈)ちゃんも土日はふさがっていること多いんだよね」
と友紀は言う。
 
「じゃあとの5人は行けるかな?」
と紙屋君が訊く。
 
「5人? うちのクラスの女子って6人じゃないの?」
 
と高橋君が言うが、友紀は紙屋君の言葉に微笑みながら
 
「岡原(朱音)ちゃんはこういうの好きだからやると思う。春日(美緒)ちゃんも今の所は彼氏が居ないから誘えば来そう。田代(真帆)ちゃんは他の子もすると言えばすると思う。村山(千里)ちゃんは少し強引に言えば大丈夫」
と答えた。
 
↓ ↑ Bottom Top

「じゃウェイトレスは5人ということで」
と紙屋君。
「5人居れば、1人か2人居ない時間帯も何とかなるよね」
と友紀。
 
「村山って、あの村山?」
と高橋君が訊く。
 
「うん」
「でも男じゃないの?」
 
「本人は男と主張してるけど」
と友紀。
「村山は間違いなく女」
と紙屋君。
 
「え?そうなの?」
「少なくとも、おっぱいはあると思う」と友紀。
「ソースは言えないけど、それ確定済み」と紙屋君。
「たぶん、もうおちんちんは無い」と友紀。
「ソースは言えないけど、まず確実」と紙屋君。
 
「知らなかった!」
と高橋君が言う。
 
「どこまであの子が女性化しているのかは、若干の議論があるんだけどね。少なくとももう男の子ではないことは確かだと思う」
と友紀は言う。
 
↓ ↑ Bottom Top

「ただ、ウェイトレスの衣装を着せるのは少し抵抗されるかも」
と紙屋君。
 
「ああ、それは任せて」
と友紀は言った。
 

↓ ↑ Bottom Top

「へー。お客様係をすればいいの?」
と千里は友紀に訊いた。
 
「そうそう。千里、ファミレスにも勤めてるし、元々人あたりが軟らかいから行けると思うんだよね」
と友紀。
 
「うん、まあやってもいいかな」
「それでさ、雰囲気出すのに、お客様係はユニフォームを着ようということになったのよね」
「ふーん」
 
「これなんだけど、ちょっと着てみてくれる? 千里は背は高いけど細いから多分Sでいいと思ったんだけど」
 
「じゃ着てみようかな」
と言って千里は友紀に渡された服を手に取り、衝立の陰に行く。
 
「ね、この上着ってボタンが左前に付いてるんだけど、女の子用じゃないの?」
と千里が衝立の向こうで言う。
 
「男子でも左前の服を着るの流行りなんだよ。アメリカの人気俳優ジャン・マクベイン(友紀のでまかせネーム)が着て、メンズファッション雑誌とかでも随分取り上げられていたよ」
 
↓ ↑ Bottom Top

「へー。ボク、メンズファッション雑誌とか読まないから全然知らなかった」
 
まあ、千里は女の子向けのファッション雑誌なら読んでるみたいだよな、と友紀は思う。
 
それで千里は上着を着たようだが、更に声をあげる。
 
「ねぇ、このボトム、キュロットみたいなんだけど?」
「それはショートパンツだよ」
「ほんとにショートパンツなの? なんだか裾がふわっと広がってるけど」
「最近、そういうショーパンも流行りなんだよ」
「ほんとに〜?」
 
女の子の間ではね、と友紀は心の中で付け加えた。
 
「こんなんでいいのかなあ」
と不安げに、ウェイトレスの衣装を着けた千里が衝立から出てくる。
 
「おぉ、可愛いじゃん!」
と紙屋君が言う。
 
↓ ↑ Bottom Top

「え?そうかな?」
と千里は、紙屋君に可愛いと言われたので、少し赤くなった。
 

「村山、足の毛は剃ってるの?」
と高橋君が訊く。
 
「ボク、足の毛は薄いみたい」
「ってか、全く無いよね」
 
「髪がもう少し長ければいいんだけどねぇ」
などと真帆が言うと
 
「千里は長い髪のウィッグを持っている」
と紙屋君がバラしてしまう。
 
「え、そうなんだ?」
「たぶん今でも持ってるよね?」
「うん、まあ」
「じゃ付けてみてよ」
 
というので千里は衝立の後ろに行って、セミロングヘアのウィッグを着けてきた。
 
「可愛い!」
 
「髪飾り付けてあげるね」
と言って、友紀は千里の髪にメイドさんのようなホワイトブリムを付けてあげた。
 
↓ ↑ Bottom Top

高橋君は、千里がもはや美少女にしか見えないので、呆気にとられていた。
 

実際のウェイトレス陣だが、友紀がいちばんあてにしていた朱音が実家から呼ばれて帰省するということだったので、ちょうど近くを通りかかった生物科の由梨亜を徴用して、5人体制にした。
 
「そちらのクラスは何も出し物しないの?」
「うちはミスコンやるんだって」
「じゃ、由梨亜も出るのでは?」
「ってか、そちら女子は5人しか居ないのに」
 
「男子のみでやるんだよ。全員強制参加」
「・・・・」
「そういう趣旨か!」
「優勝者にはドクター・プリーチャーの病院の割引券プレゼントだって」
「まじで!?」
「ほんとに女の子になっちゃおうかという子出たりして」
「いや、そういうのやれば絶対女装に目覚める子いる」
 
↓ ↑ Bottom Top

「でも私、数人の女装見て気分悪くなったんで、逃げ出してきた」
「まあ女装させて美少女になる男の子はレアだよ」
 
「千里くらいか」
「千里は元々女の子」
「ふむふむ」
 
「うちの女子結束悪いからなあ。香奈と優子は審査員することになったけど、亜矢は自分たちで組んでるバンドでステージに出るってんでクラスのイベントは欠席。聡美はバイトが休めないと言って欠席。私も用事あるから途中で抜けるとは言っておいたんだけどね。それでここに居るの見つかると、後で追及されるかも」
 
「ヌード写真を撮られて脅迫されたとでも言っておけば」
「それ、めっちゃヤバイじゃん!」
 

↓ ↑ Bottom Top

「こちらは、桃香は土日は電話オペレータの仕事をしているみたいね」
「コンサートの受付とか?」
「それも何度かやったらしいけど、通販の受付が多いらしい」
「あの子、言葉がハキハキしてるから、電話応対はいいかもね」
「遅刻さえなければね」
 
「理系女子は、だいたい男勝りとか言われてきた子多いだろうけど、桃香ってむしろ男らしいよね」
と由梨亜が言う。
 
「結婚したら、教育ママになるかも知れん」
 
「うーん。。。そもそも結婚するんだろうか?」
と真帆が心配そうに言う。
 
「あまりお嫁さんには行きたくないみたいなこと言ってたよ」
 
「あの子、むしろお嫁さんをもらうよね?」
と美緒。
 
「ああ。可愛い女の子をお嫁さんにするかも」
と友紀まで言う。
 
↓ ↑ Bottom Top

「嘘?女同士で結婚するの?」
と由梨亜。
 
「桃香はそういう志向だと思うよ」
と美緒が言うと、千里も納得するように頷く。
 
「千里も同意見?」
「うん。桃香は女の子が好きだから」
と千里。
 
「本人もレスビアンというの認めていたよね」
「あれジョークじゃなかったんだ?」
「私桃香が女の子とデートしてるところ何度か見たよ」
「ほほぉ!」
「それ女の友人と散歩してたとかじゃなくて?」
「あれ間違い無く恋人だと思った」
「ボク、桃香が女の恋人と別れ話で揉めてるところ見たことある」
「おぉぉ!」
 

↓ ↑ Bottom Top

「だけどこないだ桃香、子供は欲しいって言ってたよ」
 
「ああ、子供の人数の議論したな」
「みんな2人とか3人という意見が多かったけど」
 
「私くらいかな。6人欲しいなんて言ったのは」
と由梨亜。
 
「6人も産むの?」
と千里がびっくりして言う。
 
「バレーボールのチーム作りたいらしい」
「なるほどー」
 
「バスケなら5人でいいな」
「野球なら9人」
「9人産むのはさすがに辛い」
「桃香は3−4人欲しいと言ってたね」
 
「でも女の子が好きなのなら、種が調達できないのでは?」
「桃香はきっとお嫁さんに子供産んでもらうんだよ」
「ほほぉ」
 
「それって桃香が性転換して男になって子作りすんの?」
「いや男に性転換しても精子が作れん」
「そうなんだっけ?」
「性転換はあくまで形だけだよ」
 
↓ ↑ Bottom Top

「千里なら女に性転換したら、子供産めそうだけど」
「千里は既に性転換してるよね?」
「まだだよ」
「別に隠さなくてもいいのに」
「ってか男の振りするのやめたらいいのに」
 
「男に性転換して精子作れないなら、やはり卵子同士を融合させて」
「コモドドラゴンみたい」
「精子同士の結合よりは見込みがありそうだ」
 

↓ ↑ Bottom Top

「でも種くらいはどうにもでもなる気がするよ」
「うん。妊娠しても認知とかしなくていいし子供できても養育費要らないからと言えば生でセックスしてくれる男は居ると思う」
 
「桃香自身は男とセックスしたくないみたいだから、お嫁さんに誰か男性とセックスしてもらえば子供は作れるはず」
 
「そうだ。紙屋君、種だけくれない?」
と唐突に訊かれて、紙屋君は
「女の子とセックスはできないけど精子だけ渡して人工授精ならいいよ」
などと言う。
 
「ああ。人工授精なら、もっと応じてくれる人あるかも」
「人によるかもね。生でやりたいという人と、精子渡しがいい人と」
 
「俺、生でやりたい。誰かやらせて〜」
などと渡辺君が言ったら
「コンちゃん付けるなら、してもいいよ」
などと美緒が大胆に言う。全くこの子は・・・。
「ほんとに?」
「一流ホテルで、ディナー付きなら考えてもいい」
「え?どうしよう」
と渡辺君は美緒がジョークで言っているのか本当にマジなのか戸惑っている。
 
↓ ↑ Bottom Top

「そのあたりの交渉は後で個別に」
と友紀が言っておく。
 
「でもお嫁さんが他の男の精子で妊娠したら、それ桃香の子供になるわけ?」
「お嫁さんが産んだ子は自分の子供だと思う」
「結婚というのは妻が産んだ子は自分の子供にするという契約だよ」
 
「そうなんだ!?」
 
「聖徳太子と蘇我刀自子の子供って、実際は刀自子が他の男と寝て作った子なんでしょ?」
「いや、それは日出処天子の読み過ぎ」
 

↓ ↑ Bottom Top

↓ ↑ Bottom Top

前頁次頁目次

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8 
女子大生たちの秋祭典(2)

広告:メイプル戦記 (第1巻) (白泉社文庫)