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■白雪物語2021(8)

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語り手:白雪たちが歩いて行くと、途中で遭遇した多くの兵士や官僚たちが白雪に跪いたり礼をしたりして中には一行に加わる者もありました。白雪の一行はどんどん人数が増えていきました。
 
何人かグネリアの警備兵が白雪たちを阻止しようとしましたが、レオンやグスタフたちに排除されて、大半が拘束されました。
 
「白雪様!」
と言ってマリア(坂出モナ)とフランク(松田理史)が駆け付けてくる。
 
「白雪様ぁ、ご無事で良かった」
と言ってマリアが白雪に抱きついて泣く。
 
「よしよし。お前たちにも苦労を掛けたね」
と白雪はマリアの背中をなでてやった。
 
しかし最近、モナは本当にアクアと抱き合うシーンが多い!
 

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王妃の部屋に行く途中、向こうから2人の騎士(白鳥リズム・榊森メミカ:友情出捐!)がやってくる。今まで阻止しようとしてきた兵たちとは違って強そうである!
 
「通せ」
とグスタフが言うが、
 
「女王陛下のお許しがない限り通せません」
と答える。
 
「もはや、グネリアは女王ではない。こちらにおられる白雪様こそが正当な女王様だ」
 
「それでも私たちはグネリア様に命を預けております。ここは通せません」
「だったら実力で通るのみだ」
 
グスタフとフランクが剣を抜いた。グネリアのガード2人と闘う。
 
「ここは我々にお任せを、殿下は先に」
「分かった。死ぬなよ」
「はい。命に代えても倒します」
 
全然意味が分かってない!
 
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しかし白雪は先に進んだ。グスタフの部下、ハンスとヴェルターを万一の時の抑えとして残した。
 
白雪の両側をレオンとマルガレータがガードしている。その後にレオポルトとマリア、白雪の護衛のマルコとヨゼフ、そして途中で加わった多数の兵士が続く。
 
そして白雪はグネリアの部屋までやってきた。
 

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「白雪、よく来たな」
とグネリアが言う。侍女たちには離れていて決して手を出さないように言う。
 
「母上、父上の仇を討たせていただきます」
「返り討ちにしてやるから掛かってこい」
 
白雪はレオンとマルガレータ、そしてレオポルトに「手を出さないで」と言ってひとり前に進んだ。
 
グネリアが剣を抜くので、白雪も剣を抜いた(グネリアが先に抜いたのが重要)。
 
2人が闘う。これが物凄い戦いになった。
 
誰も声を出すことができず、2人の戦いを見守る。
 

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グネリアの剣が白雪の身体に僅かに接触した。
 
「あっ」
とマリアがたまらず声を出す。
 
白雪の両乳房の間、首の付け根から数センチの所から血が出ているが、それほど大した出血ではない。またこの時、白雪が付けていたロケットの紐が切れて床に飛んだ。
 
しかし白雪はめげずに闘う。
 

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2人の戦いは続くが、白雪はグネリアの剣を避けようとしてバランスを崩した。
 
それで転んでしまう。剣まで落としてしまう。
 
「勝負あったな。返り討ちだ」
と言って、グネリアは白雪の傍に寄り、心臓を突き刺そうとした。
 
「キャー!」
とマリアが悲鳴をあげる。マルガレータが思わず助太刀しようとした。
 
ところがグネリアはそこで何かを踏んで滑ってしまった!
 
すかさず白雪は剣を取り直し、グネリアが体勢を回復する前にグネリアの心臓に剣を突き刺した。
 
「白雪、強くなったな」
とグネリアが言う。
 
「母上に鍛えられましたから」
「私を母と呼んでくれるのか」
「ここまで育ててくださった恩は忘れません」
「そうか。お前はきっと良い女王になる」
 
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そう言って、グネリアは力尽きた。
 
レオンがグネリアのそばに寄る。
 
「亡くなっておられる」
と言って、グネリアの目を閉じてあげる。グネリアの侍女のひとり(石川ポルカ)も駆け寄ってきたがグネリアが死んでいるのを認識すると短剣を出して殉死しようとした。しかしレオンが短剣を取り上げ「死んではならん。お前たちはグネリアの菩提を弔え」(*8)と言い、侍女も力なくうなだれた。
 
(*8)この部分は日本や東アジアの仏教圏以外では、各国の宗教事情にあわせてセリフを差し替えている。
 

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マリアが白雪の傍に駆け寄り、白雪の傷の手当てをする。レオポルトは絶対に手を出してはいけないと白雪に言われていたので抑えていたものの、ホッとして涙を流して白雪の手を取っている。彼はもし白雪が負けたら自分も死ぬつもりだった。
 
「今、グネリア殿は白雪殿に『お前はきっと良い女王になる』とおっしゃったな」
といつの間にか、ここに来ていたバウアー大臣(大林亮平)が言った。
 
「確かにそう聞いた」
とレオポルトが答える。
 
「つまりグネリア殿は白雪殿に譲位なさった」
「なるほど」
「だから何の問題もなく、これからは白雪殿下が女王である」
とバウアー大臣は宣言した。
 

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マルガレータは床を見ていた。グネリアが白雪を刺そうとして何かを踏んで滑ったのである。
 
「これだ」
と言って拾い上げる。
 
「姫様、これを」
と言って、白雪に渡す。
 
「私のロケット!」
「グネリアはそれを踏んで滑ったんだ」
とレオポルト。
 
「白雪様のお母様が助けてくださったんですよ」
とマルガレータが言うと、白雪はロケットを抱きしめて
「お母様」
と言って涙を流した。
 

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なお、グネリアのガード2人(白鳥リズム・榊森メミカ)と、グスタフ・フランクの戦い(映画では画面切り換えで何度もその様子を映している)は、いづれもグスタフ・フランクの勝利で決着が付いていた。
 
グネリアのガード2人は
「とどめを刺せ」
と要求したが
 
「戦意を失った者の命は奪わない」
と言って、グスタフ・フランクともに剣をおさめ、ガード2人は拘束された。
 

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王宮での騒動は結局1時間ほどで決着した。死者はグネリア以外ではごく僅かであった。特に白雪側は死者ゼロであった。
 
翌日、王宮ではバウアー大臣名で
「白雪様がお亡くなりになったと思われていたが、実はお亡くなりになったのはグネリア様であった」
という全く訳の分からない発表をし、あらためて白雪の女王就任が発表された。
 
語り手:白雪は女王に就任すると、すぐにマラス大公の王位継承権取り消しは誤りであったとして、名誉回復と、王位継承権の復活を宣言しました。
 
そして自分とレオポルト王子との婚約を発表しました。
 
国民たちは結局何があったのか、訳が分からない思いでしたが、白雪が元々国民に人気が高かったことから、白雪の女王就任は歓迎されます。
 
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国王ステファンと“王妃”グネリアの葬儀が盛大に行われ、白雪とレオポルトの結婚式は1年間の喪に伏した後、来年執り行うことも発表されました。それまではレオポルトは白雪の婚約者としてこの国に滞在します。
 

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「白雪、僕は君がほしい」
「だーめ。万一結婚式前に妊娠したら困るもん」
ということで、レオポルトはお預けを食わされている!
 
「レオポルト様、誰かお気に入りの娘がおりましたら、夜のお供をさせますが」
とマリアが言ったが
「いや。白雪以外の者を愛したくない。我慢する」
と答える。
 
実際、白雪以外の女が白雪より先に万一男の子でも産んだりすると、将来の火種を作ることになりかねない。王族というのは本当に大変な職業である。
 
「あのぉ、でしたら男の娘を添い寝させましょうか?凄く可愛い子がいるんですが」
「・・・。ちょっと待って。少し考えさせてくれ」
とレオポルトは焦って言った。
 
(この最後の会話は一部の国ではカット!)
 
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語り手:白雪とレオポルトのプライベートな事情がどのようになっているかは少数の者だけが知る中、1年が経ち、2人は盛大な結婚式をあげました。
 
そういう訳で、マラス大公の2人の息子の内、長男のルートヴィッヒ王子がホーフランドの後継者となり、レオポルトはエンゲルランド女王・白雪の夫(王配 Prinzgemahl / Prince consort)になって、結果的にはマラス大公の血統が両国を統治していくことになったのです。
 
マラス大公はエンゲルランドの摂政などの地位を望めば得られたかも知れませんが、大公はそのような野心は無かったので、若い女王の純粋な相談相手として、国を支えていくことになります。むろん大臣バウアーも、グネリアの下でも大臣として振る舞っていたことなど知らぬかのように、ちゃんと白雪配下の大臣として政治の実務を担当していきました。
 
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「まあバウアーは油断はできないけど、使える奴だよ」
と白雪は笑って、秘書役となったマルガレータに言っていました。
 
そして数年後、白雪とレオポルトの間には王子2人と王女1人が生まれて、跡継ぎも安泰と思われました。この王女はずっと後、ルートヴィッヒの王子と結婚することになります(いとこ同士の結婚)。
 

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その子供たちを白雪とレオポルトが見守っているところで 終 / End / Ende の文字が入り、その後、エンドロールになる。↓はその一部である。
 
白雪姫:MS AQUA
レオン:MR AQUA
(例によって MAQURA, SAQUMA から MR AQUA, MS AQUA に変化する)
 
レオポルト王子:ロビン・フライフォーゲル (前後に大きく間を空ける)
 
マルガレータ:七浜宇菜
マリア:坂出モナ
フランク軍曹:松田理史
グスタフ少尉:岩本卓也
鏡(声)今井葉月
 
ステファン王:水川耕祐
バウアー大臣:大林亮平
カンドラ:滝野英造
女王の護衛1:白鳥リズム(友情出捐)
女王の護衛2:榊森メミカ(友情出捐)
 
日郎:広原大司
月子:元原ユミ
火吉:大山弘之
水恵:斎藤恵梨香
木蔵:弘田ルキア
金也:斎藤良実
土雄:花園裕紀、
 
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マラス大公:ミハエル・クラウスナー
マラス大公妃:エリザ・ヘンネフェルト
ルードヴィッヒ王子:ステファン・フランケ
軍医ルター:ユリアン・ウェステマン
 
ツァイス中佐:柏木義昭
馬番カミル:大山紀之
料理女アンナ:直江アキラ
お城の少年:望月春奈
 
白雪の護衛:広河和也、永田敏明、佐藤光史、中村繁彦
レオポルトの護衛:ルカ・マイスナー、カール・シュピーラー、グンター・エンデルス
群臣:森原准太、本騨真樹、木取道雄
白雪の実母の侍女:恋珠ルビー、花貝パール、鈴鹿あまめ
白雪の侍女:今川容子、坂田由里、鹿野カリナ、信濃町ガールズ関東
グネリアの侍女:石川ポルカ、箱崎マイコ、豊科リエナ、信濃町ガールズ東海
 
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白雪姫(3歳):白雪めぐみ
白雪姫(5歳):白雪やまと
白雪姫(10歳):白雪さくら
レオポルト王子(5歳)ゲオルク・ストラウス
ルードヴィッヒ王子(7歳)オリバー・ストラウス
 
城の警備兵:∞∞プロ
パーティーの客:熊谷市内の大学生の皆さん
 
(大きく空ける)
 
白雪のボディダブル:今井葉月
語り手:中村昭恵
 
(大きく空ける)
 
王妃グネリア:雨梨美貴子(“起こし”表示)
 
(スタッフ・協力などの表示:略)
 
監督:河村貞治
 
制作:大曽根三朗、アウグスト・ジールマン
 

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エンドロールが終わった所で短いエピソードが入る。
 
語り手:白雪女王は妊娠中も摂政は置かず、出産の前日まで女王として執務し、出産の一週間後には政務復帰するなど超人的な働きぶりを見せて周囲を驚かせるというより、ほとんど呆れさせました。
 
「せめて出産の前後1ヶ月くらいは休まれても良いのに」
と多くの家臣たちが言うものの
 
「休めば、女だから休まなければならないと言われる。私は男並みに仕事する」
と言っていました。
 

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語り手:でも・・・実は出産前後には、レオンが白雪の影武者を務めていて、白雪はちゃんと休んでいたのでした!
 
最初の子、オットーを産んで間もない頃
 
「レオポルト様は?」
と部屋に入ってきたマルガレータ(七浜宇菜)が訊く。
 
「クリスちゃんの所じゃない?」
とオットーに授乳しながら白雪は言った。
 
(アクアの授乳シーン!だが「可愛い」「アクア様、いいお母さんになりそう」とファンには好評だったようである)
 
「ここだけの話、嫉妬しないんですか?」
「クリスは私も好きだよ。性格もいいし。まあ私の妊娠中と出産後1年くらいはあの子に貸してあげるよ。変な女と浮気されるよりいいし」
 
「確かにそれはありますよね。でもあの子、ほんとに可愛いですよね!」
「マリアもいい子を見つけてくれたよ」
 
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そのマリアの方は、大量の書類に白雪に代わってサインするのに忙しい。マリアは白雪とそっくりの署名ができるのである。普段でも実は半分くらいマリアが署名してるし、大臣など最初から書類をマリアの所に持ってくる!
 
「そうそう。兄上の方もだいぶ女装には慣れたようですよ」
とマルガレータが言う。
 
「レオンもその内本当の女になりたい気分になったりしてね」
と赤ちゃんを抱えた白雪(アクア)が笑うところで、本当に終 / True End /Wahres Ende という文字が表示され、その後“?”が表示されて、映画の尺は終了する。
 
ただし、例によって、一部の国用のバージョンではこの最後のエピソードもカットされた!
 
 
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白雪物語2021(8)

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