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■白雪物語2021(4)

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それですぐレオンは王宮に戻ることにするが、アクアは彼を呼び止めた。
 
「何か?」
「そなたが無事戻ってこられるように」
と言って、白雪はレオンの額にキスをした。
 
「ありがとうございます。行ってきます」
と言ってレオンが嬉しそうな顔で出て行く。
 
「あの馬鹿兄貴、調子に乗ってやりすぎなければよいが」
とマルガレータが言う。
 
「そなたにも」
「はい」
 
白雪はマルガレータの額にも祝福のキスをした。
 
「ありがとうございます。行きましょう」
とマルガレータも嬉しそうな顔で言った。
 

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このシーン、白雪を演じているアクアFは本当にレオンを演じているアクアMとマルガレータを演じている七浜宇菜にキスをしている。宇菜は
 
「アクアちゃんにキスしてもらった」
と後日、自分のプログに書いたが、むろんファンたちはみんな“女の子同士”と思っているので、特に騒がなかった。
 
またレオンとのキスについては、ファンたちは実際にはボディダブルの葉月の額にキスしたのだろうと考えたが、ファンたちはやはり“女の子同士”と思っているので、「まあ額へのキスくらいはいいんじゃない?」とこちらもあまり大きくは騒がなかった。
 

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夜間ではあるが、白雪はマルガレータと一緒にホーフランドに向けて出発することにする。ただ白雪はボウル市でパーティーに出ていた所を飛び出してきているので、服もドレスだし、靴も厚底靴(*5)だった。これではとても長時間の歩行は無理である。それでマルガレータは
 
「自分の服で失礼ですが」
 
と言って、白雪に庶民が着るような粗末な服と、森の中で歩きやすい革靴を渡した。それで白雪も(自分で着脱できない服を着ていたのでマルガレータに手伝ってもらって)それに着替え、靴も借りて、一緒に家を出た。
 
レオンは馬を走らせて王宮に戻って女王(になっていたのでびっくりした)に白雪の殺害を報告。心臓を提出した。女王グネリアは大喜びでレオンに褒美の金貨を与え、その心臓は自分で煮て食べてしまった!(ハツか?)
 
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レオンはすぐに王宮を出ると、妹たちの後を追いかけた。
 
(*5)パンプスが生まれる前、貴婦人たちは厚底靴を履いていた。そういう靴を履いた主たる理由は、後に生まれたパンプス同様に、床や地面にたくさん落ちている大小便を避けるためである!この時代の西洋には、トイレというものが存在せず、みんなその辺で適当に用を達していた。
 
当時の上流階級の男性はブーツである:民話の“ブーツを履いた猫”で猫がブーツを履くのは上流階級のシンボルだから。“長靴を履いた猫”というのでは意味が伝わらない。女性用のパンプスが生まれたのは17世紀て、白雪姫の時代より少し後である。
 

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グネリア女王はその夜はぐっすり寝て、翌朝、起きてからきれいに化粧をした上で、鏡の前に立った。
 
「鏡よ鏡、地上で最も美しい女は誰?」
 
すると鏡は答える。
「それは白雪様です。白雪様が地上で一番美しい女です」
 
女王はぶるぶると震えた。
 
「白雪は死んだのではないのか?」
「生きておられますが」
「どこに居る?」
「今は夜の森で仮眠を取っておられるようですね」
 
「あの狩猟長め、裏切りおったな」
と女王は怒りに満ちた表情をした。
 
語り手:狩猟長の処分も考えなければなりませんが、それよりも白雪が生きているとなると、自分の女王としての正当性が失われます。それどころか自分が王を殺したことを知ったら、白雪はきっと敵討ちをしようとするでしょう。女王は密かに地下室(白雪を閉じ込めた所とは別)に降りると魔法円を描き何か呪文を唱えました。
 
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妖獣のようなものが姿を現す。
「我がしもべよ。夜の森にいる白雪を殺してこい」
 
妖獣が走り出して行った。(妖獣はCG)
 

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語り手:白雪とマルガレータはある程度狩人の家から離れた所で、木の上に寝床を作りそこで寝ました。明るくなってから、持って来たパンと干し肉を食べ、ワインを飲んで水分を取り、また歩いて行きます。そして起きてから1時間ほどした時、ふたりは川のそばまで来ていました。
 
「何か来る」
とマルガレータが言う。
 
「猪か鹿?」
と白雪が訊く。
 
「もっと大きなものです。でも熊とは違う気がする」
 
やがてそれは明らかに大きな音を立ててこちらに来た。この相手は弓矢では倒しきれない。マルガレータは背中に抱えている銃を取った。火薬と弾丸を詰める。
 
「姫様逃げて」
と言って、マルガレータが白雪を川に突き飛ばす。
「姫様、水に潜ってください!」
と叫びながらマルガレータは銃を構え、火縄に点火する。その妖獣が自分を飛び越えて白雪の方に飛びかかろうとした時、マルガレータの銃が火を吹いた。
 
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妖獣の大きな身体がマルガレータに覆い被さり、マルガレータは気を失った。
 

女王はまだ秘密の地下室に居たが、気配で振り返る。妖獣の姿がある。
 
「戻って来たか。首尾は?」
と尋ねたが、妖獣は倒れると消滅してしまった。しかし黒く長い髪が数本あり、血が付いている。
 
「やったのか?相打ちか?」
 
女王は自分のガードに狩猟長を呼びに行かせたものの見つからなかったので逃げたなと判断した。もしかしたらその狩猟長が逆に白雪をガードしていてこの妖獣を倒したのかも知れないと思った。この妖獣を倒したとしたら、相当腕が立つ者である。
 
しかしこの黒く長い髪はきっと白雪のものだろう。狩猟長の髪はこんなに長くない。
 
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女王は自分の部屋に戻ると、鏡に尋ねた。
 
「鏡よ鏡、地上で最も美しい女は誰?」
 
「それはグネリア様です。グネリア様が地上で一番美しい女です」
 
「やった!白雪は死んだのだな?」
「この地上にはおられません」
 
それで女王は安心したのであった。
 

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「マルガレータ、マルガレータ」
と呼ぶレオン(アクア)の声に、マルガレータ(七浜宇菜)は意識を戻した。
 
「兄上」
と声をあげて、マルガレータは起き上がる。が、まだ立てない。
 
「どうしたのだ?白雪様は?」
「見たこともない大型の獣に襲われて。白雪様は川の中に突き落として水に潜るように言ったんだけど。獣は銃で仕留めたつもり。確かに手応えがあった」
 
「銃を使うほど大きかったのか」
「熊より大きい気がした」
「じゃこの青いのはその獣の血か」
 
青い血の跡が点々と続いている。
 
「仕留めたつもりだったのになあ。まだ動けたのか」
「しかしこれはかなり大量に血が出ている。たぶん助からないと思う」
「でも青いから白雪様の血ではないね」
「うん。それは間違い無い」
「しかし青い血の獣なんて聞いたことないな」
 
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「白雪様は川に流されたのかも知れない。川下を探そう。立てるか?」
「うん」
 
それでマルガレータは兄に手を取ってもらってなんと立ち上がった。そして兄の馬に同乗して、川下へと行き白雪の行方を捜す。
 
この森の場面は、郷愁村と郷愁空港の間の実際の森の中に怪しげな木の造り物なども置いて作ったオープンセットである。川は本物の川であるが、業者を入れてかなり徹底的に清掃したので、危険なものは残っていないはずである。撮影の時は上から水を流して増水させている(この川は郷愁村の浄水場に繋がるので増水させても下流で被害などが出る心配は無い)。
 
レオンたちの家や鉱山技師たちの小屋もその森の中に作った。これらは全て、音声の録音をしている最中に準備したものである。
 
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なお、アクアも宇菜も元々乗馬はできる(以前の仕事で必要になり習っている)。フランク役の松田理史は乗馬を学びに音声吹き込みの傍ら、乗馬教室に一週間通った!
 

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語り手:白雪姫(アクア)は妖獣に襲われた時、マルガレータ(七浜宇菜)に突き飛ばされて川に落ちた後、「水に潜って」と言われてすぐ潜りました。しかし間一髪、鋭い爪のようなもので頭をかすめられ、鋭い痛みが走りました。そしてそのまま気を失って川に流されてしまいます。かなり流されてから意識を戻し、体勢を立て直し、川から出ました。服がずぶ濡れなのでいったん全部脱いで手で絞り、再度着ました。(むろん着替え中は映さない)
 
白雪が歩いて行くと、一軒の山小屋がありました。
 
ドアをノックしますが返事はありません。そっと開けてみると誰も居ませんが、人が住んでいる雰囲気はあります。テーブルの上に放置されている食器が放置されてからまだ数時間しかたってない感じでした。
 
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「取り敢えず待とう。そしてここの人が戻ってきたら、ホーフランドへの道を訊こう」
と白雪は独り言を言って、小屋の中で休ませてもらうことにした。
 
白雪が小屋の中で待ったのは服が濡れているので風にさらされる外では寒いからである。
 

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しかし疲れていたので、白雪は座ったまま眠ってしまった。
 
「もし」
「もし」
という声で白雪は目を覚ました。
 
「君は誰だね?」
と問われる。7人の男女の顔がある。
 
ここで7人の鉱山技師を演じているのは下記である。
 
鉱山技師:広原大司(日郎)、元原ユミ(月子)、大山弘之(火吉)、斎藤恵梨香(水恵)、弘田ルキア(木蔵)、斎藤良実(金也)、花園裕紀(土雄)
 
ルキアは男装である!
「最近女役ばかりオファーが来て参ってたから、男役でホッとした」
などと言っていた。
「でも性転換手術受けたんでしょ?」
と旧知の広原大司から言われるが
「それも勝手にそんな噂が流れてるから困ってる」
と本人。
 
「ボク、モナと結婚するのに性転換とかするわけないじゃん」
「じゃ睾丸だけ取ったんだ?」
「取ってないよぉ」
 
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「それにしても性別の微妙な人が」
などと声があがるので花園裕紀が
「ボクは女装しませんからね」
などと言う。本人としては予防線を張ったつもりだが
「大丈夫だよ、声の録音中は女の子の格好しててもいいよ。誰にも言わないから」
などと言われる。
 
“誰にも言わないから”って素敵な言葉!
 
「僕、スカートは穿きませんからね」
と斎藤良実は言うが
「良実ちゃんのスカート姿、可愛かった」
とみんなから言われていた。
 

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さて、映画の方だが、鉱山技師7人に声を掛けられて目を覚ました白雪は
 
「すみません。獣に襲われて川に落ちて流されて。人が住んでおられるようだったので、帰ってこられるまで待って、道をお聞きしようと思ったのですが、服が濡れてて寒いので、勝手に中に入って待たせていただきました」
と答えた。
 
「川に落ちたのか」
「まだ服が濡れてるじゃないか」
「おい、月子、お前の服を貸してやれ」
と女性のメンバーが言われる。
「うん。みんな台所に行ってて」
 
それでメンバー7人の内、男性5人が出ていく。残った女性メンバーの月子(元原ユミ)と水恵(斎藤恵梨香)で、白雪(アクア)の服を脱がせる。そして月子が自分の服をクローゼットから持って来て白雪に着せてあげた。
 
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「あんた怪我してる」
「獣に襲われたので」
「そう言ってたね!獣にやられたのなら、そのままにしておいてはいけない。薬草を塗ってあげるよ」
「すみません」
 
それで水恵が、白雪の手と頭の怪我している所をお酒で消毒した上で、薬草を塗ってあげた。手は頭を襲われそうになった時にとっさにかばったのだろう。
 
また自分では気付いていなかったが、足を捻挫していたので、そこには湿布薬を塗ってもらった。
 

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着替え終わったので、男性メンバー5人も戻ってくる。
 
「だけど、あんた道を聞くって、どこに行くつもりだったの?」
「ホーフランドに行きたいのですが」
「それはまた遠くまで、あんた1人で?」
「連れがいたのですが、獣に襲われた時にはぐれてしまって」
「連れってどういう人?」
「この森で狩人をしているイェーガーさんと言うのですが」
「ああ、あいつらなら知ってる。兄貴の方?妹の方?」
「妹さんです」
 
「だったら大丈夫だよ。あいつ兄貴より強いから」
「そんな気はしました!」
 
「じゃあいつらの家まで送ってこうか」
「それがそこは危険になっていて」
「なんでまた?」
 

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それで白雪は鉱山技師たちに事情を話した。
 
「あんた白雪王太女様だったの!?」
と日郎。
「すみません。こんな汚い小屋で」
と土雄。
 
「いえ。とても助かりました。長居したら、あなた方にもご迷惑を掛けます。でも一晩だけ泊めていただけませんか?明日の朝にはホーフランドに向けて出発しますので」
と白雪は言った。
 
鉱山技師たちが考えている。
 
「あんた捻挫してるのに動いたらダメだよ。こんな所まで女王の追っ手もこないだろう。その足が治るまでここに居なさい。その間にもしかしたらイェーガーたちもここに辿り着くかも知れないし。きっと向こうはあんたを探している」
 
とリーダー格っぽい日郎(広原大司)が言った。他のメンバーも頷いている。
 
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「女王?」
と白雪が尋ねる。
 
「ああ、あんたまだ知らなかったか。国王がお亡くなりになって、王妃が女王になると宣言した」
 
「そんな・・・」
と白雪はショックを受ける。
 
「まあ王妃に殺されたんだろうな」
 
「王宮の発表では白雪王太女殿下もお亡くなりになったということだった。発表では伝染病を匂わせていたが、あんたの話も訊くと、きっと国王陛下も欺されて殺されたんだと思う」
 
「そんなことする人だったなんて・・・」
 
「確かにあんたはホーフランドに逃げた方がいいと思う。でもその身体で無理してはいけない。取り敢えず一週間くらいここに居なさい」
 
「済みません。ご迷惑おかけします」
 
それで鉱山技師たちはほんの1時間ほどで、月子・水恵が寝ている“女部屋”にベッドを1個作ってくれたので、白雪はそこで休むことにした。
 
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