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■白雪物語2021(7)

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「しかし何があったのだ?水恵殿、何かなさったか?」
とルターが訊く。
 
「何もしてません。蘇生する兆候が見えたので、その後で、強壮藥を差し上げただけです」
 
「どうして白雪殿は快方に向かっているのだろう?」
とレオポルト王子が言う。
 
「何もしてないとしたら、白雪殿は、自力で回復に向かっているのかも知れない」
とルター。
 
「何て生命力の強い人なんだ!」
と鉱山技師たちから声があがる。
 
レオンは自分が白雪に口づけをしたのがきっかけになったとは、思ってもいない!
 
「ただ、殿下、覚悟していただきたいのですが」
とルターがレオポルト王子言う。
 
「何だ?」
 
「今は快方に向かっておりますが、いつこの過程が停止して死に向かうかも知れません。これは何ともできません。神の思し召し次第です」
 
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「だったら白雪殿の回復を神に祈ろう」
 
「そしてもうひとつ問題があるのですが」
と言って、いったん言葉を切る。
 
「このまま蘇生なさった場合も、半日ほど血液の流れがほとんど止まっていましたので、脳や身体に何らかの障害が出るかも知れません。記憶も失っているかも知れません」
 
王子はしばらく絶句していたが言った。
「構わない。白雪殿の命さえ助かれば、私はその全てを受け入れる」
 
「御意」
 

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語り手:みんなが見守る中、白雪は少しずつ生気(せいき)を取り戻していきました。レオポルトはずっと神への祈りの言葉を捧げています。そして回復の兆候を見せ始めてから3時間ほどで完全に脈拍も呼吸も回復しました。そして4時間ほど経ったところで、とうとう白雪は目を開いたのです。
 
「白雪様ぁ」
と言ってマルガレータが白雪に抱きついて大泣きする。王子は自分も抱きつきたかったのだが、先を越されてしまった!
 
「みんなどうしたの?」
と白雪はまだ起き上がれないものの、多数の人が自分の周囲に居るのを見て戸惑うように、しかし微笑みながら言った。
 
このシーンは白雪が目を覚ます直前までは人形を使っての撮影で、目を覚ますところからは、葉月にレオン役をさせて一発撮影である。
 
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あまりにも感動的な場面なので、2度撮影するのが困難だった。後で葉月の顔が映っている所だけ、コンピュータで編集してアクアの顔に差し替えている。
 
アクアと葉月は背丈だけでなく、顔のサイズと形もほぼ同じなので、こういう編集がしやすい。葉月は本当に理想的なアクアのボディダブルなのである。
 

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語り手:それから2時間ほどで白雪は立ち上がれるようになりました。みんなと会話を交わし、また白雪の歩く様子を見ても、障害の類いは起きていないようでした。鉱山技師たちも、レオンとマルガレータの兄妹も、白雪姫のガードたちも、レオポルト王子とそのガードたちも、みんな泣いて白雪姫の回復を喜びました。
 
レオポルトの部下が1人馬でホーフランドまで行き、このことをマラス大公に伝えました。大公も大喜びでした。またマラス大公からは少し情報がもたらされたのですが、そのことは後述します。
 

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カメラは古ぼけた家を映す。
 
(イェーガー兄妹の家を建設途中で、少し異なる仕様の家を一時的に作ったので、そこでこの場面は撮影した。廃屋の部材を使ったので本当に古い家に見える)
 
分厚い本が開かれていて、見たことも無い文字で文章が綴られている。その場面に字幕スーパーが入る。
 
“この液に触れた者は、その者が過去14日以内にキスしたことのある者に、倒れてから14日以内にキスされなければ、14の14乗の年数だけ、眠り続けるであろう”
 
死ぬとは書かれていないが、14の14乗年(*6)眠り続けるのなら死んだのと等しいだろうと思い、カンドラはこの魔法を使った。
 
つまり、レオンは王宮に戻る時に白雪にキスしてもらっていたので、白雪を蘇生させる資格があった(だから実はマルガレータにもできた)。しかし、レオポルト王子は(少なくとも14日以内には)白雪にキスしてもらっていないので、彼がキスしても、何も起きなかった!
 
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(*6)1414 (14の14乗) は、カンドラは計算しきれなかったが、約1京年(1016 年)になる。1414 = 1,1112,0068,2555,8016.
 
これは太陽系の寿命よりは遙かに長いが、宇宙の寿命よりは遙かに短い。宇宙の寿命は10100 (10の100乗)年くらいと考えられている。但し実際には100兆年(1014 年)もすれば、もう生命は存在できないような状態になると思われる。なお“五劫のすりきれ”の“五劫”(阿弥陀如来の修行時間)はだいたい1027 年ほど。阿弥陀如来は恐らく多数の宇宙に転生しながら修行したと考えられる。
 

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白雪が完全に回復した所で、この後のことを話し合った。
 
会議に加わったのは下記5人である。
 
白雪、レオポルト王子、グスタフ少尉、鉱山技師の代表・日郎、レオン。
 
「だったら、フランク殿とマリアは幽閉されているのか」
と白雪が言う。
「はい。王宮内の協力者からマラス大公へ密書があり判明しました」
とマラス大公の所まで伝令で往復して来たレオポルトの部下が言う。
 
「王宮はみんな王妃の味方か?」
 
「純粋な王妃の味方は、あの女に以前から仕えていた侍女たちと護衛とだけだと思います。ツァイス中佐以下、城の護衛兵は中立です。バウアー大臣は、あの女が女王であるなら、自分は女王の部下である、という言い方をしてあの女に従っているそうです」
 
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「食えん奴だ」
と言って、白雪は笑っている。
 
「だったら、私が王妃を倒せば、みんな私を支持してくれるかな」
 
と白雪が発言すると、みんな「おぉ!」と声をあげる。
 
「大半は白雪様の味方になると思います。多少の反乱分子は私たちが抑えますよ」
とグスタフが言う。
 
「だったら私は今夜にも城に乗り込んで、王妃を倒す。王妃のガードだけは排除する必要があると思う。願わくば何人か私に命を預けてくれないか?」
と白雪が言うと
 
「私の命はとうに姫様に預けております」
とレオンが言う。
 
先をこされてしまったグスタフも
「当然私は白雪様の盾になります」
と言う。
 
「私は君の許嫁だ。当然君と一緒に行動する。王妃も私が倒そう」
とレオポルトが言うが、白雪は止める。
 
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「それはいけない。ホーフランドの王子が女王を倒したら、それは反乱になる。他の者が倒せば大逆罪になる。あの女を倒すことが許されるのは父の仇を討つという大義名分がある私だけなのだよ」
 
と、これまでグネリアのことを“王妃”と呼んでいた白雪もとうとう“あの女”呼ばわりをした。少なくともここにはグネリアを“女王”と呼ぶ者はいない。
 

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「心配しなくていい。私はたくさん剣を習った。私は負けない」
と白雪は言う。
 
「だったら私は君をそばで見守る」
「うん」
 
「私たちも侵入路の確保くらいは手伝うぞ。私たちはみんな身が軽い。城門の中に忍び込んでカンヌキを開ける程度のことはさせてもらう」
と日郎が言う。
 
「君たちは政治的なことには関わらないのかと思った」
 
「我々の家でふざけたことをしてくれた仕返しだ」
 
語り手:それで結局今夜、ここにいる全員で王妃を倒しに行くことになったのです。
 

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「ところで今気付いたが」
とレオポルトが言う。
 
「白雪殿とレオン殿は顔立ちが似てないか?」
「え!?」
「あれ〜!」
「そういえば似ている気がする」
 
「男と女の違いがあるので今まで気付かなかったが確かに似ている」
 
「だったらレオンには私の影武者をしてもらおうかな」
と白雪が笑いながら言っている。
 
「私は殿下に命を預けております。必要でしたら影武者もいたします」
とレオンは真面目な顔で答えた。
 
「だったら、女の服を着る練習もしてもらわなければ」
とマルガレータが言っている。
 
「女の服を・・・・俺が着るのか?」
とレオンが言う。
 
「そりゃ白雪殿下の影武者なら、当然白雪殿下が着られるようなドレスとかを着てもらわなければ」
「え〜〜〜!?」
とレオンは情けない顔で声をあげた。
 
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「お化粧も覚えてね」
「ひぇ〜〜〜!」
 
(このシーンは元々性におおらかな日本や東アジア、またフランスやイタリアなどラテン系の地域では大いに受けたのだが、一部の国で公開する版ではカットした!)
 

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語り手:今夜の決行について、マラス大公への連絡は、考えた上で、何もしないことにしました。万一失敗した場合、自分たちが勝手にしたことということにしないと、ホーフランドが攻撃される理由にされる可能性があると白雪が言ったからです。
 
みんなは昼間の内は少数の警備役(*7)を除いて全員仮眠し、日が落ちてから行動開始しました。
 
(*7) 昼間の警備はカミルと鉱山技師の女性2人が担当した。この3人は今夜の攻撃にはお留守番である。失敗した場合は、カミルが女性2人をホーフランドに連れて逃げることになっている。
 

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語り手:一行は、白雪・イェーガー兄妹、レオポルトと4人のガード、グスタフを含めて5人の白雪のガード、鉱山技師の内男性5人の合計18名です。
 
レオポルトやクスタフは馬を9頭連れてきています。人数より1頭多いのは、白雪を乗せるつもりだったからです。マルコたちが馬3頭で来ています。それにレオンの馬まで入れて馬は13頭です。
 
それで白雪をレオンの馬に乗せ、鉱山技師の中で馬の扱いが上手い木蔵は単独で乗り、残りの4人がグスタフの部下の馬に同乗することにしました。カミルが使っていた馬にマルガレータが乗ります。
 
白雪がレオンのゴールデナファイル号に同乗するのは、万一向こうが待ち伏せなどしていて、攻撃前に逃げるハメになった場合、この馬に追いつける馬はそうそう居ないからです。
 
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(カミルの馬にマルガレータを乗せることは白雪とグスタフが密かに話し合って決めた。カミルの馬もかなり速いので、待ち伏せされていた場合に、軍人ではないマルガレータが逃げられるようにするためである)
 
一行は目立たないように、3方向から分かれて首都に進入しました。夜中なので誰も彼らを見とがめる者はありませんでした。
 
やがて王宮の城門の所に集結します。白雪以外の全員が下馬します。レオンは降りて白雪の馬を引きます。
 

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語り手:身の軽い鉱山技師たちの中で、日郎と火吉が壁によじ登って向こうに入ります。この役割は万一見つかると弓矢や鉄砲で撃たれる可能性があり、とても危険な役割なのですが、火吉がぜひ自分にやらせてくれと言ったので、リーダーの日郎と2人で実行しました。
 
幸いにも彼らは見つからずに内側に入り、そっと城門を開けました。一行が中に入ります。鉱山技師たちはここに残し、馬を見ていてもらいます。彼らには万一の場合はすぐ逃げるように言っています。
 
門が開くのでさすがに警備兵が気付いてこちらに走ってきます。しかしグスタフが
 
「控えろ。王太女殿下である」
と言うと、全員動きを止め、あるいは跪き、あるいは低頭してそのまま行かせました。中にはお供したいと言う者たちもいるので、従うことを許します。
 
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ぞれで一行は宮殿の玄関まで来た時には40人ほどになっていました。
 
ここで白雪も下馬します。白雪の馬は軍医のルターが預かり、彼はここで待機します。
 

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「何事だ?」
と言って、バウアー大臣が姿を見せる。
 
「白雪様!?」
と大臣が驚いたような声をあげる。
 
「この国の正当な後継者である私が、父の仇(かたき)を討ちに来た。通せ」
と白雪が言うと、大臣は
 
「白雪殿下が生きておられるのであれば、グネリア殿に女王になる資格はありません。白雪様こそが正当な女王様です」
と言います。
 
「全く食えん奴だ」
と言って白雪は笑っている。
 
語り手:この大臣の言葉で、この王宮に居るほぼ全ての者が白雪の味方になったのです。なお、レオポルト王子のガードたちは、ツァイス中佐が彼らの安全を保証してくれたので、ここで待たせることにし、白雪たち8名の戦闘員(白雪・レオン・マルガレータおよびグスタフを含む白雪のガード5名)+見届け人のレオポルト王子だけが先に進みました。
 
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白雪の侍女マリア(坂出モナ)とフランク軍曹(松田理史)が解放される。
 
「どうしたのだ?」
とフランクが訊く。
 
「白雪王太女殿下がお戻りになりました。グネリア殿は女王ではなくなりましたのでツァイス様から、マリア様とフランク様の解放命令が出ました」
 
「生きておられたか!」
「良かった!」
 
と2人は思わず手を取り合い、そのまま抱き合ってから、慌てて離れる。
 
「白雪様はどこに?」
「今グネリア様のお部屋に向かって進んでいるようです」
「すぐ行こう」
と2人は駆けだした。
 

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グネリアはもちろんこの騒ぎに気付いた。
 
疲れたような顔で鏡の前に立つ。
 
「鏡よ鏡、地上で最も美しい女は誰?」
 
すると鏡は答えた。
「それは白雪様です。白雪様が地上で一番美しい女です」
 
「お前、一昨日、白雪姫は生きてないと言ったではないか」
「白雪殿はあの時、仮死状態になっていました。生きていた訳ではなかったので、生きている女の中ではグネリア様がいちばん美しかったのです。しかし白雪殿は仮死状態から回復なさいましたので、現在は白雪殿が一番です。」
 
「そうか、そうか。それは良かった」
と言うと、グネリアは剣を抜いて、鏡を叩き割ってしまった。
 
(この鏡は破片が飛び散らないように加工している)
 
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グネリアは自分の侍女たちに
「女は命までは奪われないだろう。お前たちは逃げなさい」
 
と言ったが、侍女長のローザ(石川ポルカ!)は
 
「私たちは姫様と一蓮托生です」
と言い、他の侍女も頷いて逃げなかった。
 

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白雪物語2021(7)

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