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■夏の日の想い出・新入生の初夏(7)

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しばらくのんびりとした時間を過ごしてから、11時頃出発した。
「新車?」
「中古車だよ」
「へー。でもきれいだよね」
「前のオーナーが実質ほとんど乗ってなかったみたい。5年前のモデルなのに、距離計が6000kmしか無かったもん」
「よく分からない」
「買ってから1ヶ月半で既に2000km走ってるよ」
「わっ」
「けっこう深夜のドライブとかもしたからね」と政子。
「なるほどね。じゃ、今私たちが座ってるこの後部座席が普段はふたりの愛の巣なのね」と琴絵。
「いや、そんなことは・・・・・」
「してないの?」
「一度したけど」
「やはり」
 
途中所沢近くの和食屋さんでお昼を食べてから、私は車を埼玉県の山奥にある温泉へと進めた。温泉旅館付属の駐車場(というより旅館の前の雑木林を切って駐車場と主張してみた感じの場所)に駐め、旅館にチェックインした。まずは部屋に入ってくつろぐ。
 
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「でも先月下旬から今月に掛けて無茶苦茶忙しかったみたいだけど、今日明日は休めたのね」
「それがね・・・私が今度組むことになったクォーツというバンドのメンバーが全員昼間の仕事持っていて兼業なもんで、まとまって動けないのよ」
「あぁ・・・」
 
「一応9月までの暫定給料として3人には月10万円ずつ払ってるんだけど、最初のCDが売れるまでは印税も入ってこないし。今の時点では須藤さんも専業になってくれとは言えない感じ。3日に発売する最初のシングルがどのくらい売れるか次第だね」
「売れるといいね」
 
「でもメンバーが動けないから、まともなキャンペーンも組めないんだよね。クォーツのメンバーが演奏したマイナスワン音源を作って、私だけ全国を飛び回らせる案もあったみたいだけど、それだと、ローズクォーツは実質私のソロプロジェクトでクォーツは私のバックバンドみたいな印象になっちゃうから、それは避けたいというのが、町添さんと須藤さんの意見の一致したところで」
「難しいんだね」
 
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「一応全員そろえる日時に関東と関西のショッピングモールでライブとかやる予定だけど、それもあまり回数が取れない。で、私とクォーツの中の誰か最低2人以上で、あちこちのFM局に出ることにはなってるけど、今回けっこう厳しいかもという印象は持ってる。2万ダウンロード行ったら成功かな、なんて話をしてるんだけどね」
 
一息ついてから、みんなで温泉に入りに行く。
「私は冬の下着姿までしか見たこと無いんだよね〜」と琴絵。
「私、去年の夏に一度ヌード見たけど、当時は改造前だったからね」と仁恵。
 
脱衣場でそういう琴絵と仁恵の視線が来ているのを感じながら、私は服を脱いだ。早い時間帯なので脱衣場には他に客がいない。しかし念のため私たちは小声で話した。
 
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「おお、立派な胸だね」と琴絵。
「へへへ。Dカップだよ」
「お股も女の子の形になってる」
「もう、お婿さんには行けないね」
「そんなの行きたくない」
 
「でも去年の夏に冬のヌード見た時も、既にお股には何も付いてなかったんだけどね」と仁恵。
「あれは接着剤を使った偽装工作」と私。
「今年のは?」
「筋力で隠してる」
「やっぱり付いてるんだ」
「その割れ目ちゃんの中に隠してるのよ」と政子。
「だから、絶対それを開けられないのよね」と笑っている。
「しっかり閉じておけるようになるまで結構掛かったよ」と私。
「高校時代に女装を始めて間もない頃に、座ってる時に絶対に膝頭が離れないようにしろって言われて必死で意識していたときと感覚が似てる」
 
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「ああ・・・・私、座ってる時の膝頭、けっこう怪しい」と琴絵。
 
「よし、じゃ中に入って冬をくすぐって開門させちゃおう」
「あはは」
 
浴室に入ると、浴室内にも誰も客はいなかった。私たちは身体を洗ってから浴槽に身を沈め・・・・、ほんとにくすぐりごっこを始めた!
 
「ちょっとぉ、冬をくすぐるんじゃないの?」
「こうなったら乱戦よ」
「私逃げだそうかな」
「それは許さん」
 
10分くらいお互いにくすぐりあっていたら少し疲れてきたので、危険な遊びは中止して、ふつうにおしゃべりに転じる。
 
「でも冬、頑張ったね。開門しなかったね」
「だって開門したら通報ものだもん」
「まあ、冬のマンションの浴室でも、こんな感じのことしたんだけどね」と政子。「なるほど。予行演習済みだったのか」と琴絵。
「冬のうちでやった時は2度開門に成功した」
「えー?今のは少しぬるかったのかな?」
「さすがに勘弁して」
「ま、今日のところは許してあげるか」
 
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「でも、冬もせっかくここまで改造するんだったら、一気にお嫁に行ける身体にしてもらえば良かったのに」
「それ、姉ちゃんからも政子からも言われた」
「ほんと、中途半端だよね〜、これ。だから責め立ててあげるんだ」と政子。
「その隠してる奴って立つの?」
「立つどころか無反応」と政子。
「なぜ政子が答える?」
 
「もうただの肉塊という感じだよ」と政子。
「じゃ、もうすっきり取っちゃえばいいのに」
「ねー」
「うーん、そのあたりはね。。。。」
「まだ男の子の身体に未練があるの?」
「そんなの無いよ。自分でも邪魔だなと思うし」
「ま、いつまでもそんなもの付けてたら私がスパッと切り落としてあげるよ」
 
「ねぇ、政子、立つかどうか実験してみたいから切り落とす前に冬を一晩貸して」
と琴絵。
「それはダメ。貸しません」
「貸し借りとか。冬ってもしかして政子の所有物?」と仁恵。
「冬の身も心も私のものだから」
「おお」
「じゃ政子の許可さえとれば冬本人の意志は関係無しね」
「当然。でも貸さない」
私はただ笑っていた。
 
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しばらく危険な会話をしている内に、他の客がちらほら入ってきたので、私たちは安全な会話に切り替えておしゃべりを続けた。浴室内に設けられた数種類の浴槽を移動しながら結局2時間近く入って、あがった。
 
やがて食事の準備ができましたという案内があり、私たちは1階の広間に行って食事をする。ちょうど団体客が入ってきて少し騒がしくなった。私たちは気にせずに食事をしていたが、やがて団体さんがカラオケを始める。
 
どうも会社の社員旅行か何かのようである。部長さんと言われた人がステージに上がるがいきなり調子の外れた声を出して琴絵が吹き出した。
 
「コトにもあの音が外れてるのが分かるんだ?」
「さすがの私でも分かるよ。下には下がいるもんだなあ」と琴絵は笑っている。「でも楽しそうだね」と仁恵。
私は頷いた。
 
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「やはりね、音楽って楽しくなければダメだと思うのよね。究極の音を求めて辛酸30年とかいうのは、私から見ればちょっと方向性が違う気がする。その努力を否定するわけじゃないけどさ。音で楽しむって書いて音楽じゃん」
「確かにね」
「そういう意味では、あの部長さんの歌もありだと思うよ。ま、できたら音は外さないほうがいいけど」
「まあ、本人外すつもりがあって外してる訳じゃないんだろうけどね」
 
「音痴にはね、耳が悪くて伴奏の音の高さをきちんと聴けないタイプと発声が悪くて自分で思ってる音の高さでちゃんと歌えないタイプがいるのよ」
「ああ」
「コトにしてもマーサにしても、発声に難があるタイプで、ふたりとも耳は悪くないと思うのよね。そのタイプの人は練習すれば上達するよ。マーサのここ1年半くらいの上達ぶりって凄いじゃん」
「あの部長さんは?」
「うーん。。。。。音痴以前の問題外かも」
「なんだ」
 
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「でもさ、プロの歌手にもその問題外がいるよね」と政子。
「いるね、困ったもんだね」
「なんで、あんなのが売れるんだと」
「だから、あの部長さんの歌があり、なのと同じよ」
「ああ」と3人がひどく納得したような顔をした。
 
「結局ね」と私。
「そういう問題外の歌を歌う歌手でも、譜面通り正確に歌える歌手より、何か輝くものを持っていれば、売れておかしくない気もするわけ」
「うーん。。。」
「その何かってのが、私まだうまく言葉で表現できないんだけどね」
 
私たちはそんな会話をしながら、音もリズムも外しまくりながらも楽しそうに熱唱する部長さんを眺めていた。
 

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私たちが食事から戻ると、部屋には布団が敷いてあった。布団は4つ並行に敷かれている。
「えーっと、誰がどこに寝る?」
「私は当然冬の隣」と政子。
「私も冬の隣がいい」と琴絵。
「お、冬、人気だね」と仁恵。
 
「えーっと・・・じゃ、マーサ・私・コトと並べばいいよね」と私。
「じゃ、私コトの隣にしよう」と仁恵。
 
ということで、いちばん奥から、仁恵・琴絵・私・政子の順に並ぶことにした。
 
しばらくおしゃべりしたり、じゃれあったりして、22時頃消灯にした。が、消灯してからも結構おしゃべりは続いた。結局は23時頃眠ってしまった感じだった。
 
夜中、私はふと目が覚めて、喉が渇いた気がしたので廊下の端にある自販機までウーロン茶を買いに行ってきた。自販機の所で飲んでから、部屋に戻る。そして自分の布団に寝ようとした時・・・・何か異変に気付く。
 
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私は電気を点けた。
 
「えーっと、お嬢様方、そういう関係だったのかな?」と私は声を掛ける。「あ!」「え?」
 
私の布団の中で政子と琴絵が抱き合っていた。仁恵も騒がしいので起きたようで、そちらを見て
「あんたたち、何やってんの?」
と言う。
 
ふたりは慌てて離れた。
 
「いや、ちょっと遊ぼうと思って侵入して身体が触れたから抱き締めたんだけど、何かふだんと感触が違うから、変だぞと思った所だった」
と政子。
「冗談で侵入して手が触れたら、その後いきなりあそこ触られたから、冬って、実は私にも気があったのかしらと思った」
と琴絵。
 
「おふたりさん、私、ビアンには理解あるけど、するのは今度ふたりだけで泊まった時にでもしようね」
と私は笑って言った。
 
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「そっかー。政子とコトって、レズの関係だったのか」と仁恵も笑いながら言った。
 

 
翌8月1日は朝起きてからみんなでまた温泉に入りに行った。さすがに朝からは危険な遊びはしなかった。しかし政子と琴絵は昨夜抱き合ってしまったショックか、お互いを見る時、少し微妙な表情をしていた。
 
「でも私たち、女の子の冬に慣れちゃったから何とも思わないけど、冬は最初女子更衣室とか女湯とかで、女の人の下着姿や裸を見たりした時、何も感じなかったの?」
「うーん。それは感じなかったな。女性の下着見て興奮したりしたこともないし、おっぱい出してる女の人見ても、一種の風景を見ているような感じだった」
「冬って、もしかして最初から心は女の子だったんじゃない?」
「そうかもという気はする」
 
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私たちは、そのあと朝食に行ってきてしばしゆっくりした時間を過ごしてから、10時に宿を出発した。
 
関越に乗って南下、高坂SAで休憩して昼食を取る。更に関越を南下して大泉JCTから外環道に乗り、終点まで走ってから一般道を通って京葉道路に乗り、千葉まで走った。千葉に着いたのが2時だったが、私たちはファミレスでおやつを食べてから、琴絵と仁恵をアパートに送り届けた。
 

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夏の日の想い出・新入生の初夏(7)

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