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■夏の日の想い出・新入生の初夏(6)

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民謡教室は金曜日がお休みの日なので、7月2日の金曜日、私と政子は午後の講義が終わった後、一緒に不動産会社を訪れた。
 
セキュリティ付きのマンションに引っ越してといわれたものの、その後が強烈に忙しくなって、ゆっくりと探している暇も無くなってしまった。取り敢えず私はネットで探していくつか候補を挙げ、不動産会社に電話して細かい条件などを訊いたり、政子や他の数人の友人に頼んでその近辺の雰囲気をレポートしてもらったりして、かなり候補を絞っていた。最終的に2つ候補が残ったので、この日一緒に実物を見に行くことにしたのであった。
 
「今日は契約なさる御本人さんは、ご都合が悪かったのですか?」と担当者さん。
「えっと、私ですが」
「・・・・・分かりました。失礼しました」
 
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「それで、私、普段は『唐本冬子』の通称で生活しているので、その名義で契約できないかと思いまして」
「少しお待ち下さい」
担当者は上司の所に行ったが、やがてその上司と一緒に戻って来た。
 
「えっと、性同一性障害の方ですか?」と支店長の名刺を出したその人は言った。
「はい、そうです」
「最近、そのケースが結構発生しておりまして、確かにその性別で生活なさっているのであれば、どなたかその通称と戸籍名が同一人物であることを保証する人があれば通称での契約は構わないという通達が来ておりまして・・・・でも、あなたの場合は実態的には問題無さそうですね」
 
「1〜2年以内には戸籍上の性別と氏名も変更する予定ですので」と私。「一応学生証はその名前で作ってもらっています」といって大学の学生証を見せる。
「おお、性別も女で登録されているんですね」
「ええ」
「では契約の時に運転免許証か何かと一緒にコピーを取らせていただけますか?」
「はい」
 
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「念のため、これを母に書いてもらいました」
と言って、私は『通称・唐本冬子は本名・唐本冬彦と同一人物です』旨の母の署名捺印付きの書類を見せた。
 
「はい、こういうものも用意してくださったのでしたら、全然問題無いです。しかし、あなたは実際問題として女性にしか見えませんね」
 
結局、その支店長さんも付き添って、候補にしているマンションに行ってみることになった。
 
ひとつのマンションは駅のそばにあって3LDK、家賃56万円ということであった。もうひとつは駅から歩いて5分ほど掛かるものの4LDKで家賃47万円であった。
 
「うーん。。。どちらも何となくピンと来ないです」と政子。
「あの・・・・赤い煉瓦貼りで、屋上の形がこんな風になってるマンションとかありませんか?」
といって政子はメモ帳にボールペンで簡単な絵を描いてみせた。
 
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「あ、それはもしかして、あそこのマンションかも」と担当者さん。
「でも空き室があったかな・・・ちょっと問い合わせてみます」
 
ということで担当さんがお店に電話して確認してもらった所、先月末(つまり一昨日)で1部屋空いたばかりだということであった。
「今改装中、というか改装準備中で、今月20日以降でしたら入居可能です」
「見せて下さい」
 
連れて行ってもらうと、政子が「ああ、ここ良い」と言った。
「以前ここを見られたことあるんですか?」
「いえ、さっき突然、あのヴィジョンがひらめいたんです」
「へー」
 
まだ前の入居者が出たばかりでお見苦しいところがあるかも知れませんが、とは言われたものの、中を見せてもらった。エレベータで上り部屋に入る。
「あ・・・・」
「どうかした?冬」と政子
「なんか、ここ好き」
「ね、いいよね」
 
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「ここはごらんの通り4LDKにウォークインクローゼット付きで広いのがいいですね。ただ、駅から少し距離があるのと少し古いのが難なのですが、お家賃は共益費・管理費こみで42万円です。この広さでこの家賃ですからお値段的にはお得だと思います。駐車場をお使いになる場合は月3万円が別途掛かります。現在駐車場には空きがあります。一応セキュリティは2年前に最新システムに交換しています。またキッチンはアイランド型に改装する予定だったのですが・・・アイランド型でいいでしょうか?」
「ここにします。キッチンはアイランド型嬉しいです。友人を呼ぶこと多いと思うので、調理しながらおしゃべりできますし」
 
ということで、お店に戻って契約を済ませた。家賃引落し用の口座を登録するので私が通帳を取り出すと
「ああ、銀行の口座も冬子さん名義なんですね」
「クレカもです」と私は笑って答える。
「冬彦名義のって運転免許証とか健康保険証くらいだよね」と政子。
 
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「あの・・・つい聞きそびれてしまったのですが、お姉様ですか?」
「いえ、内縁関係です。女同士ですけど」と政子。
私は咳き込んだ。
 
「おお、そうでしたか」
「一緒に暮らすことにしたので」
「それは、おめでとうございます」
 
20日に鍵と暗証番号を渡してもらうことになった。引越業者にもすぐ手配をして28日にやってもらうことになった。政子が20日過ぎたら休憩などに使いたいというので、布団1セットと一部の調理器具、折りたたみの小型テーブル、筆記具、辞書類などを20日に自分の車で運び込むことにした。電話回線はすぐADSLの契約をした。そしてエレクトーンを政子の家からまた移動するのに専門の輸送業者を手配しようとしたのだが・・・・
 
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「ねえ、冬、私の家にいること多いでしょ?今のエレクトーンはうちに置いておかない?」
「でもたぶん、創作活動は向こうでやることの方が多いと思うんだよね」
「だから、もう1台買えばいいじゃん」
「!!」
 
ということで、私はエレクトーンをもう1台買うことにした。昨年買って現在政子の家に置かせてもらっているのがSTAGEAスタンダードモデルの ELS-01(U) なのだが、今度買うことにしたのはプロフェッショナルモデルの ELS-01X(U) である。通っている教室の販売担当の人に連絡したところ、引越の前日の27日に納入してもらえることになった。
 
今住んでいる(?)アパートの方は7月いっぱいで解約することにした。マンションの方と同じ不動産屋さんの別の支店の契約なのだが、仕事の都合でセキュリティ付きの所に移動しなければならなくなったのでと言ったら、チェーン店で別の物件を契約なさったのでしたら違約金は不要ですよ、と言ってもらった。また、この部屋はほんとにほとんど使っていなかったため、敷金もほぼ全額戻って来た。
 
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また政子のリクエストで、新居にはダブルベッドを入れることにした。また、政子の家のほうも、政子の部屋にあったベッドを来客用の寝室としている部屋に移動し、新たにダブルベッドを買って、政子の部屋に入れた。また政子がふわふわしたのがいいな、というので両方ともエアーベッドを敷いてみた。
 
新しいマンションは駅からは10分掛かるものの、学校には徒歩5分で行けるため、通学の便はよくなり、また結果的に友人のたまり場となることにもなった。しかし21階なので地上の騒音はほとんど感じなかった。政子などは鍵も持っているので、しばしば休講の時間に勝手にここに来て休んでいたりしていた。須藤さんは一応、家族(結果的には父)以外の男性をこのマンションには入れないよう要請した。写真を撮られて恋人か?などと報道されたりすると面倒だからということであった。またここには盗聴器の検出システムを入れた。
(政子の家と私の車にも同様のシステムを設置した)
 
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7月31日土曜日の朝、政子、仁恵、琴絵、の3人が私のマンションに集合した。6月の政子の誕生日に私たちは翌月温泉に行こうという約束をしたのだが、その後、7月は私の新潟通いにローズクォーツの新曲録音などが続いて、下旬まで全く時間が取れず、そのあと引越もあったので、結局約束の月のギリギリになってしまった。礼美は例によってバイトで来れず、小春は長崎の実家に帰省していて不在、ということで4人だけでの温泉行きになった。
 
「3日前に引っ越してきたばかりだからね。実は引越の段ボールは奥の部屋に全部放り込んである。洋服取り出すのとか大変で」と私。
「部屋数いくつあるの?」
「このLDKのほかに洋室2つと和室2つ。それにウォークインクローゼット。洋室のひとつを寝室、ひとつを本やCDを置く部屋にする予定。和室2つは来客用寝室かな、と」
「子供ができたら、和室が子供部屋になるのかな」
「できないって」
「いや、冬はそのうち子供を産みそうな気がして」
「だって子宮ないのに!」
「私が自分の子供産み終わった後でよければ、私の卵巣1個と子宮を冬にあげようか?血液型は同じだしね」などと政子。
「そんな漫画みたいな話」
「いや20年後くらいの医療技術なら分からないよ」
 
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「でもとりあえず引越の荷物が、書斎になる予定の部屋にあふれてるのよね。冬が忙しいから、片付け頼むっていわれてて、なかなか大変」と政子。
「ああ、お疲れ様」
「そうだ、コトも仁恵も、もしこちらに結構出てくるなら、ふたりの専用ロッカーとか置いておこうか?着替えとか少し置いておくとお泊まりの時楽だし」
「あ、それ便利かも」
 
「でもアイランド・キッチン、格好いいね」
「うん。でも散らかってたら目立つから、常にきちんとしてないといけないの」
「ああ、私には無理だな」と琴絵。
 
「わあ、Xがある。弾いていい?」とリビングに置いた ELS-01X に仁恵が目を付けた。
「いいよ」と言うと仁恵はエレクトーンの前に座ってポールモーリアのヒット曲『オリーブの首飾り』を弾き出す。ポップス系に疎い琴絵も「あ、これ知ってる」
と言っていた。
 
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仁恵がエレクトーンを弾いている間に、私はローズヒップティーを入れ、ファンの方から頂いたクッキーを出してきた。
「適当につまんでね。食べちゃったらまた何か出してくるし」
 
「ファンからのプレゼントは私の家にまとめて置いてたんだけど、半分くらいこちらに持ってきた」と政子。
 
「なんかこういうマンションに住んでたら、セレブって感じね」と琴絵。
「セレブだと多分もっといい所に住んでるよ。ここ築後20年たってるから、いろいろ微妙な不具合あるし。ネットもADSLしか使えないのよね。光の導入は現在検討中で。それでも家賃払っていけるのかどうか正直不安」
「払っていけるくらい稼げばいいのよ」と政子。
 
私と政子はローズ+リリーのCDがいまだに毎月コンスタントに売れ続けているため、その印税で毎月の生活費も大学の授業料も楽に払えていた。しかしここのマンションの家賃を払うには足りなかった。当面は貯金を取り崩していけば払っていけるのだが、家賃を仮にCDの歌唱印税だけでまかなうとしたら、ローズクォーツで年間合計20万枚程度はセールスをあげる必要がある。実際にはその他にラジオの出演料、ライブの収入もあるし、楽曲に関しても、私は作曲印税ももらえるし、CDより率の良いダウンロードでの販売が多ければ恐らく10万枚程度でも行けるとは思ったが、私は正直まだ不安が大きかった。
 
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仁恵も演奏を終えてテーブルの方にやって来、おやつを摘む。
「久しぶりに弾いたけど、気持ちいい。私もエレクトーン、実家からアパートに移動しちゃおうかなあ」などと言っている。
「ただアパートとか生で弾くには隣や下の住人に配慮が必要だよね」
「そうそう。実際にはほとんどヘッドホンでの演奏になると思う」
「このマンションは大丈夫なの?」
「かなり防音性は高い。でもさすがに夜中は弾けないから、防音室を入れようかなと思ってる。室内に設置できて、エレクトーンとクラビノーバくらいは入れられるやつ」
「へー」
 
「でも、この春から、冬かなりお金使ってない?」
「そうなのよね。。。脱毛、豊胸、去勢、入学金、授業料、アパートへの引越、このマンションへの引越、それに車買ってエレクトーン買って。700万くらい使ってしまった」
「きゃー」
 
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「まあ、ヒット曲出せなくて、ここの家賃とかも払えない状況になったら歌手辞めてここも引き払って、安いアパートに住んでコンビニのバイトでもしながら学校行くかなあ」
「アパート借りなくても、私の家で暮らせばいいよ」と政子。
「あ、そうさせてもらうかも。政子が結婚するまでは」
「結婚した後は、家政婦で雇ってあげる」
 
「あ、それいいかもね。冬って料理得意だし」と仁恵。
「家政婦兼愛人だよね」と琴絵。
「うーん」
 
「実際、4月からずっと、冬が仕事で徹夜になったりする時以外は、ほぼ毎日、御飯作ってもらってるのよねー」と政子。
「たまに冬が帰って来ない日はカップ麺とか冬がストックしてくれてる冷凍の料理食べて飢えをしのいでる」
「まあ、シチューとか、ロールキャベツとか、いつでもチンすれば食べられるようにしてるから」と私。
 
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「ほんとに同棲してるんだ」と琴絵。
「じゃ、そもそもマンション借りる必要無かったりして」と仁恵。
 
「いや、レスビアン疑惑があるから、実態がどうかは別として一応住居は別にしてくれと須藤さんからは言われてるのよね」
「疑惑というよりね・・・・」と琴絵と仁恵は顔を見合わせている。
 
「あまり勝手に想像しないように」と私は笑って言う。
 
「だけどここ冬たちの学校からすぐだよね」
「うん。歩いて5分くらいだよね。それでも21階だから、騒音はほとんど無いし」
「私、講義が休講になった時、ここに来て休んでる」
「へー。あっ。てことは、もしかして政子、ここの鍵持ってるの?」
「当然」と政子。
 
「須藤さんも、男子禁制にするんじゃなくて政子禁制にすべきだったかも」と仁恵。
 
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私は苦笑いしてから言う。
「ここだけの話、須藤さんも私たちのレスビアン疑惑に関しては半ば意図的に放置している気もする」
「あ、私もそう思う」と政子。
「実態はただの友だちなのにね」と付け加えると、琴絵から「ダウト!」と言われた。
 

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■夏の日の想い出・新入生の初夏(6)

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