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■夏の日の想い出・新入生の春(4)

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「おはよう。ごめん、私寝ちゃったみたい」
「おはよう。私もぐっすり寝てた感じ。今8時だよ。朝御飯に行こ」
「うん」
と言ったまま、政子は私を見つめている。
 
私は《そのこと》を確かめたくなり、ベッドの中で政子に裸のまま抱きつくと唇に唇を合わせ、心の中で30秒数えてから離した。
 
「やっぱり、あの夢、一緒に見てたのね?」
「そうみたい」
「夢の中で、私たちセックスしたよね」
「うん。あれはセックスになってたと思う。女の子同士だったけど」
「私、冬のヴァギナに奥まで指を入れたしね」
「入れられた」
 
「ね・・・エコバッグの中におやつ残ってる?」
「ちょっと待って」
 
私はパンティだけ穿いてベッドから出るとエコバッグを確かめた。果たしてエコバッグの中のおやつはきれいに消えていて、部屋のゴミ箱の中にその包装紙などが入っていた。
 
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「牛丼のカラってある?」
「ゴミ箱に入ってる」
「まさかコンビニのレシート無いよね?」
 
私は財布を確かめた。
「はい、レシート」
と言って政子に見せる。
 
「あれって、現実だったの?」
「まさか。だって私、女の子だったよ。それにこのレシート、宇都宮市内。ありえなーい。そんなに遠くに行く訳ないのに」
「ね。冬、今男の子?」
「えーっと、触っていいよ」
 
私は再びベッドの中に潜り込むと、パンティを脱いだ。政子がその付近を手で確かめる。
 
「まだ男の子だね」
「胸もブレストフォームだよ」
「どういうこと?」
「うーん。まあ、いいんじゃない。やはり夢だったんだよ」
「・・・・冬、疲れてない?」
「疲れてる。一晩中してたみたいな感じ」
 
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その時、私の頭の中に突然ひとつの歌が《降りてきた》。
 
「マーサ、何か紙無いかな?」
「ホテル備え付けの便箋とかない?」
「あ、そうか」
 
部屋のテーブルの引き出しを開けると、レターセットが入っていたので、その便箋に本の端を利用して五線を引くと、私は今《降りてきた》メロディーを書き出して行った。
 
「凄い。。。。。楽器とか使わずによくそんなに音符が書けるね」
「ごめん、今声掛けないで」
「あ、ごめん」
 
私は5分ほどでその曲を書き上げ、タイトルの所に『Night of Shadows』と書いた。
 
「私・・・その曲に歌詞が付けられそうな気がする」と政子。
「ほんと?じゃお願い」
 
「私音符読めないけど、音が上がっていく所、下がっていく所は分かるから、その波動みたいなのが私の心の中の、語彙の泉を刺激するの」
「うん。私、静かにしてるから、それを書いてみて」
「うん」
 
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政子は私の書いた譜面の下に、ほとんど迷わない感じで言葉を綴っていった。その時、彼女が書く言葉が、私が何となくイメージしていたものとピッタリなので、私は驚いていた。
 
政子は時々少し手を停めると、どこか周囲を見回すような動作をした。しかしやがて「あ、ここにあった」などと呟くと、その続きをスイスイと書き続けていった。7〜8分ほどで、書き上げた。
 
「完成・・・かな」
「凄い・・・・私の思ってたイメージにピッタリ」
「ほんと?良かった」
「歌ってみようよ」
「私、音が分からない」
「あ、そうか。私が最初通して歌うから、2回目一緒に歌おう」
「うん」
 
私は携帯のピアノ・アプリを起動して最初の音を取ると、その譜面を見ながら政子の書いた歌詞を歌っていった。最後まで行った所で、今度は政子と一緒に歌う。最初ユニゾンで歌っていたが、政子が「もう1回良い?」と言うので、3度目また歌い出すと、政子は私と違うメロディーでハーモニーになるように歌っていく。
 
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「すごーい。マーサ、1発できれいに歌ったね」
「いつもの感じでやってみた」
「忘れないうちに書かなくちゃ!」
 
私は便箋にまた五線を引くと、政子が今歌ったメロディーラインを書き留めて行った。
 
「よく書けるね。今1度聞いただけなのに」
「えーっと、記憶で書いている部分と、理論的にここはこの音のはずと思って書いてる部分とがある。もしさっきと違う部分ができたら御免」
「いや、そんなの私自身が覚えてないから」
「ああ、録音しておけば良かったな」
「でも、今、冬が書いている音符でいいと思うよ」
 
私たちがこのようにチャネリング的な曲作りをするのは、そう頻繁ではない。以前に作った『遙かな夢』『涙の影』『あの街角』などはいづれも政子がふつうに詩を書いたものに、私がふつうにエレクトーンを弾きながら、曲を付けて行ったものであった。
 
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その後、私たちはちゃんと服を着てからホテルの朝御飯を食べに行った。一晩中運動?をしていただけあって、お腹が空いていて、ふたりともたくさん食べた。夜食だって食べたはずなの! そしてまた部屋に戻るとベッドに入って、今度はリアルで少しイチャイチャした。でも夢の中でした時ほど過激なことはしなかった。
 
10時頃、お互い体力が尽きてダウン。私は12時までのレイトチェックアウトをフロントに申し込み、またレンタカー会社に返却遅延の連絡をしてから仮眠した。電話を終えた時、政子はもう熟睡していた。私は微笑んでその唇にキスし、私も寝た。
 
起きたのは11時35分だった。慌ただしくシャワーを浴び、身支度を調えて、私たちはホテルを後にした(接着剤タックまでしている時間が無かったので、私はテープタックして、いつものように女の子の股間に戻した)。開封した避妊具は政子が「記念♪」といって自分のバッグの中に入れていた。
 
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ホテルの駐車場でインサイトに乗り込んだ時、政子が
「昨日、ここに着いた時の距離計の数字覚えてる?」と訊いた。
「あ、えっと。今出てる数字と同じだと思う」と私。
「じゃ夜中に寝ぼけたまま車を運転して宇都宮まで行ったってことはないね」
「あ、それは無い」
「じゃ、コンビニのレシートは謎だね」
「うん。時刻は4:32。夢の中でコンビニに行ってきて、買ってきたのを食べて5時の時報を聞いたからね」
「私、このレシート宝物にしとこう」と政子。
 
私は車を発進させ、車を国道119号の方に進め、東照宮まで行った。休憩がてら観てまわる。
 
「なんだか私たち観光客みたい」
「というか実際観光客」
 
「ね、あそこの『見ザル、言わザル、聞かザル』」と政子。
「うん?」
「私たちのこと言われてるみたい。私たち、自分たちの実態を見てない、言い合ってない、そして聞こうとしてない」
「そうだね。ちゃんと見つめるべきなのかな・・・」と私。
「その辺り、私もまだ微妙かな・・・」と政子。
「でもひとつだけ言えること。それは冬は女の子になっていいということ」
「うん。私たち少なくとも男女の関係じゃないよね」
 
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中禅寺湖に行き、華厳の滝を観る。
 
「何だか心が洗われるね」
「なんか心の中にあるよけいなことが全部押し流されていく感じ」
「私たちって雑念多すぎるよね」
「うん、お互いに相手のことを考えすぎてる気もする」
「もっとシンプルに考えればいいのかなあ」
「私たちの仲だもん。変に配慮しすぎないようにしたいね。もっとわがままに」
「本音と本音で行けばいいんだよね」
 
政子がお母さんへのお土産を買い、私たちは帰途に就いた。清滝ICから日光宇都宮道路に乗り、宇都宮ICで東北自動車道へ入り、一気に南下する。途中の蓮田SAで休憩した。海鮮丼が美味しそうだったので2種類頼んで、お互い分けて食べた。そのあと車の中で少し仮眠してから、また東北道を南下した。
 
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「ねえ、マーサ」と私は運転しながら尋ねる。
「うん?」
「今日のって、一線を越えたことになるよね?」
「した内容は完璧に越えたと思う。女の子同士だったし、夢の中だったけど。そもそも私たちお守りを開封してから始めたしね」
 
私と政子が一緒に寝る時にいつもお守り代わりに枕元に置いている避妊具を開封したのはこの時が初めてで、後は私の去勢手術の前日に唯一度男女としてのセックスをした時(開封はしたが装着してない。政子は後で、装着なんかしてたら縮むかも知れないと思ったし生の方が感度が良く逝きやすいと思ったからと言っていた)、性転換後10月3日のハプニング・セックスの時、そして私たちが最終的に愛を確かめ合った11月14日の夜、の合計4回である。
 
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「でも、あれって、本当に夢の中だったのかな・・・夢の中で食べたと思ってたおやつ、実際に食べてしまってたみたいだし。実は、夢を見ながら現実でも結合してたりしないんだろうか」と私。
 
「別に結合しちゃってたとしても、私全然構わないけどね。私たち体ではしてなくても心ではとっくに結合してたと思うよ。むしろ肉体的にも結合することは自然なことだったと思う」と政子。
 
「私たち恋人になっちゃったのかな?」と私。
 
「うーん。。。それは気持ちの持ちようだと思うな。恋人かどうかというのは別にセックスしたかどうかで決めるべきものではないと思う。お互いがお互いをどう位置づけているかでしょ? 私はセックスしない恋人があってもいいと思うし、友だちだけどセックスするってのもありだと思う」と政子。
 
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「じゃ、私たち友だちででも居続けられるの?」
「冬は私を恋人にしたい?友だちでいたい?」
「もうしばらくは友だちでいたい」
「へへへ。実は私も今の所まだ友だちでいたい。とっても仲の良い友だち」
「うん。私とマーサって、とっても仲がいいよね」
「うん」
 
「ああ、でも・・・」
「ん?」
「コトには絶対信じてもらえないよね。マーサのお母ちゃんにも」
「たぶんね。私そもそも冬と外泊するってお母ちゃんに電話して言ったから、今日こそとうとうやったと思われてるよ」
「たしかに」
 
私達は車の中で笑った。政子が私の頬にキスをした。
 
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■夏の日の想い出・新入生の春(4)

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