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■夏の日の想い出・生存競争の日々(8)

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それから一週間、私は麻布先生のスタジオの一室に籠もり、ゴーストライターとして頼まれた3曲を書き上げた。ローズ+リリーの曲の大半は政子、KARIONの曲の大半は和泉が歌詞を書いているのだが、この3曲は全部自分で歌詞を書く。そして依頼されたように、各々Elise風の歌詞、八雲春朗さん風の歌詞、風間絵美さん風の歌詞を書き、Londa風の曲、東郷誠一(山村星歌や川崎ゆりこ向け)風の曲、上野美由貴風の曲を付ける。
 
これって結構楽しい!
 
ここを自分ならこうする、という気持ちを抑えて、ここがLondaならこうするよなという感じにまとめてみる。
 
編曲は誰かにさせるからメロディとギターコードだけあればいいということだったので、そのようにまとめたが、結局各々2日かかった。それで雨宮一派の管理人である新島さんに送り、もしよろしかったら添削料を払うから添削してもらえないかと言った所、結構な量の赤ペンを入れて返してくれた。それを元に私はまた2日かけてその3曲を全面的に修正。5月30日の夕方、再送信した。
 
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さすがに疲れたなと思い、都内のレストランで少し「放電」しながら軽食を取っていたら、電話が掛かってくる。見ると町添部長である。いったん店外に出て電話を取ったら、何やらひじょうに厳しい声で
 
「ケイちゃん、今すぐ**区の**弁護士事務所に来て」
と言う。
 
弁護士事務所への呼び出しというのは異例なので、いったい何だ?と思って食事は結局残したまま精算してそちらに向かった。
 

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弁護士事務所に入っていくと、いきなり事務所の人に
 
「これにおしっこを取ってきて下さい」
と言って、紙コップを渡される!?
 
何なんだ!?と思いトイレでおしっこを取ってきて事務所の人に渡す。
 
そしてそのまま30分ほど待たされる。
 
「陰性でした。こちらへどうぞ」
と言われて案内されていくと、そこには★★レコードの松前社長、町添部長、加藤課長、氷川さん、UTPの大宮副社長、○○プロの丸花社長・浦中部長、津田アキ先生、∂∂レコードの大倉社長、∞∞プロの鈴木社長といった面々が並んでおり、政子が心細そうな顔で座っていた。
 
「冬〜、さびしかったよぉ」
と政子が言っている。
 
「一体何事ですか?」
と私は尋ねた。
 
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松前さんと大倉さんが顔を見合わせた。そして氷川さんに目配せする。
 
「マリさん。ちょっと出ていましょう。難しい話になるので」
と言って、氷川さんが政子を部屋の外に連れ出してくれた。
 
それで∂∂レコードの大倉さんが切り出す。
 
「今日の午後、うちの倫理調査班が芹菜リセのマンションに踏み込みまして」
 
私は緊張した。
 
「バッグの中に隠し持っていた違法薬物メチレンジオキシメタンフェタミンの錠剤シートを発見しました」
 
要するにMDMA、エクスタシーのことだ。先日彼女がレストランでバッグの中に(わざと)残していったものと同じ物であろう。
 
「自分は知らないと主張するので、知らないなら検査を受けてもらってもいいですよね?と言って尿検査と毛髪検査をしたところ、尿検査は陰性だったのですが、毛髪の方は陽性でした。つまり常用はしていないものの、結構な頻度で使用していたことが想像できます」
 
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その後を引き取って鈴木社長が言う。
 
「彼女には2年間の謹慎・社会奉仕運動か、このまま引退かを選びなさいと私が通告した。そしてここでなおも自分は知らないと主張するつもりなら警察に通報すると」
 
業界随一のわがままな芹菜にこんなことを通告できるのは鈴木さんくらいだろう。
 
「彼女は2年間の謹慎を選ぶと言った。彼女は向こう2年間、一切の芸能活動をさせない。音楽とは無関係の奉仕活動をさせる。お姉さんの保坂早穂さんと彼女に楽曲を提供してきた蔵田孝治君が彼女の保証人になりたいと申し出たので受け入れた」
 
私は蔵田さんが芹菜リセのために書いた曲のとりまとめをいったいこれまで何曲したろうと思い起こしていた。私にとってもこういう結果は残念というよりも悔しい。
 
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「私たちは彼女に薬物の入手経路を尋ねた。するとそのバッグは先日一時的にケイに預けていた。ケイから返してもらった時に錠剤が入っていたと主張した」
 
「それは全く逆です」
と私は言い、先日のレストランでの出来事を説明した。
 
「うん。どうも警察も芹菜については数ヶ月前から内偵している雰囲気があったんだよ。それで警察の手入れが入る前に僕たちが動くことにした」
 
などと丸花さんが言っている。丸花さんは警察関係に深い人脈を持っている。警察から情報漏れが起きているのではと私は想像した。
 
「じゃ、そのレストランでの出来事については醍醐君に話を聞けばハッキリするかね?」
 
「はい。ただ彼女は今ユニバーシアード日本代表に選ばれて今日まで合宿しているはずです」
と私は言う。
 
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そこで私が千里にメールを送った。メールの内容は私と直接関わりの無い大倉さんが確認する。千里からは30分後に返信があり「今合宿が終わったのでそちらにタクシーで急行する」ということであった。千里は15分後にやってきた。そして、正直に先日の件を話してくれた。
 
「危なかったな」
という声が上がる・
 
「それ錠剤が見付かっていたら、マジでケイ君も一緒に逮捕されていたな」
 
と松前さんが脱力するように言う。
 
「実は、去年の秋に****が薬物で逮捕されたでしょ?」
と丸花さんが言う。
 
「ええ」
「****は無期限謹慎に追い込まれた。彼女の場合実際尿検査が陽性だったので言い訳のしようも無かったのだけど、彼女が事務所の社長にだけ語ってくれたが、自分は芹菜リセにハメられたということだったんだよ」
 
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「うーん・・・・」
 
彼女は中堅歌手で、セールスはそうでもないものの実力は高く評価されていた。いわば芹菜リセのライバルに成長する可能性のある歌手だった。それを事前に潰したのだろう。しかしそれを警察には言わずに事務所の社長にだけ言ったというのはここで恩を売っておいて自らの復帰の礎にしたい打算がありそうだと私は思った。
 
「その頃からうちでは密かに彼女の周囲を調べていたのだよ。先日不酸卑惨の発言に対して、彼女、異様に激しい怒りを見せたでしょう。僕はこの子、薬の影響で感情が不安定になっているのではと疑ったんだ。それで元警察官の調査スタッフを数人投入して、彼女の家から出たゴミなども毎回チェックした。それで怪しい錠剤シートのカラを見付けたので、踏み込んだんだ」
 
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そのシートって本当は千里が悪戯で放り込んだラムネのタブレットなのではと私はいぶかった。しかし結果的に本物が見付かったのであれば、やはり警察の手が入る前で良かったというべきなのだろう。
 

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「しかしケイちゃんの件がそれで、逆に芹菜から嵌められようとしていたのであれば、実際彼女の薬物入手ルートはどこなんでしょうね?」
 
と丸花さんは言ったが、鈴木さんが言う。
 
「いや。まさかとは思ったケイちゃんの線が消えたのなら、あとはこちらで吐かせてみせますよ」
と言って鈴木社長はどこかに電話を掛けていた。
 
「まあ歌手としての能力を失いたくないなら、少々のことがあってもしゃべる方を選択するでしょう」
 
などと言っている。
 
何だか怖いよぉ!!
 
「じゃそのルートも判明したら僕が潰すから」
と丸花さん。
 
こちらも怖い!!
 
「表の世界のものは表にちゃんと戻し、裏世界のものは闇に消えてもらおう」
 
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と浦中さんも言っている。私はもうこのあたりの話は聞かなかったことにすることにした。
 

話し合いが終わったのはもう0時すぎであった。私は別室でおしゃべりしていた政子と氷川さん、そして今回の大恩人となった千里と一緒に恵比寿のマンションに戻った。
 
「今日はほんとにお疲れ様でした。私はケイちゃんがそんな馬鹿なものに手を出す訳がないと信じていたけどね」
と氷川さんは言う。
 
彼女もケイ担当者ということで尿検査・毛髪検査を受けさせられたらしい。
 
「芹菜リセさん、どうかなるの?」
と心配そうに政子は訊く。
 
「2年間の謹慎。社会奉仕活動」
と私が言うと
 
「可哀想」
と政子は言う。
 
「おやつ食べに行ったりするのに誘ってもいいかな」
などと言っている。
 
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私は氷川さんをチラッとみたが、笑顔だ。
 
「いいと思うよ。マリちゃんとおやつ食べていたら、彼女もしっかり自分を鍛え直すつもりになるだろうし。2年後、手強い歌手になって戻ってくるかもね」
 
「じゃ励ましに行こう」
と政子が言うので、私たちは微笑んで頷いた。
 
「ケイ、私も鍛え直すね」
と政子が言う。
 
「何を?」
と私が訊くと
 
「いや、実はリーフをちょっとぶつけちゃって」
「ん?」
「左のヘッドライト壊しちゃった」
「うーん・・・・」
 
「運転練習しなおすから勘弁して」
などと政子は言っている。
 
「これ上司に報告したら、マリさんから免許証取り上げて来いと言われるので、私今日は何も聞かなかったことにしますね」
 
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と氷川さんは言っている。彼女も今日は疲れているようなので、許容的になっているのだろう。
 
「私よく分からないから、修理に出すの、冬、やってくれない」
と政子。
「ヘッドライトの交換くらいなら麻央ができると思うから連絡しておくよ」
と私は答えた。
 
麻央に頼むという話で政子はどうもホッとしたようである。大袈裟なことになるとやばいなと思っていたのだろう。それでこんな発言も出てくる。
 
「アクアもちょっと鍛えたいよね」
「ん?歌の練習?」
「あの子、歌はうまいから、女の子っぽく行動できるような練習。可愛いスカート穿かせて」
「いや。それは要らない」
 
「でも私も今回のユニバーシアード日本代表合宿に参加して、また自分を鍛え直さなきゃと思ったよ」
と千里は言っている。
 
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「下位の大会では枠が多いものもあるけどバスケのベンチ枠は基本的に12人。コートに立てるのは5人。みんなその枠を取るために必死に日々練習してる。私、大学・大学院の6年間で、そういう気持ちを忘れてしまっていた。私が練習に出るのも出ないのも自由という、のんびりしたクラブチームで時間を過ごしていた間に、他の子たちはバスケ漬けの日々で自分を鍛え上げていた。私は過去に何度もスリーポイント女王取っているし、自分は実力があると勝手に思い込んでいた。今回いったん落とされてから怪我した伊香さんの代わりに緊急招集されてベンチ枠の重みというのを再認識した」
と千里。
 
彼女のことだ。きっと仕事をサボってもたくさん練習するのだろう。
 
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「音楽業界は定員こそ決まってないけど、市場に対する適正なアーティスト人数というのはあるよね。だから強力なライバルが出てきたら叩きたいと思うのは自然なこと。モーツァルトほどの天才でもライバルのサリエリから随分と嫌がらせを受けている」
と私。
 
「だけど、他人を蹴落として結果的に自分を守るんじゃなくて、自分を高めて勝つべきだよね」
と政子が、とってもまともなことを言う。
 
「バスケの場合、みんながライバルではあるけど、そのライバル同士が協力し合わないと試合には勝てないんだよ。その二律背反ってのはおそらくバスケだけじゃなくて全てのスポーツ選手が感じていることだよね」
と千里。
 
「バンドなどでもメンバー間の感情ってそうなりがちですよね。一緒にやるから商業価値が出るけど、できたら自分がこのバンドの中心でありたいと思ってしまう」
と氷川さん。
 
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「それでもやはり潜在的に爆薬を抱えているようなものだから、どうしても爆発して分裂するバンドは多い」
「漫才とかでもステージをいったん降りたら口も聞かないなんてペアはいますよね」
「うん。でも別れたら金にならない」
「バンドの分裂ではよく路線の違いとか、音楽性の違いとか言うけど、むしろお山の大将争いであることが多い」
 
「でもそういうライバル心が良い方向に働けば、ほんとに良い音楽が作られていくんです」
と私は言う。
 
「冬が今回私の代わりに書いてくれた曲を見て、すげー、さすが冬だと思ったよ」
と千里は言っている。
 
「新島さんからかなり添削された」
と私は答える。
 
「いや、それは良くできすぎたのをデチューンしたんだと思う。冬ってそもそもの才能が違うもん」
 
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などと千里は私を褒めるが、私は彼女がお世辞などを言う人ではないことを知っている。本気で褒めてくれているのだろう。
 
「私ってセンスも無いし音楽理論も学んでなくて、素人のまま適当に曲書いているからさ。やはりもっともっと勉強しなきゃと思ったよ。私にとってはケイという作曲家は雲の上の人だなと思い知らされた」
と千里。
 
「うん。それなんだけど、みんなが褒めるから、私は自分を見直すきっかけになった。だってケイとか水沢歌月とかの名前で曲を出せばみんなが評価してくれる。匿名で書く場合は純粋に作品が全て。私は自分のネームバリューにあぐらをかいていないかと。再度自分を切磋琢磨していかなきゃと思った」
と私。
 
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「そういうことを考えていける人はまだまだ伸びると思いますよ」
と氷川さんは言った。
 
 
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■夏の日の想い出・生存競争の日々(8)

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