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■夏の日の想い出・夏のセイテン(1)

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(C)Eriko Kawaguchi 2014-12-06

 
「じゃ行ってくるね」
「うん。頑張ってね」
という友人の声に送られて、彼女は手術室に運ばれていった。冷たい手術着が気持ちを少し緊張させる。まあ、死なないよね? でも死んでも本望だなあ。ただ死んだ時「○○居士」みたいな戒名は付けられたくない。お葬式は無宗教でやって欲しいな。
 
そんなことを考えている内手術室に到着し、そこで看護婦さんが髪をまとめてくれた。やがて中に入る。ストレッチャーから手術台に移される。
 
「では今から手術をします。よろしいですか?元には戻せませんよ」
という医師の声に
 
「はい。お願いします」
と答える。
 
それで医師は麻酔を打ち、手術は始まった。
 
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2014年7月1日、ローズクォーツの『Rose Quarts Plays Sex Change−性転換ノススメ』
などというとんでもないアルバムがリリースされたが、その楽曲のアレンジを一手に引き受けてくれた、下川工房のヒナさんが中旬、性転換手術を受けたという話を下川さんから聞いて、私はちょうど時間も取れたこともあり病院にお見舞いに訪れた。
 
「済みません。お忙しいのにお見舞いとか来て頂いて恐縮です」
と答える彼女は顔色も良く、元気そうであった。
 
「あの楽曲をアレンジして、もう自分は男のままでいることはできないと思っちゃったんですよ。それで取り敢えず去勢だけでもしようと思ったのですが、アルバムの初動が凄かったので、バックマージンで取り敢えず100万円あげるよと社長(下川先生)から言われたので、そのお金で払うということにして、全部手術しちゃいました」
とヒナさんは語る。
 
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「もしもらえなかったら大変だね」
と言って付き添っている友人の女性が言っている。
 
「その時は、春を売ってでも」
などとヒナさんが言うので
「その時は私が貸してあげるよ」
と私は言っておいた。
 
「わあ、ありがとうございます。そうならないことを祈ろう」
 
「でも世間ではこのアルバムが売れたらタカが性転換するんだよ、なんて随分言われましたけど、アレンジャーが性転換第1号になっちゃいましたね」
と友人女性。
 
「でもよくすぐ手術してもらえましたね」
「ちょうどキャンセルがあったらしくて。私、去勢手術受けるために女性ホルモンの服用を停めていたから。条件に合うのが私しか居なかったらしいんですよ」
 
性転換手術を受けるためには1年以上継続して女性ホルモンの投与を受けていることが求められる一方で血栓防止のために1ヶ月前からその服用を停止していることが必要である。
 
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「でもタカさんも落ち着いたら手術するんでしょ? こんなに売れちゃうと、しばらくはあっちこっち引っ張りだこになって、手術を受けるための休暇が取れないだろうけど」
 
「それ世間では誤解されているみたいですけど、彼は性転換する意志は全く無いですから」
と私は言う。
 
「えーー!? てっきり本人も女の子になりたいんだと思ってた」
「周囲に随分唆す人もいるみたいですけど、本人は別にGID(性同一性障害)じゃないんですよ」
「じゃ、ただの女装趣味?」
「いや。単に乗せられて仕事上女装しているだけで」
「信じられない。すごくきれいになってて不自然さが無いから、元から女装していたんだと思ってた」
 
などと私たちは会話をしていた。その件では数日前にもタカの婚約者の麗(うらら)さんのグチを聞いてあげたところである。
 
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「そうだ、薫。何か飲み物でも買ってきてくれない?」
とヒナさんが言う。
 
「あ、お構いなく」
と私は言ったのだが、薫と呼ばれた友人の女性は部屋を出て行くと缶コーヒーを3本買ってきて1本私に渡してくれた。
 
「ケイさんはブラックコーヒーしか飲まないと聞いたことがあった気がしたので」
「ありがとうございます。よくご存じですね」
 
薫さんはやはりブラックコーヒーを自分でも1本開けて飲むが、もう1本はヒナさんにだと思ったのに渡す気配が無い。私の視線に気づいたのか薫さんが言う。
 
「あ、ヒナはお医者さんの指示でコーヒーとかしばらく禁止なんですよ」
「ああ、そうでしたか」
「ひたすら水を飲んでます。身体を回復させるのに水分は必要みたいなので」
「じゃ、もう1本は?」
「さっき来るって連絡のあった人がいたので」
「なるほど」
 
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などと言っていた時、部屋に入ってくる女性が居る。
 
「こんちわー。ヒナさん生きてる?」
と声を掛けた女性を見て、私は目をぱちくりさせる。
 
「和泉?」
「あ、冬も来てた?」
 
それはKARIONの和泉であった。
 
「知り合い?」
「うん。中学の時の先輩なんだよ」
「知らなかった!」
 

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ヒナさんは中学の頃は、いつも学生服を着ていたし、性的な傾向に気づく人も少なかったらしいが《女声での歌唱》をコーラス部で一緒だった和泉たち数人の親しい人にだけ聞かせてくれていたらしい。
 
「ヒナさん、高校時代は学校には学生服で通っていても、けっこう女子制服で出歩いていたよね」
と和泉が言う。
 
「うん。私、ケイさんとか薫みたいに学校にも女子制服で行くまでの勇気は無かったから」
とヒナさん。
 
「いや、私も学校の外でしか女子制服は着てないんだけど。って、薫さんもまさか?」
 
「ええ。私もMTFですよ」
「全然気づかなかった!」
 
「薫は高校2年の秋から女子制服に切り替えちゃったんですよね」
「すごーい」
「去勢しちゃったから。それでタマが無いのであれば女子生徒ということでもいいって、学校側が言ってくれたんですよ。だから生徒手帳も性別・女にしてもらった」
「理解のある学校だったんですね」
 
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「いや通っていた学校は難色を示したので、別の受け入れてくれる学校に転校したんですけどね」
「凄い!偉い!」
 
「でもそれでお父さんと大げんかしたんでしょ?」
「喧嘩というか殺されそうになった」
「ああ、そういう話はよく聞く」
 
と言って、私は友人の千里が性転換手術を受けると言ったら父親から日本刀で斬られそうになったという話を思い起こしていた。
 
「それで私は祖母の家に転がり込んで、そこから通学したんですけどね」
 
「でもそれだけの行動力があるのは偉いです」
と私は言う。
 

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「でもこのメンツなら2012年春のKARIONツアーの話もできるね」
と和泉が言う。
 
「あ、そうか。元々和泉がヒナさん知ってたから、あのツアーでヒナさんにダミーのキーボード奏者をお願いしたのか」
と私は今更ながらそのことに気付いて言う。
 
「何があったの?」
と薫が訊くが、私は少しためらう。
 
「薫なら大丈夫ですよ。口が硬いですから」
とヒナが言うし、和泉は笑顔で頷いているので、私はそのことを説明した。
 
「KARIONツアーって、大抵私はキーボード奏者あるいはヴァイオリン奏者として参加して、かなりの曲で歌唱にも参加しているのですが、私は実際にはセットの裏とか、どこか見えない所で弾いていて、代りにダミーのキーボード奏者にステージに立ってもらっていたんですよ」
 
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「ああ、そのダミーをヒナちゃんがしたのか」
「そうそう。2012年春に沖縄を皮切りに全国10ヶ所」
「その初日が、例のローズ+リリーの復活ライブだったんだよね」
 
「ああ。あのライブの時ですか!」
と薫は驚いたように言った。
 
ヒナさんは言う。
「あの当時、私は指を怪我していて、半年くらいピアノとかが弾けない状態にあったんだよ。大学も半年休学して。バイトでしていた音楽教室のデモンストレーターの仕事もできないから、お金に困っていたら、ちょうど和泉からダミー奏者の仕事をしないかと言われたんだよね」
 
「怪我していて実際には弾けなくても、本当のキーボード奏者であれば、それっぽく見えるよね?」
「そうなんですよ。キーボード弾かない知人とかを立たせておくと、キーボード奏者のオーラが無いから、音楽に詳しい人にはバレちゃうと思うんですよね。だから、毎回ダミーは本当にキーボードを弾ける人にお願いしていたんです」
 
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「とにかくステージ上のキーボードの前に立って、指を動かしていればいいから怪我した指をかばって、他の指だけで弾いてても、それっぽく様になるんだよね。結構なギャラをもらったから、あれは凄く助かったし、その後、下川コーポレーションを紹介してもらって、アレンジャー見習いということで取り敢えず入ってそれで学費をまかなえるようになったから。あれは私にとっても大きな転機だったのよね」
 
とヒナは言う。
 
「更には凄いヒーリングの達人をケイさんに紹介してもらって。正直怪我自体が治っても、前のように弾けるようになるか不安だったんですけど、あのヒーリングのおかげで、私、ほんとに機能回復して、前以上に弾けるようになったのよ」
 
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「それは凄いなあ」
と薫は本当に感心したように言う。
 
「私もヒーリングしてもらったら改善するかなあ」
と薫が言うので、私は
「どこか悪いの?」
と尋ねる。
 
「私、バスケット選手なんですけどね。一応協会の方からは女子選手として認定してもらって、それで女子のクラブチームで活動しているんですけど、やはり男性時代ほど身体が動かないんですよね。それは性転換して男性時代の筋肉とか落ちたから仕方ないよ、と友人は言うんですけど、筋肉は確かに落ちてるけど、それだけじゃない気がしているんですよ。自分で自己暗示に掛かっている気がして」
 
「要するに自分は女の子なんだから、男の子みたいに身体が動く訳ないと自分に暗示を掛けてしまっている部分があるのではないか、ということかな?」
 
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「そうなんです。女の子らしくしなきゃという気持ちが暴走して、男性時代は使えていた色々なものにロックを掛けてしまっているのではないかという気がして。今の自分の動きの悪さって筋肉が落ちたせいだけじゃない気がするんです」
 
「それはあるかも知れないね。あの子はそういう心のヒーリングも得意だよ」
「じゃ、もし良かったら1度紹介してもらえたりしませんよね?」
「うーん。それが悪いけど、あの子、高校在学中はできるだけ仕事をしないということにしているので」
「高校生なんですか!?」
と薫は驚いている。
 
「性転換女子高校生なんだよね」
とヒナが言うと
「うっそー!?」
と更に驚いた様子。
 
「でも私も高校時代、同学年に高校生で性転換して女の子になっちゃった子がいたもんなあ」
と薫は言う。
 
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「結構いるんだね!そういう子」
「その子は、中学生の内に去勢していたらしくて。高校生の内にもう女子選手として認められて、大会にも女子として出ていたんですよ」
「それは凄い」
「あ、その子もバスケット選手?」
「そうそう。私は彼女に性別のことでも、バスケの面でもライバル心持っていた」
 
「なんかあんたたちの会話聞いていると、性転換女子高生って、ごく普通にいるような気がしてきた」
と和泉が言う。
 
「いや、たぶん例のヒーラーさんにしても、薫の同学年の子にしても、ケイさんにしても、高校生で性転換ってのは、凄く稀な例だと思いますよ」
とヒナ。
 
「いや、私は高校生では性転換してないんだけど」
と私が言うと
「そろそろ、そういう嘘はやめときなよ」
と和泉から言われる。
 
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