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■夏の日の想い出・6年間のツケ(3)

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「元メンバーというと、南藤由梨奈ちゃんのバックバンド、もしかしてあのメンバーで固定になるんでしょうかね?」
とカノンが訊く。
 
「あり得る、あり得る」
と小風。
 
「鮎川ゆまが、唐突に南藤由梨奈のプロデュースしてと言われて、それで今回のゴールデンウィークのツアーも突然決まったから、ゆまが無理の言える昔の仲間に声を掛けて伴奏をさせたというのが実際の所なんだけどね」
と私は内情を説明する。
 
「あれ、私はLucky Blossomのメンバーの一部と把握していたんだけど、詳しい人に聞いてみると、Lucky Blossomを作る前のRed Blossomのメンツなのね」
と和泉。
 
「そうそう。あの4人でバンドしてたんだよ。もっとも最初は木管四重奏だったらしい」
「えーー!?」
「フルート、クラリネット、バスクラリネット、サクソフォン。でもそのうちポップス系も演奏するようになってギターとかベースとかも持って、リズム感のいい咲子さんがドラムスやって」
「ほほぉ」
 
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「鮎川さんはこの2年ほどサックス教室の先生やってたみたいだけど他の人は何してたんだろう?」
 
「咲子さんは何もせずに新潟の実家に帰ってぼーっとして過ごしてたらしいですよ」
「ああ、燃え尽きた後ってそうなりがち」
「今回のツアーでは空いた日は鮎川さんちに泊まり込んでたらしい」
「なるほどー」
 
「貝田さんはスーパーの店員をしてたみたいですね。今回の話あった時に後先考えずに辞めちゃったとか」
「潔い」
 
「鈴木さんはLucky Blossom解散後陸上自衛隊に入ってたらしい」
「それはまた凄いというか」
「2年間の任期が終わって退職して、さて次は何しようかと思ってた所にちょうどこの話があったらしいですね」
 
「おお」
「ということは3人ともすぐミュージシャンとして稼働できるんだ?」
「2年間の休養でみんな精神力は回復させてるみたいですよ」
「ただお給料は大したことないでしょうけどね」
「うん。バックバンドだから、Lucky Blossomが売れてた時ほどの収入にはならないだろうけどね」
「若い内はそれでも楽しいですからね」
 
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「リーフちゃんは今日2度目のローズ+リリー公演への出演を果たしましたね」
「歓声が飛んでたけど、堂々と演奏してた」
「彼女あがったりしないみたいですね」
「櫛紀香さんも堂々としてた」
「まあ僕は鈍感だから」
 
「リーフさん、音楽のプロになるのかなあ?」
「彼女、アナウンサー志望らしいですよ」
「じゃアナウンサー兼アーティストで」
 
「アナウンサーって兼業できるんでしたっけ?」
「普通ダメでしょ」
「契約の形態にもよるかも」
「フリーアナウンサーで番組単位で契約するとかなら、その番組に影響が出ない限りは何してもいいでしょうね」
 

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「『女神の丘』の背景に流れてたビデオでは巫女さんのコスプレしてましたね。何かすごくハマってた」
「まあ、あれは本職だから」
 
「あ、巫女さんのバイトとかしてるんですか?」
「いや。本職の巫女さん」
「へー!」
「あれはコスプレじゃなくて彼女の仕事着なんだよ」
 
「すごーい」
「どこかの神社にお勤めですか?」
「むしろ彼女が主宰者だね」
と政子。
 
「おぉ」
「教祖様に近いよね」
と和泉。
 
「宗教法人を設立するのも考えたみたいだけど、20歳以上でないと設立できないらしい。彼女はあれ、物心付くか付かない頃からしてるから」
「それは年季が入っている」
 
「彼女のひいおばあさんが凄い人だったらしい」
「でも幼稚園の頃にはそのひいおばあさんの仕事を実質代行してたらしいから」
 
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「それであの神社は彼女が設置した神社なんだよ」
「へー」
 
「そういや、あのビデオを見た友人が、ここの神様、神格が高いとか言ってた」
と小風が言う。
 
「ああ、本人も言ってた。凄い女神様だから、どこかにお祭りしてあげなければというので、場所を探して、あの場所を見つけたと」
 
「じゃ、ほんとにあそこ、いい場所なんですね」
「あそこに招き猫を置こうよ」
と唐突に美空が言う。
 
「招き猫?」
「なんとまあ唐突に」
 
「招き猫って、白い子?黒い子?」
「左手あげてる白い子と、右手あげてる黒い子がいい」
と政子。
 
「ほほお」
 
「あそこ狛犬ちゃんとか居ないから、その代わりに招き猫を置いてもいいかもね」
と美空。
「よし、その設置費用は私が出してあげよう」
と政子。
 
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「やはり常滑焼がいいよね」
「確か、氷川さんの親戚に常滑焼の窯元の人いましたよね?」
「ええ、まあ」
「その人、招き猫は作ってないんですか?」
「本人は皿とかだけど、招き猫作ってる知り合いはいると思いますよ」
「ではその人に頼んで」
 
「ちょっと君たち、本人抜きでそんな話進めていいの?」
と私は心配して言ったが
 
「奉納するんだから、いいよねー」
「うん。女神様だもん。可愛く祭ってあげなきゃ」
と美空と政子はすっかり乗り気である。
 

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「美空さんとマリさんって仲がいいんですね」
と櫛紀香が言ったら
 
「うん」
と本人たちも言っている。
 
「まあ食べ仲間だよ」
「そうそう」
「こないだは飲茶食べ放題に挑戦して、私は45個、まぁりんは60個だった」
「まぁりんになったんだ?」
 
「それって時間は?」
「1時間半」
「恐ろしい」
 
「あ、そうそう。冬、引っ越し先のマンション見つけたよ」
「おっと」
「金曜日にふたりで見て来た」
「恵比寿駅から歩いて8分。実測値」
と美空。
 
「なるほどー。恵比寿か」
「★★レコードまでGoogle Mapで測ると2kmくらいなんだよね」
「だったらゆっくり歩いても30分あれば着くかな」
「タクシーだと、うまくすると初乗り料金」
「自転車なら10分かも」
「そこ、恵比寿駅のどちら側? 明治通りより西?東?」
 
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「西とか東とかいうのはよく分からんな」
「駅から歩いて行った時、確か明治通りを越えたよ」
「ということは★★レコードに近い側かな」
「不動産屋さんは渋谷駅から歩いて15分ですよと言ってた」
「それは22-23分掛かるな」
 
「取り敢えず仮押さえだけしてるから、今度時間取れた時に一緒に来てよ」
 
「新築?中古?」
「中古だけど、築後まだ5年なんだよ」
「この不況で、ローン払いきれなくなる人、続出してるみたい」
 
「なるほどー。面積は?」
「何て言ってたっけ?」
「4LDK+2S, 42坪と言ってた」
「結構広いね」
 
「うん。部屋が多いから、私たちが遅くなった時に泊まるスペースも充分ある」
と美空。
 
「まあ。それはいいけど。でも、それ、お値段もかなりしない?」
と私は訊く。
 
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「本来は2億円だったらしい」
「ぶっ」
「金利2.5%で計算して、自己資金5000万円、40年ローンで毎月23万円、ボーナス加算160万円くらい」
と政子が大雑把な計算をする。
 
「どういう給料もらってる人が買うんだ?」
「いやローンで払える金額ではない気がする」
 
「でもそれが中古で1億7千万円」
「それでも高い!」
 
「いや、その場所でその広さなら、しますよ。むしろ安いかも」
とリノンが言う。
 
「おお、専門家」
と美空が言う。
 
「専門家?」
「ああ、リノンは###不動産に務めてるんですよ」
「あ、この物件も###不動産」
「おっ」
 
「ねー、美空さん、今度良かったらそこに私も連れてってください」
とリノン。
 
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「OKOK」
「ああ、専門家の目でチェックしてもらうのもいいね」
「同じ###不動産なら、それ仕事として出て来られるのでは?」
「どうでしょう。どっちみち聞いてみます」
 
「でも、梨乃ちゃん、他の人がいるからと言って『美空さん』なんて言わないで。敬語もやめて。気持ち悪い」
と美空。
「じゃ、いつものように、みーちゃんで」
 
「あれ?知り合いですか?」
と氷川さんが訊く。
 
「そそ。もう8年近い付き合い」
と美空。
「へー!」
 
「いや、みーちゃんの従姉が私やカノンの親友なんです」
「ああ!そうだったんだ?」
 
なるほど。それで親しそうにしてたのか、と私は納得した。氷川さんも頷いている。この業界は言葉遣いには厳しいが古い個人的な知り合いなら良いか、と容認してくれるということだろう。
 
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しかしほんとに近い内に引っ越しすることになるようだ。
 

「こんなこと聞いていいですか? よそでは言いませんから」
と櫛紀香さんが私に言う。
 
「ケイさんというか蘭子さん、KARIONとローズ+リリーを6年間並行してやってこられたわけでしょ? それなのになぜローズ+リリーとローズクォーツは掛け持ちできなかったんですかね?」
 
「うーん。私にも分からない。確かにローズクォーツが実質起動した2010年10月から、実質辞めた2011年7月までってのは、ローズ+リリーの活動もKARIONの活動もまともにできなかったんだよ」
 
「やはりローズクォーツを本当にしてたのはその期間だけだよね?」
「うん。8月以降は完全にローズ+リリーがメインになった」
と私。
 
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「ひとつはやはり体力の問題もあるんだけどね。10月から2月までは消耗品のアイドル歌手並みのハードスケジュールでドサ周りをやらされている。それで実は私を含めたローズクォーツ側と須藤さんとの信頼関係が壊れてしまったんですけどね。あの時代マリは休業して良かったですよ。マリがあのハードスケジュールで動いていたら、マリはもう復活不能でした」
 
「更に4月に私が性転換手術を受けたので、その後5月くらいまではまともに動けなかったんですよ。そして6月に1ヶ月で避難所300ヶ所を巡るツアーをやってますからね。これもとても他に何もする余裕が無かった」
 
少し考えていた風の氷川さんが言う。
 
「そのあたりの問題もあるけど、もっと大きいのは、やはり制作に関する負荷の問題だと思いますよ。ローズクォーツは演奏能力は高いけど、ケイさん以外にクリエイティブな作業のできる人が居ないんですよ」
 
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「ローズ+リリーの場合はマリちゃんが詩を書いて世界観を明確にしてくれる。マリ&ケイで書いた曲の中で、どれを自分たちで歌い、どれをどの人に提供するかというのをマリちゃんが全部決めちゃう。サウンドに関しても雨宮三森さん、松原珠妃さん、大守清志さん、立川ピアノさん、近藤七星さん、といった人たちが関わっているし録音とまとめに関しても、山鹿さん、麻布さん、にケイちゃんのお友だちの有咲さんといった人たちが関わっている。ケイちゃんの負荷は意外に小さいんです」
と氷川さん。
 
「他では言わないで欲しいんですが、実はサマーガールズ出版はプロダクション8社の連合体で運営されているから、色々な人が動けるんですよ。だからローズ+リリーの各CDの実質的なディレクターはクレジットはしてないけど、毎回色々な方にお願いしているんです」
と私は言った。
 
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「KARIONに関しては泉月の曲は半分くらいだし、こちらも和泉ちゃんが詩を書いて世界観を明確にする。和泉ちゃんは作詞だけのクレジットにしてるけど、実際には曲にも多少関わってますよね。編曲に関してはふたりの共同作業でしょ?」
と氷川さん。
 
「基本的には私がスコアを書いてから和泉に見てもらうんですけど、曲によっては結構和泉にほとんど投げていることもありますね」
と私。
 
「私がローズ+リリーの曲の編曲したこともあったね」
と和泉。
 
「うん。あれは助かった」
「そんなこともあったのか」
 
「サウンドの管理についても、ちょうどKARIONが初期の路線から方向転換した頃からずっと菊水さんにお願いしているので、だいたい安心してお任せしておけますね」
と和泉。
 
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「ローズクォーツの場合は、最近までまともな録音スタジオを使ってなかったからね」
「ケイが関わっていた時代は実質ケイがサウンドの管理までやってたから負荷が凄まじかったはず」
 
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夏の日の想い出・6年間のツケ(3)

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