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■夏の日の想い出・熱い1日(1)

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(C)Eriko Kawaguchi 2013-10-04  
2007年。私が高校1年の時。私は初期の頃、バーガーショップでバイトをする傍らしばしば小学校の時以来の友人・有咲がバイトをしている録音スタジオに出入りし、そこでアシスタントのようなことをしていた。そしてバーガーショップのバイトで一緒になった友人・和泉に誘われて夏から秋に掛けて、テレビ局で『歌う摩天楼』という番組のリハーサル歌手を務めていた。
 
私がバイトに行く時、4〜5月は学校の外でいったんカジュアルな服装に着替えてからバイト先に入っていたが、その内、自分の高校の女子制服の取り敢えず夏服を作ってしまったので、6月以降はそれを着ていき、10月からは更に自主的に作った冬服の女子制服を着て、出かけて行っていた。
 
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女子制服に着替えるのは高校の校内の面談室の空いてる部屋を使っていたので、6月以降、私は校内の一部の友人(奈緒・詩津紅)に、女子制服姿を曝している。また詩津紅とはよく放課後一緒に歌の練習をしていたが、6月以降はその練習も女子制服を着てしていた。
 
「冬ちゃん、先週より物凄く歌がレベルアップした気がするんだけど。それとピアノもすごーく上手になってる。何があったの?」
 
6月になって初めて女子制服姿を詩津紅にさらした日言われた。
 
「ああ。ボクって、度々中学の友人からも指摘されてたんだけど、女の子の服を着ると、歌とか楽器の演奏能力が上がるんだよね」
「へ?」
 
「男の子の服を着ている時は、女声では1オクターブ半くらいしか出ないんだけど、女の子の服を着ている時は2オクターブ半くらい出るんだよね〜。ピアノも同音連打が男の子の服着ている時は1秒間に5〜6回しか打てないけど、女の子の服を着ている時はこんな感じで」
 
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と実際同音連打をしてみせる。
 
「1秒間に12回くらい打てるんだよね」
 
「なんで〜!?」
 
「自分でもよく分からない。でも男の子の服を着ている時は、自分がそこに閉じ込められている感じですごく窮屈なんだけど、女の子の服を着ている時は自分が解放された感じで、どんどんエネルギーが湧いてくる感覚なんだよね。実はボク、ここの入試ギリギリで合格してるんだけどさ。中学の女子制服を着て受験したんだよね」
 
「えーー!?」
 
「男子制服着て受験していたら落ちてたと思う」
「つまり、頭の働きも変わるんだ?」
「うん」
 
「だったら、冬ちゃん、授業にも女子制服で出るべきだよ!」
「あはは、そう思う?」
 

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なお、この時期私がしていた芸能活動は、$$アーツ所属ドリームボーイズのバックダンサーのみである。ただし、この時期、前橋さんはドリームボーイズのマネージャーを外れて社長に昇格したばかりで、マネージャーは大島さんという若い人が担当していた。
 
前橋さんも私がこのダンスチームに参加した頃から熱心に私にデビューを勧めてくれていたのだが、この時期は社長業が忙しくて、そこまで気が回らない感じであった。
 
(この時期既にAYAのプロジェクトは始まっているが、まだ$$アーツは関わっていない。$$アーツがAYAと契約するのは、翌年のデビュー直前である)
 
また○○プロに関しては、この時期、親しかった前田さんが経営危機に陥った子会社の社長に就任していて、そちらの建て直しで忙しかったこともあり、一時的に○○プロとの関係が希薄になっていた(○○スクールからも一時退会していた)。
 
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そういう時期に、∴∴ミュージックに出入りしていた和泉から誘われたので、和泉と一緒にリハーサル歌手をやったのである。
 

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しかしこういう番組のリハーサル歌手なんてやっていると、まあ知っている歌手・アーティストの多いこと、多いこと。
 
「冬、あんた何やってんの?」
と松原珠妃(静花)に声を掛けられる。
 
「おはようございます、松原珠妃さん。今日はリハーサル歌手です」
と笑顔で答える。
 
和泉も大物歌手に声を掛けられて慌てて「おはようございます」と挨拶している。
 
「面白いことやってるねー。でも勉強になるでしょ?」
「はい、物凄く勉強になります。今日も松原さんの歌、鑑賞させてください」
「よしよし」
と静花は私の頭を撫でて、客席に座った。
 
「冬、松原珠妃さんと知り合い?」
「私の『元先生』」
「へ?」
「私が小学校2年の時に、私を見出して、歌手として育てあげてくれた人だよ」
「へー!」
「でも、珠妃さんがデビューする時、きっと私も数年後には歌手になるだろうから、これからは先生と生徒じゃない、ライバルだと言い合った」
「凄い!」
 
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「冬・・・歌手になるよね?」
「和泉も歌手になるよね?」
「うん」
 
私たちは見つめ合い、そして握手した。
 
その珠妃の1つ前が芹菜リセであった。が来ていない。 さっき別の歌手の代役を私が歌ったので、本来は和泉の番だ。でも私は和泉に「ごめん。これ歌わせて」と言う。和泉も頷いているので、ステージ裏に行く。
 
アーティストゲートから出て行き、司会者と台本通りのやりとりをする。客席をチラっと見ると、静花はこちらを睨むようにして見ている。Good!
 
「それでは歌って下さい」
と言われ、渡部賢一さんの指揮棒が振られ、オーケストラの演奏が始まる。歌い出す。
 
この時期、保坂早穂は29歳で、さすがに全盛期を過ぎかけていた。代わって当時のJ-POPの「歌姫」の座を争っていたのが、26歳の芹菜リセと、25歳の松浦紗雪であったが、これはある意味、蔵田さんと上島先生の代理戦争でもあった。ふたりとも物凄く質の高い歌を歌っていた。(松浦は上島先生の曲、芹菜は蔵田さんの曲)
 
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最高の歌姫が歌う超難曲を私は自分の声域をいっぱい使って歌い上げる。出演者やテレビ局のスタッフさんが、色々話しながら見ていたのが、私の歌を聞いていて、話を止め、静まりかえってしまった。そして静花は物凄く厳しい顔で私を見ていた。
 
超快感!
 
最後の音をブレス無しで6小節(24拍)更にフェルマータ付きで延ばして終曲。
 
思わずスタジオ全体から物凄い拍手が来た。静花は笑顔だ。その笑顔を私はとうとう、静花が私を自分の本当のライバルとして認めてくれたんだと感じた。
 
ステージから降りて和泉の所に戻ると
「冬、なんか気迫が籠もってた!」
と言って、感激したように拍手してくれた。
 

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松原珠妃が出て行く。
 
芹菜リセと同じくヨーコージ作詞作曲の『ゴツィック・ロリータ』を歌う。本番では恐らくゴスロリの衣装を着ると思うが、今はリハーサルなので普通の服である。ちなみにこの曲を作る時、蔵田さんから気分を出すためと言われて、私もゴスロリの服を着せられた。
 
珠妃はこの時20歳である。実力は高く評価されていても、まだ年齢的に歌は成長時期と多くの人が考えていた。しかしこの日珠妃は私の歌を聴いて無茶苦茶燃えていた。
 
最初から全開だ。リハーサルでこんなに燃えてどうする?というくらい力を込めて歌う。この場には芹菜リセも松浦紗雪も来ていない。しかし、今日の珠妃の歌を聴いた人の多くが、ここに、新たに「歌姫」の座に迫る実力者が居ることを認識したであろう。
 
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珠妃の歌は技術的に高いだけではない。情緒性が素晴らしい。しばしば歌手には情緒性はあるが技術自体は・・・・という人がいるが、彼女の歌はその両方を兼ね備えているのが凄い。物凄く力の入った。そして情感の籠もった歌であった。私はその歌を聴きながら、彼女にもっと迫るにはどうすればいいのかというのを考えていた。
 
ふと、私の顔を見た和泉がびくっとしたような顔をする。
「ん?」
私は顔を緩めて和泉を見る。
「冬、凄い怖い顔をしてた」
「ライバルだから」
 
「私ともライバルだよね?」
「私と和泉はデッドヒートをしているライバル。珠妃さんは私と和泉の数m先を行くランナー。デッドヒートしながら彼女を追い抜こうよ」
 
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「遠すぎる目標だ・・・・」
「でも追い抜きたいと思わない? 彼女が全盛期を過ぎる前までに」
「うん。。。。考えてみる」
 
和泉も厳しい顔をして、珠妃の歌を聴いていた。
 

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珠妃が歌い終わると、スタジオは割れんばかりの物凄い拍手で、ロックバンドの人が「ヒュー」という感じの歓声まで上げていた。
 
珠妃は私を見て「どうだ?」という感じの視線を投げた。私もしっかりその視線を受け止めた。
 
この日、珠妃は本番ではリハーサル以上に気合いが入っていて、翌週その放送がテレビに流れると、いったん落ち着き掛けていた『ゴツィック・ロリータ』のセールスが再び伸び始め、レコード会社は慌てて追加プレスをした。
 

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篠田その歌、原野妃登美、谷崎潤子、麻生まゆり、田代より子、秋風コスモス、浦和ミドリなどといった面々も番組にやってきては、私に手を振っていくので私は会釈で返していた。和泉が不思議そうな顔をして私を見ていた。
 
「秋風コスモスちゃん、知り合い?」
「私がバイトしてるスタジオで彼女音源製作したんだよ」
「なるほどー」
 
「谷崎潤子ちゃん、冬のこと認識してたね? 彼女も音源製作絡み?」
「そうだね。初期の彼女のCDの音源製作では私バックでヴァイオリン弾いてるから」
「何〜!?」
 
また彼女たちの歌を代理で歌う時は、私も手加減をして歌っていた。
 
ある時、指揮者の渡部賢一さんが休憩時間に私の所に来て言った。
 
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「洋子ちゃんだっけ? 君って、物凄く柔軟な歌い方をするね」
「ありがとうございます」
「上手な歌手の代理で歌う時は物凄く上手に、そこそこの歌手の歌を歌う時は少し抜いた感じで。音程とかは外さないけど」
 
「本人を食う訳にはいきませんから」
 
「優子(和泉)ちゃんも面白い。ロックはロック、演歌は演歌、R&BはR&B、アイドル歌謡はアイドル歌謡、それぞれ歌い方をガラリと変えて歌う。多分物凄い量の歌い込みをしてるね」
「ありがとうございます」
 
「そうそう。君たちふたりに僕は個人的に《千代紙》という名前を付けた」
「《千代紙》ですか?」
 
私たちは名付けの理由を聞きたい気分だったが、ディレクターさんが渡部さんを呼んだので、その話はそこまでになった。
 
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ある時はドリームボーイズがやってきた。
 
「こら、洋子、ダンスの衣装じゃないぞ」
と蔵田さんが言う。
 
「おはようございます、蔵田孝治さん。今日は私、番組のリハーサル歌手なんです」
「む? それでは徴用できんな」
などと言うので、ベースの大守さんが笑っていた。
 
彼らが席の方に行ったのを見て和泉が訊く。
「冬、ドリームボーイズとの関わりは?」
 
「私、ドリームボーイズのバックダンサーだから。もう4年くらいやってる。先月の横浜公演でもバックで踊ったよ。公式サイトとかには掲載は無いけど、ファンサイトとかに行くと、私の写真よく貼られてる」
 
「何〜〜!?」
 
ところがそろそろドリームボーイズの出番が近いという頃に携帯でしばらく話していた風の大島マネージャーと蔵田さんが何か話している。そして蔵田さんは、ちょうどアイドル歌手の代理で歌ったばかりの私の所に来て言った。
 
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「おい、リハーサル歌手」
「はい」
「お前、来てない奴の代理で出るのが仕事だよな」
「はい、そうです」
 
「樹梨菜が来てないんだよ」
「へ?」
「事故で電車が停まってて、今振替輸送で他のルートで駆けつけて来ている最中だけど、リハの出番に間に合わん。お前、代理で踊れ」
 
「えーー!?」
「今日の曲の間奏で入るアクロバット、お前か樹梨菜にしかできん」
「あぁぁ」
「踊るよな?」
「アイアイサー!」
 
そういう訳で、蔵田さんがディレクターにも話してくれたので私はその日は「リハーサルダンサー」まですることになった。充分な準備運動をし、手や足の関節もしっかり伸ばしてからステージに行く。常連の子たちとハイタッチしてから演奏し始めたドリームボーイズの後ろに走り込み、リーダーの位置に立ち、笑顔で踊る。
 
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二人組で踊る所も、何度も一緒に踊っているレイナちゃんと組んで、ピタリの動きをする。そして歌の間奏部分。私はドリームボーイズの前まで出て行くと横転・バク転などを組み合わせた体操並みのアクションをし、最後は助走を付けロンダートして後ろ向きになり、連続後転から空中抱え込み後方2回転の大技を決めた。
 
思わず上がる歓声に続いて、蔵田さんの歌が始まる。
 
踊り終わってから私もさすがにちょっと昂揚した顔で和泉の所に戻る。
「冬、すごーい。体操選手になれる?」
「無理だよー。体操選手なら小学生でも、このくらい決める」
 
「でも凄い運動神経だね〜。冬って体育の成績良いでしょ?」
「体育の成績は小学1年の時以来、ひたすら1だよ。高校じゃDだと単位もらえないから、温情でCにしてくれている感じだけど」
 
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和泉は一瞬考えてから言った。
「それって、きっと冬が男子の体育に参加してるからだよね?」
「そうだねー。女子の方に参加してたらBくらいもらえてたかも。男子の意識の時と女子の意識の時で、運動能力が変わるの、自分でも感じるから」
 
「冬はやはりちゃんと申告して、女子の方に参加すべきだな」
「うん。友だちからよく言われる」
 

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■夏の日の想い出・熱い1日(1)

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