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■夏の日の想い出・小2編(3)

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さて、こういうシチュエーションで何か起きるというのは、デフォルトである。実際その日も私は何か変な予感がしつつ会場まで出かけて行った。
 
リナと帆華は来ていたが美佳が来ていない。やがてリハーサルが始まるのにまだ来ない。どうしたんだろう?連絡してみようかなどと言っていたら、美佳のお母さんから帆華のお母さんに電話が掛かってきた。
 
「あらぁ」
と帆華のお母さんが声を掛ける。
 
「美佳ちゃんが風邪引いちゃって、本人は行くと言っているらしいんだけど、ちょっと無理っぽいって」
 
途中で先生にも代わってもらう。
「熱は?」
「今39度あるんです」
「それは、こちらではなく病院に行ってください!」
と先生も言うので、美佳も出場を諦めたようである。先生が
「お大事に」
と言って電話を切る。
 
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さて、美佳が出ないとなると、帆華と踊るパートナーがいない!
 
「困ったわね。誰かあの踊り、踊れる子がいないか訊いてみる」
 
と言って、先生は何人か2年生から4年生くらいまでの子で『トロイメライ』
が踊れる子がいないか尋ねている。上の年齢の子なら踊れる子もいるようだが、この踊りは、ふたりの背丈があまり離れていると美しくないのである。
 
「小学生では誰も踊れないみたい。中学2年の**ちゃんと高校1年の**ちゃんは踊れるというけど、ふたりとも身長が160cm以上あるから、バランスが悪い。でも他に居なければ、**ちゃんに頼もうか?」
と先生が本当に困ったような顔でこちらに相談する。
 
その時、突然リナが言った。
「冬、踊れたりしない?」
 
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「あ、そういえば、あなたたち帆華ちゃんと美佳ちゃんのそばでふたりで踊ってたわね?」
「私が帆華のパート、冬が美佳のパートを踊ってたんだよね」
「うん。踊れる」
と私は答えた。
 
身体をほぐす準備運動をしてから、その場で帆華と組んで踊ってみる。
「すごーい、完璧!」
と先生。
 
「冬、そんなにたくさん練習していた風でもないのに、なんでこんなに踊れるのよ?」
と半分呆れたように帆華が言うが
「冬は他人の動作とかを真似するのが物凄く上手いのよ」
とリナが笑って言った。
 
「じゃ、唐本さん、お願いできる?」
「でも衣装が・・・」
「それはバレエ用品店の人に持って来てもらう。サイズ測らせて」
 
ということで、私のウェストとか着丈とか足のサイズとかを先生が測り、電話していた。お金は取り敢えず教室で立て替えておいてくれたが、後でチュチュとタイツは美佳のお母さんがお金を出し、アンダーショーツ、ボディファンデーション、バレエショーツはうちの母がお金を出すことで決着した。
 
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なお、ピアノ伴奏はリナがすることになり、リナは結局持って来たドレスを自分で着た。
 

衣装が来た所で楽屋に行って、帆華に着方を教えてもらいながら着替える。リナも当然付いてくる。アンダーショーツとボディファンデーションまで着たところでふたりに突っ込まれる。
 
「冬、あのさあ、お股が女の子みたいに平らなのはなぜ?」
「えー? だって、女の子のお股が膨らんでたら変じゃん」
「冬ちゃんって女の子なんだっけ?」
「少なくとも本人はそのつもりでいるみたいだけどね」
「そのつもりというか、本当に女の子なのでは?」
 
時間が無いのでふたりもあまり深くは追求しない。
 
ボディファンデーションの上に更にバレエショーツ、タイツを穿いて、その上にロマンティック・チュチュを着る。
 
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「おぉ、可愛いバレエ少女の出来上がりだ」とリナ。
「冬、物凄く可愛い。私が男なら恋人にしたいぞ」と帆華。
 
帆華も結構そのあたりのセクシャリティは怪しい部分があった。男嫌いというのは友人間でも有名だったが、実は女の子が好きなのでは?というのも、本人の居ない所でけっこう噂していた。
 
楽屋から戻ると母も「可愛い!」と言って、携帯で写真を撮っていた。この時の写真は後に母からコピーさせてもらったが、まだたぶん政子には見つかってないはず。
 
本当はリハーサルの時はリハーサル用の衣装を着て、本番だけ本番用衣装なのだが、そんなに2つも衣装を用意できないので、私だけ本番用の衣装でリハも踊った。リナのピアノが若干怪しかったが「本番ではちゃんと弾くから」と言っていた。いったん衣装を脱ぎ、ふつうの服装に戻ってお昼を食べてくる。
 
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帆華・リナ・私の3人とその母の6人で会場に隣り合うショッピングモールの食堂に行き、一緒に軽い食事を取った。本番前なのであまりたくさん食べるわけにはいかない。
 
「へー、帆華ちゃんは幼稚園の時からバレエしてるんですか」
「去年は6人くらいで群舞で踊ったんですけどね。今年は美佳ちゃんがいたから、ふたりで踊ってみる?ということになったんだけど」
「美佳ちゃんは小学校に入ってから始めて、まだ1年ちょっとなんだけど、元々運動神経がいいから、比較的早く上達してるみたい」
「あの子、体育の成績もいいもんね〜」
 
「冬ちゃん、これを機会にバレエ少し習ってみる? リハーサル見たら凄くセンスいいと思った」
と帆華のお母さん。
 
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「たぶんお父さんが許してくれないだろうから」と私。
「お前、エレクトーンも習いに行きたいって言ってたね」と母。
「うん。でもそんなもの習ってどうする?、なんてお父さんに言われたし」
 
「エレクトーンなら女の子の習い事としてはあまりお金掛からない方なんじゃないかと思うけど」
と帆華の母。
 
帆華の母は私のことを女の子と思い込んでいる感じだ。
 
「まあ女の子の習い事としては割と普通だよね」
とリナもわざと『女の子』という言葉を混ぜて言う。
 
「あ、でもずっと教室に通うんじゃなくて、短期間のレッスンくらいなら、お父さんの許可無くても受けられるんじゃない? このバレエ教室でも、夏休みの期間限定レッスンコースとかあるし、私の妹が行ってるエレクトーン教室でも、やはり短期集中コース開くってパンフレット持って来てたよ」
と帆華が言う。
 
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「へー、そのくらいならいいかもね」
と母も言った。
 

やがて本番になる。小学生・幼稚園生が前半に踊り、中高生・社会人が後半に踊るという形になっているようである。私と帆華は5番目の出番であった。始まってすぐに楽屋に行って衣装を着け、スタンバイする。
 
幼稚園生たちのお遊戯のような可愛い群舞、小学1年生なのに物凄く上手い子のソロ、それから小学1〜2年生5人の群舞の後、私たちの番だ。
 
ロマンティック・チュチュを着た私と帆華がふたりでステージに出て行き、続いてドレスを着て楽譜を持ったリナも出てきて、ピアノの所に座る。そしてシューマンの『子供の情景』より『トロイメライ』を演奏する。私たちはそれに合わせて踊る。
 
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同じ動きをする所、対称に踊る所、そして絡み合って踊る所があり、にわかペアには大変であったが、何とか無難にこなしていく。基本的に3年ちょっとの経験がある帆華のパートは難易度が高く、経験1年の美佳のパートは簡単にできているので、こちらも何とかなっている感じ。クライマックスで帆華がピルエットで3回転するところでは客席から拍手が来る。私も「わぁ、格好いいー」と思って見ながら踊っていた。
 
リナも今回はピアノを間違えずに弾きこなし、私たちは無事出番を終えた。帆華がリナを手招きして、3人でお辞儀して、ステージを降りた。母が「写真撮ったけど、お父ちゃんには内緒にして私だけの宝物にしよう」なんて言っていた。
 
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ところで私の母は5人姉妹で、全員祖母に指導されて民謡の名取りになっているのだが、母だけは私が物心つく前に挫折して民謡を辞めてしまっていた。しかし私に歌の才能があるようだと思った祖母の勧めで、小学1〜3年の間、私は月に1回くらい名古屋まで出て、風帆伯母(若山鶴風)の指導を受けていた。実際には風帆伯母のお弟子さんで、河口さんという人が私の発声などを指導してくれていた。
 
最初は母も付いてきていたが、母は「民謡の『み』の字を見るのも嫌だ」などと言って、お稽古の時は私を置いてどこかに出ていて、お稽古が終わったら電話連絡を受けて私を迎えに来ていた。そしてやがて「小学生だし電車くらい乗れるよね?」などと言って、そもそも付いてこなくなった!
 
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私の歌い方の基本は静花から習ったポップス系の歌い方なのだが、発声や息の使い方については、やはり民謡で鍛えられたものが大きい。
 
それで問題がこの民謡教室に行く時の服装なのであるが、1年生の頃は最初は結構男の子っぽい服を着せられていたものをなし崩し的に私は中性的な雰囲気に変えていった。
 
それで私が通い出した頃から教室に参加していた生徒さんたちは私のことを一応男の子と思っていたようであるが、途中から見ている人たちは私のことは女の子と思っていた雰囲気もある。直接指導してくれている河口さんなども
 
「冬ちゃんって、ちょっと見ると女の子かと思う雰囲気だよね〜」
などと言っていた。
 

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この教室では毎年7月初旬に「浴衣会」と称して、みんな浴衣を着て歌うというイベントをしていた。ピアノ教室などの発表会に相当するもので、普通の和服なら難しくて着られないという人でも、浴衣くらいは何とかなるから、みんなで着ようというのが趣旨である。
 
1年生の時は私は男児用の浴衣を着せられそうだったのを抵抗して、結局ふつうのポロシャツにショートパンツという格好で『炭坑節』を歌った。しかし2年生の時は『ちゃっきり節』の練習をしていたので、母に言った。
 
「ちゃっきり節って、茶摘み娘の歌だから、茶摘み娘っぽい衣装とか着ちゃダメ?」
 
母は微笑んで「そうだね。コスプレということでいいかな」と言って、わざわざ、子供サイズの茶摘み娘の衣装を静岡から取り寄せてくれた。(当時私は『コスプレ』というのはよく分かってなかった)
 
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この衣装を注文する時に横からパソコンの画面をのぞいていた姉が
「なんだか、男性用の茶摘み娘衣装ってのもあるけど?」
などと言う。
「うーん。まあ、そういうの着たい男の人もいるんじゃない?」
と母。
「お父ちゃんが茶摘み娘の衣装着たいって言ったらどうする?」
と姉。
「100mくらい離れておきたいかな」
 
「冬の場合はまだ小さいから、構わないよね」
「そうだね」
 

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それで私は小学2年生の時は、茶摘み娘の衣装で『ちゃっきり節』を歌ったのである。(その次に私が『ちゃっきり節』を歌ったのは3年後の小学5年生の時に飛び込み参加した民謡大会であった)
 
河口さんなどには
「冬ちゃん、女の子の衣装が似合いすぎる。いっそ女の子になっちゃう?」
などと言われて、記念写真を撮ってもらった。
 
その撮影データは母に渡され、母はそれを見て
 
「おお、可愛い、可愛い」
と何だか喜んでいた。姉も見て
 
「へー。充分女の子に見えるね。いっそおちんちん取っちゃって、冬子ちゃんとか名前も変えちゃう? なんかこの子宛ての郵便物、時々冬子様になってるしさ」
などと言っていた。
 
「ああ、本人が良ければそれもいいんじゃない? 冬子になっちゃう?」
と母が言ったので私はドキッとした。
 
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「でも、おちんちん取るのって病院の何科なんだろ?」と姉。
「さあ、私もおちんちんは取ったことないから分からないなあ」と母。
「産婦人科?」
「産婦人科は最初からおちんちんが無い人だけかもね」
 
「整形外科とかいうのは?」
「あれは骨折とかの治療だよ。おちんちんには骨無いから」
「へー、骨は無いんだ?」
「おちんちんに骨があって、おちんちん骨折したら大変かもね」
「おちんちんにギブス填めるのかしら?」
「おしっこする時、大変そう」
 
「耳鼻咽喉科とかは?」
「全然関係無い気がするよ」
 
私は母と姉が病院のことを話し合っているので、私は、おちんちんを本当に取りに病院につれて行かれるのかな? などと思いドキドキしながら聞いていたが、残念ながら病院には連れて行ってもらえなかった。
 
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なお、この時の茶摘み娘の写真データは母がディスクの隅に保存してくれていて、私が高校生の頃に「あ、こんなの出てきた」と言ってもらったが、これもまだ政子にはバレてないハズ。
 

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夏の日の想い出・小2編(3)

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