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■夏の日の想い出・花の女王(1)

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(C)Eriko Kawaguchi 2013-07-12
 
2013年5月10日。音源制作の予備日が思いがけず空いたので、私と政子は雨宮先生に誘われて、伊豆大島に行き、そこでお互いのヌード撮影をした。
 
その時、庭で政子のヌードを撮影していた時、風が吹いてきて、あじさいの花びらが多数政子の身体に付着した。政子は手で払おうとしたが「待って」
と雨宮先生が言い、その花びらの付着した姿を撮影した。私も撮影したが、それはとても美しい図であった。
 
「花の女王みたい」と思わず言った先生の言葉に反応して、政子は『花の女王』
という詩を書いた。私はそれに曲を付けて、8月に発売予定のシングルに入れることにした。このシングルの制作は、6月の下旬、08年組のジョイントライブが終わった後、山鹿さんのスタジオを使って行った。
 
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ここしばらくローズ+リリーのシングルの録音は★★レコードの系列のスタジオで行っていたのだが、この時期、たまたま私たちのお気に入りの青龍や鳳凰の部屋がふさがっていたこともあり、旧知の山鹿さんのスタジオを使うことにしたのである。ここでローズ+リリーの音源制作をしたのは、考えてみたら2011年夏の『夏の日の想い出』以来2年ぶりであった。
 
「いいの? ここは高いよ。★★スタジオなら安く使えるんじゃない?スタッフも優秀だし」
「山鹿さんを信頼してますから」
「冬ちゃんも口がうまいなあ」
 
などと言って笑っている。山鹿さんも、KARIONの音源制作でお世話になっている菊水さんも、麻布先生同様、私が高校1年の時からの付き合いである。
 
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今回のシングルに入れる曲は5曲である。表題曲にする『花の女王』、2011年7月に青葉の家族の葬儀の時、青葉のお師匠さんと出会った時に発想した『200年の夢』、2012年9月に松山君と一緒に天河弁天を訪れた時に政子が発想した曲『森の処女』、先日私が正望とのデートの時に思いついた曲『王女の黄昏』、そして上島先生から頂いた『青いブガッティ』である。
 
『花の女王』はヴァイオリンの三重奏をフィーチャーしている。『Flower Garden』
にも参加してもらった松村さんにまたお願いして、私と松村さんと鷹野さんの3人で弾いた。これに七星さんのフルート、私のクラリネットを加えている。
 
「『花園の君』のヴァイオリンが凄いと思ったけど、今回のヴァイオリンはまた別の美しさがあるね」
と近藤さんが言った。
「比較的実力が近い3人で弾いてるからだと思う」
と七星さん。
 
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「これライブの時はどうするの?」
「松村さんにはこの夏のツアー、全部お願いしてます」
「台湾も?」
「お願いされちゃったから、パスポート作りましたよ〜」
「ヴァイオリンやフルート・サックスを始め楽器やパソコンの通関手続きについては、★★レコードの慣れている人にお願いしてますから、ノートラブルで通せるはずですので」
 
「松村さんのヴァイオリンも、ケイちゃんのヴァイオリンも高そうだもんね」
 
「多くの国では《ATAカルネ》というものが必要です。台湾はその協定に入ってないので代わりに《SCCカルネ》というものを使います。松村さんや私が使ってるクラスのヴァイオリンをカルネ無しでドイツに持ち込もうとすると、税関で保証金として200-300万円要求されますね。出国する時返してくれますけど」
 
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「ぶっ」
「200万なんて普通持ち歩かないよ」
「いや、現金で200万円国外に持ち出したら違反です」
「だよね?」
 
「まあ、そういう訳で最近相次いでヴァイオリンを没収される人が出ている訳で。うちの従姉のアスカはちゃんと《ATAカルネ》を取得して持って行っているので今までノートラブルですけどね」
 
「アスカさんの使ってるヴァイオリンっていくらしたの?」
「ああ。5億円ほどだったと思いますが」
「きゃー」
「カルネ無しで持ち込もうとして見つかったら保証金1億円要求されます」
「んなもの、払えないじゃん!」
「全くですね」
 
「でもヴァイオリンとかフルートとかは、二胡(アルフー)や三線(さんしん)よりずっとマシです。あれは国際保護動物のニシキヘビの皮を使用しているから、また書類が大変なんですよ」
「ああ!」
「中国から二胡を買って帰ろうとして没収されちゃう人も多い。でもあれ、EU諸国とか、韓国や台湾なら大丈夫ですけど、どうかした国に持ち込もうとすると公然と賄賂を要求されるらしいですよ。拒否すると書類に難癖付けて没収するぞと脅かされる。そもそも書類の書き方には曖昧な所もあるので」
「それはまた酷いね」
 
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『200年の夢』は和楽器の音で構成する。若山瑞鴎さんの尺八、たまたま東京に出てきていたのを捕まえて徴用した従姉の明奈の三味線、従姉の友見の箏、友見のついでに徴用した娘の三千花(槇原愛)の太鼓、私の胡弓に、七星さんの龍笛で合奏して伴奏音源を作った。
 
「これの伴奏クレジットどうするの?」
「七星さんが入っているからスターキッズのままでよいかと」
「俺たち何もしてないけど」と月丘さん。
「全休符のスコアを演奏してもらったということで」
 
ところで明奈に政子が興味津々であった。
 
「明奈さーん、お久しぶり〜」
と政子が明奈に寄って行く。
「お久しぶりですー」
 
「冬の姉ちゃんの結婚式の時はあまりゆっくり話せなかったけど、仲良くしましょうよ」
「いいですよー」
 
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「冬の子供の頃のことを色々知っているような雰囲気があったけど」
「うーん。まあ断片的にですけどね」
「冬って、子供の頃から女の子っぽかったんですか?」
「そうだなあ。冬ちゃんを男の子だと思ったことは無いなあ。だいたい男の子の格好してるの見たことないし」
「なるほどね〜。そのあたり、詳しく聞きたいなあ、うちに来ません? 泊まって行ってもいいですよ。御飯・おやつ付き」
「ああ、それはそうさせてもらおうかな」
「何か食べたいものあります?」
「うーん。冬ちゃんの作るシチューは美味しいとは聞くんだけど食べたことないな」
「ということで、冬、今夜はビーフシチューでよろしく」
「はいはい」
「あ、私もそのシチュー食べたい」と槇原愛。
「じゃ、私も−」と友見。
「はいはい」
 
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その他の3曲は普通にスターキッズに伴奏をお願いした。『森の処女』はスターキッズのアコスティック・バージョン、『王女の黄昏』と『青いブガッティ』はエレクトリック・バージョンを使っている。
 
収録は結局5曲を4日で録り終えた。初日に『王女の黄昏』と『青いブガッティ』
を録り、2日目が『森の処女』、3日目が『花の女王』、4日目が『200年の夢』
であった。エレクトリック→アコスティック→クラシック風→和楽器と移行している。
 
「でもなんかこんな簡単に終わっていいんだろうかと不安になった」
「『Flower Garden』は凝ったことしましたからね〜」
「でも5曲なら半日で終わらせちゃう歌手も多いよ」
「それ、私たちも随分やったから批判できないけどね」
 
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「『天使に逢えたら/影たちの夜』なんてほんの6時間くらいで録音からミクシングまでしちゃったしね」
と政子は言ったが
 
「あれは第一回放送分だけ。二回目以降のはミクシングを全部やり直してるよ」
と私は答える。
 
「そうだったんだ!」
「録音時に混入したノイズの除去とか、多重録音での微妙なタイミングのずれとかも全部修正している」
「じゃ、あれは最終的には結構手間を掛けてるんだ?」
 
「演奏自体も録り直したもんね」と近藤さんが言う。
「それは知らなかった!」と政子。
 
「やはり急いで録音したからね。ボーカルはまだ良かったし、AYAのスケジュールの調整が不可能だったから取り敢えずそのままにしたけど、演奏については元々の録音レベルが不適切だったんで、私が福岡から戻ってきた翌日に、近藤さんたちに再度集まってもらって録り直したんだよ」
と私は説明した。
 
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「ボーカルも最終的には『天使に逢えたら』の4ボーカル版を作ったから、その時に他の版も全部録り直したでしょ?」
「あ、そういえばそうだった!」
 
当時、第一回目の放送で私とマリが歌う版を流し、二回目以降ではAYAが歌う版を流したら、ローズ+リリーの専ファンとAYAの専ファンの間で不穏な空気が流れてしまったので、結局両方入った版を作って、四回目以降はそれを流すということになったのであった。
 
「なんか適当な録り直しの理由が作れないかなと思っていた時のあの騒動だったから助かった!と思った。だから一晩で作った音源の録音は、結果的には製品版のCDには残ってないんだよ」
と私。
「へー」
 
「まあ、ちゃんとした作りをしなかったものがミリオン行く訳無い」
と近藤さんも言う。
 
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「でもあのCD、ケイちゃんたちはどのくらい報酬もらえたの?」
と近藤さんが心配そうに訊く。
 
「あれは普通のローズ+リリーのCDに準じる作りなので、演奏料とか作曲料とかは無しです。印税でもらってます」
「あれ?そうなんだ?」
 
「AYAには演奏料500万円、七星さんにも200万、スターキッズの他のメンバーには30万ずつお支払いしましたが、私とマリは印税だけです」
「へー!」
 
「テレビ局絡みのCDは普通は原盤権・著作権をテレビ局の子会社が持ちますよね。『花のリリー・マクラーレン/天使の休息』とか『単純な朝/愛の中心』はそういう仕組みなので、あの2枚はどんなに売れてもこちらに入るお金は数十万円です。ところが『影たちの夜』も『天使に逢えたら』も既に公表していた曲でJASRACにも届け出済みだったし、CD制作も全部こちらでやってしまったから、放送局は何も関与していなかった。それで原盤権を主張できなかったんですよ」
 
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「なるほど」
「その件で響原さんはかなり責められたらしくて、それでバーターとして、『Angel R-Ondo/シャドウ変装曲』を出して、こちらは原盤権も著作権も全部向こうにあげたんです。あれもちょこちょこと売れ続けて、こないだとうとう累計50万枚突破しましたからね。響原さんも何とか面目が保てました」
 
「なんか宮仕えも大変だねぇ」
「全くです」
 

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録音の最終日は、そういう訳で、明奈、三千花(槇原愛)、友見がうちのマンションにやってきて、私の作ったビーフシチューを食べながらくつろいだ。ついでに政子の母も呼んだ。
 
「今日はひとりだしカップ麺でも食べようかと思ってたから、冬ちゃんの料理食べられて幸せ」などとお母さんは言う。
 
「冬ちゃん、ほんとに料理がうまいね。さっき作っている所を手伝いながら見てたけど、凄く要領がいいんだよね」と明奈。
 
今日の料理は明奈と三千花が手伝ってくれている。政子は当然手伝わない。
 
「冬ちゃんは高校生の頃から、料理が上手だったんですよ。政子がひとり暮らししていた時も、かなり冬ちゃんを頼ってたみたいだし」
と政子の母。
 
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「冬が時々うちに来て、料理を冷凍して行ってくれるから、それを解凍して食べてた」
「なるほどー。私も冬子さんにお料理習おうかなあ」
 
三千花(槇原愛)は、仕事場では「杏梨先生」あるいは「ケイ先生」と私のことを呼ぶが、プライベートでは「冬子さん」である。
 
「まあ、三千花ちゃんは今それより受験勉強しなきゃ」
「はい、頑張ります」
「結局、どこ受けるの?」
「あちこち検討したんですけどねー。やはりM大学を第1志望、N大学第2志望というあたりで頑張ってみようかと」
「おお、頑張ってね」
 
「だけど、これだけお料理できたら、優秀な主婦になれますよね。冬さんが主婦になったら、日本の損失だけど」
「冬は高校時代にもよく、お母さんやお姉さんから、それ言われてたね」
「うん。というか、小学生の頃から言われてたよ。いい奥さんになれるって」
 
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「ああ、やはり冬って元々そういう性質か」
 

「あれ言っちゃってもいいかなあ。そろそろ時効かなあ」と友見が言う。「何ですか?」と政子が興味津々な様子。
 
「いやね。うちの妹の聖見が、結婚して子供生まれて間もない頃に一家で温泉に行ったんだけどね」
「ちょっと、それ勘弁して」
「まあいいじゃん」
「温泉というところがとても興味あります」と政子。
 
「冬ちゃんと遭遇したらしいのよね〜」
「それはどこで」
「温泉で」
「温泉のどこで?」
「湯船の中で」
「それって女湯ですか?男湯ですか?」
「まあ、うちの妹が男湯に入るわけない」
「やはり!」
「あははは」
 
「それっていつ頃ですか?」
「冬ちゃん、修学旅行だって言ってたらしい」
「冬、それいつの修学旅行?」
「まあいいや。中学の修学旅行だよ」
「お友だちと一緒だったと言ってたなあ」
「なるほどー。冬は中学の修学旅行では、友だちと一緒に女湯に入ったのか」
 
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「私は冬ちゃんとは何度も一緒にお風呂入ってるよ」と明奈。
「それっていつ頃?」と政子。
 
「えっと、いちばん古いのは私が小学1年の時、それから次は中3かな。その途中にお風呂に行くのを何だか嫌がってた時期があるんだよね」
「なるほどぉ。明奈さんが中3と言ったら」
「冬は中1だよね」
 
「その時の冬って、おちんちんありました?」
「無かったよ。そして小さいけどおっぱいもあったよ。だから私はもう手術済みなんだろうと思ってた」
「ほほぉ! やはり冬の早期性転換説がどうも確からしい気がしてきた」
 
「隠してただけだよぉ」
「でも小1の時に一緒に入った時に、おちんちん取られちゃったとか言ってた」
「ちょっと待ってください。幼稚園生の冬に、おちんちんが無かったんですか?」
「うん、無かったよ。だから私は冬ちゃんって、男の子の服は着てても女の子なんだろうと思ってた」
 
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「やはり、そうだったのか! やはり冬って幼稚園生の頃に性転換してたんだ!」
「してないって」
と言って私は笑っておいたが、政子は楽しそうな顔をしていた。
 

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