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■夏の日の想い出・花の女王(2)

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7月,8月は高速に駆け抜けていった気がした。私は6月いっぱいローズ+リリーのアルバムとシングルの制作をしていたし、その一方で6月から8月に掛けて、KARIONのアルバムの「作り直し」作業も進めていた。
 
そんな中、7月3日にローズ+リリーのアルバム『Flower Garden』が発売され、翌週はKARIONのシングル『キャンドル・ライン』が発売。7月末にはローズクォーツの『Night Attack』の録音し直し、新版制作もした。
 
7月20日から8月4日まで国内外6ヶ所、ローズ+リリーのホールツアーを行う。そして8月10日は横須賀のサマーロックフェスティバルにローズ+リリーとして初めて正式に出場し、翌日は福島県いわき市で震災復興応援のイベントに参加した。そして、この10日,11日の2日間、妊娠発覚でEliseが演奏できなくなったスイート・ヴァニラズに代わって《08年組》で急遽、代替演奏をした。
 
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「スイート・ヴァニラズ・ジュニアに対するネットの評価は見てる?」
とタカが訊いた。
 
「うん。思った以上に良い評価をもらって嬉しい。音羽のギターにしても美空のベースにしても評価高かったね」
「キーボード(和泉)とドラムス(私)もかなり褒められてたよ」
とタカは言う。
 
「私のドラムスは、私自身の腕が細いから長時間テンポキープしきれないのが問題なんだよね。フェスは45分くらいだったから何とかなったけど、いわき市のイベントでは1時間半叩き続ける自信が無かったから、途中 Londa さんがブレイク入れてくれたので助かった!と思ったよ」
 
「ああ、確かにそれは辛いところだろうな」
 
「和泉の場合はピアノもエレクトーンも中学の時まで習っていて、中学の内にエレクトーンの6級取ってるから。歌手としてデビューしてなかったら多分5級まで取ってたと思う」
 
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「音羽ちゃんのギターにしても、美空ちゃんのベースにしても、充分、並みのロックバンドより上手かったとみんな言ってる。俺もそう思った」
 
「音羽はXANFUSでデビューする前、浜名麻梨奈さんと組んでバンドやってたんだよ。でもベースやってた子が高校2年になって勉強忙しいから辞めるといって辞めてバンドも解散状態になっていた時、唐突にXANFUSの話が来たらしい。でもその後も自分たちXANFUSの曲をギターで弾いたりして練習はずっとしてたというから」
「なるほど〜」
 
「美空の場合はお姉さんが組んでたバンドでベースがいなかったんで、あんたやってと言われてずっと弾いてたらしいのよね。だから、あの子ほんとにギターは弾いたことなくて、ひたすらベースらしい」
「それはちょっと珍しいパターンだね」
 
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「ベース感覚が身についてるから、いろいろ曲を聴いてる時に無意識に和音の根音を追っていたりするって」
「そこまで行くと職業病だなあ」
と言ってタカは笑っている。
 
「小風は家にピアノとかなかったんで、自分の歌の伴奏するのにアコスティックギター買って覚えたというんだよね。だからあの子のギターの基本はコードでひたすらリズムを刻む」
「それでリズムギターの職人なんだ!」
「そうそう」
 
「やはり08年組って、そもそもアーティスト志向だった子が多いのかな?」
「かもね〜。AYAのゆみ以外はみんな楽器の素養があるしね」
 

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「AYAちゃんって、どういうきっかけでこの世界に来たんだろ?」
 
「小学生の頃、%%レコードのスカウトさんに声を掛けられて2年くらい歌とダンスのレッスンを受けていたらしいよ。中学時代はモデルの仕事を散発的にもらって、ファッション雑誌にもよく載っていたらしい。それで高一の時に女性3〜5人くらいのユニットを作る企画があってオーディションを受けて合格して。合格した3人の名前の頭文字を並べて AYAというユニット名も決まった」
 
「ふんふん」
 
「ところがその企画を立てた時のプロデューサーが不祥事起こして解任されてユニットは作ったもののプロデューサーが居ない。それでしばらく放置された後、別の人がプロデューサーになってCDを取り敢えずインディーズで3枚出してそれでCDも売れるしライブも盛況ということでいよいよメジャーデビューという話になってきた時にそのプロデューサーが病気でダウンしてしまって」
 
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「ああ。でもその手の話もよくあるよ。それでオーディションには合格したものの結局仕事もらえないまま自然消滅って」
 
「結構聞くよね〜。AYAの場合は、結局上島先生がプロデュースを引き受けてくれて、何とかデビューすることになったんだけど、デビュー直前に2人辞めちゃうし、もしかしたらオーディションを再度やって追加メンバー入れるかもと言われた時は、私は本当にデビューできるんだろうかと、暗澹たる思いだったと」
 
「ああ」
「でも上島先生がひとりだけでもいいと主張して、それで何とかデビュー」
「難産だね〜。でもそれで売れたから運がいい」
 
「ほんと。でも上島先生が録音の現場で何も言わないから、私適当に歌っていいのかなとか、この先生大丈夫かな?健康状態がよくないということないだろうな?ダウンしたりしないよな? と別の不安があったとか言ってた」
 
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「上島先生はローズクォーツの録音現場にも何度か来てくれたことあったけど何も言わなかったね。俺もいいのかな?と思いながら演奏してたけど」
とタカ。
 
「ローズ+リリーの音源制作に来てくれた時も、最近鈴鹿美里の音源制作に私たちが立ち会った時も、先生はほとんど意見を出してなかった」
と私は言う。
 
「もしかしたらさ」
とタカは言う。
 
「自分色に染めたくないのかもね。そのアーティストの個性に任せる。でなきゃあれだけ、色々なジャンルの歌手、演歌からポップスからロックからラテンまで、様々な歌手のプロデュースはできない気がする」
 
「ああ、それはあるかもね」
 

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そういう訳で6月下旬に音源制作した『花の女王』は8月28日(水)に発売された。ローズ+リリーの15枚目のシングルである。『Flower Garden』が物凄く売れていたこともあり、初動で80万枚/DL。9月末までに120万枚/DLを突破した。
 
ローズ+リリーのシングルとしては『言葉は要らない』『あの夏の日/疾走』
に続き、3枚連続のミリオン、8枚目のミリオンとなった。(過去の5枚のミリオンは、甘い蜜・神様お願い・夏の日の想い出・涙のピアス・天使に逢えたら)
 
私たちは卒論制作のための休養期間中でもあることから、キャンペーンなどは行わなかったが、このシングルのリリース直後に8月31日・福岡マリンアリーナ、一週間後の9月7日・横浜エリーナ、翌日9月8日大阪ユーホールといづれも10000人クラスの会場でのライブを行った。
 
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チケットは先行したホールツアーでは会場毎に別の発売日にして、更に先行と本発売の2回に分けて発売したのだが、こちらのアリーナツアーではローズ+リリーの集客力を見極めておこうというレコード会社の意向で3会場一斉に3万席のチケットを同時発売した。結果は瞬殺であった。それでローズ+リリーの卒論休養明けにはぜひ横浜エリーナ6日間、などという話も浮上したようであった。
 
今回の伴奏はスターキッズだが、さすがにこの広さの会場では生楽器の音で後ろまでは聞こえないので前半のアコスティックタイムでも楽器にピックアップを付けるかマイクで音を拾ってスピーカーを使用する。野外フェスと同様の遅延入りである(直接音とスピーカー音が二重に聞こえないよう、音の伝搬速度の分遅らせてスピーカーを鳴らす)。
 
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アリーナツアー初日。11000人の観客でいっぱいの福岡マリンアリーナ。幕が開き歓声がこだまする。ステージには花の形の巨大な風船がある。その風船にマりとケイの写真が投影される。
 
私は政子に素早くキスしてから「耳を塞いで」と言ってリモコンのスイッチを押す。パン!という大きな音と共に風船が割れ、私たちが登場する。一際大きな歓声の中、月丘さんのグランドピアノが音を奏で始める。七星さんのフルートと鷹野さんのヴァイオリンも鳴り出す。後ろに並んでいた女子高生の合唱団と一緒に私たちは瀧廉太郎の『花』を歌い始める。
 
風船から登場というのは古くはシーナ・イーストンの30年くらい前の日本公演で使われたりした演出らしいが、最近はこれを簡易化・風船も再利用可能にしたものを結婚式披露宴の新郎新婦登場に使ったりしているようである。
 
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美しい女声合唱のハーモニーに私たちの声も溶け込む。合唱団は学校の制服のセーラー服を着ているが、私たちは沖縄在住の若手デザイナー宮里花奈(かな)さんがデザインした花柄のステージ衣装を着ている。実は沖縄公演で着た紅型かりゆしも宮里さんのデザインであった。
 
歌が終わり、拍手がある。
「**女学園高校のコーラス部のみなさんでした」
と私が紹介し、盛大な拍手と共に合唱団が退場する。
 
そこで唐突にマリが発言する。
「女子高生の制服姿っていいですねー」
「うん?」
「ここでデビュー当時のケイの女子制服姿を」
 
と言うと、合唱団が去った後の背景の白幕に、私の高校時代の女子制服姿の写真が投影される。
 
「ちょっとー!」
 
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会場から「わぁ!」とか「可愛い!」などという声が掛かる。私はちょっと焦ったが、マリは
「この手の秘蔵写真はまたちょくちょく出すねー」
などと言っている。
 
そして「それでは歌に行きましょう。『花の女王』」とマリ。
 
もう!
 

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ホールツアーにも付き合ってもらったヴァイオリンの松村さん、そして今回のアリーナツアーに特別にお願いしたローズ・クォーツ・グランド・オーケストラの第1ヴァイオリン副首席奏者・清水さんが入ってくる。鷹野さんと3人でヴァイオリンを弾く。またやはりグランド・オーケストラでクラリネットを吹いている詩津紅が入ってくる。七星さんがフルート、詩津紅がクラリネットを吹いてこの曲の木管セクションを構成する。
 
詩津紅のクラリネットは以前は「趣味のレベル」だったのが、ここ数ヶ月のオーケストラの活動でかなり鍛えられ、今はセミプロ級になっている。
「このオーケストラ、秋で解散するなんてもったいない。私ずっとやっていたい」
などとも言っていたので、まさにハマってしまった状態のようである。現在、和実が店長を務めている喫茶店のライブにも週1回出演している。
 
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リズムセクションが入らない状態で『花の女王』を演奏する。ミラーボールが回り、花が散るような雰囲気を表現する。花が咲いている所を愛でるのは世界共通だろうが花が散る様を愛でるのは日本人だけかもという気もする。
 
ドラムスやベースが入ってないので、CDの音源制作の時と同様、第1ヴァイオリンの松村さんにテンポキープをお願いしている。結果的には結構自由な雰囲気の演奏になり、それがふだん規則的なビートに乗せて歌う曲ばかり聴いている耳には新鮮に聴こえるし、いわゆる1/fの揺らぎっぽいサウンドになる。
 
私と政子もその揺らぎのあるサウンドをバックに自由に飛び回るかのようにこの歌を歌った。
 

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『花の女王』に続いて『花園の君』を演奏する。宮本さんと香月さんに入ってもらい、七星さんもヴァイオリンに持ち替え、松村・鷹野・清水・香月・宮本・七星という構成でこの曲のヴァイオリンを弾く(旧譜)。ここから近藤さんのギター、月丘さんのキーボード、酒向さんのドラムスも入る。
 
最近ローズ+リリーの幾つかのファンサイトで「勝手にベスト曲投票」などといったものが行われているが、この曲や『雪の恋人たち』は常に上位で争っている。
 
その後、松村さんと清水さんが退場し、いつものスターキッズのアコスティックバージョンで演奏をし、私たちの歌を歌っていく。
 
『100時間』『あなたがいない部屋』『桜のときめき』『君待つ朝』
『天使に逢えたら』『ネオン〜駆け巡る恋』
 
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ここまで歌ったところで、スターキッズが退場。この後、私のピアノのみで、『A Young Maiden』『森の処女』『雪の恋人たち』『夜宴』と演奏していく。ただし『夜宴』だけは月丘さんがグロッケンを打ってくれた。
 
「それでは本日のゲストです。えー。うちの事務所のアーティストで申し訳無いのですが《バレンシア》」
 
と私が言うと、観客から「おぉ!」という感じの声が挙がる。そしてバレンシアの8人がぞろぞろ出てくると、特に女の子たちの黄色い歓声が掛かる。
 

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