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■夏の日の想い出・花の女王(3)

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バレンシアは今回のローズ+リリー福岡公演が終わった直後、9月4日にメジャーデビューの予定になっており、先行して今FMなどで楽曲が流れている。またそれよりも、この夏、各地の夏フェス12ヶ所に出演して、大いに名前を売ってきた。今歓声を挙げた人たちの多くは、どこかのフェスで彼女たちの演奏を見た人たちであろう。
 
私たちが私のピアノのみの演奏で歌を歌っていた間に、ステージの前半分と後半分を仕切る白い幕が降りていて、楽器の入れ替えが行われていた。
 
私たちが下がるのと交替でバレンシアは所定の位置に就く。そして、リーダーでギターの美歓(みかん)が「こんにちは!バレンシアです! 行くよ!」と声をあげて、まずはデビューシングルのタイトル曲『夢の傘』を演奏し始めた。
 
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彼女たちは女性ファンが多いようで、現在10月のファンクラブ正式発足に向けて会員募集中だが、登録票を送ってきてくれた人の7割が女性である。
 

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バレンシアは元々高校の同級生、部活の友人などで編成した8人組のバンドである。結成してから既に4年経ち、須藤さんの勧めでこれまでに2枚のCDを制作して雀レコードから出している。これが今年の春までに合計3000枚ほど売れていた。
 
メンバーは全員会社勤めあるいはバイトなどで、土日を中心にライブハウスなどで活動していた。去年の秋頃から、メンバーとの話し合いでメジャーデビューを目指すことになり、須藤さんが★★レコードのロック関係を統括している森元係長と交渉していたのだが、4月頃以降、花枝がこちら側の交渉担当となったのを機に話が具体化してきた。
 
彼女たちの作品で『夢の傘』という作品がアレンジ次第ではヒット性があるのではないかということになり、それをタイトル曲としてCDを制作し、9月に発売することで話がまとまる。彼女たちとしてはどちらかというとポップロック系の作品である同曲を看板にするのはやや不本意のようであったが、商業的なものも考えなければならないのがメジャーアーティストである。
 
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(そういう意味ではローズ+リリーはマリの趣味だけで楽曲がリリースされているので、全くメジャーアーティストらしくない)
 
メジャーデビュー前のプロモーションを兼ねて今年の夏は各地の夏フェスに出場させることになり、7月から8月に掛けて全国12ヶ所の夏フェスに出ることが決まった。そしてデビュー準備のため、花枝はメンバーに6月までにその時点の仕事やバイトを辞めることを要求した。私もそれに賛成して、当面サマーガールズ出版からもバレンシアを支援することにし、それを原資に彼女たちには毎月20万の給料を支払うことにした。
 
ローズクォーツが立ち上がり当初昼間の仕事を持っていて実質全然プロモーションできなかったことが私の頭にはあった。ワランダースなどは最後までメンバーは他のバイトをしながら活動していた。
 
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「ローズクォーツの場合は、結果的には△△社や○○プロから支援を受けていた時代の方がセールスしやすかったね」
と花枝は言った。
 
「そりゃそうですよ。○○プロにしても△△社にしても自分たちが支援していれば、そのユニットが売れるように色々手を打ってくれる。だから『夏の日の想い出』
の売り上げで、それまでの支援金を全額返済しちゃったのは、まずかったんですよ」
と私も言う。
 
「結果的にあれ以降、△△社も○○プロもローズクォーツよりもローズ+リリーにあからさまに肩入れしてくるようになった気がする」
 
「当然。当時はローズクォーツに対して毎月100万の支援金を援助してその見返りはせいぜい10万程度ではあっても、その後大きく化ける可能性があると思って、△△社側はお金を出していた。ところが過去の支援金を返済されて、この後は不要と言われると、ローズクォーツで儲けられる可能性が無くなってしまう。一方でローズ+リリーで儲かると、△△社や○○プロも利益が得られようになっていた」
 
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「売上のマージンが還流されるもんね」
 
ローズ+リリーのCDの売上の内、原盤使用料や著作権使用料などとしてサマーガールズ出版が受け取る金額の12%がUTPに「プロモーション手数料」として支払われているが、その手数料をUTPは実際には△△社・○○プロと折半している(と須藤さんは思っている)。その金額は年間数千万円にのぼる。
 
「それだけじゃない。△△社も○○プロもサマーガールズ出版の出資者だから、直接配当利益がある。こちらの方がよほど大きい」
「へ?」
「そもそも、ローズクォーツを支援していたのも△△社・○○プロだけじゃなくて実際には8社なんだけどね。そしてローズ+リリーの手数料もその8社で実は分け合っている。でもその8社が、あの支援金返済によって、ローズクォーツでは利益を得られなくなっちゃったんだよね」
 
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「サマーガールズ出版って、ケイちゃん・マリちゃんの個人会社かと思ってた」
「あれは凄い複雑な仕組みになってるんですよ。実は私もよく分かってない」
「うむむ」
 
「だからさ、花枝さん。サマーガールズ出版がバレンシアを支援するということは、遠慮無く○○プロのチャンネルを使えるということだから、前田課長や中家係長にいろいろプロモーションのことでは相談してください。こちらからも話は通してありますから」
「分かった!」
 
そういう訳でバレンシアの夏フェス12ヶ所出場というのも、○○プロの口利きで実現したのであった。
 

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バレンシアは、ギター・ベース・ドラムス・キーボード、フルート・サックス、トランペット・トロンボーンという8ピース構成で、構成だけ見るとジャズかフュージョンという雰囲気だが、これはたまたま各自ができる楽器を持って集まったというのに端を発していて、音楽的には純粋なロックに近い。
 
1枚目のインディーズアルバムはハードロック色が強かったが、2枚目は一転してとても軽くなり、パンク色が強くなっている。この2枚目の方が圧倒的に売れたし、その売上でメジャーデビューの話が出てきたのである。本人たちも1枚目を作った時は気合いが入りすぎていた。2枚目は適度に脱力して気持ち良く作れたと言っていたので、そういう軽めのサウンドの方が合っているのであろう。
 
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そのバレンシアのメジャーデビューシングルの音源制作を、私は山鹿さんのスタジオで行うことにした。バレンシアの原盤制作費はサマーガールズ出版が大半を出すので、出資者の権限を行使した。またそもそもメンバーがだいたい八王子から日野付近に住んでいるので、都心のスタジオを使うより、こちらの方がよほど便利というのもあった。
 
「おお、ちゃんとこちらにお仕事持って来てくれたね。冬ちゃんは優秀なうちの営業レディだ」
などと山鹿さんも言っていた。
 
「営業手数料は貸しということで」
「それも怖いなあ」
 
実際の録音作業は、このスタジオの30前後かな?という感じの女性技士、東江さんにお願いした。女性ファンの多い女性バンドということで、彼女たちのサウンドは女性の感覚でまとめた方がいいと私は考えた。
 
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なお、楽曲のアレンジは基本的に本人たちに任せたが、全体的なサウンドの方向性については、私が遠慮無く意見を出させてもらった。たまに政子も卒論の気分転換に出てきて、あれこれ言っていたが、結構唐突なことを言うので彼女たちは焦っていた。政子の意見で『夢の傘』には雨音の効果音が入った(実際に天気図を見て雨の降っている所に行き録音してきた)が、これは結構良い雰囲気になった。
 

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さて、私たちのライブにゲストとして出てきたバレンシアは、『夢の傘』の後、彼女たちの2枚目のインディーズアルバム先頭曲『ハートのエース』、そしてデビューCDのカップリング曲『日曜日の雨』と演奏した。
 
休憩と着替えが終わった私と政子が出て行き、お互いに握手して8人が退場する。
 
バレンシアと入れ替わりに登場したのは和服を着たお姉様たちである。三味線・尺八・太鼓・胡弓・箏・龍笛という6人の演奏者が入ってくる。箏はスタッフが運び込んできた。ちなみに三味線を持っているのは里美伯母、尺八は清香伯母、箏は風帆伯母、胡弓はその娘の美耶、太鼓は里美の娘の明奈、龍笛は清香の娘の佳楽である。要するに私の親戚である! そしてどう考えても音源制作の時より豪華なメンツだ。今回のアリーナ・ツアー3会場に付き合ってくれることになっている。
 
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和楽器の音に合わせて『200年の夢』を歌う。和楽器で演奏していてもこの曲は確かにポップスである。明奈は太鼓をドラムスで8ビートを刻むかのように演奏する(音源制作では槇原愛が打っている)。
 
幼い頃知り合ったふたりが、手紙のやりとりはしていたものの、200年の時を経て再会して恋人になるというストーリーを歌い込んでいるが、twitterで
「200年も経ったら、もう幽霊になっているか、生きていたとしてもおじいさんとおばあさんですね」という感想ももらったが、私は「200年」というのは、心の時間ですと回答しておいた。すると心の時間で200年はリアルでは何年だろうという議論が起きていた。
 
歌い終わってから、楽器演奏者をひとりずつ紹介する。そして胡弓を弾いていた美耶だけが残り、他は退場する。スターキッズが電気楽器を持って入ってくる。キーボードやドラムスは今の曲の演奏中に舞台半分の所の幕を下ろして準備していた。
 
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『坂道』を演奏する。この曲に胡弓パートがあるので美耶には残ってもらったのである。
 
高校2年の時、ローズ+リリーのデビューに先行してふたりで作った音源で歌っていた曲である。政子にとっては初めて作った音源であり、懐かしそうな顔をして歌っている。
 
歌い終わったところで改めて美耶(若山鶴宮)を紹介する。拍手とともに美耶が下がろうとした時、マリが寄って行き声を掛ける。
 
「鶴宮さんは、ケイの従姉さんですよね?」
「はい、そうです」
「ケイの胡弓の先生でもあるとか」
「そうですね。一応正式には私の母、鶴風が先生なのですが、鶴風が忙しいのでケイが胡弓を覚えたての頃、結構私が教えてました。半年もしないうちに私が教えられるレベルを超えちゃいましたけどね」
 
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「ああ、ケイって楽器を覚えるのが凄く速いんですよね」
「凄いですね。三味線も私の姉妹・従姉妹の中では最も遅く始めたのに、今ではトップクラスですから。楽器というものに対するセンスがいいんですね」
「当時、名古屋にお住まいだったんですよね?」
「そうです、そうです」
 
「じゃケイは東京から名古屋までお稽古に通ってたんですか?」
「ええ。毎月新幹線で通ってきてお稽古してました」
「さて、ここで大事な質問なんですが」
「はい」
「その時、ケイは中学生ですよね。どんな服装でした?」
「制服ですよ」
「制服って学生服ですか?」
「まさか。ケイは女の子ですから、セーラー服を着てましたよ」
 
観客の中にざわめきが起きる。
 
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「やはりですね〜。ケイの生態の一端が明らかになりましたね。また後で、もっと詳しく教えてください。それでは若山鶴宮さんでした!」
 
拍手とともに美耶が手を振って下がって行く。私は頭をポリポリと掻いた。
 

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後半は《リズミカル・タイム》である。
 
今年のアルバムの曲『ファレノプシス・ドリーム』に始まって『Spell on You』
『影たちの夜』『キュピパラ・ペポリカ』『夜間飛行』『ヘイ・ガールズ!』
と歌い、それから上島作品を『青いブガッティ』『疾走』と演奏する。
 
ここでMCをする。しばらくトークしてから
 
「さて残り曲目も少なくなってきました。小道具お願いしまーす」
と私が言うと、窓香がお玉を持って来て私とマリに渡す。
 
「はい、曲の名前は?」
と私が客席に質問を投げると
「『ピンザンティン』!」という声が返ってくる。
 
「はい、それでは行ってみましょう!」
 
スターキッズの演奏が始まる。私たちは歌う。
 
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「サラダを〜作ろう、ピンザンティン、素敵なサラダを」
「サラダを〜食べよう、ピンザンティン、美味しいサラダを」
 
舞台の端にテーブルが持ち出され、そこで雰囲気の良い初老のおじさんがサラダを作り始めるので、ざわめきが起きる。私たちがお玉を振って歌を歌っている間に、おじさんは野菜を刻みサラダボールの中に入れ、一方でサラダオイルや酢などを混ぜてドレッシング自体を作ってしまう。そしてそれをサラダボールに掛けてから小皿にとって自分で食べちゃう!
 
ステージの袖に向かって手招きすると、窓香が出てきて、窓香も相伴に預かっている。美味しそうな顔をして食べている。
 
ちょっとしたパフォーマンスであった。
 
歌が終わった所で私は紹介した。
「私たちがPVを作った時に使用したドレッシングの製造元、ピエトロの社長さんでした!」
 
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(実は社長がドレッシングとサラダを手作りするのはピエトロの株主総会ではおなじみのパフォーマンスである)
 
拍手があり、社長さんと窓香が下がる。なお、社長さんは翌週の大阪・横浜の公演にも付き合ってくれて、大阪では明奈、横浜では佳楽がサラダを食べて舌鼓を打っていた。
 
「それではいよいよ最後の曲です。『王女の黄昏』」
 
照明を落とし、夕暮れのような赤い光を当て、ミラーボールを回してムーディーな雰囲気を出す。七星さんの哀愁を帯びたサックスが美しい。
 
歌の進行に合わせて太陽を表すようなスポットライトが少しずつ下に降りて行く。そして赤い全体光も少しずつ弱くなっていく。そして歌が終わった所でスポットライトも赤い光も消えて真っ暗になる。淡いトワイライトだけに照らされた状態で、私とマリは客席に深々とお辞儀をした。幕が降りた。
 
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■夏の日の想い出・花の女王(3)

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