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■夏の日の想い出・けいおん女子高生の夏(7)

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「マリはCDを作ってこっそりインディーズのディストリビュータとかに流してみたいとかも言ってたのですが、★★レコードさんとの専属契約があるから、他では売れないよ、ということでそれなら★★レコードさん自体から出せないだろうかということで。宣伝とか一切無しで、単に★★レコードさんでプレスして市場に出してもらうだけでもいいかなと。プレスは1万枚くらいでもいいし、その費用は流通費用も含めて全部私が出してもいいですから」
 
当時『甘い蜜』の歌唱印税と著作印税がかなり凄いことになっていたし、KARION関係の著作印税でも結構な金額をもらっていた。所得税住民税で1200万とか払うくらいなら何かに投資したい気分であった。
 
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「そういう事情ならこっそり出すのは問題無い。制作費用の問題はまたあとで少し話そうか。名義はさっきロリータ何とかって言ったね?」
 
「まだ芽が出たばかりということで、最初ローズ+リリー・スプラウト、略してロプリ・スプラウトだったのですが更に略してロリ・スプラウト、語呂を整えてロリータ・スプラウトと」
「元のローズ+リリーの痕跡が見えないね」
「声質を分からないように加工したのと同様に名前も分からないように加工しました」
 
「なるほど!しかしさんざん誰かの覆面ではと言われてたローズ+リリーが逆に覆面で活動しようかというのは面白いね」
「ほんとですね!」
 
「しかしまたロリータとは大胆な」
「マリは、若い内にヌード写真とか撮っておくのもいいかなあ、なんて言ってましたが、最近規制が厳しいから高校生はNGだよと言っておきました」
「あはは。そういうのは大学生になってから考えよう」
「ですね」
 
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「でもステージの方も何とかしたいなあ。マリちゃんがこっそり歌えるような場を何とか作れないか少し考えてみるよ」
「ありがとうございます」
 
「その音源ちょっとコピーしてくれない? うちの技術の方の意見を聞いてみる。正体を明かさずに、その音から、元々歌っているのは誰か当てさせてみよう」
「はい。コピーはこちらに」
と言ってボクはCDを1枚、町添さんに渡した。
 

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8月は夏フェスのシーズンである。★★レコードが大きく関わっているイベントとしてはその年は8月8日(土)神奈川県で開かれたサマー・ロック・フェスティバルもあったのだが、その前の週、8月1日(土)には、千葉県某市で小規模なフェスが開かれた。出場するのは3組の中堅どころのロックバンドで、1組あたり2時間、入れ替え時間30分ずつ取り、午前10時から夕方17時までというスケジュールであった。
 
このバンドの入れ替え時間にはステージでは楽器の撤去・設置・調整が行われているのだが、会場にはBGM として軽い音楽のCDが適当に流される予定であった。
 
しかし・・・・
 
このBGMを生でやっちゃおう、というのを密かに企画したのである。
 
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政子は6月の校内実力テストでかなり良い成績をあげ、先生にも褒められたし、お母さんにもかなり褒められたようであった。そこでそれを背景にタイにいるお父さんに電話して、ちょっとだけ歌わせてとお願いした。お父さんは渋ったのだが、翌日町添さんがタイに飛び、直接お父さんに会って頭を下げてくれたので、超多忙なはずの町添さんがわざわざ足を運んでくれたというので、政子の父は恐縮し、勉強をおろそかにしないという条件でOKを出してくれた。
 
ボクたちは会場を見下ろすように立つ管理棟のいちばん上のフロアに仮設置したスタジオに、★★レコードの技術陣が設置してくれた、ボイストランスフォームシステムの傍、窓際に置いたマイクの前でスタンバイしていた。このシステムは事前にいろいろ試用させてもらったが、ボクがヤフオクで落としたエフェクターとCubaseを使って作り上げた声より、遥かに自然な雰囲気の声を出していた。
 
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技術部の若い技師、則竹さんが
 
「でもケイさんが作った音源の正体、丸一日掛けて分析したけど2人で4声にして歌っているというのが分かっただけで、誰が歌ってるのか分からなくてお手上げでしたよ。いろんな手法で既存の歌手と比較したんですけどね」
と言っていた。
 
「潰したパラメータを想像で補うのは難しいですから」
「ええ。当てずっぽで**と**と言ったら、どちらも外れと言われました」
 
窓の外から会場の様子が見える。最初に出演したトライアル&エラーの演奏を聴きながらボクたちは会場の熱狂を見ていた。
 
「ロックもいいね」と政子が呟く。
「バンドもいいね」とボクは言った。
 
やがてトライアル&エラーの演奏が終わる。マイナスワン音源がスタートする。それに合わせてボクらはまず Arabesqueの『Party in A Penthouse』を歌い出す。ボクたちの歌は「BGM」だから、それに注目する人はいない。みんな休憩時間にトイレに行ったり、お弁当を買いに並んだりしている。騒然とした会場の中にボクたちの歌は響いていた。
 
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政子はふだんよりちょっと低い声で歌っている。ボクはめったに人に聞かせることのないバリトンボイスで歌っている。それを★★レコードの技術陣が設定したボイス・トランスフォーム・システムで女性の四重唱に変換している。
 
プログラムに従って指定された和音に対応するハーモニーができるように声が分岐されるので、例えばG7コードの時にマリがレの音、ボクがその下のソの音を歌っていると、システムにより自動的にシの音とファの音がふたりの声(を別のロジックで変形した声)で補われるので、聴いている人は4人の女性で歌っているように聞こえるのだ。
 
そのあたりのロジックはボクがサンプル音源でUA-100Gでやった時は和音の作りが不完全で、Cubaseを使って結構ピッチを変更する羽目になったのだが、さすが★★レコードの研究用システムだと、ほぼ間違わずに正しい和音を生成している。
 
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ボクたちは続けて同じアラベスクの『Hello Mr. Monkey』、『Friday Night』、そして『High Life』と続けた。ボクたちは窓の外を見ながら歌っているのだが2曲目の『Hello Mr. Monkey』を歌っていた頃から、会場の中に微妙な動きが発生したのに気付く。立ち止まってどこか何かを探しているような仕草をし、やがてBGMが流れているスピーカーの方を向くようになっていく。
 
それは会場にいる人たちの中のほんの1〜2%にすぎないのだが、明らかにスピーカーの方を向いて、BGMを「聴いて」いる人たちが発生していった。
 
1980年代のArabesqueの曲を4つ歌った後は2000年代のガールズバンド Lillix の曲を演奏する。『It's About Time』『Sweet Temptation』『What I Like About You』そして『Tomorrow』。
 
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その頃には、BGMを「聴く」人たちの数は場内の5%程度に達していた。
 

BGMの流れる、入れ替え時間が終わり、2番目のバンド、メビウス・ブレスレットの演奏が始まる。
 
ボクたちはキスをして微笑み合ってから、拍手をしてくれたスタッフの人たちにお辞儀をした。トイレに行ってきたり飲み物を飲んだりして休憩する。仕出しのお弁当をもらったので、食べながら、ボクたちはメインステージのバンドの演奏を聴いていた。(政子はお弁当を2つもらっていた。ボクのも半分あげた)
 
則竹さんは何やらシステムのプログラムや和音進行テーブルをいじっていた。多分少し気にくわないところがあったのを再調整しているようだ。
 
政子は御飯を食べた後、少し寝ていた。やがて後20分ほどで演奏が終わりそうというところで起こす。トイレに行ってきて、喉を湿らせてスタンバイ。
 
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やがてメビウス・ブレスレットの演奏が終わるとともにBGMがスタートする。マイナスワン音源に合わせて、ボクらはロシアの女性デュオ t.A.T.u. の『All The Things She Said』を歌う。
 
今度は最初からかなりの人が「スピーカーを向いて聴いている」感じ。そしてボクたちが更に『Show me Love』『30 Minutes』『Not Gonna Get Us』と歌っていくにつれ、その人数は増えていく。
 
ボクたちはタトゥーの後はエストニアのガールズバンド Vanilla Ninja の『Tough Enough』を歌う。この時点でトイレなどに行ってきて自分のポジションに戻った人たちの中にかなりスピーカーから流れる「BGM」に耳を傾けている感じの人たちがいる。ボクらは続けて同じヴァニラ・ニンジャの『Blue Tattoo』、『When The Indians Cry』、そして最後に『Cool Vibes』を歌った。
 
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入れ替え時間が終わり最後のバンド、バインディング・スクリューが登場する。
 
ボクたちは則竹さんたち技術陣と握手を交わし、ボクと政子はキスをし、撤収することにする。目立たないように、ボクたちは清掃スタッフ用の制服を借り、帽子もかぶって、会場を出ることにしていた。
 
着替え終わり出ようとした時、政子が立ち止まる。
 
「どうしたの?」
「うん。今演奏されている曲、すっごくいい」
 
「ああ、僕もこの曲、好きですよ。6月に出した曲らしいんですが、じわじわと人気が出てきているみたいですね。バインディング・スクリューって結成してからもう5年くらい経つらしいんですけど、今までヒット曲無かったから。これヒットするといいですね」
と則竹さん。
 
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そして則竹さんの言葉通り、バインディング・スクリューはこの曲を80万枚売って、第一線のアーティストとして活躍し始めることになる。
 

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このライブが終わってから、
 
「あの休憩時間に流れていたのって、ひょっとして生歌ですか?」
「あの歌ってたユニット教えてください」
 
という問い合わせが主催者に100件ほど来たらしい。
 
主催者では「ロリータ・スプラウト」という4人組の女性歌唱ユニットが実際に生で歌ったものであること、ロリータ・スプラウトは10月くらいにCDを出す予定であると回答した。
 
ボクたちが洋楽を歌ったのにはいくつかの理由があった。ひとつはロックフェスティバルということで、洋楽のロックが会場の雰囲気を壊さなくていいのではという選択であったこと、ひとつは英語の発音は日本語と雰囲気が異なるので、より誤魔化しやすいということもあった。
 
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そして最大の理由は、どんなに声を変形させて誤魔化しても、マリが書いた詩を聞いたら、分かる人(例えば和泉のような子)には、すぐにマリの詩だということが分かってしまい、マリちゃんの詩を歌っているなら、もしかして・・・と正体を推測される可能性があるということであった。
 

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会場を抜け出して技術部の女性スタッフが運転する車で都内に戻る。車内で普通の服に戻り、東京駅で降ろしてもらった。
 
東京駅の構内のカレー屋さんで一息つき(政子はカレーを3杯食べていた)、ガラスの壁越しに通行を眺めながらおしゃべりをしていたら、30歳前後の女性と目が合う。向こうが手を振るので、こちらも会釈する。彼女はお店の中に入ってきた。
 
「雨宮先生、おはようございます」
とボクは政子を促して立って挨拶する。
「おっはよー。君たち、今日も美人ね」
と言って先生はボクたちの席に座り、自分もカレーを注文する。すると政子も「あ、じゃ私もお代わり」などと言って、もう1杯注文していた。
 
「どこかでお仕事でもしてきたの?」
「いえ、私たちは活動休止中だから」
「そうかしら? なんかマリちゃんが凄く満足したような顔してるから、どこかで歌ってきたのかなと思ったんだけど」
 
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雨宮先生鋭すぎます。。。
 
「それは秘密です」
「おやおや。私もあなたたちを秘密の花園に招待したいけどねー」
「モーリーさんの花園って怖いなあ」
とボクは言ったのだが、政子は
「花園って、何かお花を植えてるんですか?」
と雨宮先生のことばを真に受けてる。
 
「ボクたちをベッドに招待したいって意味だよ」
とボクは笑いながら政子に言う。
 
「へ?女3人でベッドに乗って何するんですか?」と政子。
「いや、何するって、楽しいことよ」と雨宮先生も逆に政子の反応に困ってる。「へー、どんな楽しいことだろ?」と政子。
 
「ね、マーサ、もしかして雨宮先生のこと、女の人と思い込んでない?」
ボクもひょっとしてという気がしたので言ってみる。
 
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「え?女の人じゃないの?」と政子。
「うーんとね」と雨宮先生も困った感じだが「一応、私、男だけど」と言う。
「えーーーー!?」
 
「知らなかったの?」
「じゃ、冬と同類?」
「いや違う」とボクも雨宮先生も言う。
 
「どう違うの? どちらも女の子に見える男の子じゃないの?」
 
「ボクの場合は、男の子の身体を持つ女の子、雨宮先生は女の人のような外見の男の人」
「意味が分からん」
「ボクは生殖能力はあるけど男性機能は無い。雨宮先生は生殖能力は無いけど男性機能はある」
「ますます意味が分からん」
 
「ベッドに行って3人とも裸になってみたら、良く分かるわよ」と雨宮先生。「良く分かった後が怖いです」とボク。
 
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「マリちゃんもケイちゃんも裸にしてたくさん写真撮って、こっそり鑑賞したいわあ」
「あっ。私、ヌード写真撮ってみたい」と政子。
「あら、撮ってあげようか?」
 
「マリ、撮ってもらうにしても他の人に・・・・」
「無料で撮影してあげるわよ」
「撮った後、何されるか分からないし」
 
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