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■夏の日の想い出・高校進学編(4)

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合格発表は試験の翌日であった。ホームページで確認して自分の受験番号が合格者リストにあることを確認する。まあ、試験は三科目とも90点以上は取ったつもりだったし、面接の雰囲気も良かったから合格は確信していたのだが。
 
入学金と授業料・施設費を本来は今週中に納入しなければならない所を、手続きをすれば公立高校の入試の合格発表当日まで延期できるということだったので、母にその書類を書いてもらい、また女子制服を着て、提出しに行ってきた。
 

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二週間後が公立の入学試験日であった。
 
結局うちの中学から◆◆高校を受けた生徒は3人であったが、願書は独立に出しているので、受験する教室はバラバラのようであった。
 
ボクは去年の駅伝で2度目の区間新記録を出した時につけていたブラとショーツを着け、この日は特に寒かったのでキャミを1枚着た上に、姉が高校の時に着ていたブラウスをもらったのを着て、その上にまた女子制服を着て出かけて行った。
 
前回の試験で、やはり女子制服を着て受験すると、自分の頭がフル回転してくれることを体験していたので、ここに合格するにはやはり女子制服で行くしかないと思っていた。
 
担任の先生からは君の成績では厳しいと言われたものの、ボクはこの高校の選抜方式に望みを託していた。ここは学力検査点と内申点の比率が7:3で入試の成績の比重が大きい。そちらで高得点を取れば充分望みがある。更に、この高校は理科と社会は都立高校の共通問題を使うが、英数国はこの高校独自の問題になっている。共通問題だと、ここを受ける生徒のほとんどが80点以上をマークするはずだが、独自問題なので平均点が下がる。その分、高得点を取れば内申点の不利を挽回できる。
 
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(政子がこの高校に合格できたのもこのシステムのお陰だったようである。また政子の場合、数学の試験で途中経過を書かなくてよいため、答えだけ完璧に書いて満点を取ったのも大きかったらしい)
 
1日目の1時間目は国語であった。独自問題だけあって難しい。質問が引っかけになっていたのに気づき、思わず微笑む。慎重に問題を読んで回答していた時、教室内を回ってきた試験官に「君」と呼びかけられた。
 
試験に集中していたので、返事もできないまま顔を上げる。
 
「荷物を持ってちょっと来て」
と言われて試験官の人に促され教室の外に出る。受験票を手にした試験官が厳しい顔で言う。
 
「君、受験票の人物と違うよね。受験生のお姉さん?」
ボクは何を言われているのか理解できなかったが、5秒くらい考えてやっと事態を把握できた。
 
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「済みません。戸籍上はそういう名前なのですが、私はいつもこういう格好をしているので」
とボクは中性的な声で答えた。こちらの高校の受験票はちゃんと?「冬彦」になっていた。
 
「ああ、そういう子なのか? ああ、そういえばこの写真は間違いなく君の写真だもんね」
「はい」
「君、中学の生徒証は持ってる?」
「持ってます」
 
と言って、ボクは自分の生徒手帳を取り出した。夏にうっかり一度、洗濯機に入れてしまって破損してしまったので再発行してもらったものだが、夏なのでワイシャツ姿で写真に写っている・・・・ようにも見えるが実はブラウス姿なのである。担任の先生は気付かなかったが、貞子には「大胆だな」と言われた。
 
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「確かに・・・同一人物だよね。へー。生徒証にはブラウス姿で写ってるのか」
と試験官さんはボクが着ているものがワイシャツではなくブラウスであることに即気付いた。
 
「うちに合格したら、女子の制服で通うの?」
「その件に関してはまた後日ご相談させていただければと」
「うん。遠慮無く相談してね」
「はい」
「邪魔して悪かった。中に戻ろう。試験頑張ってね。君の分試験時間5分延長しようか?」
「ありがとうございます。時間は足りると思いますので、ご配慮不要です」
 
そういう訳でボクは試験会場で性別問題で少しトラブったものの、無難に試験を受けることが出来た。
 

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2時間目数学、3時間目英語と独自問題による試験が続く。どれもハイレベルでなかなかハードだったが、そのレベルの高い問題でけっこうな点数を出した自信があった。特に英語はほぼ100点を取ったつもりだったし、数学も多分90点は行っていると思った。国語がおそらく80点くらいに留まりそうなので、それがどうなるかが鍵だろうか。内申点の予想からすると、5科目合計で450点くらい取る必要がある。
 

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昼食の休憩となる。ボクが中庭で半ばボーっとしつつのんびりとお弁当を食べていたら、奈緒が通りかかって声を掛けてきた。
 
「おお、ほんとに女子制服で受けに来たんだ」
「うん。やっぱりこういう格好した方が頭がよく働く」
 
ボクは1時間目に性別問題で咎められたことを話した。
 
「まあトラブって当然だよね。でもそう答えたってことは、冬はここに合格したら、女子制服で通わなきゃね」
「ははは。けっこう通いたい気分」
「お母さんに話してみなよ」
「そうだなあ・・・・」
 
「手応えはどう?」
「自分では頑張ったつもりだけど、どうかな。午後の理科・社会を両方90点くらい取れたら合格できそうな気もするんだけど」
「午後は共通問題だからね。みんな高得点になるだろうけど、冬も行けるでしょ?」
「うん、頑張る」
 
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「どこか併願したんだっけ?」
「うん。私立の♀♀学園。一応合格している」
「はあ?」
「何か?」
 
「だって♀♀学園は女子高なのに」
「えーーーーーー!?」
 
「知らなかったの?」
「うっそー。。。。。そういえば受験生が女子ばかりだなと思った」
「ってか、なぜ冬が女子高を受験できて、しかも合格しちゃうのよ?」
「あはは」
 
「面接も受けたんだよね?」
「うん。この女子制服でだけどね。ボク面接まであること知らなくて、ぎゃっと思ったけど」
「私立はたいてい面接あるよ。でも何か変だと思わなかった?」
 
「うーん。。。。あ、そういえばトイレに男女表示が無かった」
「そりゃ女子高だもん。男子トイレは不要だから」
「よく考えたら、願書に性別欄が無かった」
「そりゃ女子しか受験しないもん」
 
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「はあ。。。。どうしよう」
「ということは冬はここ◆◆高校に合格して女子制服で通学するか、あるいは女子高の♀♀学園に通うかしか、選択肢は無いってことね」
「ひぇー」
 
「まあ、どっちみち女子高生になるしか無いんだから、入学式の前に性転換しちゃえば、女子高にも通えるんじゃない?」
「うむむ」
 
「切る痛みは一瞬、切らぬ苦しみは一生だよ。思い切って切っちゃったら?」
「凄く切りたい気分・・・」
 

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午後からの理科と社会は、不得意科目ではあるが、都立高の共通問題で易しいので、スイスイ回答することができた。一部分からない所を勘で書いたが、どちらも90点前後にはなりそうだという気がする。
 
だいたい合計で440〜450点くらい。内申点と合わせて合格ラインを50点くらい超えたかなという気がした。内申点が悪い場合、本来の合格ラインより高めの点数にしておかないと、恣意的に落とされる場合もあるという話を聞いたこともあったので、そのくらいの点数を取ることを目標に勉強してきていた。
 
(政子はボクより内申点が悪かったようだが、数学が満点、理科・社会も満点に近い点数で、5科目合計がやはりボク同様440点くらいになり合格できたようであった。ただ高校に入った後で先生から聞いたのでは、ボクにしても政子にしても中学時代にクラブ活動を熱心にやっていたのがプラス評価されたのもあったようである(政子は中学時代は吹奏楽部でフルート担当)。いづれにせよ、ふたりとも合格者の中では最低線付近だったようである)
 
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公立高校の合格発表は3月1日に行われた。ボクは合格していたことに安堵し、♀♀学園の方には入学辞退の連絡を入れた。
 

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合格発表の翌日、ボクは母と一緒に入学手続きをするのに学校を訪れた。その日は母と一緒なので、ボクは白いセーターに黒いスリムジーンズという格好で出て行った。
 
入学金を払ってもらい手続きをした後「3階の物理教室に行って」と言われるので、その言われた教室に入っていくと「制服の採寸をしますね」と言われて、身体のあちこちの寸法を測られる。
 
「あれ?ここ制服あったんだっけ?」と母。
「学生服と思ってたけど・・・」とボク。
 
「そうですね。男子は学生服ですが、女子は指定の制服がありますから」とどうも洋服屋さんのスタッフっぽい人。
 
「標準のSサイズでかなり行けますが、細い割に背丈があるのでブレザーの着丈を少し長くした方がいいですね。スカート丈も長めがいいですね。ではちょっとこれ着てください」
 
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と言われて、ブレザーを着せられ、スカートも渡されたので、ついこちらもノリでジーンズの上から穿いてしまう。スタッフさんがスカーフを結んでくれた。わっ。何かこれ可愛い!と思って笑みが出るが、母は目を丸くしている。
 
「はい、そこに立って。写真撮影します」
とカメラを持った人に言われ、2枚写真を撮られた。
 
「ねぇ、あんた・・・こういう服で通学したいの?」と母。
「結構その気になってるかも」とボク。
「もしそういう気だったら、お父ちゃんと相談して」
「うん・・・・」
 
「あれ?まだこちらへの入学、決めておられないんでしたっけ?」
とスタッフさん。
「それでしたら、採寸表、作りましたので、こちらに入学なさる場合は来週中に○○○屋の本店までお持ちください。あるいは電話連絡頂いても構いません。来週の金曜日20時までに発注しないと入学式に間に合いませんので、よろしくお願いします」
「分かりました」
 
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といった会話をして、ボクと母はその部屋を出た。
 

「今のはたぶん何かの間違いで採寸室に案内されちゃったんだろうね」
と帰り道、母は言った。
「そうだね。ボクよく性別間違われるから」
 
「私さ・・・時々悩むことあるの。冬って私の息子なんだろうか、それとも私の娘なんだろうかって」
「・・・・・ボクね。成人式に振袖で出ちゃうかも」
「そっかー」
 
ボクたちはしばらく無言で歩いていた。
 
「ところで、あんた、まだおちんちんあるんだっけ?」
「あるよー」
「こっそり取っちゃってたりしないかと思ってさ」
「うーん。。。取りたくなった時は必ず事前にお母ちゃんに言う」
「そう。。。」
 
母はしばらく沈黙した後で言った。
「ところでこの採寸表どうする? 女子制服作る?」
「すっごく作りたい気分」
「じゃ、作るかどうかは冬、あんたが自分で決めなさい」
と言って、母はボクに採寸表を渡した。
 
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「今すぐでなくてもいい。作りたいと思った時に、これお店に持って行って。お金は言えばその時あげるから」
「・・・・・うん」
ボクはそれを受け取ってバッグの中にしまった。
 

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高校の入学祝い、ということでおじさん・おばさんたちから結構なお祝いをもらってしまった。ボクはその半分を母に渡し、残ったお金の内3000円だけ残して、他を取り敢えず貯金することにした。3000円くらいの予算で買いたいものがあったのだ。
 
ボクは小学生の時に絵画コンクールの賞品でもらったミニーマウスのボールペンを愛用しているのだが、(女子として通うにしても)さすがにこれを高校には持って行けない。そこで、学校に持って行っても構わないような適当なボールペンが欲しいと思っていた。
 
普段使いには100円か200円のボールペンでもいいのだが、やはり書きやすい道具は思考の邪魔をしないので、ストレートに自分の力を出すことができる。それを、このとっても書きやすいミニーマウスのボールペンで、ボクは学んでいた。
 
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都心に出て、前から目を付けていたデパート内の文具店に行き、勘と雰囲気で何本か出してもらって試し書きしてみる。ボクが試しているボールペンの傾向を見て、お店の人も「これなどどうですか?」と言って出してくれる。そんなことをしていた時、唐突に、ケースの中に並んでいるボールペンの中の1本が物凄く気になった。
 
「すみません。そこの赤いボールペン、見せてもらえませんか?」
「はいはい」
と言ってお店の人が出してくれたのを試し書きすると、書きやすい!!見てみるとセーラー万年筆製だ。高級そうなのに軽くて、握力の弱いボクにも負担が無い。
 
「すみません。これおいくらですか?」
「4725円です」
ぐっ。ボクはお祝いを3000円だけ持ち出してきていた。普段使いの財布を確認するが小銭は900円ちょっとしかない。帰りの電車賃分のことは考えずに全部注ぎ込んでも足りない。でもこのボールペン、絶対欲しい。
 
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「済みません。このボールペン買いたいので、今からお金持ってきますから、取っておいてもらえませんか。取り敢えずこの3000円置いていきます」
「大丈夫ですよ。手付金を頂かなくても、きちんとキープしておきますから。お名前とお電話番号だけ頂けますか?」
「済みません、お願いします」
 
と言ってボクは自分の名前と自宅電話番号を書き、家に戻ろうとした所で、いきなり誰かとぶつかる。
「きゃっ」
「わっ、ごめんなさい」
 
 
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■夏の日の想い出・高校進学編(4)

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