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■夏の日の想い出・点と線(5)
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(C) Eriki Kawaguchi 2020-01-17
今年も恒例の年末年始の§§ミュージックのタレント総出演による挨拶CFを12月上旬の深夜に撮影した。このビデオは全員が揃わないと撮影できないが、みんな忙しいので、どうしても深夜になってしまうのである。
1年前の「明けましておめでとうございます」ビデオに出演したのは下記である。
アクア、品川ありさ、高崎ひろか、西宮ネオン、姫路スピカ、花咲ロンド、石川ポルカ、白鳥リズム、原町カペラ、桜木ワルツ、山下ルンバ、桜野レイア、今井葉月、川崎ゆりこ、秋風コスモス
今年の「お世話になりました」の映像はこれと同じメンバーだが、「明けましておめでとうございます」には、これに東雲はるこ・町田朱美が加わる。例によって年末バージョンは白地の振袖、年始バージョンは青い振袖だが、全員模様は異なる。
このメンツで、コスモスの指揮、ゆりこのピアノで全員ご挨拶する。ロングバージョンのCMでは、1人1秒ずつのメッセージ又はポーズが撮影される。アクアは笑顔で両手を振っていた。なおこの1秒ずつのメッセージにのみ、別撮りした、リセエンヌ・ドオ4人まとめて1秒のカットが加えられている。4人も振袖を着て撮影している。
使用するピアノは年末版は1年前の年始版と同じA-188 Steinway Parlor Grand Pianoだが、年始版はベーゼンドルファーの170VCを使用した。またコスモスが持つ指揮棒は年末版では桜色だったが、年始版ではグリーンにした。
ちなみに出演者の中で西宮ネオンだけが羽織袴である。つまり、アクアも葉月も振袖を着ている。特にアクアのは加賀友禅のひときわ豪華な振袖である。
例によってアクアは撮影してから
「ネオン君は振袖じゃなくて羽織袴なんだ?ボクは振袖なのに」
と発言して
「何を今更」
「毎年振袖着ているくせに」
「去年も一昨年もその台詞聞いた」
「振袖着て喜んでるじゃん」
とありさ・ひろか・スピカなどから非難囂々であった。もちろんアクアに羽織袴など着せたら、視聴者から非難囂々になることは想像に難くない。ちなみに葉月が振袖を着ていることは、本人も含めて誰も気にしていない。
統合型リゾート(Integrated Resort, IR)とは、下記のような機能を備えた総合的なリゾートを意味する。
・ホテル・レストラン
・カジノ
・コンベンションホール
・エンタテイメント・ショー
・テーマパーク
世界的な例としては、2011年にオープンしたシンガポールのMarina Bay Sandsが有名である。日本でもこのような外国人観光客の集客力が高い施設を作ろうという声があったが、カジノが日本では違法なので、それをどうするかという問題があった。推進派は政府を動かし、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」を2016年12月に成立させ、カジノを含む統合型リゾートが国内3ヶ所限定の特区に限り認められることとなった。
そしてその候補地として、いくつかの自治体が名乗りをあげた。
北海道(苫小牧)
東京(お台場)
千葉(幕張新都心)
神奈川(横浜・山下ふ頭)
静岡(牧之原市)
大阪(夢洲)
和歌山(マリーナシティ)
長崎(ハウステンボス)
沖縄(海洋博公園・美ら海)
この中で沖縄が早々に撤退。北海道も今年11月末に知事が誘致から撤退する方針を表明、また大阪は誘致を受ける側の外国資本が次々と横浜に鞍替えしており当初は最有力地と言われていたのが揺らいできている状況である。
そんな中、これまで名前の出ていなかった自治体、宮城県で熱心に誘致活動をしていた人がいた。仙台市議のQ議員である。彼は積極的に市議会でもIRの効用を説き、若林区に様々な施設を建築するとして“予想図”まで作成して、市長、更には県知事にも売り込んでいた。実は彼がイオンタウンの若林区への誘致に積極的だったのも、この絡みであった。イオンにショッピングモールと映画館を作らせ、国内の大手ホテルチェーンにリゾート・ホテルを作らせ、遊園地や屋内レジャープール、温泉を造り、コンベンションホールも市あるいは県の主導で建築させようというのが彼の構想であった。
さて、2019年12月25日、国会議員の秋元司(内閣府副大臣)がIR誘致に絡んで中国系企業から多額の現金や高級品を受け取っていたとして逮捕された。
そしてその関わりで仙台市議のQまで逮捕されてしまったのである。もらった金額は秋元代議士の10分の1に過ぎなかったが、賄賂はたとえ1円もらっても賄賂である。
そのため仙台ではこれで仙台へのIR誘致の線は消えたと考える人が多かったようで、誘致に反対していた市民団体なども声明を出したが、翌1月26日、イオンも異例のメッセージを出した。
・当社は仙台市若林区の噂されている地区に大型出店をする予定は無い。
・当面近隣のイオンモール名取の運営に力を尽くすつもりである。
これで和美が心労を重ねていた“隣にイオンタウンができて飲み込まれる”恐れは無くなったのである。
それで和美は12月30日お店をマキコと梓・照葉に任せてクレールのメイド、ルシア、モナミと一緒に安心して小浜に向かったのであった。
2019年のRC大賞は12月29日に17時から23時までの6時間生放送で行われ、ウィンドベルの『花が咲いたら』が大賞を受賞した。今年の金賞受賞曲は下記である。
アクア『ラブ・キャンディ』
ローズ+リリー『Atoll-愛の調べ』
津島瑤子『北の桟橋』
松浦紗雪『サウス・スコール』
松原珠妃『赤い雪の狂詩曲』
ハイライトセブンスターズ『小鹿に乗った少女』
ゴールデン・シックス『夢見る少女のように』
トライン・バブル『ダイヤモンド千里浜』
三つ葉『30分』
トマムネ32『ファースト・インパクト』
カラー・ボックス『ビッグパーティー』
ウィンドベル『花が咲いたら』(RC大賞)
アクアの『ラブ・キャンディ』は岡崎天音・大宮万葉の曲で、テーブルにはアクアの他、コスモス社長・三田原部長・大宮万葉(青葉)・和泉が座った。美空は千里などと一緒にゴールデンシックスの所に座っているので今年もKARIONの中で小風以外が授賞式に出てきている。
私たちのテーブルには、風花と氷川課長が座っている。トラインバブルの所には事務所社長と★★レコードの栗橋さん、三つ葉の所はプロデューサーの毛利五郎と★★レコードの明智係長、また松原珠妃の所は事務所の観世社長と作曲者の蔵田さん、松浦紗雪の所は事務所社長と作曲者の上島先生!が座り、蔵田さんと握手をしていた。
上島先生が謹慎明けに書いた曲(実際には謹慎中に書いてもし可能だったら松浦紗雪に渡したいと思っていた曲らしい)がヒットしてRC大賞にノミネートもされたのは私は本当に嬉しかった。これで来年はもっと先生に作曲を依頼する人も増えるかな?
様々な企画、また過去の受賞曲の紹介などが行われている間は結構席を移動して談笑する姿なども見られる。上島先生と蔵田さんも随分話していたし、千里とハイライトセブンスターズのヒロシもかなり長時間話していた。“金沢コイル”という固有名詞を聞いたので何それ?と尋ねたら、青葉が北陸のローカル番組で“金沢ドイル”と命名されてしまった関連で、千里は“ドイルの姉のコイル”と名付けられてしまったらしい。
「ドイルってコナン・ドイルのドイルなんでしょ?ホームズかワトソンならよかったのに」
とヒロシが言うと
「ホームズもワトソンも男じゃん」
と千里は言っていた。でもコナン・ドイルも男だという気がするが!?
私はゴールデンシックスの梨乃たちと結構話していた。
「そういえば唐突に思ったけど、三つ葉のプロデュースしている毛利さんの奥さんってどういう人なんだっけ?あまり表に出てこないよね?」
と梨乃は尋ねた。
「え?毛利さん結婚していたんだっけ?」
と私は逆に聞き返した。
「夏頃、2歳くらいの男の子連れてるの見たんだよね。『お子さんですか?』と訊いたら『うん』と言うから、いつの間に結婚したんだろうと思ってた」
「毛利さんが結婚したなんて知らなかった」
と私は言う。彼が結婚するなら、雨宮先生が音頭を取って盛大な結婚式とかしそうなのにと思う。
「ケイさんも知らないのか。千里も知らないと言うからさ」
「今度雨宮先生に聞いてみようかなあ」
と私が言うと、マリが
「本人に訊いてみたら?」
と言うが
「それはそうだけど、状況を知っておかないと、何か変なこと言ってしまいそうで」
と花野子。
すると、今日のゴールデンシックスに参加している長尾泰華が
「実はシングルファザーだったりして」
などと言う。
「それありそうな気もしてきた。『あなたの子供よ』とかいって、どこかの女に押しつけられていたりして」
「確かにあの人、その付近がややだらしなさそうな感じはある」
「風俗とかソープとかも行ってそうだよね」
するとマリが言った。
「毛利さんは実は男の娘で、自分で産んだんだったりして」
「いや、それだけはあり得ない」
と私も梨乃も言った。
そもそも男の娘が子供を産める原理が良く分からない(和実みたいなのは例外として)。
今年は東京パティオでの恒例の12/31 12:00から1/1 12:00まで24時間ぶっ通しのオールスター・カウントダウン&ニューイヤーライブにも出ないので、私と政子は12月30日の朝東京を出て小浜に向かった。あやめは政子のお母さんと一緒に「混み出す前に」と言って12月27日に既に小浜に移動している。
私と政子は30日朝の新幹線で京都まで行く。
アクアのことなどでおしゃべりしていたのだが、近くの席に座っていた力士が3人名古屋駅で降りた。それを見送って政子が言う。
「お相撲さん、身体が大きいから普通席じゃ辛いよね」
「うん。グリーン席でも結構きついと思うよ。いっそ普通席2つ使ったらいいかもね」
「だと運賃が2倍必要か」
「自由席が空いている時なら、特に文句言われないかも」
「あ、そうか。でも年末年始は混んでるから、そういう訳にもいかないな」
「うん。こういう混む時は色々大変だと思うよ」
「そういえば稀勢の里は最近あまり活躍してないね。休場も多いみたいだし」
「稀勢の里は引退したけど」
「嘘!?いつの間に」
「たしか初場所に引退して、9月に断髪式したと思ったよ」
「うっそー!?だったらまた日本人横綱はゼロ?」
「稀勢の里はどうせ横綱にするならもっと若い内にしたかったね」
「そうか・・・引退しちゃったのか」
と言ったまま政子は何か考えている様子。変なこと考えてるんじゃ?と思ったら案の定だった。
「ね、ね、お相撲さんは引退する時断髪式ってするけど、男の娘は断茎式ってしたらどうかな?」
「何それ?」
と、訊いてあげる。
「大銀杏をたくさんの人に少しずつ切ってもらうように、おちんちんをたくさんの人に少しずつ切ってもらうのよ」
「はあ!?」
「お相撲さんの断髪式って誰から始めて誰で終わるの?」
「さあ。たぶん最初は後援会長あたりから始めて、横綱や大関とかの上位の力士、同じ一門の先輩・主な後輩、交流のあった文化人や芸能人、途中でお父さんとかもハサミを入れて最後は親方でしょ」
「お父さんだけ?お母さんは?」
「女性は土俵にあがれないから」
「あ、そうか。めんどくさいね」
(千代大海は母親にハサミを入れてもらうため、わざわざ一度土俵の下に降りた。実は稀勢の里の前日に断髪式をした里山もこの方式を踏襲した)
「アクアは来年の3月で高校卒業でしょ?そしたら断茎式をしようよ」
「それどうする訳?」
「東京ドームとかにお客さんたくさん入れてさ、テレビ中継もして、グラウンドの中央にベッドを置いてアクアに横になってもらって、まあお医者さんに麻酔を打ってもらったほうがいいかな。それで最初はファンクラブ会長の松浦紗雪さんから始めて、私とか光帆とか小風とかのファンクラブ代表、テレビ局やレコード会社の人、同じ事務所のタレントさん、とかに少しずつハサミを入れてもらって、お父さんとお母さんには左右の睾丸を1個ずつ切り離してもらって、最後はコスモス社長に、おちんちんを完全に切り落としてもらう」
「そんなの放送できる訳無い。そもそも性器をテレビには映せない」
「そっかー。視聴率凄いと思うのに。だったら、オーロラビジョンに大きく映して観客だけで楽しむ」
「大半の人は性器切断の場面なんて直視できないと思う。グロじゃん」
「じゃ見ても平気な人だけで」
「そもそもアクア本人は、ちんちん切られたくない」
「そこを何とか説得して。高校卒業と共に男の娘はやめて、女性のタレントとして再出発」
「そもそもアクアは男の娘ではないし」
「あれ?もう女の子になってたんだっけ?」
「普通の男の子だよ」
「いや、それは違う」
京都駅には、鱒渕マネージャーが迎えに来てくれていたので、彼女が運転する水色のアクアで小浜のミューズパークまで行った。
「あれ?もしかしてこの車、以前アクアの送迎に使っていた車だっけ?」
と私は尋ねた。
「よくお分かりですね」
と鱒渕さん。
「アクアの送迎に使っていたのは白いアクアじゃないの?」
と政子が尋ねる。
「そのアクアはナンバーまでファンの間で知られていたね。でも実は2台のアクアを使っていたんだよ」
と私は言う。
「そうなんだ?」
「通っていた中学から熊谷駅まで運ぶのに白いアクアを使って、新幹線で東京に移動して、東京駅から仕事場までは水色のアクアを使っていたんだよ」
と私が説明すると
「そうだったのか!」
と言って納得していた。
「だけど東京駅より上野駅の方が便利な時もあるんじゃないの?」
「それで鱒渕さんは毎日午前中にこの車を仕事のある場所の最寄り駅の駐車場に移動していたんだよ」
「大変そう!」
と政子。
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