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■夏の日の想い出・分離(5)

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(C)Eriko Kawaguchi 2016-03-12
 
「ところで和泉ちゃんの隣に座っている美人さんはどなたでしたっけ?」
と千里が訊くので美空が
「相沢さんだよ」
と答える。
 
千里は目をぱちくりさせて
「まさか相沢さん、性転換しちゃったの〜?」
と訊く。
 
「あ、どもー。相沢孝郎(たかお)あらため海香(みか)です。秋に海外旅行してきて、ちょっと身体を直してきました」
などと海香さんが言う。
 
「へー。黒木さんが性転換するなら分かるけど、相沢さんが性転換したというのはちょっとびっくり。確かに男性時代の面影がありますね」
と千里。
 
「海香さん、信じられてしまってるけど?」
と小風が言う。
 
「へ?」
と千里は小風を見て声を出す。
 
「相沢孝郎さんの妹さんですよ」
と和泉。
 
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「なーんだ。びっくりした!」
 
「孝郎さんが弟さんの件で忙しかったから、今回の音源制作では代わりに妹の海香さんにずいぶんギターを弾いてもらっているんだよ」
と私は説明する。
 
「なるほどー、そうだったのか」
「ライブにも私が出て行って相沢でーすと言ったら、きっとお客さん、私が性転換したんだと思うよね?」
 
「ああ、それは絶対思われそう」
 

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京都駅にお昼過ぎに着いたので、一緒に御飯を食べた後で、予約していたレンタカーを借りる。元々11人という人数であったため、車は8人乗りのヴェルファイアと5人乗りのプリウスを借りていた。
 
「雪が降ってるね」
と空模様を見て小風が言う。
 
「すみません。これタイヤはどうなってますかね?」
と社長が尋ねる。
 
「どちらもブリザック(ブリヂストンのスタッドレスタイヤ)履いてますよ」
とレンタカー屋さんのお兄さんが答える。
 
「だったら安心ですね」
 
当初の予定ではプリウスは私と花恋が交代で運転してKARIONの4人が乗り、ヴェルファイアは黒木さんと社長が交代で運転して、他の7人が乗車することにしていたのだが、結局千里がプリウスに乗って、私と千里で交代して運転することにする。花恋はヴェルファイアの方に乗る。
 
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「こちらは女1人になるかと思ってたから良かった」
などと海香さん。
 
「そういう時は黒木さんに女装してもらって」
と小風。
 
「SHINさん、女装するんだっけ?」
と海香さんが訊く。
「しない、しない。こいつらに乗せられて何度かスカートとか穿いたけど」
と黒木さんは笑って言う。
 
「ふーん。SHINさん女装似合いそうだけど」
と海香。
「SHINさん、66のスカート穿けるんですよ」
と小風。
「それは凄い」
「何か凄いんだっけ?でも俺はローズクォーツのTAKAとかとは違うから」
と黒木さん。
 
「あの人、結局性転換したんだっけ?」
「してない、してない。あいつは女になりたい訳じゃ無くて単に女の服を着るのが好きなだけだよ」
 
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うーん。SHINさんにまで女装趣味があると思われているか。
 
「でもウェディングドレス同士の結婚式の写真出てたじゃん」
「あれはマリちゃんが唆しておふざけでやったんだよ」
 
「なーんだ。でもあれで結構全国のMTFレスビアンの人たちが勇気付けられたと思うよ」
「ああ、それはあるかもね」
 

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プリウスの方は、道のいい所を冬が運転しなよと千里が言うので、遠慮無くそうさせてもらうことにして、最初に私が運転席に座った。助手席が千里で後ろに美空・小風・和泉である。
 
「でも花恋ちゃんと冬が交代で運転することにしてたのね。フルビッターの和泉ちゃんじゃないんだ?」
と千里が訊く。
 
「ごめーん。私、実際にはあまり運転の自信が無い」
「嘘!?」
 
「年間2000kmも走ってないと言ってたね」
と小風が言う。
 
「うん。実際問題として神田のマンションに住んでて、スタジオとかレコード会社に行くのも実家に行くのも電車だから、車は一応買っているけど、駐車場から出すことはめったにない」
などと和泉は言っている。
 
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「2000kmなら私の1週間の走行距離だなあ」
などと千里は言っている。
 
「でも確かに都会に住んでいるとあまり車を使う機会無いかもね」
「車は何持ってるの?」
「CR-Zだよ」
「おぉ、さすが」
「それ、大学1年か2年の頃に買ったんじゃなかったっけ?」
「そうそう。2年の時」
「その頃、何度か乗せてもらった」
「うん。最初の内はけっこうドライブしたけど、その内全然使わなくなってしまって」
「実際問題として、和泉より妹さんの方が走らせているとか言ってたね」
「うん。ちょくちょく妹が借り出している」
 
「フルビッターのペーパードライバーか!?」
 

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高速を降りた後、国道24号を南下、橿原市内のコンビニで休憩した所で千里と運転を交代する。助手席に和泉が座り、私は後部座席に行って少し休ませてもらう。しかし最初はわりとしっかりした道路であったが、海香さんがセットしてくれたカーナビに従って進んでいくと、道は次第に山道っぽくなっていったようで、上手な千里の運転なのに結構な揺れがある。
 
「このあたりは雪が道路にも積もってるね」
「まあ雪道の運転は慣れてるから平気だよ」
「あ、そうか。千里、北海道だもんね」
「いや、北海道では(免許取ってからは)あまり運転してない。高校卒業したら千葉に出てきたから」
 
「あ、そうか」
「桃香の実家に行くのに北陸の道を随分走っているし、あとは雨宮先生の運転手として東北とか山陰とかも走り回ってるから」
「なるほどー」
 
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「でもこの付近の雪はまた雪質が違うね」
と運転しながら千里は言っている。
 
「ああ、地域によってけっこう違うんだろうね」
「山陰の雪質とやや似てるかなあ」
 

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千里が雪道を慎重に運転したので目的地に到着したのは16時頃であった。
 
「いい風情の旅館だね」
と外観を見て小風が言う。
 
「物は言いようだね」
と美空。
 
「まあボロいね」
と千里はハッキリ言う。
 
「ここは一軒宿と言っていたね」
と和泉。
「うん。この奥八川温泉にはこの宿しかない」
と私。
「というか、ここにはこの宿屋以外の家が無いような」
「集落からも離れているよね」
 
「そうそう。集落の郵便局の所で残り1.2kmと表示されていたから」
と千里が言う。
 
「凄い場所だね」
と和泉。
「その集落からの道も細かったね。対向車来たらどうしようと思った」
と小風。
 
「あの道が崖崩れとかで通れなくなったら、私たち閉じ込められたりして」
と美空が言う。
「そういう悪いことは言わないこと」
と千里が言っている。
「閉じ込められたら困るよ。28日には福島でライブがあるのに」
と私。
「いや、福島のライブに出るのはローズ+リリーのケイでここに居るのは顔が似ているけどKARIONの蘭子だから関係無いはず」
と小風。
 
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「うーん。その話はもういい加減にやめようかなあ」
と私も言った。
 

玄関を入った所にロビーがあるが、そこで黒木さんと鐘崎さんがコーヒーを飲みながら話していた。
 
「すみませーん。待ちました?」
と私は言う。
 
「いや。僕らも5分くらい前に着いた所。宿泊が1人増えたのは言っといたから。でも、なんか凄い道だったね」
と黒木さん。
 
「道が狭いし、雪が積もっているし」
と和泉。
 
「あれ路肩がどこか分からないじゃん。それでもう慎重に時速5-6kmくらいで走ってきたよ」
と黒木さん。
 
「こちらも慎重運転でしたけど、5-6km/hまではいかないですね。20km/hくらいだったかな?」
と和泉。
「うん、そのくらい」
と千里。
 
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「よくそんな速度で走れるね!」
「路肩は把握の仕方があるんですよ」
「あ、そうか。醍醐さん、北海道だったっけ?」
「ええ」
「さすが北国の人は違うなあ」
「黒木さんはどこでしたっけ?」
「僕は島根。それで一応雪道は何度か走ったことあるんで、雪道になった所から社長と運転交代したんだけどね」
「なるほどー」
「海香さんに助手席に乗ってもらった。海香さんが運転しましょうか?と言ったんだけど、万一事故が起きた場合の責任の問題があるからさ」
 
「確かにそれはありますよね」
と小風が納得したように言う。
 
「だったら部外者の私が運転して良かったのかなあ」
などと千里は言うが
 
「国際C級ライセンス持ってる人はさすがに別格」
と私は言っておいた。
 
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「そういえば他の人は?」
 
「社長と海香さんはTAKAOと何やら話し込んでいた。HARUとMINOは一風呂浴びてくると言って湯の方に行った。花恋ちゃんは車酔いしたみたいで部屋で寝てますと言ってた」
 
「なるほどー」
 
旅館の仲居さんが、私たちにもコーヒーを持って来てくれたので、それを飲みながら私たちも少し休み、黒木さんたちとおしゃべりしていた。その内、女将さん(相沢さんのお祖母さん)が出てきて挨拶してくれた。80歳とは聞いていたがまだ充分60代前半に見える。とっても若い人である。何より目が輝いているので、それでよけい若く見えるのだろう。
 
「遠い所からお越し下さいましてありがとうございます」
「いえ、こちらこそ、葬儀の時には来れなくて申し訳ありませんでした」
 
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挨拶などした上で少し話している内に
 
「もし良かったら温泉に入られませんか?」
 
と言うので、まだ夕食まで少し時間があるしということで、私たちも温泉に行くことにした。
 

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シャンプーとリンスはお風呂場に備え付けのを使ってくださいということだった(通常のシャンプーは湯質の関係で全く泡が立たないらしい)ので、タオルだけもらって5人で浴場の方に向かう。
 
浴場は別棟になっていて渡り廊下を渡って階段を降りた所にあった。右側に女湯、左側に男湯がある。私たちはもちろん5人とも女湯の方に行く。
 
「冬はさ、この男湯と女湯が別れる所で悩んだりしてなかった?」
と千里が訊く。
 
「悩みはしてたけど、自分はこちらに入るべきだと思って女湯に入っていたよ」
と私が言うと
 
「こちらに入るべきだと思って男湯に入ったんじゃなくて、女湯なんだ?」
と和泉が驚いたように言う。
 
「それは私も冬も同様だと思う。男湯に入るのは絶対違うけど、本当に女湯に入ってもいいのかで悩んでいた」
と千里は言った。
 
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私たちは脱衣場に入り、服を脱ぎながら話す。浴場には今誰も居ないようである。
 
「冬、小学生以降は男湯に入ったこと無いって言ってたね」
と小風。
 
「うん。千里もでしょ?」
「小学4年生以降で言えば、ほとんどそうかな。その後、男湯に入ったのはほんの数回しかない」
 
「入ったんだ?」
「一番最後に入ったのが高校2年の時でさ」
「嘘!?」
「お父ちゃんが風呂行こうと言って連れて行かれて。当時自分の性別のことお父ちゃんにはまだ言ってなかったからさ。男湯に入っちゃったよ」
 
「でもそれもう性転換した後だよね?」
「必死で胸とお股を隠してたよ」
「凄い」
「でも後から入って来た人はここ混浴だっけ?と思ったみたい」
「まあ思うよね」
 
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私たちは浴室に移動し、各自からだを洗ってから、浴槽につかりまたおしゃべりを続ける。
 
「でも私、冬を女湯の脱衣場で最初に見かけた時はびっくりしたなあ」
などと小風が言う。
 
「あれは高校1年の暮頃だったっけ?」
と私は懐かしむように言う。
 
「うん。だと思う。あれデビュー直前くらいだったし。それで、もう手術しちゃったの?と訊いたら内緒と言うけどさあ。裸になった所を見たら、おっぱいは普通にあるし、お股には何も無いし」
と小風。
 
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■夏の日の想い出・分離(5)

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