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■女子社員ロッカー物語(5)

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(C)Eriko Kawaguchi 2013-09-14
 
俺は大学の4年間、ひたすらロックをしていた。就活も忘れるくらいに。それで卒業後仕事を探すのに、長い髪のまま職安に行ったら女と間違えられて、紹介された会社でも女と思われて採用されて、俺は女子制服を着て勤務し始めた。
 
俺は最初その制服が女子用ということに気付いていなかったが、俺が男子トイレに入ろうとしていた所を先輩に見つかり、騒動になる。で、結局男子枠は定員が満ちていて女子の人数が少なくて困っていたからということで、結局、俺はそのまま女子制服を着て勤務し、電話応対や接客などをすることになってしまった!
 
更にその状態で1年ほど勤務している内に全国の営業社員の研修会があるというので行かされたら、それは女子社員の研修会だった! お陰で俺は女の服を着せられ、ついノリで豊胸手術もしちゃって、他の地区から来た女子社員と温泉の女湯で親睦を深めることになってしまった。
 
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研修が終わって戻って来てから、外回りしていたら会社から電話が掛かってきて、高木慶子さんという人が《井河比呂子》に会いに来ていると言われる。研修先で親しくなった人だったが、彼女はなんと会長の孫娘で関西総本部長の肩書きを持っていた。
 
彼女が俺を女と思い込んでいるので、俺は急遽女の服を着て彼女に会うことになる。そして彼女は俺に、こちらに少数精鋭の女子営業部隊を作りたいという計画を打ち明け、結局、俺と俺の先輩の山崎さん、上司の麻取さんが参加することになる。
 
それで俺は「女子社員だけで構成する」戦略的営業センター(SSC)の営業課長の肩書きをもらい、毎日女性用ビジネススーツを着て、お化粧して通勤する日々を送ることになってしまったのであった。
 
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最近とっても多い「女の子になりたい男の子」だったら、こんな環境大喜びなんだろうけど、俺はあいにくそんな性向は無い。でも順応性があるおかげでこんなOLライフを日々こなしていた。
 
戦略的営業センター(SSC)は年明けのオープンだったので、俺は先輩の山崎さんに勧められて、年内にヒゲと足の毛のレーザー脱毛を受けた。それまでは女子の制服を着ているといっても、オフィス内の全員が、俺が男だというのは承知だったので、ヒゲも適当に剃って処理していたが、本格的に女子社員として勤務するなら、きちんと処理した方がいいと言われた。レーザー脱毛の施術料は会社の雑費で処理してくれた。しかしこれ受けた直後は、とても人前に出られない感じで会社も一週間休ませてもらってアパートに引き籠もっていた。
 
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お化粧もこれまでたまにすることがあっても適当だったのを、山崎さんとふたりでメイク講座に通って少し勉強した。山崎さんも、ふだんお化粧するといっても口紅付けるくらいという人だったので、ふたりとも鍛えられた。
 
「だけど、ひろちゃん、おっぱい大きくしてるのね?」
と山崎さんには指摘された。
 
「あはは。ちょっとノリで大きくしちゃった」
「その内、下の方も取っちゃうの?」
「私、そういう趣味は無いですよー。一応健全な男子のつもりだし、そのうち普通に女の子と結婚したいですー」
 
「おっぱい大きくしてたら、女の子と恋人にはなれないと思うけど」
「ですよね。困ったな」
 
「いっそ女の子になる手術を受けて、男の人と結婚したら? 今戸籍の性別も変更できるんでしょ?」
「らしいですね。凄い時代になったもんだ」
「別におちんちんは無くてもいいんでしょ?」
「要ります! 無くしたくないです」
「ふーん」
 
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俺は営業して回るのは嫌いではないので、仕事自体ではストレスは無かったが、やはり女装して1日を送るのでは結構なストレスがあった。
 
それで、帰宅すると俺は男の服に着替えて、ちょっとHな写真やビデオでも見て、快楽をむさぼるのを日課にしていた。男の服で出歩かないでなどと言われてたので、コンビニとかに行く時はジャージやスウェットの上下などに着替えていたが(客層ボタンはだいたい赤い方を押されていた。あはは)、戻るとまた男の服に着替えて、ちょっと遊んだりしていた。
 
それでもストレスがたまって仕方無い時は、愛用のフライングVのギターを取り出し、適当に掻き鳴らしながら歌っていた。
 
やはりこういう時はロックだぜ!
 
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しかし女として日常生活を送るというのもほんとに大変だ。
 
まず洋服を随分買った。通勤用・勤務用のビジネススーツは、男なら1種類で押し通す手もあるが、女だとそういう訳にも行かない。取り敢えずジャケットとスカートのセットを3着買い、それと合わせやすいスカートを更に3着買った。これで取り敢えず1〜2週間は違った雰囲気で出て行くことができる。それに防寒用の女性用ハーフコートを買った。
 
とんでもない出費だ。年末のボーナスをかなり女物の服につぎ込んだ。
 
普段着も、女性仕様のボタンが左前になっているポロシャツ、女性用のセーター女性用スラックス(までは穿いてもいいと言われた)などを結構買い込んでこれも結構な出費だ。
 
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もう半分ノリで女物の下着も大量に買った。セシールで安いのをどーんと大人買いする。ブラジャー(これだけ胸があるなら着けろと山崎さんから言われた)とショーツのセットを10セット、ショーツを更に20枚、冬なのでキャミソールを10枚、それからパンストも取り敢えず20個ほど買った。
 
しかしパンスト穿くのって大変だ!
 
これまでは女子制服とか着ていても、そもそもズボンだったし、パンストなんて穿いたことなかったけど、しっかり伸ばしながら上げて行かないと長さが足りなくなるので、最初の頃は随分何度も「伸ばし直し」をした。
 
そしてよく伝染する! 最初結構可愛いのが気に入って穿いたら1日で伝染して、ショックだった。高かったのに〜。でもそういう可愛いのは営業の仕事をする以上、積極的に穿いた方がいいと山崎さんからは言われた。
 
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ショーツは普通に穿くと、アレがこぼれてしまうので困っていたのだが、参考にするのに見ていた女装サイト(すげー、美人!などと思う人がごろごろ居た)でアレは下に向けて、玉は体内に格納して穿けと書いてあったので、やってみたら何とかなった。玉が格納できるなんて、知らなかったぜ!
 
しかしゴムのしっかりしたショーツならそれで大丈夫だが、ハイレグのだとそれでもこぼれてしまうので、その場合は、内側にしっかりしたショーツを穿いて、二重穿きにするようにした。
 
また勤務中はショートガードルを穿いて、不意に大きくなってテントを張ったりすることのないように気をつけていた。ガードルも5枚ほど買ったが冬用なので夏になったら、また夏用のガードルを買わなくちゃ。
 
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ほんとに女って金が掛かる。
 
それに、俺こんな生活してたら、マジ彼女を作れないじゃん!
 
これだけの女物の服を収納するのに、男物の服はかなり大量に段ボールに詰めて押し入れに入れた。
 
俺いつかちゃんと男に戻れるんだろうか?あはは。
 

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ヒゲや体毛についてはレーザー脱毛してしまったので、気にすることもなく、楽だった。中学生の頃からやってたヒゲ剃りから解放されたのは良い気分だ。他の人もすればいいのに、なんて思っちゃう。
 
お化粧はいったん覚えると、何だか楽しくなって、毎朝30分ほど掛けてしっかりメイクをしていた。研修会の時に若林さんが買ってくれたものに少し自分で足して使っていた。口紅は2種類追加してその日の気分で使い分けるようにした。グロスを塗るのも何だか楽しみになった。
 
しかし女装にハマる人が多いというのが分かる気がした。
 
こういうのって、男として生活してたら味わえない楽しさだもん!
 
女性との営業トークのネタ作りにnonnoとかminaとかBlendaとか買って読むので、本棚にそういう雑誌がたまっていく。もうノリでカーテンも女の子っぽい可愛いのに変えてしまった。あはは、この部屋見られたら女の子の部屋と思われるだろうな。
 
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それ以前の段階で女子制服を着て1年半も仕事していて結構慣れた部分もあるにはあったのだが、やはりしばしば不本意に興奮してしまうこともある。
 
トイレは会社でも外出先でも日常でも女子トイレを使うよう言われたが、最初の頃は女子トイレを使うということだけでドキドキして、つい興奮して大きくなってしまい鎮めるのに苦労したこともあった。まあ、鎮めるにはアレするしかないが、最初の頃は女子トイレの中でそんなことを自分がしているということ自体が、何だか変態みたいな気がしてそれで更に興奮して2連続とかになったりしていた。もっとも慣れると平気になって、最近ではそんなことでいちいち興奮しなくなった。
 
しかしそれでもやはり興奮する時は興奮する。
 
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トイレ以外でも、例えば地下鉄に乗っていて突然変な気分になることもある。(それで結果的には女子トイレに飛び込む)
 
それで出してしまうと下着を汚すことになる。最初の内はティッシュを挟んでおいたのだが、それでは大して下着を守れない上に、ティッシュの破片がアレの先に付着して不快。
 
ということで、女性用のパンティライナーを使ってみることにした。男物のトランクスとかでは固定できないし、ブリーフでも内部でアレ自体が移動しまくるので制御できないが下向き収納方式で女物のショーツを穿いているとしっかり押さえられていて1ヶ所に留まっているので、ちゃんとアレの先から後で出てくる汁を全部受け止めることができていた。
 
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パンティライナーはいちばん薄い奴ではなく、少量のおり物とかを吸収できるタイプの方が漏れも起きにくいし、また感触も優しいことに気付いてそういうタイプを愛用することにした。
 
しかし最初パンティライナー買いに行った時はドキドキした。どんなのがあっても、どんなのがいいのかさっぱり分からない。でもメーカーのホームページ見ててもさっぱり分からない。種類がありすぎる!
 
それで、最初ドラッグストアで、売場をざっと見て雰囲気をつかんだ上でいったん引き上げ、ネットで各商品の特徴をよくよく調べてから再度買いに行った。しかしレジを通る時にまたドキドキした。
 
18-19歳くらいのレジの女の子がそのパンティライナーをいったん黒い袋に入れてから持参のエコバッグに入れてくれたので、ふーん、生理用品はこういう扱いなのかな?と思って見ていた。
 
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結局その黒い袋に入れたまま家のトイレに置き、数枚だけ100円ショップで買った生理用品入れに入れて持ち歩くようにした。
 

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戦略的営業センター(SSC)がオープンして最初に取り組んだのが、大手建設会社A社だった。俺と山崎さんとで組んで訪問して、最新のシステムを提案した。先行して導入した事例なども説明し、何度か本社からそのシステムの開発自体に関わった技術者も呼んで説明させた。
 
先方はそれで面談している時はけっこう良い反応をするのだが、なかなか契約してくれない。
 
「これ競合してるよね?」
「たぶんR社との争い」
 
と私は山崎さんと言い合った。
 
「もっと思い切って値引きした方がいいですかね?」
と私たちは、センター長の麻取さん、担当役員の高木さんと4人で話し合った。
 
「いや、これ以上値引けば赤字になる。赤字覚悟で受注するのはモラルの崩壊を招く。それで取れなかったら仕方無い」
 
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かなり話が煮詰まってきた所で、とうとう客先担当者がやはり競合していたR社の見積書を見せた。
 
「私としてはおたくと契約したいんですけどねー。R社さんはこの値段を出しているんですよ。せめて、このレベルまで値引くことはできませんかね?」
 
私たちはいったん持ち帰って検討すると返事をしたが、麻取さんも高木さんもやはりこれ以上の値引きには否定的だった。結局今出している見積より、あと10万円だけ特別出精値引きするという見積書を作った。
 
再度訪問してそれを見せると、先方は「分かりました」と答えた。
 
そしてその後、A社からは連絡が無かった。情報網を通じてR社がA社と契約したことが分かった。
 

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「なんか悔しいね」
「R社のこの見積もり、どう考えても赤字」
「これを無理して取れば確かに今回はとにかく仕事は取れるだろうけど、次もまた無理な値引きを要求されるよ」
「結局は仕事はしていても、ひたすら赤字ってことになりますね」
 
「うちは、まっとうな商売しようよ」
 
「でも、ほんと悔しいなあ」
「なんかスッキリすること無いかなあ」
 
「ひろちゃんは、なんかもやもやした気分の時、どうしてる?」
「私は、ギターを掻き鳴らしてますよ」
 
「ギターを掻き鳴らすって、つまりオナニー?」
と山崎さんが言うんで、俺は焦った。
 
なお、この場に居たのは、俺と山崎さんと麻取さんの3人で、高木さんは今日は東京本社に行っていた。
 
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「オナニーはしますけど、ギターはギターですよぉ。なんで突然スクール・オブ・ロック用語が?」
 
「まあ、あの番組、私始まった時から聞いてるから」
「それは凄いですね」
 
「でもオナニーはするんだ?」
「健全な男子ですから。しかしよくオナニーなんて言葉口に出しますね?」
 
「まあ、女も28歳になればこんなものよ。でもひろちゃんって健全な男子じゃなくて健全な女子かと思ったのに」
 
「私、その傾向は無いつもりなんですけどねー」
 
「でもギターはどんなの弾くの?」
「フライングVです」
「おっ。ギブソン?」
「いや。そんなの買うお金無いんで。私のはバッカスのです」
 
「へー。じゃ、どっかスタジオにでも行って、思いっきり音出して演奏しない?」
「あ、いいですね」
「私、ドラムス打つよ」と山崎さん。
 
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「あ、そういえばドラムス担当だったと言ってましたね」
 

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