【夏の日の想い出・ホームワーク】(6)
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(C) Eriko Kawaguchi 2021-01-24
2020年12月24日(木).
この日、あけぼのテレビでは19:00-22:00の特別番組が放送され、アクアは21:52-21:57の時間帯に大田区のあけぼのテレビで『361歩の迷宮(ラビリンス)』を歌い、その後CMを挟んで“§§ミュージック・タレントの自主的クリスマス会”と称して、ラピスラズリの町田朱美がシャンメリーを開け、アクアが乾杯の音頭を取って乾杯、各自の部屋に配られたクリスマスケーキを食べた。
なお、ラピスラズリは中学生なので、これに“出演”した訳ではなく、単に“映った”だけという立場である。それで彼女たちだけ、あけぼのテレビではなく、寮の自分たちの私室から中継された。番組は21:59で終了している。
この日、アクア(龍虎)は葉月(西湖)を誘って一緒に代々木のマンションに行き、彩佳たちと一緒にシャンメリーを開けて乾杯した。全員未成年なのでシャンパンは無しということにしている。
その後、龍虎と西湖は18階に行って、“4人”で食事した。彩佳たち3人は10階の部屋でご飯をたべた。5人以上の会食が禁止されているので2つに別れたのである。龍虎たちが実は2人ずつ居るからという問題もあった、
12月25日は遅くまで仕事があった。アクア(M)が高村マネージャーに送ってもらい代々木のマンションに辿り着いたのは、12/26 深夜1時過ぎである。
普段は彩佳たちが1005号室で食事を作って待っていてくれるのだが、この日は何時になるか分からないから、先に寝ててと言っておいた。それでアクアはエレベータで直接18階まで昇り、1803号室に入る。
リビングのテーブルにローストビーフやハンバーグなどが並べられている。「チンして食べてね」という彩佳の字のメモがあるので微笑む。ルクルーゼの鍋もあったが、そちらはビーフシチューあるいはビーフストロガノフのようである。「サワークリームは冷蔵庫」と書かれているので、ビーフストロガノフのようだ。
龍虎Mはその鍋をIHに掛けて温め、フライドチキンはレンジでチンする。
エアコンは入っているがFの姿が見えない。
「寝ちゃったのかな?」
などとつぶやきながら、Fの部屋を開けてみたが居ないようである。メールしてみる。
「外出してる。後はよろしくね」
という返信が来た。
後はよろしく??どういう意味??
疑問を感じながらも、リビングに戻る。バゲットをパンナイフでスライスしていたら足音がする。
あれ?Fちゃん他の部屋に居たの??と思いながらそちらを見ると彩佳である。
裸である!!
「彩佳!?」
「お帰り。そしてメリークリスマス」
「メリークリスマス。でも何してるの?」」
「サンタさんがプレゼントを持って来たの」
「プレゼント?」
「わ・た・し」
「えっと・・・」
「あなたぁ、御飯にする?お風呂にする?それとも、あ・た・し?」
「御飯にしようかな」
「今日はおちんちん、忘れてきてない?」
「あるけど」
「だったら、最初に私を食べて。私もう眠いから」
「何もしないで、そのまま寝るの推奨」
「龍を食べてから寝る」
「僕が食べられるの?」
「どっちでもいいよ」
龍虎は今晩は御飯を食べ損なうかもと思った。
龍虎Mはこんなことするのは初めてだったが、多分ちゃんと“できた”と思った。雨宮先生に言われたように、毎日“する”ようにしたから、今の所“男性能力”は維持できている(射精するとさらさらとした透明な液体が出る)。睾丸の消滅で“生殖能力”は無くなっちゃったけど、冷凍精子があるから、人工授精により子供は作ることができる。
(龍虎MはNの睾丸が保存されていることにまだ気付いていない)
しかし、1人の妻(?)をMとFで共有(?)してるって『とりかへばや物語』の兄妹と四の君の関係みたい、とMは思った。
彩佳は幸せそうな顔で眠っている。
僕、とうとう彩佳のバージンを本当にもらっちゃったなと思い、この子についての“責任”をあらためて自覚した。
しかしお腹が空いた!
ベッドから抜け出して食べてこようかなと思ったら彩佳が目を覚ました。
キスしてくれる。
こちらもキスを返す。
結局唇同士でキスする。唇だけでは済まずに舌まで入れ合う。
「私ちゃんと今日の夕方、千里さんに頼んで感染検査してもらって陰性確認してもらっているから」
「だったら安心だね」
「でもちんちん付いてる日もあるんだね」
と言って彩佳がそこに触る。
「いつでも付いてるけど」
「嘘。無い日の方が多いくせに」
「時々忘れてきてるから」
そんなことを言いながら彩佳は龍虎の“その付近”を弄んでいたが、やがて“そのこと”に気付く。
「あれ?タマタマが無い。取っちゃったの?」
「えっと・・・出張中なんだよ」
「龍って睾丸まで忙しいんだ!?」
なおこの夜、龍虎Fは、テーブルの上にあったローストビーフやピーフストロガノフを一部持ち出し、八王子の家で食べた後ぐっすりと安眠していた。
2020年12月28日(月).
紅白歌合戦の“歌唱順”が発表された。それによると§§ミュージックの各歌手は次の順番で歌うことになった。
04(紅)ラピスラズリ
13(紅)白鳥リズム
22(白)アクア
26(紅)高崎ひろか
27(紅)品川ありさ
この順番から予想される演奏時刻はこうなる。
19:43 ラピスラズリ
20:18 白鳥リズム
21:05 アクア
21:21 高崎ひろか
21:23 品川ありさ
紅白では例年、自分の出番以外でも、他の歌手のバックで踊ったり、様々な“出し物”に参加したりという演出がある。
それでNHKと交渉した所、下記のように解放してもらえることを確約してもらった。
未成年の、ラピスラズリ・白鳥リズム・アクアについては歌唱終了後ただちに解放する。その代わり、21歳の高崎ひろか・品川ありさについては、できたら最後まで付き合って欲しい。
そこでカウントダウン・ライブの歌唱順を次のように決めて発表した。ただし、ハプニングなどにより時間がずれたり、順序が交換されることはあります、と断ってある。
★前説
11:30 秋風コスモス・川崎ゆりこトークショー
★第1部 各30分
12:00 花咲ロンド
12:30 石川ポルカ
13:00 原町カペラ
13:30 大崎志乃舞
14:00 リセエンヌ・ドオ
14:30 山下ルンバ
15:00 桜野レイア
15:30 今井葉月
★第2部 各60分
16:00 ラピスラズリ
17:00 高崎ひろか
18:00 品川ありさ
19:00 西宮ネオン☆
20:00 川崎ゆりこ☆
20:55 白鳥リズム☆☆☆
22:00 姫路スピカ
23:00 桜木ワルツ with レイア・ルンバ・ゆりこ
24:00 アクア
この様子はあけぼのテレビ(Aチャンネル)及び、★★チャンネル、ЮЮネット(ЮЮラジオを含む)で深川アリーナから同時配信される。料金5500円の特例有料番組である(有料にしないとダウンする)。
紅白で§§ミュージックの歌手が演奏する時間は、こちらの演奏を休止する。↑で☆を付けたのがそれに掛かる時間帯である。リズムの担当時間帯に2回3人(ひろか・ありさは連続演奏)合計10分くらい中断するのでリズムの時間は5分長くしている。
(中断中はNHK再配信はできないので各々の歌手の紅白と同じ尺の歌唱録画を配信する:紅白の映像ではなく事前録画であることをテロップで明示する)
本当はカウントダウン役の23:00-24:00の時間帯は姫路スピカの担当にすることにしていたのだが、桜木ワルツがこのイベントをもって引退するので、スピカが彼女に譲って、またコスモスが歌唱辞退して、本来は30分の予定だった桜木ワルツが2020年の最後に1時間歌うことになった。
歌唱辞退するコスモスは彼女の“トーク”に期待していたファンのために前説として11:30-12:00の時間帯にゆりこを相棒にしてトークをする。元々秋風コスモスの“ライブ”は、30分あればその内25分!はMCである。
ラピスラズリは中学生なので20時までに演奏を終えなければならない。それで紅白が終わった後の演奏は不可能なので、16:00-17:00に歌わせ、充分な休憩を取ってからNHKに出られるようにした。
その後、17時から高崎ひろか、18時から品川ありさの演奏をする。彼女たちは各々自分のステージが終わってから渋谷に移動する。
今年は紅白の入場行進がビデオ合成で行われることになったため、紅白が始まる19:30にNHKに居なくても何とかなる。それで品川ありさは19時に深川での演奏が終わった後NHKに移動する。到着は19:40頃になるが、この件はNHK側の承認を得た。
白鳥リズムは高校生なので22時までに演奏を終える必要がある。それで20:55-22:00の時間帯を割り当てた。彼女は紅白は20:18-20:21くらいの歌唱なので、それからバイク便で渋谷から深川に移動すると20:50くらいに到着する。そのままステージに直行する。ゆりこからリズムへのバトンタッチは実際にはリズムの到着をもっての交替になるので21:10くらいまでずれ込む可能性もある。どっちみちハードなスケジュールになるが、
「若いから頑張ります!」
とリズムは言っていた。
私はコスモスに言った。
「リズムちゃんの渋谷から深川への搬送、アクアのマネージャーの山村さんにやらせなよ。不可能を可能にする男だからさ」
「女じゃないんだっけ?」
「まあ性別はあまり気にしないということで」
しかしコスモスも山村なら間違い無く時間前に到着するだろうと考えた。それでアクアのステージが終わった後の搬送は信頼性の高い安全運転の河合友里に頼み、白鳥リズムは多少荒っぽいが確実な山村にさせることにした(詳細は後述の移動チャート参照)。
「ただし20:50より前に到着した場合も20:50以降になってから出場させる。そうしないと警察からスピード違反の疑いで取り調べを受けるから」
「分かった。山村にはしっかり言っておくけど、万一の時はそういう演出をする」
12月28日の夕方、若葉から私に電話が入った。
「冬、飛行機“1個”買わない?」
「は?」
「実は、うちの伯母ちゃんの会社で輸入したHAL Dornier-Do228 NG を発注した航空会社が、キャンセルできないかと言ってきた」
「航空業界は今辛いよね」
「注文した時はコロナなんて無かったんだよ」
Do228は1981年にドイツのドルニエ(Dornier)が開発した短距離離着陸性能に優れた双発小型機だが、ドルニエが1998年に倒産した後、権利を持っていたスイスのRUAG (Ruestungs Unternehmen Aktiengesellschaft) という防衛関係の会社が2009年から RUAG Do228 NG (NG=New Generation) の名前で生産を再開した。若葉はHALと言ったが、これはインドの会社 (Hindustan Aeronautics Limited) で実は1983年以来、昔のNGの付いてない機体もライセンス生産していた。現在はNGの付いた機体の生産をしている。つまり話が持ち込まれた機体はインドで製造されたものである。
「物は既に輸入して取り敢えず調布に留めてるんだけど、停留料もかかるし、困ってるらしいのよ」
「つまりすぐ買えるんだ?」
「うん。1ヶ月程度以内には受け取れるように手続きする。正式な手続きが終わる前にも登録番号さえ取れたらすぐ使用していい。整備とかもさせるよ」
「その飛行機のスペックは?」
「機体長 16.56m, 翼幅 16.97m, 最大離陸時重量 6.6t, 乗員2名・乗客19名, 巡航速度413km/h 最高速度434km/h」
「400!? もしかしてプロペラ機?」
「そうそう。ターボプロップ機。だから調布飛行場も使えるよ」
「へー!それはいいかも。八尾(やお)飛行場は?」
「重すぎるからNG」
「あそこはダメかぁ。でもそれ結構使い手がある気がする」
「と思うよー。航続距離は1.96tのペイロードで396km, フェリーフライトつまり何も積まない状態で2364km。燃費0.945 kg/km。離陸距離792m, 着陸距離451m」
「調布って滑走路何mだっけ?」
「800m」
「792mってギリギリか!」
「でも調布−伊豆大島便とかにこのシリーズの機体が使用されてるよ RUAG のだけど」
「じゃ使用可能なんだ」
「うん。まあ普段は郷愁飛行場を使えばいいけど、何かの時に使える飛行場が多くなると思う」
「調布が使えるのは便利だと思う。ところでお値段は?」
「買う予定だった航空会社は7億円で買うつもりで前金として2億円払っている。当然これは返却しない。だから残金は5億円だけど、もし年内に買ってくれるなら4億円でいいと伯母ちゃんは言ってる」
「年内って・・・」
「31日は休みだから、30日まで。書類を30日までに通してくれたら代金の支払いは年明けでもいい」
「買った!」
それで§§ミュージックの運用機体に Do228NG が加わることになったのである。
所有機体 Honda-Jet
Red(7*) HAL-Do228NG(19)
レンタル Hoona-Het
Blue(7*)
曖昧に借りてる Gulfstream-G450(14)
都合次第では借りられる Gulfstream-G650(11)
↑括弧内は乗客数定員。G450,G650は燃料費,着陸料や停留料などだけ払い、機体とパイロットの借り賃を払っていない!
(*)ホンダジェットの座席は、次のような構成である。
機長席、副操縦士席、通常客席4、補助席1、化粧室!1 実は化粧室の座は蓋をすると普通の座席として使用可能である。だから機長以外に最大7名乗せることができる。飛行中にトイレに行きたくなった人はそこに座っている人と交替すればよい!(次にトイレに行きたい人が出るまでそこに座っていることになったりして!?)
12月29日から、毎年恒例の§§ミュージックのタレント総出演による、『今年もお世話になりました』のCMが地上波で放送される。今年の初めに出演したのは下記であった。
アクア、品川ありさ、高崎ひろか、西宮ネオン、姫路スピカ、花咲ロンド、石川ポルカ、白鳥リズム、原町カペラ、桜木ワルツ、山下ルンバ、桜野レイア、東雲はるこ、町田朱美、今井葉月、川崎ゆりこ(Pf)、秋風コスモス(Cond)
今年の年末の挨拶に参加したのは↑に加えて、大崎志乃舞とリセエンヌ・ドオである。総勢22名である。22という数字にちなみ、全員タロットカードを手にしていた(ゆりこの発案)。使用したデッキは“バーバラウォーカーのタロット”で、各々が持ったカードは下記である。
愚者:白鳥リズム
魔術師:西宮ネオン
女司祭長:姫路スピカ
女帝:高崎ひろか
皇帝:品川ありさ
法皇:大崎志乃舞
恋人:桜木ワルツ
戦車:南田容子
正義:高島瑞絵
隠者:山口暢香
運命の輪:アクア
力:佐藤ゆか
吊られた男:桜野レイア
死:秋風コスモス
節制:花咲ロンド
悪魔:川崎ゆりこ
塔:山下ルンバ
星:原町カペラ
月:東雲はるこ
太陽:町田朱美
審判:石川ポルカ
世界:今井葉月
コスモスは「タレントの生殺与奪を握る」、ゆりこは「仕事を押しつける悪魔のような女」、ルンバは「ふざけたことすると雷のように怒る」などと自称している。レイアは「ボク、引退したら赤ちゃん産むんだ」(よくある死亡フラグ)と言っていた。Hanged Manは逆さになっていることから胎児を表すと言われている。この4枚を4人が取った後は、適当に取らせたのが実態である。
しかし桜木ワルツが「恋人」のカードを持っていたことから、多くの視聴者が「やはり結婚するんだ!」と思ったようである(実はスピカが押しつけた)。葉月も結婚を表す世界のカードを持っている(こちらは偶然)。
なお、アクアが振袖(豪華な加賀友禅)を着ていることについては
「アクアはいつものように振袖だね」
「まあ紋付き袴とかの訳がないよね」
という程度の会話でスルーされた。
葉月が振袖を着ていることについては話題にもならなかった。
ラピスラズリの2人は京友禅を着ていた。
12月29日から紅白のリハーサルが始まるので、リズム、ありさ、ひろかはこれに参加させるが、アクアは例年通り、とてもリハーサルまで出ていられないので、代役として佐藤ゆかや三田雪代に入ってもらう(葉月も無理)。ラピスラズリも29日は無理だったので、その日は七尾ロマンと恋珠ルビー(今年のビデオガールコンテストの共同優勝者)にやらせた。七尾ロマンがピアノがとても上手いので、彼女に町田朱美役をさせ、恋珠ルビーが東雲はるこ役をする。
「ロマンちゃんの方が歌は上手いのに、逆じゃダメなんですか?ルビーちゃんもピアノは弾けるんでしょ?」
と桜野レイアがコスモスに尋ねたが
「だからこそ、ルビーにメインボーカルを取らせるんだよ」
とコスモスは言った。
そうしないと、ルビーがロマンに対してコンプレックスを持ってしまう。
「ああ、そういうことか」
とレイアも意味が分かった。
彼女たちには「ラピスラズリさんの代役のロマン&ルビーでーす」と名乗らせた。
「逆に並べたルビー&ロマンの方が語呂がいい気がする」
「それ商標にひっかかるんですよー」
私たちも彼女たちの命名をした時には気付かなかったのだが、ルビーロマンという、ぶどうの品種が存在するのである(1房数万円する。私も知人から10粒ほどだけお裾分けに頂き、家族でシェアして食べたことがあるが、とても美味しかった)。
2人の命名の語源だが、七尾ルビーは七尾市近郊の中能登町の出身(七尾市内の病院で生まれているから出生地は七尾市)であり、中暦(**)の七夕、8月7日の生まれだからである。恋珠ルビーの苗字は、彼女の出身地・宮古島の神話で、コイタマという女神様がいるので、その当て字である。ルビーは彼女の誕生石である(誕生日は7月1日)。
(**)新暦の1ヶ月遅れを中暦と言う。ひな祭り・七夕・お盆は、中暦で行われることも多い。特にお盆は8月15日こそお盆であるという認識が強い。
(お盆は本来、昔、今の1月と7月が年初で“年”が現在の半分の長さだった時代のお正月行事であると言われる。日本の伝統行事には、半年ずらした所に似たような性質の行事があることが多いのもその名残りである)
ところで白鳥リズムなのだが、
「初出場なんです。よろしくお願いします」
と色々な歌手さんに挨拶をしていたが
「あんた、去年も一昨年も居た気がする」
「いや、3〜4年前からずっと居る」
とベテラン歌手さんたちから言われる。
「すみませーん。アクアのリハーサル役だったんです。男の子歌手の代役だから、男装しないといけないかなと思ったんですけど、そのままでいいと言われましたけど」
「アクアちゃんは女の子でしょ?こないだ歌姫ランキングにも入ってたし」
「アクアちゃんは今年から紅組に来るんだっけ?」
「いえ、白組ですよ」
「あの子もいい加減、男の子の振りするのやめて、ちゃんと女の子として出場すればいいのに」
「あんな写真集出しといて『ボク男の子です』とかよく主張するもんだ」
「ちんちんは既に無いよね?あったら水着のお股の所が膨らむはず」
「すみません。個人情報なので・・・」
さて、1週間前に突然出場が決まった高崎ひろかであるが、彼女は31日の午後以降はカウントタウン・ライブのために空けていたものの、29日も30日も更に31日の午前中も塞がっていた。
しかし紅白のリハーサルに出席しなければならない。
急に紅白出場が決まったので、ということで先方に謝って別の子に換えてもらうことは可能だが、問題はひろかの代わりに仕事を務められるほどの人はみんな、同様に塞がっているという問題であった。
「私やゆりこでやるしかないね」
とコスモスは言った。
「えーっと、会社の様々なお仕事の方は?」
「園花(日野ソナタ)さん、よろしくお願いしまーす」
「え〜〜〜!?」
「会長も担ぎ出しましょう」
「当然だね」
ということで、私も事務所に呼び出され、日野ソナタさんと2人で、社長・副社長の代理をすることになった。その間の“政子のお世話”(主として食事を作る−たくさん作る!)には、風花夫妻に赤ちゃん付きで来てもらってお願いした。
こちらも赤ちゃん(大輝)がいるので、実は出産経験のある人に居てもらった方が助かる。
それで、私は29日から31日午前中まで§§ミュージックの社長テスクに座って大量に入ってくる社員からの連絡を確認し、また様々な手配をしたり相談に乗ったりした。
コスモスは毎日これをよくこなしてるよと私は思った。会社の規模は、会計レベルで紅川さんから引き継いだ時の百倍になっているし、社員の数でも10倍くらいになっている。コスモスは“雪月花”や“回文組”(**)などの中核社員にうまく権限を渡して、そのレベルで細かい判断はさせているようである。私とソナタさんも、その線に沿って作業を進めたが、私たち2人ではとても手が足りないので、29日の夕方、既に引退している桜野みちるを呼び出して、一部の仕事を代行してもらった。
(**)雪月花は、入社年度はバラバラだが、この業界に古くから居る女性社員で、玉雪梓紗・月原美架・小野市花(いづれも旧姓)の3人。威厳があるので、しばしばデスク(マネージング部長)と間違われたりする。
3人とも“修羅場をくぐってきた”人たちである。わりと頼りない雰囲気のあるデスク・沢村朋代を支えている。コスモスはこの3人や若いが頭の回転が速くスケジュール管理の元締めをさせている美咲瞳、それに海千山千と自称するアクアのマネージャー・山村勾美(女かどうかは怪しいが)などは「§§ミュージックの財産」と言っている。
なお、基本的に彼女たちに年齢は訊いてはいけない!小野市花など若く見えるのをいいことに「私、はたちでーす」などと言っているが、少なくとも10年近く「はたちでーす」と言っているし、私の知る範囲で3回産休を取っている。でもキンプリとかUFOとか聴いていて、若い人が良く聴く番組も聴いているので話題が若く、20歳と信じてしまう人もある。私もそれで欺された口である。
玉雪さんは、山村さんが花村かほりのマネージャーをしていた頃を知っていて「懐かしいね」などと言って、昔話を色々楽しそうにしていた。どうも山村さんの弱みまで握っているようである。
「まあ弱み握ってるのは、お互い様だけどね」
「まあやばいことは話さぬが花だよね」
「ところであんたもう去勢したんただっけ?」
と訊かれて、山村はムセている。
「彼が頭の上がらない人物によると過去に3回は去勢されているらしいですよ、おしおきで」
と私が言うと、玉雪さんは
「その程度じゃダメだね。10回くらい去勢しないと」
と言っていた。
「睾丸何個付いてるんですか?」
と美咲サブデスクが呆れていた。
(**)山本明(2015入社)・本田覚(2017入社)・田崎仁(2018入社)・崎山等(2019入社)の男性4人は、名前が山本・本田・田崎・崎山と、循環しりとりになっている。それで本来は「しりとり組」とでも呼ぶべきだと思うのだが、なぜか“回文組”と呼ばれている。
「山本・本田・田本・木山、とかなら回文なんだけど」
「誰かか最初に間違って、それが広まった」
「花ちゃんあたりが怪しい」
などと本人たちは言っていた。
“若手ホープ”とはコスモスが言ったことばだが、男手の少ない事務所なので実態は力仕事の係である。実は正社員の男性はこの4人だけである!
12月29日(火).
§§ミュージックのタレント総出演の長時間ドラマ『とりかへばや物語』が地上波で放送された。
1月2日以降あけぼのテレビでもタイムシフト視聴できるが、リアルタイムのサイマル放送はしない。あけぼのテレビだと思ってそちらに接続してくる人もあるが今日はあけぼのテレビはお休みなのである。接続しようとした人は“Bチャンネル”に飛ばされ、そちらの自動放送が映ることになる。
Bチャンネルは例によって信濃町ガールズたちのパフォーマンスが放送されているが「とりかへばや物語は地上波です」というテロップを常時流している。
アクアが主人公の兄妹を一人二役で演じているので、政子は目も離さずに見ていた。CMが無かったら漏らしちゃう、などと言っていた。このあたりは地上波の便利なところであるが、ネット局でやる場合でもCMは必要だよな、と私は思った。
アクアは男君の声は声色の男声で当てていて、女君の声は地声の女声で当てているので、今出ているのが兄君か妹君かは、それで分かるようになっている。そうしないと、見ている側はたぶん訳が分からなくなる。他に実は見分けやすいように、男君は右頬にホクロ、女君は左頬にホクロを付けている。これで耳の不自由な人でも、注意して見ているとどちらなのかが分かるようになっている。
白鳥リズムは熱演である。宰相中将(後半は権中納言と呼ばれる)というのは汚れ役ではあるが、リズムは熱演でこの主人公たちのライバルキャラを演じていた。宰相中将が中納言(男装している女君)は女であることに気付き、そのままレイプしてしまうシーンは物凄い視聴率になったようである。
この物語はやはり宰相中将役が鍵だよな、と私は思った。
汚れ役なので、実はローザ+リリンのケイナにお願いしようかという意見もあったのだが、コスモスが「リズムにやらせたい」と言い、リズム本人も話を聞いて
「女の子をやりまくる男とか、楽しそう」
と言って、この難役を引き受けてくれた。
そして結果的には主役のアクア以上に目立っている感じがある。
この配役は成功だったなと私も思った。
“男らしい”と褒められてそれを喜ぶ、リズムだからできる役である。
(友情出演している“同系”の七浜宇菜(左大臣家の家司役)と話が合うようで、楽しそうに話していた:ふたりとも普通の女子とはあまり話が合わない)
「ところで宰相中将(リズム)と女君(アクア)のセックスって物理的に可能なんだっけ?」
などとネットでは議論されていた。
「リズムはちんちん切ったと称してるけど、実はまだ付いてる可能性はある」
「立っておしっこできるらしいから付いてると思う」
「アクアは間違い無くヴァギナがあると思う」
「だったらセックスは可能である確率がけっこうあるかも」
誰もアクアにペニスが存在する可能性は考慮していない!
女君が、尿筒(しとづつ)を尿道口にピッタリ当てて立ったままおしっこをしてしまうシーンは、アクアが実際にやってみせたので
「ちんちん無いのに、よく漏らさずにちゃんと当ててできるねー」
と感心する声が現場では多数あがっていた。
このシーンは美高監督が「本当におしっこしてみよう」とアクアを乗せ、アクア本人も恥ずかしがりながらもやってみせた(演じたのはアクアFだが、彼女はトラベルメイトが使えるので、尿筒(しとづつ)もその応用で、指の感触で尿道口の位置を確認し、そこにしっかり当て、うまくできたようである)。
しかし女子の排尿を本当に映してしまうというのは凄い番組だ
建前上は、男装の女性キャラを演じる男性俳優の排尿だから、倫理的にはあまり問題は無い。それでテレビ局の倫理委員会も問題を感じなかったようだ。
女君は前半では宰相中将(白鳥リズム)にレイプされてしまうが、ラスト付近では帝(姫路スピカ)と幸せなセックスをする。
また男君は前半で東宮(品川ありさ)にレイプされ、中盤以降では四の君(東雲はるこ)を優しく愛し、ラスト付近では麗景殿女御の妹(今井葉月)とも愛し合っている。これについては
「女同士で演技しているから安心して見ていられる」
という意見が多かった。
結局“男女”の組合せの可能性があったのは、リズムとの関係だけというのが、多くの視聴者の見方だったようである。
この物語には多数の出産シーンがあり、多数の“赤ちゃん”も出演している。普通の時であれば、関係者の知り合いなどの赤ちゃんにお願いして出てもらう所だが、コロナの折、免疫の弱い赤ちゃんをあまり多くの人のいる所に連れ込みたくない。それで登場している赤ちゃんは全て、精巧な人形である。リモコンで顔を動かし泣いたり笑ったりさせられる優れもので、制作費は1体10万円である。
(四の君の第一子・第二子、萩の君、大若君)
出産した女君が、乳房を出して赤ちゃん人形に授乳するシーンなどは、女性ファンから「アクア様の授乳姿可愛い!」などと声があがっていた。
「アクア様に私の赤ちゃん産んでほしーい」
などというよく分からない声もあった。(君たち精子あるの?)
ちなみにこのシーンは、建前上は女性キャラを演じる男性俳優の胸を映しているだけ、つまり男の胸を映しているだけなので、倫理上は問題無いらしい!映しているのはそもそもアクアの実胸ではなく、付け乳である。実はこのシーンを演じたのはアクアMで、“産婦”仕様の乳首の大きなブレストフォームをテープで貼り付けて撮影している(テープで貼るとすぐ外せる)。
しかし今回のアクアは、おしっこするシーンあり、レイプされるシーン、出産シーン、授乳シーン、と体当たり演技である。実際、評論家たちの評価も高かった。
また権中納言(白鳥リズム)は最後は、吉野妹君(恋珠ルビー)と結婚式をあげて幸せそうな笑顔であったが
「白鳥リズムがルビーちゃんを見詰める目がいやらしい」
「ルビーちゃんの危機!」
などという声があがっていた。
(ちなみにリズムは高1、ルビーは中2である)
今回のドラマはアクアもリズムも、その演技力の評価を大きく高めた作品となった。リズムは先日の朗読劇では姫を守って殉職するリラの精を演じたが、あの朗読劇に続いて評価を上げた(その前には『裸の王様』も演じている。馬鹿の役というのは実はひじょうに難しいがそれをこなしていた)。
「宰相中将(権中納言)役って、高崎ひろかや品川ありさにはさせられない役だったね」
「そのあたりだとファンから『こんな役さぜて可哀想』って抗議が来そう」
「リズムのファンは『かっこいー』とか『いやらしー』(褒め言葉)とか喜んでた」
「アクアをレイプする役をさせて、アクアファンから殺されずに済む稀少なキャラかも」
「今年の春頃、アクアは赤ちゃん産みたいとか言ってたけど、リズムの赤ちゃんならいいかも」
「リズムに精子があるかは微妙だが」
「もう去勢しちゃったんだっけ?」
「リズムという強烈なキャラがあったから、成立した役だと思う」
と私、コスモス、ゆりこは言い合った。
2020年12月30日(水).
夕方から今年もRC大賞の授賞式があり、例年通り、新国立劇場で行われた。ただし今年はコロナの折、無観客での開催である。また優秀作品賞・新人賞以外の各賞の受賞者の多くはビデオ参加となった。
今年の新人賞にノミネートされたのは下記5組である。
ラピスラズリ、ビンゴアキ、スリルボカン、シミチョロ女子楽団、広中敬以子。
最優秀新人賞は、演歌の広中敬以子が受賞した。
ちなみにシミチョロ女子楽団というのは男性6人組のバンドで、少なくとも女装が似合いそうなメンバーも含まれていない。元ボクサー2人、元レスラー2人、元アメフト選手と元重量挙げ選手という“肉体派”集団である。しかし巷では、スリルボカンと人気を2分する若手バンドとなっている。名前は冗談がきついが、実力はなかなかしっかりしている。なによりドラムスのビートが凄いというのは、音楽評論家にも評価が高い。
ビンゴアキは典型的なアイドル歌手。ラピスラズリはご存じの通りである。受賞式でも町田朱美のピアノ伴奏で歌った。
優秀作品賞にノミネートされたのは下記12組である。
アクア『カナダの休日』
ローズ+リリー『君に届け』
ハイライトセブンスターズ『星は見ている』
ゴールデン・シックス『電欠・飯欠・金も欠』
トライン・バブル『恋の散歩道』
三つ葉『サイバーモンキー』
スパイスミッション『キッスは紙にして』
UFO『周回遅れのラブメール』
ラピスラズリ『夢見るからくり人形』
エルザ『無限』
花田啓治『めまい』
津島瑤子『花の降る町』
今年は松原珠妃も松浦紗雪も入っていないが、津島さんがいたので、受賞者の最年長になるのは避けられた!まあ、ゴールデンシックスの方が私たちより1つ年上ではあるが。
これでアクアは6年連続の登場(最初の年は新人賞でその後は優秀作品賞)になる。
2015『白い情熱』
2016『エメラルドの太陽』
2017『憧れのビキニ』
2018『旅人の休息』
2019『ラブ・キャンディ』
2020『カナダの休日』
私たちは2012年以来9年連続である。
2012『影たちの夜』
2013『花園の君』
2014『Heart of Orpheus』
2015『コーンフレークの花』
2016『振袖』
2017『雪虫』
2018『お嫁さんにしてね』
2019『Atoll-愛の調べ』
2020『君に届け』
ローズ+リリーは2011年以前は辞退しまくっていて「RC大賞ノミネートを最も多く辞退したアーティスト」などと週刊誌に書かれたこともある。
2008『その時』→スキャンダル報道で辞退
2009『甘い蜜』→活動休止中なので辞退
2010『恋座流星群』→一般販売されてないので辞退
2011『神様お願い』→契約により販売枚数を公開しないので辞退
今年はテーブルの間隔も広く設置されており、各テーブルともアーティスト本人以外は2名までと制限(それで原則としてレコード会社のスタッフは遠慮し、事務所の代表と作曲家が同席した)。また他のテーブルの人と挨拶や会話するのもできるだけ控えてと言われた。
それで私はアクアのテーブルの所に座るコスモスと青葉、ゴールデンシックスの2人、三つ葉の所に座る毛利さん、ラピスラズリの所に座る川崎ゆりこ・(東城一星先生の代理の)桃川春美、津島瑤子の所に座る千里、三つ葉やトラインバブルの子たちと手を振り、スマホのメッセージ交換でおしゃべりしていた。(同時多数通信なので、お互いに他の人へのメッセージと混線していた)
ちなみにローズ+リリーのテーブルに座ったのは、鱒渕マネージャーとサウンドプロデューサーの七星さんである。
なお、大賞はエルザの『無限』が受賞した。
12月31日(木).
いよいよ大晦日(おおみそか)である。
ひろか・ありさ・リズム・ラピスおよびアクアのリハーサル役の三田雪代は朝の内に月原・河合の車に分乗して渋谷のNHKに行っている。
当日、あけぼのテレビは土日スケジュールで、朝8時から放送は始まる。
この日最初の番組は、米本愛心(ColdFly5),、月嶋優羽(三つ葉)、仲原恵海(透明姉妹)、山下ルンバの4人による『Dormitory 2014』というトーク番組(事前録画)であった。Dormitoryとは寮のことである。
2014年秋以降、§§プロ(当時)の寮にはこういうメンツが住んでいた。
201-203.(空き)
204.米本愛心
205.花ちゃん(山下ルンバ)
206.(明智ヒバリ:不在)
207.高崎ひろか
208.アクア
209.品川ありさ
210.海浜ひまわり(無断残留)
月嶋優羽や仲原恵海は住んでいた訳ではなく、通いだったが、遅くなった日はここに泊まることもあった。明智ヒバリは入院していた。海浜ひまわりは、退去を求められていたのに荷物を片付けず1部屋占領していた。
「私が202使って、メグちゃんが203使うことが多かったよね」
「あ、そんな気がする。201は階段の傍だからわりとうるさくて安眠できなかったのよね」
「当時はお風呂も個室には付いてなくて共同浴場だから、順番待ちもわりと発生していた」
「一度に3人くらいしか入れなかったからね。順番待ちしてる間に眠ってしまって、翌朝焦ることもあった」
「汗臭いまま学校や仕事には行けないからね。朝御飯食べるか、シャワー浴びるか、重大な選択を迫られる」
「まあ御飯は諦めてシャワーするしかない」
「すると奥さん(紅川の妻・知世子)がおにぎり作ってくれて」
「うん。奥さんには随分お世話になった」
「共同浴場だから、お互いの裸もかなり見ている」
「うん。この4人はお互いに裸を見ている」
「ありさちゃん・ひろかちゃんもだね」
「ついでにアクアの裸も見ている」
「あれ、だいたい誰かさんが仕掛けてうまく欺して鑑賞してる」
「まあ同じ手に何度も引っかかるアクアもアクアだけどね。アクアの裸は多分当時の寮生・研修生が全員見てる」
「まあそれでアクアが間違いなく女の子であることを確認してるよね」
「まあ少なくとも、ちんちんは無かったよね」
「バストも無かったけどね」
「まあ女の子というよりは中性だよね」
「少なくとも男の子ではなかった」
「だけど、そもそも女の子だから、女子寮に居たのではという説もある」
「あれは当時、男のタレントというのが想定外だったから、紅川さんも、なーんにも考えてなかったらしいね」
「そうそう。翌年、西宮ネオンを寮に入れようとして『僕男ですから男子禁制なら僕自身が入れません』とか言って」
「それで紅川さんもやっと気付いた」
「アクアは1年間、女子寮に居ても何にも問題起きてなかったしね」
「まあちんちん無いんだから、問題が起きる訳無い」
「まあそれで山手線一周事件が起きる」
「その話はさすがにヤバいからやめようよぉ」
4人がそんな話をしているので、視聴者も、やはりアクアって最初から女の子あるいは中性だったんだ、と感じ取ったようである。
「まあアクアは設定男の子ということでいいんじゃない?」
「アクアを男の子だと思っている人って、きっと日本国内には居ないね」
「今年のヌード写真集で、確かに女の子のボディであることを全国民に見せたし」
「ヌード写真じゃなくて水着写真だけど」
「あ、そうか。間違い間違い」
「私、アクアのパスポート見たことあるれど、性別はFになってたよ」
「じゃ法的にも女の子なんだね」
「男の子ですと主張してるのは本人だけじゃないかという気がする」
「まそれで、アクアFTM説というのが出てくるんだよね」
「でもあの子、中学校3年間は学生服で通学してるし」
「女の子の服を着せると喜んでるから“男になりたい女”ではないんだよね」
「どちらかというと“女の子になりたい男の子”に近いよね」
「結局、アクアの性別というのは、よく分からないよね」
「ちんちんが存在しないことは確かだけどね」
「だからそれ病気治療で取ったんじゃないの?本人は否定するけど」
「ちんちん無くなったから、きっと法的な性別も女に訂正したんだよ」
「でもアクアが女の子ではという疑惑があまりにも強くなったから、少し路線を修正するらしいよ」
「どう修正するの?」
「王子様のイメージで売っていくって。取り敢えず1月6日発売のシングルは、王子様の格好でジャケット写真撮ってたし。アクアが王子様役をするドラマか映画も撮影するらしいよ」
「王子様よりお姫様の方が良い」
「王子様役だよと言って撮影現場に連れて行って、お姫様の衣装を着せちゃえばいいよ」
「それは過去に何度もやられている話だ」
「本人喜ぶからそれで問題無い」
この日のトークは半分くらいがアクアネタで、当時のアクアの様々なエピソードを話していたが、いかにアクアが“女の子であった”かを暴露する内容が多かった。アクア本人は後でタイムシフトで見たのだが、アクアFはそれを見て大笑いしていた。アクアMは不快そうな顔をしていたが!
視聴者の中には、やはりアクアが女の子であること、あるいは女の子になったことを発表するための地ならしではと思った人も多かったようである。
9時からは、米本愛心(ColdFly5)が司会をして、信濃町ミューズ、信濃町ガールズたちのパフォーマンスを中継した。但し10時からは米本愛心自身がリーダーを務めるCold Fly 5 のロック・パフォーマンスを中継した。
9:00 信濃町ミューズ(from 深川アリーナ)
9:30 信濃町ガールズ東北(from 仙台クレール)
10:00 ColdFly5 (from あけぼのテレビスタジオ)
10:30 信濃町ガールズ北陸(from 津幡アクアゾーン)
11:00 信濃町ガールズ本部メンバー(from 深川アリーナ)
東北メンバーは若林植物公園(千里の経営)が所有する送迎用大型バスで30日に東北一円を巡回して集めてきている。45人乗りのバス(4席×11列+1)に11人しか乗せないという、ゆとりのソーシャルディスタンスである。北陸はムーラン津幡のデリバリー部隊の中でも特に信頼できるメンバーに送迎させている(料金は取らないので二種免許は不要)東北メンバーは若林植物公園の合宿所、北陸メンバーは津幡スポーセンター内に12/29に1日で建てた!ユニットハウスのアパートに泊める(1人1室)。ユニットハウスのアパートは5-6時間もあれば設置可能である。
信濃町ガールズ本部メンバーのパフォーマンスが終わった所で11:30からは秋風コスモス・川崎ゆりこのトークショーをあけぼのテレビのスタジオから中継した。2人は2014-2019ロックギャルコンテスト、及び今年のビデオガールコンテストでのエピソードを色々語った。そして最後には今年の優勝者、七尾ロマン・恋珠ルビーを紹介し、2人に2分ずつ歌わせる。
これで“前説”は終わり、12時以降は有料番組になることを再度告知する。(朝から再三テロップで案内している)
お昼頃、別口(べつくち)の仕事が終わったアクアを高村がそちらから渋谷に連れて行く。そして渋谷から、リハーサル役の三田雪代を深川に連れ帰る。お昼すぎからの紅白最終リハーサルには、アクア本人が参加する。
雪代は午後いっぱいは休み、21時から信濃町ミューズとして白鳥リズムのバックダンスに参加する。彼女は午前中のミューズのステージと15時の桜野レイアのバックパフォーマンスは欠席(・・・する予定だったが15時のステージには結局参加した)。
なお、パックパフォーマンスの詳細は後述。
12時から“§§ミュージック Count Down 2020 & 2021 New Year Live”の生ネットライブが始まる。有料放送だが、第1部(12:00-16:00)は定額料金で見ることのできる番組である。あるいは第2部のチケットを購入している人もサービスで無料で見ることができる。
トップバッターの花咲ロンドに始まり、各自30分ずつのパフォーマンスをした。
★第1部 各30分
12:00 花咲ロンド
12:30 石川ポルカ
13:00 原町カペラ
13:30 大崎志乃舞
14:00 リセエンヌ・ドオ
14:30 山下ルンバ
15:00 桜野レイア
15:30 今井葉月
持ち歌で30分構成できる花咲ロンド・石川ポルカ・原町カペラ・桜野レイアの4人は各々の持ち歌を歌った。山下ルンバは他の子たちがアイドル歌謡を歌うので、この日は“ロッカー”の仕様(?)で登場し、赤い人工レザーのジャケットと同素材のミニスカート・ブーツで、熱いパフォーマンスをした。大崎志乃舞は『視聴者がおやつを買いに行く時間を作る』と称して、ヴァイオリンの演奏を30分した。リセエンヌ・ドオは今年の話題曲を30分歌った。そして第1部のラストを任された今井葉月は、岡田有希子(1967-1986)の歌を歌った。
『ファースト・デイト』
『恋、はじめまして』
『Love Fair』
『二人だけのセレモニー』
『WONDER TRIP LOVER』
『ポップ・アップ・リセエンヌ』
『くちびるNetwork』
岡田有希子を知っている世代(主として50-60代)は涙を流して聴いていた。知らない世代も物凄くキャッチーな『Love Fair』で注目し、最後のヒット曲『くちびるNetwork』まで興味深そうに聴いていたようである。
15時頃、渋谷では紅白の最終リハーサルが終わるので、河合マネージャーの車で、ひろか・ありさ・ラピスラズリが深川に移動する(身体の大きなありさが助手席に座り、ラピスの2人とひろかが後部座席に座った)。
ところで、この日の各歌手のバックパフォーマンスは信濃町ミューズ及び信濃町ガールズの本部・地方メンバーが交替で務めた。
関東・関西・九州・東海の信濃町ガールズたちを、前日に大型バスを巡回させて拠点(東京・豊中市・佐賀市・小牧市)のホテルに集めており、この日の午前中に全員感染検査をして陰性確認した上で、G450(伊丹→郷愁), G650(佐賀→郷愁)、ホンダジェット2機(小牧→郷愁)で連れてきている。関東以外に3組も集結させたのは、万が一感染者が出た場合の予備もあった。第1部では所属単位でパフォーマンスに参加した。これは見知ったメンバーと一緒にした方がリラックスしてパフォーマンスできるためである。
12:00 ロンド→関東
12:30 ポルカ→関西
13:00 カペラ→東海
13:30 志乃舞(伴奏:七尾ロマン)
14:00 リセ→九州
14:30 ルンバ(伴奏:フィフティースリー)
15:00 レイア→ミューズ
15:30 葉月→本部
16:00 ラピス→中学生A
17:00 ひろか→中学生B
18:00 ありさ→中学生C
19:00 ネオン→高校生A
20:00 ゆりこ→高校生B
20:55 リズム→ミューズ
22:00 姫路スピカ→シニアA
23:00 桜木ワルツ with レイア・ルンバ・ゆりこ
24:00 アクア→シニアB
第2部のバックパフォーマンスは、年齢別編成にした。本部も関東・関西・東海・九州もミックスした上で、中学生以下をABC3班、高校生をAB2班、高卒以上(シニア)もAB2班に分割している。連続出場にならないよう、ありさのバックを務めた本部メンバーの内の中学生はBまたはCに入れている。シニアBには実はミューズの高卒メンバー桜井真理子と悠木恵美も参加している。
深川では葉月のパフォーマンスが終わった後、カウントダウンライブは第2部に入る。ここからは特例有料番組で、視聴にはチケット(特例視聴料5500円)が必要である。あけぼのテレビ(400万回線)だけでなく、★★チャンネル(100万回線), ЮЮネット(TV100万+ラジオ300万回線)でも同時配信される。料金はどこで見ても同額である(ЮЮラジオは3300円)。
このチケットが必要な時間帯になって最初がラピスラズリである。物凄い視聴率になるが、各ネットは各々の方針で回線ダウンに備えており「繋がらない!」といった苦情は発生しなかった。
ラピスラズリの後は、高崎ひろか・品川ありさが続けて登場する。ここは各ネットとも余裕をもって配信できる。
深川アリーナでは、ラピスラズリのライブが終わった所で高村友香が彼女たちを車で渋谷のNHKホールに運ぶ。続いて高崎ひろかも自分のライブが終わった所で、河合友里がやはり車で渋谷に運ぶ。そして品川ありさは19:00にライブが終了した所で、着替えもせすにコートを着てスボンを穿いて!コートで隠れているのをいいことににドレスをめくり、山村のバイクの後に乗り、渋谷まで行った。
「山村さん、おっぱいあるんですね」
と山村に抱きついて乗っているありさが言う。
「なんで〜〜!?」
「だって山村さん、実は男なのではという噂もあるし」
「あら、私は男よ」
「そうなんですか!?」
「パスポートは男になってるわね」
「へー。性別変更はしないんですか?」
「ちんちん取ったら、女の子とセックスできなくなるし」
「ああ、女の子が好きなんですか」
「でも商品には手を付けないから、あんたたちを誘惑することはないから」
「ああ。うち、あまり男性スタッフを増やさないのはそれが主な理由みたいですね」
「ネオンには山本君が付いてるけどね。男性マネージャーが付いてる女子タレントはリズムの本田君だけよね」
「あれも不思議ですよね」
「リズムに男のマネが付いてるのは誰も不思議に思ってない。そして性別の怪しいアクアには、性別の怪しい私が付く」
「なるほどー。そうだったのか!」
とありさは納得していた。
渋谷に到着したのは19:25である。紅白の開始ギリギリ前である。今年は入場行進は録画なので開始時刻に居なくても大丈夫なのだが、ちゃんと開始時刻に間に合ったことで、NHKの進行係さんもホッとしていた。
深川の方は19時から西宮ネオンがライブをしていたが、19:40頃いったん中断してラピスラズリの紅白のステージの間休止する。それが終わってからネオンのステージは再開される。ラピスラズリは中学生なので紅白のステージが終わったら、高村が車で足立区の寮まで連れ帰った。
深川は20時からは川崎ゆりこのステージとなる。この間に紅白では白鳥リズムの演奏(20:18-20:20)があるので、この間は川崎ゆりこの演奏はお休みである。白鳥リズムは自分の紅白での演奏が終わると、山村マネージャーが運転するバイクに乗って深川に移動する・・・ということになっていたのだが、山村はリズムをNHKの駐車場に駐めている§§ミュージックの車(後でアクアが移動に使う予定のもの)の中に連れ込んだ。
「バイクじゃないの?」
「りみちゃん、秘密は守れるよね?」
「もちろん」
「目を瞑って」
「はい?」
「数を10まで数えて」
「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10」
「もう目を開けていいよ」
「はい?」
それでリズムが目を開けると、そこは車の中ではなくどこかの部屋である。
「わっ!?」
「もう深川だよ」
「嘘!?」
「楽でいいたろ?」
「素敵ですね」
「ステージ前20分くらいでも仮眠しなよ」
「そうします」
「誰か女の子に起こしに来させるから」
「よろしくー」
それで白鳥リズムはここで仮眠し、20:50に来た緑川志穂に起こしてもらい、20:55から深川アリーナのステージに上がった。衣装はそのままでメイクだけ直してもらった。
リズムの深川でのステージでは2回3人の紅白演奏での中断がある。
21:05-21:07 アクア
21:21-21:23 高崎ひろか
21:23-21:25 品川ありさ
高崎ひろかは、コロナで欠場することになったマラナーズの代りの出場だったので、マラナーズのメンバーの顔写真の入った服を着て登場し、マラナーズのファンから称賛されていた。
アクアは自分の演奏が終わったところで河合が運転する車で深川に移動したが、ひろか・ありさは紅白の最後まで付き合うことになる。
河合の車で深川に連れてきてもらったアクアは控室で仮眠して自分のステージに備える・・・という建前で実は紅白で歌ったのはM、深川で歌う予定なのはFである。Fは最初から専用控室で休んでいた。
22:00から深川のステージは姫路スピカが務める。この先は紅白での中断は無い。
そして23時には桜木ワルツが登場し、桜野レイア・山下ルンバ・川崎ゆりこの3人をバックにして、この3年間に出した曲を歌った。ワルツの歌手としての最後のステージになるので応援も凄く、本当に盛り上がったステージになった。本日CDが発売された最後の曲では、ネオン(21)、ロンド(21)、それにコスモスまでステージに上がり、ワルツを応援した。(リズム・ポルカ・カペラは高校生なので顔を出せない)
そしてみんなで一緒にカウントダウンをしてハッピー・ニューイヤー!を叫んだ。
歓声と拍手の中、アクアが登場し、桜木ワルツと“エア・ハグ”してから、ステージを引き継ぐ。
そしてここからアクアは深川アリーナの中央通路を走って!反対側のステージに行く。ここにエレメントガードが待機していて『カナダの休日』の前奏を演奏し始める。アクアは一気に70mほど走ったとは思えない元気さで、歌い始めた。
感染予防のため、深川アリーナは前後のステージを交互使用することになっている。それでアクアは後ステージから前ステージまで走るはめになったのである。
なお、高崎ひろか・品川ありさは23:45に紅白が終了したので、その後、月原が車で足立区の寮に連れ帰った。そして25:00のエンディングには他の歌手たちと一緒に寮の個室から、画面に向い手を振っていた。
この日の移動タイムチャート(括弧内は使用車 X=バイク)
(三田雪代はアクアのリハーサル役)
午前中
渋谷←寮 月原(A)ひろか・ありさ・雪代
渋谷←寮 河合(B)リズム・ラピス
お昼
渋谷←台場 高村(C)アクア
渋谷→深川 高村(C)雪代
1500(紅白リハ終了)
渋谷→深川 河合(B)ひろか・ありさ・ラピス
1705 渋谷←深川 高村(C)ラピス
1805 渋谷←深川 河合(B)ひろか
1905 渋谷←深川 山村(X)ありさ
1950 渋谷→寮 高村(C)ラピス
2025 渋谷>深川 山村(X?)リズム
2110 渋谷→深川 河合(B)アクア
2350 渋谷→寮 月原(A)ひろか・ありさ
1 2 3 4 5 6
【夏の日の想い出・ホームワーク】(6)