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■女の子たちの花祭り(2)

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3月11日。
 
東北地方を未曾有の災害が襲った。千里たちはてっきりすぐ近くで地震があったと思ったのにテレビを付けて震源が宮城と知り「嘘!?」と思った。しかし真の恐怖は地震のあとにやってきた巨大な津波によりもたらされた。千里も桃香もテレビの画面を見ていて涙が止まらなかった。
 
千里がバイトしているファミレス・チェーンで、被災地域への炊き出しのプロジェクトをすることがその日の内に決定され、志願者が募集された。
 
「君、精神的には強い方だよね」「はい」
「向こうは今かなり悲惨な状況らしい。死体とか見ても大丈夫?」
「それはたぶん平気だと思います」
「君を派遣する場合、女性扱いになるんだけど・・・君、女性といっしょに着替えるのは問題無かったよね?」「ええ。いつも着替えてます」
「女性と一緒にお風呂入っても問題無いんだっけ?」
「お風呂ですか?はい。問題ありません」
桃香が女湯に入れるじゃんと言ってたもんね・・・
「分かった。じゃ名簿に入れておく。明日にも連絡すると思うから」
「はい」
 
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千里が家に帰って震災地域への炊き出しに参加すると言うと、桃香が私も行きたい!と言った。千里が店長に連絡すると「じゃ、うちのスタッフとして派遣するようにしよう」と言ってくれた。事前に簡単な面接と研修をしたいというので、すぐに桃香を連れてファミレスに行く。桃香の強い性格はこういうプロジェクト向きと店長に好感されたようであった。桃香はとりあえず2〜3日、こちらの店で働いて慣れてから、増援スタッフとして派遣されることになった。
 
千里が勤めるファミレスチェーンは近隣に20店舗展開をしているが、高速のSAなどを対象に移動店舗も営業していてキッチンカーを3台所有している。これを被災地支援に使うことにしていた。通常の移動店舗のスタッフだけでは負荷が高いので、このプロジェクトのために有志を募り、50名ほどのスタッフが集まってきた。チームはキッチンチームが1チーム4名で6チーム。3日続けたら第二陣と交替である。このほかに物資の配送をする輸送チームが結成されていた。
 
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千里はその第一陣として出発した。行き先は千里も初めて聞く町村名が多かった。これはこのチェーンが敢えて小さな町村を選んだことによる。それは大きな市の避難所より、小さな町村の避難所のほうが食料が不足していると思われたことと、小さな町などのほうが営業許可を取りやすかったことによる。大きな市への支援はもっと大きな企業に任せればいい、と今回のプロジェクトの現地指揮を執る副社長が言っていた。
 
3日たち第一陣が戻って代わりに第二陣が出発する。ところが第二陣に出発直前に欠員が生じてしまった(家族から止められたらしい)。第一陣で行ってた人のうち消耗の少ない数人が第二陣にも再び参加することになり、体力には自信のある千里は志願した。そこで第二陣で千里と桃香が同じチームで参加することになった。
 
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「桃香、ウェイトレス体験はどうだった?」
「うん。楽しかった。たまにやるからだろうけどね。これ体力使いそう。千里は深夜のシフトが多いんでしょ。よく体がもつね」
「寝れる時に寝てるから。お肌には悪いかも」
「現地どうだった?」
「もう悲惨。悲しい話を山ほど聞いて涙腺がフル稼働。遺体はけっこう見たし、避難所で目の前で亡くなった人もいた。第一陣で行ったスタッフで次は勘弁してと言っている子が何人もいた」
「そうだろうなあ」
「体力的にもけっこうきついけど、精神的に辛いよ、この仕事」
 
「千里、お風呂入った?」
「うん。入った。特に問題無かったよ」
「ほほお」
「いっしょのチームで行った亜衣華って子とは浴室内でおっぱいの触りっこしたし」
「なに〜!?」
桃香の心の中に嫉妬の炎が燃え上がる。
 
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千里は1日目の夕方を思い出していた。その日は高台にあって被災を免れた町の温泉施設の入浴券をもらった。行くと町民の人達も入浴に来ていて、温泉施設はごった返していた。千里は入浴券を見て少し悩んだが、汗は流したいし、またちゃんと清潔にしておかなければ仕事上まずい。「よし」と決断して、着替えを持ち、入口でチケットを渡して温泉施設に入場。女湯ののれんをくぐった。
 
脱衣場には服を脱いでいる最中の人、着ようとしている人、浴衣姿で涼んでいる人、裸のまま歩き回っている人などがいる。こういう風景自体は見ても何とも思わない。千里はできるだけ平常心で空いているロッカーの扉を開けてばやく服を脱いで裸になり、服を収めたロッカーの鍵を手首に付けると、そのまま浴室に入った。かけ湯をし、簡単に体を洗ってから浴槽に入る。
 
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『もう少しドキドキしちゃうかと思ったけど、別に何とも思わないなあ』と千里は浴槽につかりながら思った。どちらかというと浸かっているお湯が少し熱すぎることが気になった。それでもしばらく浸かっていたら、一緒のチームで回っている亜衣華が入ってきて、千里を見つけると「やっほー」と言って寄ってくる。千里はほっとして、亜衣華とおしゃべりを楽しんだ。
 
「でも、千里おっぱい小さいね」と触ってくる。
「亜衣華は大きくていいなあ」などと言って千里も触る。
おっぱいの触りっこは、いつも朱音や美緒たちともやってるから平気だ。逆にこれで落ち着くことが出来た。

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千里たちのチームは桃香の他、千里と同様に大学生で体力があるので特に残留を希望した亜衣華と、それに桃香と同様に第二陣で参加した歌恋・雪菜の5人となった。本来は1チーム4人だが、女子はこの5人だけで他の2チームは男子のみの構成になっている。女子だけまとめられたらしい。先に3日間の活動をしてきた千里と亜衣華が、残りの3名に仕事の流れの再確認と実際の現地での様子の説明をした。
 
「現地、けっこうきついから、もう辛いと思ったら我慢しないで言ってね。すぐ帰させるし、それで査定に響いたりもしないから」
 
5人を含む第二陣のスタッフを乗せたバスは早朝から高速を走り、今回サービスをする地区に到着した。現地の協力会社の敷地に駐められたキッチンカーに乗り込む。食材は現地スタッフの手でもう積み込まれていた。
 
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最初の避難所まで行く。炊き出しに来たことを告げると、歓声が上がり、列ができる。メニューは5種類しか無いが、とりあえず選べることが好評だった。2人で列に並んでいる人の注文を取り、3人は中でひたすら調理をする。誰が注文に回り、誰が調理を担当するかは避難所ごとに交替していた。若い人の中にはおかわりをする人もいる。基本的にこのプロジェクトではお代わりに制限はもうけていなかった。
 
初日女子組の宿舎になったのは、いつもチェーンに野菜を納入してくれていたこの地の会社の女子寮であった。部屋は5つ確保してもらっていたが、お風呂は共同である。千里は「桃香〜、お風呂行こう」などと誘って、一緒に浴場に行く。千里がそこの寮の本来の住人さんたちもいる中、堂々と脱衣室に入り、平気で裸になって浴室に入っていくので、軽くめまいを覚える気がした。置いていかれそうになり、慌てて千里の後について浴室に入る。そして体を洗ってから、そう大きくもない浴槽に身を沈めた。
 
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「千里、ほんとに平気なの?」と浴槽でそばに寄って小さい声で尋ねる。「何が?」と千里は涼しい顔をしている。
「まあいいや、私悩んで損した」
千里は桃香の思惑に気付いているのか気付いていないのか、気持ち良さそうに温浴を楽しみながら、桃香におしゃべりを仕掛けてくる。
 
桃香も開き直り、千里のおしゃべりに付き合っていたら、亜衣華と歌恋もやってきて、話が盛り上がる。「触った感じは似たような雰囲気だったのに見比べると亜衣華の胸のほうが桃香より大きい気がするなあ」などと千里が言うと思わず桃香が嫉妬するような視線を亜衣華の胸に向ける。すると「何だ?触られたいの?」
と亜衣華が言って、またまたおっぱいの触りっこ合戦になってしまう。歌恋はこの手の遊びに免疫がないようで「いやん」と悲鳴をあげていた。
 
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話の方も盛り上がったが、あまりの盛り上がりように、寮の住人さんたちも近づいてきて「ボランティアの方ですか?」と声を掛けてきた。ボランティアじゃなくて、仕事で避難所の炊き出しにまわっていると言ったが、それは充分ボランティアですと言われ、彼女たちからいろいろ被災地の現状なども聞くこととなった。しかし、被災状況などの話より、彼女たちとはアイドルの話などの方が盛り上がった。
 
1日目は勢いでがんばれたものの2日目はさすがに疲れが出てきた。しかし何とか気合いで乗り切り、その日最後の避難所に行った時のことであった。
 
だいたい列がはけて、あと30分もしたら撤退して今日の宿舎に移動しようかという状況で、千里が食器の空きを避難所内で回収してまわっていた時、詰め襟の学生服を着た中学生の男の子?が千里に「済みません」と声を掛けた。千里が「男の子?」と思ったのは、彼がとても可愛い顔をしていたせいだ。一瞬女の子が男装しているのかと思った。
 
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「お代わり?いくらでも頼んでね。お代わり制限は無いから」と千里は笑顔で言う。
「ごはんはもう大丈夫です。美味しく頂きました。ここ2日ほど、おにぎりしか配給無かったから、お肉食べられてすごく嬉しかった」
まだ変声期が来てないのかハイトーンである。千里は自分もこのくらいの年で去勢してたら声で苦労しなくて済んだのになどとふと思った。今千里が使っている声は桃香の指導の下で必死に練習して獲得した女声である。
「よかったね」
「それで、ちょっとお姉さんに折り入ってお願いがあるんですけど」
「なにかしら?」
「ここではちょっと・・・・」
「んー、じゃちょっと一緒に来る?これを片付けてから聞くから」
「はい」
 
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千里が食器を片付けながら外に駐めてあるキッチンカーの方に戻っていくと、彼はその食器を片付けるのを手伝ってくれた。その手伝い方がとてもさりげなく千里は、この子よくできてる子だなと思った。
 
食器を片付けたあとで、ここなら大丈夫かなという感じで、キッチンカーの裏側に彼を連れて行く。車のエンジン音があるので会話が漏れにくい。
 
「で、何かな?」と千里が尋ねる。まさか愛の告白ではないよね・・・
「あの、凄く唐突なんですけど、女物の服を少し分けてもらえないでしょうか。新品でなくてもいいので。私、この格好で学校に居た時に被災してしまって。あとで家まで行ってみたけど流されていて服が調達できなかったんです」
千里は目をぱちくりさせる。
「あなた、女の子??」
「自分では女の子のつもりなんですけど、その・・・お姉さんと同族です」
千里はびっくりした。そうか。同族だったのか!だから自分のことをリードして自分を頼ってきたのか。千里としてもリードされたのは初めての経験だった。
 
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「事情は分かった。それなら何とかしてあげたいけど、私の着替えはこの車には積んでないのよね。明日はこの避難所には来ないし。。。あ、名前は?私は千里」
「青葉といいます。来月から中2になる予定でした」
「青葉ちゃん、ご家族は?」
「両親と姉がいたのですが、地震から5日たったのに連絡が取れないのでたぶんみんな死んだと思います。避難所名簿とか死亡者名簿とか見ても見つからないし、電話会社の安否確認システムでもヒットしないのですけど」
淡々と無表情で語る青葉に千里は少しぞっとするものを感じた。
この子、震災のせいで感情にトラブルが起きているのではなかろうかと感じた。
「そうなの・・・・」
千里は思わず青葉をハグした。
「あっ」
青葉はハグされて驚いたようだったが、やがてそっと千里をハグしかえした。その時、彼女の目に少し涙が光ったように千里は思った。
 
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「ちょっと待ってて」と言い、千里は車の中に戻り、今回のチームのリーダーである亜衣華に相談する。
「リーダー、ちょっと知り合いの中学生の子と遭遇しちゃって、どうも家族をみんな亡くしたようなんです。とりあえず今日の宿舎に連れて行ってもいいですか?」
「うーん。ほんとはいけないけど、知り合いで中学生なら放っとけないわよね。見つからないようにね」
「はい。明日以降については考えますので今夜だけ私の部屋に泊めさせてください」と言う。ただこの時点で千里の頭の中にはまだこの子の扱いについてどうするという方策は何もできていなかった。
 
車の陰に戻り、青葉に
「とりあえず今夜は私の宿舎に来ない?それからちょっとどうするか考えましょう」
という。青葉は無表情のまま
「はい」
と返事をした。千里は青葉にこの付近に居るように言うと、桃香を探し手短に状況を説明する。
「わかった。私達の部屋にとりあえず今夜は泊めよう」
 
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千里は青葉を連れて、避難所の責任者の所に行き、知り合いの子で、両親とお姉さんを亡くしたようなので、とりあえず保護しますと言った。責任者の人から連絡先を聞かれ、千里は自分のアパートの住所と電話番号を書いて渡した。
 
本当は違法なのだが5人乗りのキッチンカーに青葉まで入れて6人で乗って、その日の宿舎に辿り着く。今日の宿は被災して休業中のホテルなのだが、一部の客室は使えるので、それを安価に貸してくれるのである。女子組にはツインを3部屋確保してあったが、亜衣華は千里と桃香が特別な関係であることには気付いていたので、ふたりを同室にしてくれていた。千里はその部屋に青葉を連れ込んだ。
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