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■女子高校生・3年の夏(4)

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さてインターハイ予選の初日は団体戦がおこなわれる。千里たちは朝9時の開会式には出たもののH大姫路は男女ともシードされていて3回戦からなので進行状況にもよるが11時くらいになりそうだった。それで道具検査の後は会場の近くでジョギングしたり素振りしたりしていた。
 
11時過ぎに呼ばれてアリーナに入る。対戦するが、先鋒の大、次鋒の香織、中堅の双葉と勝って。副将戦・大将戦無しで勝ち上がる。準々決勝以降は午後になるようである。
 
双葉と清香はお弁当(持参)を食べてから「まだ入る」という清香に付いて双葉も一緒に食堂に行ったようである。千里は運営の人に呼ばれて大の性別問題について訊かれた。それで
「上の子供が小さくして死んだので男名前を付ければ育つと言われて男の名前を付けられた子であり、性転換したんしゃないです」
と説明していたので、控え場所に戻るのが遅れた(本当は主将の清香の仕事なのに:運営さんも清香ではちゃんと把握してないだろうし信頼できないと分かっている)。
 
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それでお弁当を食べてから自分ももう少し何か食べて来ようかなと思い、行きかけると道着を着た男子に声をかけられる。
「村山さん、すみません。E高校の木下と申します。もし良かったら少しお手合わせしていただけませんか」
「いいですよ」
 
それで昼休みに入っていて試合の行われていないアリーナに入り、その隅で対戦した。例によってギャラリーが凄い。
 
結構強い子でこれなら副将くらいできるのではと思ったが、千里の敵では無い。1分で1本、2分でもう1本取り千里が勝った。
「ありがとうございました」
「ありがとうございました」
 
「1年生さんかな。頑張ってね」
「はい!ありがとうございます!」
 

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これで時間を食ったので千里はもう食堂には行かず売店で残っていたメロンパンを買い、控え場所に戻った。
 
戻ると双葉の様子が変である。
{どうしたの?}
「何かお腹が痛くて」
 
鐘丘先生が見るが
「病院に行った方がいい」
と言う。しかし本人は
「家で寝てます」
と言うので、増田コーチがタクシーで自宅まで送っていくことにした。
 
本人は
「タクシー代もったいないです」
と言っていたが、
「救急車にする?」
と言うとタクシーがいいということになった。
 
(神戸から姫路までのタクシー代は2万円以上掛かる)
 

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さて、双葉は団体戦の中堅である。
「試合どうします?」
「光ちゃんお願い」
「はい、やらせてください」
 
それで先生は運営に行き、島根が急病に付き補欠の最上が出ますという届けを出してきた。光は明日の個人戦に出るため道具の検査は既に済ませていたので、そのまますぐ出られる。それで13時から準々決勝に臨む。
 
準々決勝。先鋒の大、次鋒の香織、中堅の光の3人が勝ち、副将戦以降は無しで勝ち上がる。
 
午前中は男子の試合と女子の試合が交互に行われていたのだが、どうも男子の試合は実施しないようである。10分間の休憩をはさんで準決勝が行われる。これも最初の3人で勝った。10分間の休憩を置いて決勝戦、E高校との試合がある。これも最初の3人で決着した!結局この日は千里も清香も出番無しである。
 
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なお、E高校とW学院の準決勝では副将戦までで決着が付いてしまったので、W学院の1年生大将・花本涼世まで回らないうちにE高校の決勝進出が決まってしまったらしい。どっちみちインターハイの団体戦は本戦に行けるのは1校のみである。
 

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女子の決勝戦のあと運営から発表がある。
 
「本日会場の食堂で食事をした複数の選手が腹痛を訴えました。集団食中毒の疑いがあり、現在調査中です。男子は上位校の複数のチームから離脱者が出たので、準々決勝以降を来週に延期します。女子は上位で離脱者の出た唯一のチームであるH大姫路が優勝したので、これをそのまま認めます。また男女の個人戦も来週に延期します」
 
ということだった。
 
「双葉もこれか」
「清香ちゃんは大丈夫?」
「何ともないですよ」
「別のものを食べたの?」
「いや。2人とも冷麺を食べた」
「いかにも危なそうなメニューだ」
「でも私は平気なのに」
「島根さんとは胃袋の出来が違うからなあ」
と公世が言っている。
「一週間経ったサンドイッチ食べても平気だった人だから」
「すごいね」
「多分胃袋が4つくらいある」
「牛並みだな」
 
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その後の調査でやはり冷麺が原因と特定されたようである。男子にやられた人が多かったのは多分女子は持参のお弁当だけで満腹した人が多かったせいだろう。また男子にはそもそもお弁当を持ってきていなかった人も多かったと思われる。
 
しかしともかくも女子団体のH大姫路の優勝だけを有効とし、他は来週に延期されたのである。
 

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千里はきーちゃんを連れて和歌山市にあるプリンスの本社に挨拶に行った。千里はサンローランのレディススーツを着た。こういう服を着ると年齢がよく分からない。多分20代にも見えるだろう。
 
社長の田上さんが会ってくれた。千里はきーちゃんを、うちの執事と紹介した。きーちゃんはハナエ・モリを著ている。
 
「なるほど、今度は古い金庫の中から出て来たんですか」
と向こうは呆れているようである。
 
「それで図らずも大株主になってしまいましたけど、私は配当だけ受け取れば充分ですから、経営は田上さんにお任せしますので」
「分かりました。ありがとうございます」
 
田上は何気なく尋ねた。
「あちこち会社を所有しておられるんですか」
 
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千里は答えた。
「小さな会社が多いんですよ。でも基本的に経営はそこの社長とかにお任せして私は配当だけ受け取っているんです」
 
ああ、お金持ちって細かいことにはこだわらないんだろうなと思う。
 
「魚の養殖会社をいくつか、海運業者をいくつか、製材所と製紙会社、後は姫路の小さなお菓子屋さんで桜製菓というところくらいですね」
「へー」
 
田上はぎょっとしたものの、顔に出すほど未熟ではない。
 

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しかし千里たちが帰ったあと、田上は思わず応接室のテーブルに載っていた金属の灰皿を床に投げ付けた。(ガラスの灰皿の方を投げないだけまだ冷静である)
 
「どうしたんです」
と常務が驚いて尋ねる。
 
「やられた」
「何です?」
「あの小娘、桜製菓のオーナーなんだよ」
「えっと」
「桜製菓というのはプリンセスの親会社だ」
「へー」
 
常務はまだ意味が分かってない。
 
「これでうちがプリンセスを支配下に収めることはできなくなった」
「なんでですか」
「もしあの娘が自分の持つプリンス株をプリンセス名義に書き換えた場合、プリンセスはうちの株を25%以上保有することになる」
「はい」
「相手の会社がこちらの25%以上の株を持っている場合、こちらは相手の株主総会での議決権を失うんだよ」
「そんなルールがあるんですか」
「下手すればこちらが向こうに飲み込まれかねない」
「すごいですね」
「あの娘、虫も殺せないような顔してて実はたぶん凄い遣り手だ。だいたい配当目的なら大企業の株を持てばいい。敢えて小さい会社の株を買うのは支配したいからだろう」
「なんか普通にその辺に居る女の子に見えましたけど」
「世の中、凄い人ほど大したことないように見えるもんなんだよ」
 
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6月23日、大阪・朝日放送が大阪市福島区の新社屋へ移転し、新社屋からの放送電波送信を開始した。これに伴って朝日放送の電波塔として使用していた『大阪タワー』が使用停止となった。
 
なお、大阪タワーは2009年に解体された(ダルマ落とし工法:下から解体する)。
 

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6月25日 - マルハニチロホールディングス子会社の神港魚類とウナギ販売会社の魚秀が中華人民共和国産のウナギを愛知県一色(後に西尾市に編入)産ウナギとして産地を偽装表示し、販売していたことが判明。これを受けて農林水産省と水産庁が日本農林規格法違反であるとして二社に対し、改善命令を発した。
 

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6月28-29日(土日)、兵庫県では剣道のインターハイ予選の続きがおこなわれた。最初に男子団体戦の準々決勝以降がおこなわれ、H大姫路が優勝して本戦出場権を手にした。今年のインターハイは埼玉県である。

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日曜日は男女の個人戦がおこなわれる。
 
前年度代表の千里・清香・公世・山崎一、また春の大会でBEST4だった人がシードされていていづれも準々決勝からであった。
 
千里・清香は準々決勝・準決勝と勝ち、またこの2人での決勝戦となる。運営も
「ああ、やはり」
という顔である。本割りでは1-1であったが、そのまま延長もせずに引き分けが宣言されて両方優勝ということになった。ただし抽選により清香が1位相当、千里が2位相当として本戦に行くことになった。
 
男子では、公世が優勝、準優勝は福田君だった。準決勝で山崎君に勝った。彼は高校最後の年にインターハイ個人戦の代表になることができた。しかしこれでH大姫路は2年連続のインターハイ代表独占である。
 
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(昨年は山崎君。なお2年前はE高校の川添慎(さくら)だった:彼は現在女性の警察官として要人警護の仕事をしているらしい。既に巡査部長に昇進している(*3) )
 
(*3) 警察官の階級は下から、巡査、巡査部長、警部補、警部、警視、警視正、警視長、警視監、警視総監。警視総監というのは東京の警視庁のトップの職名であると同時に警察の階級のトップの階級名である。ただし警察庁長官の下になる。道府県の警察本部長は一般に警視長(一部は警視監を当てるところもある)。
 
なお“巡査長”というのは巡査部長に昇進せず巡査を10年続けている人に与えられる職位であり、階級ではない。だから巡査が殉職した場合2階級特進すると警部補になる。
 
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ドラマなどで出てくる“部長刑事”とは巡査部長の階級にある刑事(私服警官)。わりと下っ端。これに対して刑事部長というのは刑事部を統括するとっても偉い人。
 
 

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7月1日 - 関東・沖縄地域においても、自動販売機でタバコを購入する際に顔写真入りICカードであるtaspoが必須となる。
 
 
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